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『道浦TIME』

新・読書日記 2018_072

『東京くねくね』(松尾貴史、東京新聞:2017、5、29)

松尾さんが東京新聞で連載していたコラムをまとめたもの。去年出て、すぐ買ったのに、なかなか読めなかった。東京23区を歩いているので「1日1区」読めば「23日」で読めるなと思っていたら、なかなか「1日1区」毎日読むのは苦行で...いや面白いんですけどね、通して読んだ方がいいのかなあ、やっぱり。単行本だし。最後まで読むと、何と「23区」以外にも番外編もあったりしてお得な一冊です。

タイトルは、関西の人なら「夜はくねくね」を思い出しますよね。こういう「ブラタモリ」的なB級感あふれるもの、好きですねえ。行ってみたくなりますね。カレーとそばを食べる率が異様に高い感じもしますが。

これはしかし「路上観察学会」なんですよね、赤瀬川原平さんたちの、原型は。あの「トマソン物件」などを発見した。あれ、楽しそうね。

65ページに1か所、誤植発見

×「返信が帰ってきた」→〇「返信が返ってきた」

ですねちょっと重複感じ。

「返信が来た」

で良かったかな。


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(2018、5、28読了)

2018年5月31日 12:21 | コメント (0)

新・読書日記 2018_071

『21世紀の楕円幻想論』(平川克美、ミシマ社:2018、2、3)

今の世の中は「新自由資本主義」。どうすれば、より儲かるか。貨幣経済。でもそうではない社会もある。そして「新自由資本主義」においては世の中は「中心が1つ」しかない「正円」だが、「中心が2つある楕円軌道」でもいいのではないか?という提案には「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思った。なんでも二者択一の問題にするのは子供っぽい、と。

負債、贈与、有縁・無縁。都会と田舎の問題など、いろいろ考える幅が広がる一冊。


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(2018、5、23読了)

2018年5月30日 22:20 | コメント (0)

新・読書日記 2018_070

『恩讐と迷走の日本政治~記者だけが知る永田町の肉声ドキュメント』(青山和弘、文藝春秋:2018、4、15)

「ミヤネ屋」にもご出演頂いている日本テレビ国会官邸キャップの青山さんの著書。

ここ1年ほどの安倍内閣を巡る政治の流れについてのインサイドレポート。

こう読むと、全部去年経験したばかりのことなのに、もう、

「そういえば、そんなことがあったなあ・・・」

とまるで安倍首相の思惑通りの、物忘れの早さ。まさに「恩讐のかなたに」というか「記憶のかなたに」ということで、思い出し出し読んだ。しかも詳細な安倍首相の答弁の言葉にふれて記憶がよみがえり、またもや「はらわたが煮えくり返る思い」だ。


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(2018、5、22読了)

2018年5月29日 16:20 | コメント (0)

新・読書日記 2018_069

『同時通訳者の頭の中』(関谷英里子、祥伝社黄金文庫:2016、3、20第1刷・2018、3、10第7刷)

英語もできないくせに、翻訳や通訳には興味がある。

「同時通訳」なんて、「英語」(などの外国語)で話を聞きながら、それを「同時に日本語にしてしゃべり」ながら、また英語を聞いて訳しているという、大変器用なことができるなんて「スゴイなっ!」と常日頃思っていたので、その人の「頭の中」を知ることができるなら読んでみたい!と思った。そういう思いの人は多いのだろう、この本、かなり売れているんです。2年間で「7刷」!ロングセラーです。

本の中身は、どちらかと言うと、「英語学習のハウツーもの」的な感じだが、それがすなわち「同時通訳者の頭の中」ということなんでしょうね。実際に同じことはしないけど、「なるほどねえ」と思って、ちょっと読み飛ばしながら、読みしました。


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(2018、5、26読了)

2018年5月29日 12:10 | コメント (0)

新・読書日記 2018_068

『極上の孤独』(下重暁子、幻冬舎新書:2018、3、30第1刷・2018、4、25第5刷)

