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『道浦TIME』

新・ことば事情

6572「『再現』のアクセント」

今から13年前の「2004年」に書いた、

「平成ことば事情1561『全員』のアクセント」

「平成ことば事情1890『残忍』アクセント」

の中にも記した、

「再現」

のアクセントに関しての話です。

当時『NHK日本語発音アクセント辞典』(1998年改訂)には、「再現」のアクセントは、

「サ/イゲン」

という「平板アクセント」しか載せていませんでした。

「今もそうかな?」と思って、きょう確認のため、「2016年5月」に出た『日本語発音アクセント新辞典』で「再現」を引いてみたところ、なんと!

「サ/イゲン」という「平板アクセント」の後に、

「サ/イゲ\ン」

という「中高アクセント」が載っているではありませんか!知らんかった!

ちょっと、「残念(ザ/ンネ\ン)」です・・・。

(2017、11、23)

2017年11月24日 20:49 | コメント (0)

新・ことば事情

6571「『3・2・1』と『アン・ドゥ・トロワ』」

11月23日の日本テレビ「ストレイトニュース」を見ていたら、クリスマスシーズンに向けてフランス・パリのシャンゼリゼ通りがライトアップされたというニュースが流れていました。

その際に、ジョニー・デップの娘という若い女性が「点灯式」にゲストとして招かれて、イルミネーション点灯のスイッチを押す役を務めていました。

その「スイッチオン」のタイミングを告げる司会の人は、もちろんフランス語で、

「アン・ドゥ・トロワ」

と言っていたのですが、字幕スーパーは、

「3・2・1」

になっていたので、違和感がありました。

フランス語の「アン・ドゥ・トロワ」はもちろん、

「1・2・3」

ですよね。でも日本語ではこういう場合は、

「カウントダウン」

でセレモニーを行うので、「日本語に翻訳した」ということなのでしょうが、

「1・2・3!」

あるいは、

「1、2の3!」

で良かったんじゃないかなと思いました。まあ、どちらにしても、

「『2』の順番は変わらない」

のですけどね。

(2017、11、23)

2017年11月24日 17:47 | コメント (0)

新・ことば事情

6570「中ジョッキは何mlか?」

最近、お店で飲む「中ジョッキ」が、小さくなったように感じませんか?

え?あんたが大きくなったんだろうって?横に。そりゃあ、昔よりは大きくなりましたが、ここ10年以上、あんまり変わっていません。どちらかというと、縮んだぐらいです、いや、本当に。

きょう、「ミヤネ屋」で、「ロカボ」という「低糖質食事」のパネルをチェックしていたら、

「生ビール 中ジョッキ 500ml」

という文字が出て来ました。そうですよね、

「中ジョッキは500ml」

だと思いますよね。「500ml」と言えば、

「缶ビールのロング缶」

ですよね。「普通の缶」は、

「350ml」

です。「びんビール」だと、

「大びん 633ml」「中びん 500ml」「小びん 334ml」

ですね。つまり、

「ロング缶=中びん=中ジョッキ」

だと思っていました。ところが!先日、行きつけのホールセールの酒屋さんが移転するということで「売り尽くしセール」をやっていて、その際に、

「ご自由にお持ち帰りください」

と、「ビールジョッキ(=中ジョッキ)」が置かれていたので、1つもらって帰りました。家でその「中ジョッキ」に、

「普通サイズの缶ビール=350ml」

を注いでみると、なんと!ピッタリ入ったではありませんか!!

ということは、

「最近の『中ジョッキ』は350mlではないか?」

という疑問が。何となく「昔の中ジョッキ」は、もっと大きかった気がするんですよね。「500」が「350」だと、

「30%減」

になっていることになりますが、どうなんでしょうか???

サラリーマンのお父さんにとっては大問題ですよね、これ。

「勤労感謝の日」に、働きながら考えました!

