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『道浦TIME』

新・ことば事情

6599「敗られた相手」

ツイッターで見ていた「ハフポスト日本版」のサッカーの「クラブワールドカップ」の記事。見出しを読んで「おやっ?」と思いました。そこにはこう書かれていたのです。

「浦和レッズ、2度目の4強 叶わず 敗られた相手は?」

というもの。この中の、

「敗られた相手」

に引っかかりました。これは正しくは、

「敗れた相手」

ですよね。ご存じのように「やぶる」という言葉を記す漢字には2種類あります。

「破」「敗」

ですね。「勝った時」には、

「破った」

ですし、「負けた時」は、

「敗れた」

です。この漢字を「逆の場合に使う」のは間違いです。つまり、「勝った」ことを、

「敗(やぶ)った」

「負けた」ことを

「破れた」

とするのは「間違い」なんですね。

今回、何がおかしいのか?すんなり、浦和レッズが、

「敗れた相手」

にすれば良いところを、

「敗られた相手」

「ら」を入れて「受け身形」にしている。主語は「浦和レッズ」です。それならば、

「破られた相手」

とすべきです。しかし、それは日本語としてなじまないですね。

「破った」と「敗れた」が混同してしまったことが間違いの原因だと思われます。

それと「受け身形」に慣れてないのかなあという気もしました。

「主語がどちらか」は、キッチリと考えなくてはなりませんが、最近特に、

「受け身形の場合の助詞の使い方」

が、全然できていません。そういうところから、こんな表現が出て来たのではないかなと思われます。言葉を仕事にしている現場でも、こんな状況です・・・。

「他山の石」として研鑽に励みます!

(2017、12、12)

2017年12月13日 19:23 | コメント (0)