元NHKアナウンサーで今は作家の下重さん。彼女の本は過去に何冊か読んだことはあるが、今回は、特に読むつもりはなかった。しかし「売れている」ということで 「何がそんなに話題なのか?」と思って購入、読むことに。発売1か月で「5刷」です。NHK時代のアナウンサーの1つ先輩に、この間亡くなった女優の野際陽子さんがいて、名古屋の寮では一緒だったそうだ。ということは下重さんも、もう80歳を超えているんですね。なんか、イメージが、曽野綾子さんとカブるんですけどね。塩野七生さんも、曽野綾子さんとイメージがカブるのだが「3姉妹」ではないか?違いますね、ハイ。

下重さんは「孤独」が好きだ。人と群れることは嫌い。そういう人なら、年を取って一人になっても「孤独」を感じないのかな。

亡くなった女優の大原麗子さんの衣裳部屋には「孤独な鳥の五つの条件」という、16世紀のスペインの詩人「サン・ファン・デ・ラ・クルス」の詩が貼ってあったそうだ(誰が見て、誰が伝えているんだろう?)。その「五つの条件」というのは、

一、孤独な鳥は、高く飛ぶ

二、孤独な鳥は、仲間を求めない、同類でさえ求めない

三、孤独な鳥は、嘴(くちばし)を天空に向ける

四、孤独な鳥は、決まった色を持たない

五、孤独な鳥はしずかに歌う

「鳥」というのがカザルスのようでスペインらしい・・・というか「カタロニア」らしい感じ。「サン・ファン・デ・ラ・クルス」は「カタロニア」出身なのかな?調べたら、どうやら「サラマンカ」で学問を収めたようですね。詩のスペイン語の原文が出てきました。

「LAS CONDICIONES DEL PAJARO SOLITARIO Son cinco」

La primera, que se va lo mas alto;

la segunda, que no sufre compania, aunque sea de su naturaleza;

la tercera, que pone el pico al aire;

la cuarta, que no tiene determinado color;

la quinta, que canta suavemente.

このうち下重さんは「五」に惹かれるそうで、

「孤独を知る者のみが、自分の人生を知り、しずかに自分の歌を歌うことができるのだ」

と記している。このあたりが高齢者に人気の秘密かな?きっと買っているのは高齢例の方ですよね。


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(2018、5、24読了)

2018年5月28日 21:07 | コメント (0)

新・読書日記 2018_067

『続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』(池田理代子・平田オリザ・彬子女王・大隅良典・永田和宏、文春新書:2018、2、20)

「2017読書日記024」で書いた(読んだ)『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』(文春新書:2017、2、20)の続編。京都産業大学の講演会の記録だが、

「誰を呼んで、どんな話をしてもらうか」

が興味の対象。最初の本では、山中伸弥(ノーベル賞受賞者)・羽生善治(将棋棋士・永世七冠)・是枝裕和(映画監督)・山際壽一(ゴリラ学者・京都大学総長)という4人の方を呼んで話を聞いていたが、これが大変良かったので、この続編も期待を持って購入し、読んだ。

この中では、特に期待もせずに読んで「へえー、そうなのか!」と目からウロコが落ちたのは「彬子女王」だ。あの「ヒゲの殿下」三笠宮さまの娘さん。現在、京都産業大学で講座を持って教えていると。そして京都にお住まいであると。知らなかった!その彬子女王が書かれた『赤と青のガウン』は、買ったけど、まだ読んでない。読まなきゃ!と思わせられた。


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(2018、4、23読了)

2018年5月28日 18:06 | コメント (0)

新・読書日記 2018_066

『広辞苑を3倍楽しむ』(岩波書店編集部編、岩波書店:2014、4、24第1刷・2014、7、4第2刷)

『広辞苑を3倍楽しむ・2』を読んだら面白かったので、「1」を取り寄せて読んだ。

これ(「1」。番号は書かれていないが)は、雑誌『科学』に掲載された同名のリレーエッセイを再構成したものだと知った。どおりで、エッセイの視点が何となく科学的というか「百科事典的」だなあと思った。