(2017、11、23)

2017年11月24日 15:46 | コメント (0)

新・読書日記 2017_135

『学生を戦地へ送るには~田辺元「悪魔の京大講義」を読む』(佐藤優、新潮社:2017、7、30)

戦前、「田辺元(たなべ・はじめ)」(1885―1962)という京都大学の教授がいた。

京大の西田幾多郎が、東北大学に務めていた田辺を呼び寄せた。その田辺が行った講義の記録がある。それを、佐藤優が「チューター」(指導者・先生)になって、2015年6月12日の夜から14日昼にかけて箱根・千石原で行った「講座合宿」で読んでいった様子を記録した一冊。つまりその「講座合宿」に行かなくても、これを読むことで佐藤優の講義を「追体験」できるのですね。「講座合宿」にわざわざ出席された(もちろん有料でしょう、結構な額の)方々も、大変、意欲と知識・教養のある方ばかりだと思いますが、勉強になる一冊ですね。講義録だから「話し言葉」でわかりやすいし。「佐藤優」と「田辺元」を一冊で味わえる、1粒で2度おいしい。いや、1冊で2度おいしい。

この田辺元の講義は、京大生たちを戦地へ送り込んだと言われていることから「悪魔の講義」とも呼ばれるそうだ。知識のある京都帝大の学生たちが、"自ら進んで"戦地へ行きその若き命を散らした。どうしたら、そんなことになってしまうのか?それを学ぶことで、もし同じようなこと起きた時に、つまり「第二の田辺元」が現代に出現した時に、騙されないようにしないといけない。それが本講義&本書の目的ですね。

この本の「まえがき」がコワイ。少し長いが、引用する。

「時代が嫌な方向に動いている。特にドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任したことによって、この傾向が加速している。トランプ大統領がハンドリングを誤れば(誤るというよりも、米国の国益にとって必要と考え乱暴な選択をすると表現した方が正しいのかもしれない)、中東や朝鮮半島で戦争が勃発しかねない。米国と北朝鮮の間で武力紛争が起きれば、日本もそれに巻き込まれる。さらにシリアとイラクにおいて、イラン、ロシア、米国などの軍事介入によってイスラム教スンナ派過激派『イスラム国』(IS)が近未来に解体されることになる。その結果、シリアとイラクの一部領域を実効支配していたISという事実上の国家はなくなる。それと同時に、ISの戦闘員が世界規模で拡散し、『第2イスラム国』を建設する策動を強めるであろう」(下線は道浦)

これを読み終わって数日後に、なんとこんなニュースが流れた。

「イラクのアバディ首相は(11月)17日、過激派組織『イスラム国』が支配していたイラク最後の町を奪還したと発表した。これにより、『イスラム国』はイラク国内から、ほぼ一掃されたことになる。」

佐藤さん、この本は「予言」の書?7月に出ているのに4か月後を予言?これから世界中に「ISの戦闘員」が、まるでウイルスのように撒かれるというのか・・・。1か所にまとまっていてくれた方が、まだマシだったのか・・・・?


star4

(2017、11、7読了)

2017年11月23日 20:58 | コメント (0)

新・ことば事情

6569「和グラノーラ」

「平成ことば事情6557和ジェラート」では、

「『和ジェラート』という表現は、おかしい」

というようなことを書いたのですが、この、

「和○○○」

という表現は、かなり広がっているようです。今回見つけたのは、

「和グラノーラ」

です。ネットで見つけました。そもそも「グラノーラ」が何なのか、よく分かっていませんが「食べ物」ですよね。今回は、

「京都産あられと宇治抹茶のグラノーラ~カプチーノ風」

というもの。その説明を見てみると、

「ただのグラノーラではなく、京都産の素材を組み合わせた和風グラノーラ」

なんだそうです。やっぱり、

「和=和風」

なんですね!写真を見ると、たしかにおいしそうですし、

「和風」

という感じがしました。グーグル検索では(11月22日)

「和グラノーラ」 =4260件

「和風グラノーラ」=2800件

ついでに、

「和ジェラート」 =1万5300件

「和風ジェラート」= 9800件

でした。

(2017、11、22)

2017年11月23日 17:56 | コメント (0)

新・ことば事情

6568「6・7号機の読み方」

10月4日、原子力規制委員会は、新潟県の「東京電力柏崎刈羽原発6・7号機」が、新規制基準に適合しているとする審査書案を了承しました。

この中の「6・7号機」の「6・7」を、読売テレビのニュースでは、

「ロク・シチ」

と読み、日本テレビのニュースでは、

「ロク・ナナ」

と読んでいました。

普段、日本テレビのアナウンサーは、

「7」は「シチ」、「9」は「ク」

と読むのを原則として、かなり厳密にそれを守ってらっしゃいますが、今回はなぜか、

「ナナ」

でした。前に「6」が付くと、「7」を「ナナ」と読むのかな?