連載は『広辞苑・6版』の10年ぶりの改訂版の刊行をきっかけにスタートしたそうだ。

ということは、「3」が出るのは、次の『広辞苑・第8版』刊行のときということになるのかなあ。

(☆4つ)


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(2018、5、17読了)

2018年5月26日 13:33 | コメント (0)

新・読書日記 2018_065

『広辞苑を3倍楽しむその2』(岩波書店編集部編、岩波書店:2018、2、22)

ことし1月に10年ぶりに出た『広辞苑・第七版』に、新たに載った50項目について、50人の専門家が書いたエッセイ。カラー写真もきれいで、なかなか面白い企画だと思った。

でも「あいうえお順」で載っている「見出し」に当たる「言葉」が、「小さい」のと、必ずしも見開きの「右側のトップ」に載っていないので、わかりにくい。これは直してほしいと思った。

しかし内容的には、それぞれの言葉にゆかりの専門家が書いたその言葉にまつわるエッセイは、コンパクトで面白かった。

しかもこれ「2」ということなので、「1」も読みたいなと思って、本屋さんに注文して取り寄せてもらいました。


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(2018、5、2読了)

2018年5月25日 13:32 | コメント (0)

新・ことば事情

6804「七冠の読み方3」

2017年12月5日に通算7期目の「竜王」を獲得し、初の「永世七冠」を獲得した将棋の羽生善治さんと、ことし10月に初めて2度の七冠を達成した、囲碁の井山裕太さんに、政府は「国民栄誉賞」を授与する方針を固めたと12月13日に報じられました。素晴らしいことですね。まあちょっと安倍政権への批判の矛先をかわすような感じがしないではないですが、なしとげたこと自体は素晴らしいので、その点に文句のある人はいないでしょう。

で、

「七冠」

であります。その読み方は、もう100%皆さん

「ななかん」

と読んでいる。私も「ななかん」なのですが、これで思い出したのが、ことし亡くなった翻訳家で作家の「柳瀬尚紀」さんです。

20年前、羽生さんが初めて「七冠」を達成した際に、

「シチカン」

であると強く主張されました。この辺の事情に関しては、過去にも「七冠」について2回、書いていました。

平成ことば事情5000「七冠の読み方」

平成ことば事情6208「七冠の読み方2」

もお読みください。

そして、きょう(2018年5月23日)、囲碁の、

「井山七冠」

に関するニュースが出てきて萩原アナウンサーに、

「ナンカン?シチカン?どっち?」

と質問されました。

「『七段』を『シチダン』と読むのだから『シチカン』が良いのかもしれないが、『段位』と『冠』は違う。『冠』は増えたり減ったりする可能性もあり、『段位』ほど固定的ではないという意味で、伝統も浅い。わかりやすさなら『ナナカン』。伝統的な感じを出すなら『シチカン』。どちらでもよいのでは?」

と答えました。

報道のデスクが過去の原稿をチェックしたところ、日本テレビの原稿に、

「ナナカン」

とあったので、今回はそれに従うことになりました。

なお5月23日のNHK大阪のニュースでも「ナナカン」と読んでいました。

話はそれますが、羽生さんの奥さんは元タレントの、

「畠田理恵」

さん。今は結婚したから、

「羽生理恵」

さんか。もし「そむ」さんと結婚していたら、

「ソムリエ」

だったんだなあ。誰や、「そむ」さんって。「ノム」さんなら知ってるけど。

(2018、5、23)

2018年5月24日 18:30 | コメント (0)

新・ことば事情

6803「トランプ大統領の別荘」

安倍首相が日米首脳会談のために訪れた、アメリカ・フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘の名前の表記が揺れています。

私が調べた範囲では、以下のような感じです。ネット検索では、「・」が入った、

(1)「マー・ア・ラゴ」=テレ朝「ワイド!スクランブル」、日刊ゲンダイ

(2)「マール・ア・ラーゴ」=ANNニュース(テレビ朝日)、読売新聞

(3)「マル・ア・ラーゴ」=日本テレビ

と、「・」が入っていない、

(4)「マーアラゴ」=共同通信・ロイター・産経新聞・ニューズウィークジャパン

(5)「マールアラーゴ」=日経新聞・ブルーミングバーグ

の合計「5種類」の表記がありました。

どれが一番「妥当」なんでしょうかねえ???