読売テレビのアナウンス部では、「7」「9」に関しては、

「シチ・ナナ」「ク・キュー」はどちらでも良い

としています。ただ、

「7月」「17日」「27日」

に関しては「ナナ」ではなく、

「シチ」

と読むようにしています。

しかしこれが、ラテ兼営の「朝日放送」出身のアナウンサー宮根誠司さんや、赤江玉緒さんは、

「ナナ」

と言います。「シチ」を「ナナ」と言うのは関西ではよくありますし、また、

「1」と「7」=「イチ」と「シチ」

聞き間違えない様にする配慮であると聞いたことがあります。

「聞くメディア」である「ラジオ」ではそう指導されているのかな?と思って、朝日放送や、同じくラテ兼営の毎日放送のアナウンサーの方に聞いたのですが、

「そんなことはない」

という答えが返って来て「あれ?」と思ったこともありますが。

話がそれましたが、私の語感では「6・7号機」の「6・7」は、

「ロク・シチ」

しかないのになあと思いました。

(2017、11、22)

2017年11月23日 13:56 | コメント (0)

新・ことば事情

6567「いきが上がっています」

先日の「ミヤネ屋」で、「箱根駅伝3連覇」の青山学院大学・陸上部監督の原晋さんと、中央大学陸上部監督の野村修也さんが同じ日に並んでコメンテーターとして出演されました。初めてかもしれません。

そのときに、司会の宮根さんが、

「原さんの青学は3連覇ですが、野村さんところの中央も、今年は予選会通って、箱根、出るんですよね」

と水を向けると、野村監督は、

「そうなんですよ。去年は悔しい思いをしましたが、今年は箱根に出られるということで、部員全員、意気が上がっています!」

と言ったところ、それを受けて宮根誠司さんが、

「息が上がってちゃ、ダメじゃないですか!」

と突っ込みました。一瞬「?」と思いましたが、

「意気が上がる」と「息が上がる」

を混同したんですね、きっと。わざとかな?

それで思い出したのが、以前、後輩の女性アナウンサーと一緒に、私が所属する「早稲田大学グリークラブのOB合唱団」と「慶應ワグネルソサエティ男声合唱団のOB会」とのジョイントコンサート、

「コーラス早慶戦」

の司会をやった時に、

「歌の勝ち負け」

を、私が司会の権限で判断するという状態だったのですが、その際に、

「私は"早稲田"ですが、『公平無私』に判断しますからね!」

と言ったところ、その女性アナウンサーは、

「『無視』したらダメじゃないですか!」

とボケてくれました。

「無私」と「無視」

を間違えたんですね。ね!中元さん!

(2017、11、22)

2017年11月23日 10:55 | コメント (0)

新・ことば事情

6566「なに、女と話しとんねん」

先日、東京出身の同期のカメラマンが、話しかけて来ました。

「あのさあ、けさのニュース見てたら、Tアナウンサーのアクセントがさあ・・・」

「どうしたの?」

「なんか、因縁を付けた奴が逮捕されたとかいうニュースで、その因縁の部分が『関西弁』だったんだけど」

「ふんふん」

「『なに、女と話しとんねん』というものだったんだけど、最初の部分のアクセントが、

『ナ/ニオ\ンナト・/ハナシト\ンネン』

っていうように『ナ/ニオ\ンナ』が『何女』って聞こえたんだけど、おかしいよな?」

「そりゃ、おかしいね。『ナ\ニ・オ\ンナト・/ハナシト\ンネン』だな、関西弁のアクセントだと」

「だろう?」

あれ?・・・・あれあれ????

ちょっと待った!