(2018、4、19)

2018年5月23日 17:28 | コメント (0)

新・ことば事情

6802「アメフトか?アメフットか?」

「平成ことば事情2068アメフト・アメフット」で「2005年2月」に書きましたが、今回の日大アメフト部の選手による関学アメフトQB(クオーターバック)選手への悪質なタックルで、いい意味ではなく「アメリカンフットボール」が光を浴びることになりました。その「競技名の略称」ですが、

「アメフト」「アメフット」

の2種類があります。私なんかは「アメフト」としか言わないんですが、「2005年2月」に書いたときは「朝日新聞と産経新聞」が、

「アメフット」

としていると書いてありました。今回調べてみたら、

*「アメフト」=読売新聞、朝日新聞、日経新聞、スポーツ報知、日刊スポーツ、日本テレビ、NHK、フジテレビ、テレビ朝日、TBS

*「アメフット」=毎日新聞、産経新聞、サンケイスポーツ、デイリースポーツ、共同通信、時事通信

という具合でした。「両方ある」という状況ですが、「テレビ」は全局「アメフト」ですね。でも新聞社は、

「できるだけ文字数を減らしたい」

と常日頃言っているのに、なんで一文字多い「アメフット」を使うんでしょうね?

それと13年前には「アメフット」だった「朝日新聞」が、現在は「アメフト」となっていたのは、発見でした。

(2018、5、23)

2018年5月23日 16:26 | コメント (0)

新・ことば事情

6801「売買春か?買売春か?」

4月18日、新潟県の米山隆一知事が「週刊誌報道」がきっかけで辞任を表明しました。

「援助交際(援交)」

をしていたという記事です。

ひところ流行ったこの「援助交際(援交)」という言葉ですが、これはちょっと、ええかっこした言葉で、要は、

「売春」「買春」

ですね。どちらも本来は、

「ばいしゅん」

と読んでいましたが、20年ぐらい前から(たしか東京都の条例がその「はしり」)

「買春」に関しては、

「かいしゅん」

と読むようになりました。「春」を「買う者」がいるから「売る者」が出て来ると。

「ニワトリが先か、卵が先か」

みたいな感じもしますが・・・

それはさておき、その両方をひっくるめた、

「バイバイシュン」

を漢字で書くと、

「売買春」

なのでしょうか?それとも、

「買売春」

なのでしょうか?

一般的には「売り買い」は「売買」なので、それに従えば、

「売買春」

ですが、何となく「買う」方が先に来そうな感じ。それだと、

「買売春」

になります。結局、4月19日の「ミヤネ屋」では、「内閣府」のホームページの表記に従って、

「売買春」

ということになりました。

(2018、4、19)

2018年5月23日 13:11 | コメント (0)

新・読書日記 2018_064

『院長選挙』(久坂部羊、幻冬舎:2017、8、25第1刷・2017、9、5第2刷)

久坂部羊さんの本は、以前一冊読んで面白かったので期待して読んだ。

筒井康隆を髣髴(ほうふつ)させるような、奇人変人の医者たちのハチャメチャ。その中にチクリと現代社会の医学界にも批判を盛り込む。

院長が死去したことで「院長の座」を選挙で選ぶことに。その候補者の4人の「副院長」がどいつもこいつも一癖も二癖もある変人で、まさに「白い巨塔」ならぬ「面白い巨塔」でした。これは、「第7章」=「最終章」のタイトルだけどね。あの、北海道の有名なおみやげ「白い恋人」を真似た大阪みやげの「面白い恋人」みたいですね。

おもしろかった。


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(2018、5、21読了)

2018年5月24日 12:09 | コメント (0)

新・読書日記 2018_063

『宇宙兄弟33』(小山宙也、講談社:2018、4、23)

また5か月経ったのか、前巻が出てから。本当に規則的に発行されます。マンガです。

今回は、月面での活動も終盤を迎えたムッタたちメンバー。しかし、そこで起きた予期せぬベティのけが・緊急手術で、チーム6人のうち4人「帰国」というか「帰地球」(「帰球」?)、残されたムッタら2人の使命。渡されたバトン。最後の月面活動を終えた先輩宇宙飛行士のつぶやきが、胸を打つ。

「終わりじゃない。後から来る者へつなげていく。それが 俺たちの仕事なんだ。」

いい本じゃないか!


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(2018、5、6読了)

2018年5月23日 21:07 | コメント (0)

新・読書日記 2018_062

『こんなこと書いたら日本中を敵に回す本~禁断のアホワールドへ』(辛坊治郎、光文社:2018、3、10)

先輩・辛坊治郎さんが週刊誌「FLASH」で連載しているコラムをまとめたもの。大体毎週欠かさず読んでいる(会社のをコピーして)ので、読んだものばかりかと思ったら、意外と「初見」のものも、ある気がする。飛ばしてしまったり、していたんですね。

本のタイトルが、最近どんどん過激になって来て、こうしないないと買ってもらえないんでしょうね。変数者が付けるのかな?もう20冊目ぐらいになるんじゃないですか?著者は。すごいですね。最初に辛坊さんの本が集英社新書から出たのが、たしか2001年だから、もう17年も経つんですねえ。すごいバイタリティーです、「還暦」越えたというのに。

「禁断のアホワールド」、「政治」に関するところは意見があまり合わないので、読んでいて面白くないところもあるのですが、「科学関係」とか「最新医療」などは「へえー、そうだったのか」と思う新しい知見も多い。「自動運転車」関係の知識は、私はこの連載で得ましたからね。そんな車には乗っていないんだけど、次にもし買い換えるなら、検討しようかな、と。そして、辛坊さんお得意の「年金関係」など経済問題。これもなかなか説得力があるんだけど、これまでは、

「年金受給権は財産権」

という考え方だったものを、

「公的年金は福祉」

へと考え方を変えることを提案されていますが、そうすると、

「掛け金=税金」

になってしまうのではないでしょうか?年金世代にとって結局「団塊の世代」のマンパワーが凄いので、この部分への配分が厚すぎる、それをはぎ取って若者へ分配せよ、というような感じです。フランスの子育て優遇は良い案だと思います。あと「規制緩和」を、もっと進めろと。そうなんですけどね。そして「原発反対」。これは冷静に判断されています。

北朝鮮のミサイル発射時刻が205ページでは、

「午前5時58分」

と書いてあるのに、209~210ページでは、

「午前5時28分」

となっていて、

「え?誤植?」

かと思いましたが、これは、

「北朝鮮と日本の間には30分の時差があるから」

なんですね。これは「日本時間」「北朝鮮時間」と書いておくか「時差」に触れてほしかったな。戸惑いました。しかし今後は、4月27日の南北首脳会談を経て「時差をなくす」ということですね。それは、本が出た後の出来事ですが。

あと、気付いたのは「229ページの後ろから2行目」の「鄧小平」のルビが、

「としょうへい」

になっているのは、正しくは、

「とうしょうへい」

なのではないでしょうか?

それから「244ページの6行目」、米・大統領選挙でトランプ陣営の選挙対策本部長を務めたマナフォート氏が選挙に関わったのは、

「2017年の3月から8月まで」

と書かれていますが、これは、

「2016年の3月から8月まで」

ですよね?重版がかかってもう「3刷」らしいので、もう直っているかな?

いや、勉強になりました!ほんまに。


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(2018、4、16読了)

2018年5月23日 18:05 | コメント (0)

新・読書日記 2018_061

『宰相A』(田中慎弥、新潮社:2015、2、25)

最初・・・あ「宰相」の駄洒落じゃないですよ、最初、この「宰相A」の「A」というのは、「少年A」のように「匿名化」するための「A」だと思ってたんですね。あの芥川賞作家の田中さんの作品ということで購入したものの、やはり純文学はとっつきにくいと思って(感じて)、買ってから3年間もほたらかしでしたでした。しかし、つい先日、