「あ、やっぱりそれはあり得るね。単語ごとに区切れば、確かに『ナ\ニ・オ\ンナト・/ハナシト\ンネン』になるけど、ことばのつながりを考えると『ナ/ニオ\ンナト・/ハナシト\ンネン』もあるな。それの最初の部分は『何女』に聞こえるな。」

「え?そうなの?そうかあ・・・」

「しかし、ストレートニュースの中のコメントに、そんな完全な関西弁を入れるのは、どうなのかなあと、原稿の作り方でちょっと、どうかなと思うけどね」

ということで、会話は終わったのでした。

ストレートニュースの中に入った「カギカッコ付の方言」は表現が難しいです。

ちなみに、Tアナウンサーは「関西人」です。

(2017、11、22)

2017年11月22日 22:53 | コメント (0)

新・読書日記 2017_134

『BLUE GIANT SUPREME 3』(石塚真一、小学館:2017、11、4)

ヨーロッパ・ドイツへ旅立った主人公のサックス吹き・大。これが「世界一のサックスプレーヤー」を目指す大の、世界進出第一弾であり、武者修行でもある。グローイングアップの様子がワクワクする。

けど、作者は取材とか大変だろうなあとも思いました。

ヨーロッパでのンドを組むメンバー探しも、佳境に入って来ましたね!

ワクワクしますね、本当に。


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(2017、11、4読了)

2017年11月22日 22:49 | コメント (0)

新・読書日記 2017_133

『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』(久米宏、世界文化社:2017、9、25)

アナウンサーの大先輩、久米宏さんが書いた自伝、と言ってもいいのかな。

続けて読んだ「TBS本」の2冊目。

タイトルの「ニュースステーションはザ・ベストテンだった」は「逆もまた真なり」で、「ザ・ベストテンはニュースステーションだった」だろうな。日本のニュースショーを変えたと言われた「ニュースステーション」の土台は、「ザ・ベストテン」にあったと。

「ザ・ベストテン」は、それまでの単なる歌謡番組ではなく「流行歌」を「ニュース」として扱い、基本的に「生放送」でお茶の間にお届けする。それって正に「報道」であり、「ニュース」じゃない!!

永六輔さんから「ラジオ」というメディアについて学んだ久米宏さんは、そこで学んだ技法・テクニックを「テレビ」の「ザ・ベストテン」に持ち込み、そこで永六輔さんの盟友たる黒柳徹子さんからも学んだ。そして「ザ・ベストテン」で学んだ手法を、今度は「報道番組」に持ち込んだ、と。うーん、これは、

「メディアの"わらしべ長者"」

じゃないか!

そして、今はまた「ラジオ」に戻って「古希」を迎えたと。

今や「久米宏」を知らないでアナウンサー試験を受けに来るアナウンサー志望者もいると思うけど、こういう本を読んで学んでから、アナウンサー試験を受けに来て下さいね。

必読の書です。


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(2017、10、30読了)

2017年11月22日 18:46 | コメント (0)

新・読書日記 2017_132

『安倍政権とは何だったのか~時代への警告』(適菜収、KKベストセラーズ:2017、10、5)

ことし最初に読んだ本が同じ著者の『安倍でもわかる政治思想入門』(適菜収、KKベストセラーズ)だった。

「安倍政権とは何だったのか」と「過去形」で書かれたタイトルだが、まだ「過去」になっていない、「真っ最中」である。

見出しを並べれば、内容はご想像がつくと思う。

*「第一章 安倍政権とはなんだったのか」

戦後レジームからの脱却? 松本人志と共謀罪

*「第二章 だからあれほど 言ったのに」

肩書や学歴に騙される人たち B層の聖域になった安倍晋三 維新新喜劇と一億総活躍社会 「バカ消費者」を手玉にとる政治家

*「第三章 無知とデマで世界はまわる」

国の命運を国民投票で決めるな 邪悪な人間と闘うために 始まる前からゲームオーバー

パラリンピック そろそろやめたらどうか?