「あれ?もしかしてこの『A』というのは『安倍のA』ではないか?」

と思って、読み出すと「どうやら、そのようである」と思えたので、読み出しました。

つまりこの小説は、小説の形を借りて「2015年時点」(=小説発表の「2014年10月時点」)での「宰相・安倍」の描く日本社会の未来の不安を描いたものではないか?と思って読むと、そのように読めてしまうのです。まるでパラレル世界のような「日本」が未来に待っていると。それは私たち「日本人」(小説内では「旧日本人」と呼ばれる「原住民」)が思い描いてきたものではなく、ユートピアと反対の「ディストピア」で、「アメリカの属国」どころか、アメリカに乗っ取られた日本。なんせ「旧アメリカ人」たちが「真の日本人」を名乗っているのだから・・・。頭が狂いそうな未来こそ、今実現しつつある現実の世界のなのではないか?と著者が問いかけている気がしました。

記憶に残った表現をいくつかピックアップ。

・「我が国とアメリカによる戦争は世界各地で順調に展開されています。いつも申し上げる通り、戦争こそ平和の何よりの基盤であります。戦争という口から平和という歌が流れるのです。戦争の器でこそ平和が映えるのです。戦争は平和の偉大なる母であります。両者は切っても切れない血のつながりで結ばれています。健全な国家には健全な戦争が要であり、戦争が健全に行われてこそ平和も健全に保たれるのです・・・」(91ページ)

これは宰相Aのスピーチ。詭弁。言葉の羅列で、筋が通っているようで、実は全然、通っていないがそれらしく聞こえる。まさにどこかの国の首相ではないか。

・「(前略)信用できないかもしれない女の口から出たのであれ一応は意味の通る言葉を、理解してみようということだ。」母さん、これでいいよね?なんてったって言葉より大事なものなんか、言葉を並べ替えてできる面白いものより大事なものなんか、あるわけないよね?(125ページ)

・「この日本では、」と女は明らかな早口で、焦っている。「海外で戦争主義的世界平和主義のもとに戦い、国内で旧日本人を弾圧することで維持されてきました。我が国の存在の基盤なのですからこれまで滅ぼしはしませんでした。しかしわざわざ居住区を設けて旧日本人を甘やかすのは、もう終りです。」(166ページ)

・「それこそが、我が国の目差すべき、戦争主義的世界平和主義に基づく平和的民主主義的戦争の帰結たる、戦争および民主主義が支配する完全なる国家主義的国家たる我が国によってもたらされるところの、地球的平和を国家的平和として確立する人類史上初の試みであるところの、完全平和国家樹立へ向けての宇宙的第一歩なのであります・・・」

(191~192ページ)

これななんか、まるで安倍首相の演説的なわかりにくさと、リンカーンの「人民の人民による・・」演説のパロディーでもあり、学者や政治家を完全になめていて、「M1」とかで出てきそうなギャグになっていますね。

・「国は民主主義の否定であるところこの暴挙を鎮圧するため、民主的発動において軍を出動させて、国家転覆を狙う無法者たちを平定し」(198ページ)

ま、これは「シビリアン・コントロール」か?見せかけの。

また、

「万歩譲って」「億歩譲って」

という表現は、新しかった。普通は「百歩譲って」だもんね。現実世界では、北朝鮮が安倍首相に投げかけた、

「1億年、早い」

も、外交の世界の言葉としては新しかったが。「トミーズ」のギャグじゃないんだから。


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(2018、4、24読了)

2018年5月23日 15:03 | コメント (0)

新・読書日記 2018_060

『知的ヒントの見つけ方』(立花隆、文春新書:2018、2、20)

月刊誌『文藝春秋』の巻頭コラムを集めたもの。以前(2014年10月)に出た『四次元時計は狂わない』(文春新書)が、著者71歳から74歳のときに書いたもので、その後3年かけた書いたものを集めたのが本書。立花隆は一貫して「知的ヒント」を見つけては、調べて書いて来た。『僕はこんな本を読んで来た』とか、この『知的ヒントの見つけ方』でも「私はこう生きて来た」という「人生の軌跡」を綴った物ですねえ。そういう意味では「生きながらにして、常に遺書を書いているような感じ」