*「第四章 安倍晋三の正体」

「劇場型政治」が日本を滅ぼす 東京の「橋下化」が止まらない 周回遅れのグローバリスト

どうでしょうか?「バカ」と言うのが下品ですが、最近分かりました。この「バカ」というのは、同じ著者が言う「B層」のこと、すなわち「大衆」のことだと分かりました。つまり「バカ」をバカにしてはいけない、いや「大衆」をバカにしてはいけないのです。

「大衆」の「大」は「多数派、マジョリティー」。「数」という「力」を持っているのです。しかし、だからと言って「正しい」とは限らない。それどころか、往々にして間違った道に進んでしまう・・・。それに気付く人を、少しでも増やして「大衆=マジョリティー」にしないといけないと感じたのでした。


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(2017、10、28読了)

2017年11月22日 14:45 | コメント (0)

新・ことば事情

6565「独島は『ドクト』か『トクト』か?」

トランプ米大統領がアジアツアーで韓国を訪問した際の「晩さん会」で出されたメニューに、

「独島で捕れたエビ」

があり、問題になりました。そのニュースの際に、

「竹島の韓国名『独島』の読み方」

が問題になりました。

読売テレビを含む「日本テレビ系列」では、

「ドクト」

と、最初が「ド」と濁ります。(と、日テレの用語手運遺書いてあります)

しかし新聞を読んでいると「読売・朝日・産経」は、

「トクト」

と「濁らないルビ」(「ト」)が振ってありました。

一体どちらが正しいのか?また、いつから、その読み方なのでしょうか?

11月16日に岡山で開かれた「新聞用語懇談会・秋季合同総会」で、ルビを振っていなかった(と思う)「毎日・日経」など他の新聞社や共同通信・時事通信、放送各社にも聞いてみました。その結果は、以下の通りです。

(共同通信・議長)では「ド」と濁る社と、「ト」と濁らない社、挙手を。

・「ド」(濁る)  =毎日新聞・テレビ朝日・日本テレビなど

・「ト」(濁らない)=東京新聞・読売新聞・朝日新聞・産経新聞・日経新聞、NHKなど

(朝日新聞)「トクト」と濁らない。朝鮮語は「有声音」(濁音?)と「無声音」(清音?)の区別はない。語頭は「無声音」(清音)の「ト」で、母音に挟まれた語中は「有声音」(濁音)の「ド」。昔「金大中」氏の読み方は、1965年の時点では「キム・テ・チュン」と「清音」だったが、1972年の拉致事件の際になぜか「キム・デ・ジュン」と「濁音」になった。「独島」に関しては、1982年以降、一貫して「トクト」と濁らない。

(共同通信)語頭は濁らないので「トクト」。調べた範囲では、2009年以降は、濁らない「トクト」。それ以前は、ルビを振っていなかった。

(時事通信)ずっと濁らない「トクト」。

(毎日新聞)ルビを付けるかどうかは、出稿部(記者サイド)の判断。毎日新聞では、外信部とも協議して、2014年以降「ドクト」と「語頭が濁る形」を採用している。共同通信の外信記事が「トクト」と「清音」で来たら、毎日用に「ドクト」と濁った形に直す。

(NHK)韓国・朝鮮語は、NHKでは「カタカナ表記」だが、「トクト(独島)」としている。韓国語では「語頭」は濁らない。しかしアルファベットでは「D」で始まる。「Dok-Do」と表記する。

(テレビ朝日)「独」に引っ張られて「ドクト」と濁る。現地発音に近い音だと「ド」と「ト」の中間。韓国・朝鮮語に堪能な社員に聞いたところ、「ト」と濁らないそうだが。

ということでした。

なお、今回の会議にTBSの委員は欠席だったんですが、ネットで見限りでは、

TBS「あさチャン」と「Nスタ」では、「ドクト」。

日テレも「ドクト」で、朝日新聞は「トクト」でした。

やはり「放送=ド」、「新聞=ト」の傾向があるようですが、どうやら「ト」と濁らない方が、「現地音」に近いようですねえ・・・。

(2017、11、21)

2017年11月22日 21:43 | コメント (0)

新・ことば事情

6564「晩さん会か?夕食会か?」

アメリカのトランプ大統領初来日の際、11月6日に安倍首相が迎賓館赤坂離宮で主催した「夕食会」を、読売テレビの「ミヤネ屋」を始め多くの放送局は、

「晩さん会」「晩餐(ばんさん)会」

と表現しましたが、多くの「新聞」は、

「夕食会」

と表現していたようです。理由は恐らく「晩さん会」は、

「皇居で天皇陛下が主催して国賓を迎えるもの」

なので、「天皇」も出席せず、「皇居」で行われるものでもなく、「国賓」でもないトランプ大統領(公式実務者訪問)には、使わなかったのだと思われます。

また、チェックできていないのですが、韓国で国賓として迎えられたトランプ大統領を招いた会は「晩さん会」だったのでしょうか?それとも「夕食会」だったのでしょうか?