だなあ。月刊誌で毎月読むのはなんか面倒なのだけど、こうやってまとめて読んだ方が、ありがたみがあるというか、頭に入ってくる感じがしますね。300ページの内の最後の50ページほどは『文藝春秋special2015年冬号』に載せた講演録で「特別講義」になっています。ちょっと文体が違います。

また「はじめに」は、今年に1月の『広辞苑・第7版』の発売のことが書かれているので、一番新しく書いた物でしょうね。そこで、『広辞苑』の記述で「間違い」を指摘された「LGBT」問題について触れています。それによると、ルーブル美術館のミロのヴィーナスなどのギリシャ時代古典期の傑作彫刻が並ぶ部屋のはしっこに、

「ヘルマフロディア」

と題された少年像があり(見たことあるかもしれないが、覚えていない)この像は、

「両性具有の像」

なのだそうです「ヘルマフロディア」というのは、

「ヘルメス神(男神)とアフロディテ神(美の女神のヴィーナス)」

が合わさった神様なのだそうです。

また、哲学者のデカルトが最晩年に、スウェーデンのクリスティーナ女王に招かれて女王の哲学教師になったが、このクリスティーナ女王が両性具有者だったことが、のちに明らかとなったそうだ。ローマ法王庁に残っているそのことを書いた書類には、

「ヘルマフロディテであったクリスティーナな女王に関する書類」

と記されているそうな。つまり、その時代から「LGBT」というものはあったのだなあという話。『広辞苑』には、こんなに詳しくは載せられないだろうけれど。

千葉県野田市にある「鈴木貫太郎記念館」にある「最後の御前会議」(白川一郎画伯・画)を一度見て見たいと思った。

また、先日、映画『ウィンストン・チャーチル』を見たのだが、その中で出て来た「ダウニング街10番地」(首相官邸)の地下にある「マップルーム」(参謀本部と直結した通信連絡本部)、キャビネット・ウォー・ルーム(戦時閣僚会議室)について立花隆は書いていて「あれのことか!」と、すぐに思い当った。これも実物を一度、見に行っててみたいと思った。見学できるそうだ。ロンドンまで行かないと駄目だが。

2016年1月号からは、

「最近政府高官の口から、アベノミスクの新・三本の矢だの、一億総活躍社会だの、GDP六百兆円だのといったあてにならない数字の羅列を聞かされる。日本はあの決戦算術の時代に戻りつつあるのではないかと心配だ。」(167ページ)

その心配は当たってしまっている・・・。

こんなに勉強になる一冊だが、例によって誤植も見つけてしまった。

・「これとズバりリンクしている」(6ページ9行目)

×「り」→○「リ」

・「次々に明きらかにされきた」(228ページ10行目)~「き」は現代の送り仮名では不要だが、昔は「き」が入ったので、ちょっと古い書き方。


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(2018、4、12読了)

2018年5月23日 12:01 | コメント (0)

新・読書日記 2018_059

『2018高校サッカー年鑑』(全国高等学校体育連盟サッカー専門部編、講談社:2018、2、9)

サッカー関係の雑誌で、毎年この「高校サッカー年鑑」だけは必ず買うようにしています。そして、母校のサッカー部の過去1年の活躍を、小さな文字のトーナメント表を見て確認しています...それだけでなく全体的に眺めて過去1年の高校サッカーの動きを確認しています。そしてまた本棚にズラッと並べるのでした。

講談社はほんとに毎年この年鑑を出してくれて、えらいと思います。ありがとう!