もし「晩さん会」だとすると、

「国内と国外では基準が違う」

ということでしょうか?海外の場合に、

「王室主催で国賓を招いて宮殿で行われ」

ないと「晩さん会」とは言わないのでしょうか?

この疑問について、11月16日に岡山で開かれた「新聞用語懇談会・秋季合同総会」で質問しました。それに対する各社の委員の回答は、以下の通りです。

(共同通信・議長)これもどちらを使ったか、まず挙手で。

・「晩餐(ばんさん)会・晩さん会」

=産経新聞・NHK・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日ほか

・「夕食会」=MBS・東京新聞・読売新聞ほか

(読売新聞)「夕食会」とした。「晩さん会」は国賓・皇居に限定と『スタイルブック』に書いてある。海外は、国内に準じて「夕食会」。ただし「ノーベル賞」の場合は「国王」主催なので「晩さん会」。

(共同通信)『ハンドブック』で、「晩さん会」は「夕食会」に書き換えることになっている。「来賓」が「国賓」かどうかは関係なく、「主催者」が「皇室・王室」の場合は「晩さん会」。「大統領」主催は「夕食会」。「ノーベル賞」の場合は「国王」主催なので「晩さん会」。

(産経新聞)今回は、漢字で書いてルビを振って「晩餐(ばんさん)会」。特に決めているわけではなく「晩餐(ばんさん)会」「夕食会」両方使っている。出稿部の原稿を直したりはしない。10月1日以降の原稿データベースでは、「晩餐(ばんさん)会」=85件、「夕食会」=157件だった。特に皇室だから「晩餐(ばんさん)会」というわけではなく、出稿部から出てきたとおりで、「晩餐会」の漢字にルビが抜けていたら、ルビを振るぐらい。

(朝日新聞)使い分けはしていない。「晩さん()」は改まった豪華な食事会。そんなにギチギチには(使用基準を)決めていない。ただし「宮中晩さん会」は固有名詞扱い。トランプ大統領を迎えての食事会は、政府によると11月6日の迎賓館赤坂離宮のは「晩餐会」、前日のステーキハウスは「夕食会」だった。(首相官邸サイト)

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201711/05usa.html (11月5日「夕食」)

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201711/06usa.html (11月6日「晩餐会」)

「晩餐会」の「餐」が表外字なので、できるだけ「夕食会」を使うようにしている。

(NHK)「皇室」だから「晩餐会」を使うという取り決めはない。そこでどう表現されるか?に従う。今回のトランプ大統領の来日の場合は11月5日は「夕食会」、11月6日は「晩さん会」とした。

(日本テレビ)NHKと同じく今回のトランプ大統領の来日では、11月5日は「夕食会」、11月6日は「晩さん会」だった。やはり「迎賓館赤坂離宮」で開かれた11月6日のは「晩さん会」。しかし「晩さん会」を「夕食会」と置き換えることは可能。

(フジテレビ)弊社も11月5日は「夕食会」、11月6日は「晩さん会」と、政府の発表に従った。(今回のトランプ大統領の来日は、「国賓」ではなく「公式実務者訪問」だったが。)また、韓国の大統領主催の会は「晩さん会」、中国の会は「公式夕食会」とした。