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(2018、4、25読了)

2018年5月 5日 20:44 | コメント (0)

新・読書日記 2018_058

『標準語史と方言』(真田信治、ひつじ書房:2018、3、9)

2018読書日記057『関西弁事典』(真田信治監修、ひつじ書房)にも書きましたが、この本の著者・真田信治先生は、20年ほど前に、大阪大学の大学院で半年間、受託研究員として学ばせていただいた恩師であります。その先生の本を贈呈して頂きました。感想文を書くのが遅くなりすみません。

この本の後半には、2003年に出た私の初めての著書『「ことば葉の雑学」放送局』(PHP文庫)に「解説」として真田先生に書いていただいた文章も収録されているのです!それで贈ってくださったのですね。

先生の「標準語と方言」について書かれた論文や掌編など、こんな言い方は妥当かどうかわかりませんが、

「高級な反物の端切れを集めた珠玉の小品集」

のような感じ。それぞれの文章は短いので、読みやすい。真田先生の世界への「入門編」的に読むのも良いかもしれません。


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(2018、4、23読了)

2018年5月 6日 13:26 | コメント (0)

新・読書日記 2018_057

『関西弁事典』(真田信治監修、ひつじ書房:2018、3、28)

実は私もこの事典、全500ページほどの中に「放送における関西弁」というタイトルで2ページほど書いています。60人ほどいる著者の中の一人です。監修の真田信治先生に頼まれて2年ぐらい前に書きました。3年前かな。真田先生は20年ほど前に、大阪大学の大学院で半年間、受託研究員として学ばせていただいたときの恩師であります。本はいつ出るのかな、いつ出るのかなとずーっと思っていて、ようやく出ました。パチパチパチ!辞典ですから高いです。6200円!そんなに部数も出ていないでしょう。1冊頂きました。じっくり読んでみたいと思います。皆さんもぜひ図書館などで読んでください。

辞書、事典と言っても「読む事典」です。巻末に過去の偉大な研究者の紹介や、アクセントや用語解説なども、ある大変親切で、なおかつ興味深い事典なのであります!


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(2018、4、19読了)

2018年5月 5日 13:23 | コメント (0)

新・読書日記 2018_056

『焔』(星野智幸、新潮社:2018,1、30)

このところ何冊か読んだ星野さんに作品。短編集。特にこの前読んだ「相撲」に関する本

『のこった~もう、相撲ファンを引退しない』(ころから)=「2018読書日記010」が良かったので、この本も購入。なかなか表紙のデザインもいいんです。きらきらと燃えているような色紙ような色で、燃え上がる「焔」という文字が記されている。

掲載された9つの短編小説は「連作」はなく、別々の雑誌に掲載されたものなのだが、それぞれの短編の間に単行本で新たに「つなぎ」になる文章を見開き2ページほどで挟み込み、それがまた一つの話になっている。キャンプファイアーのように「焔」を囲んで、「語り部」のように「お話」をする。「お話」が終わった人は消えていき、最後に一人残る。という形。

わたしは最後の「世界大角力共和国杯」という相撲関連のお話から読みました。力士出身者が「おかみさん」になるとか、「世界中」からいろんな国の力士が誕生しているなどの未来(?)の話。それを読んだときは気付かなかったんだけど、最初から読みだしたら、

「あれ?これは現在の日本・世界の延長線上にある仮想未来で、しかも大変望ましくない方向=滅亡への方向に進んでしまっている未来のシミュレーション小説なのではないか?」

と感じました。恐ろしい小説群です。「相撲」のことも含めて。


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(2018、4、21読了)

2018年5月 4日 20:19 | コメント (0)

新・ことば事情

6800「ごカンパ」

ツイッターを見ていたら、「IWJ」というジャーナリストのグループの画面で、主宰の岩上安身さんが書かれたこんな一文を見つけました。

「会員登録とごカンパをお願いいたします。」

この中の、

「ごカンパ」

に目が留まりました。外来語である「カンパ」に「ご」が付いています。「お」ではなく「ご」ということは、

「漢語扱い」

に近い感じですかね?

「カンパ」という寄付を「お願い」する立場なので、丁寧に言っているのでしょう。

あ、そうか「寄付」ですから、

「『ご寄付』という言葉の『寄付』の代わりに『カンパ』を差し込んだ」

のか!そう考えると納得ですが、見慣れない形であることに変わりはありませんね。

結構、珍しい使用例ではないでしょうか?

グーグル検索では(5月4日)、

「ごカンパ」=180件

でした。

(2018、5、4)

2018年5月 4日 17:54 | コメント (0)