また、「皇居」で行われる「国賓」のための食事会は「宮中晩さん会」とする。

(テレビ朝日)11月5日は「夕食会」。政府発表に従った。韓国の食事会は、韓国政府発表が「晩さん会」だったので、それに従って「晩さん会」とした。

(テレビ東京)韓国のは「夕食会」で、中国のは「晩さん会」で放送した。

ちなみに、11月13日にネットで見たニュースの記事で、「朝日新聞」は、共産党・志位委員長の発言で、

「『首相主催の晩さん会に招かれなくなった』と、首相主催の夕食会に招かれなくなったことを・・・」

と、「直接発言の引用」は「晩さん会」で、地の文では「夕食会」にしていたので、「晩さん会」は極力使わない方向性なのでしょう。

また同じニュースで、「共同通信」の配信記事も「夕食会」のみで、志位委員長発言の「直接引用」はなく、「晩さん会」は使っていませんでした。

(2017、11、21)

2017年11月22日 19:41 | コメント (0)

新・ことば事情

6563「『お乗り換えください』のアクセント」

「お乗り換えください」

という京阪電車の車内アナウンスを聞きました。このアクセントが、

「オ/ノ\リカエクダサイ」

という「の」が高いアクセントでした。このアクセントでの「乗り換え」は、

「名詞」

で、それに「お」が付いた形ですね。でも、そうすると「(お)乗り換え」という「名詞」を「下さい」(動詞)という事になってしまい違和感があります。この場合は実は、

「動詞」

として言っていると思われます。つまり、

「乗り換える」

という「動詞の連用形」を、

「お~ください」

という「命令形の敬語」(尊敬語)ではさんでいると。そう考えると、本来、「標準語アクセント」であるならば、

「平板アクセント」

になり、

「オ/ノリカエクダサ\イ」

ではないでしょうか。ただ、「関西弁」だとすればこのアクセントで良いのかもしれません。

朝の通勤電車から降りて、そんなことをプラットホームで感じました。(ボーットそんなことを考えていて、線路に落ちないように、気を付けなきゃ)

(2017、11、21)

2017年11月22日 17:39 | コメント (0)

新・ことば事情

6562「アゼルバイジャンは『東欧』か?」

11月1日、くりぃむしちゅー・上田さん司会のテレビ朝日のクイズ番組『ミラクルナイン』を見ていたら、回答者の一人、ピーター・フランクルさんが、

「この前アゼルバイジャンに行ったら、日本人みたいな顔をしてると言われた」

と言って、上田さんから、

「してねえよ!」

と突っ込まれていました。その、

「アゼルバイジャン」

という国名の後に、テロップで、

「東欧の国」

と説明書きが出ているのに違和感が。

「アゼルバイジャンは、『東欧』か?そもそも、東西冷戦が終わって30年近く経つのに、まだ『東欧』ってあるのか?」

という疑問です。「東西冷戦」があったから、

「思想的に東と西だったのでは?」

と思ったのです。もちろん「地理的」にも「東西」はあるでしょうが。

「北欧」と「南欧」の場合は「地理的分類」しかないと思いますが、「東西」は2つの意味があるんですよね。「中欧」はどうでしょうか?また「西欧」は?

これに関して、11月16日に岡山で開かれた「新聞用語懇談会・秋季合同総会」で質問しました。

『先日見ていたテレビのクイズ番組で「アゼルバイジャン」という国名の後にテロップで「東欧の国」と説明書きが出ていて、違和感がありました。「東西」という場合には、当然「地理的」に「東」と「西」があります。「アゼルバイジャン」は「カスピ海」と「黒海」の間に位置します。「南」は「イラク」、「西」は「アルメニア」と「ジョージア」。「トルコ」よりも東に位置します。「ヨーロッパ」の国々の集まりである「EU」に、「トルコ」は入れてもらえません。その「トルコ」よりも、「アゼルバイジャン」はヨーロッパから遠いのです。(ちなみに、この地域は「カフカス・コーカサス」とも呼ばれます。)

もう一つ「政治的」に「東と西」があります。「アゼルバイジャン」は、「ソ連」が崩壊した後に「元ソ連の自治共和国」であった国々で作った「CIS」に含まれていますが、東西冷戦が終わって30年近く経つのに、まだ「東欧」なのでしょうか?「東欧」「西欧」(あるいは「中欧」)の区分は、どうされていますか?急に面倒なことを質問して、すみません。』

これに関する各社の用語医院からの回答は、以下の通りです。

(朝日新聞)関連で、「グルジア」が「ジョージア」に国名変更した際に「AIIB」参加国の図版を作ったことがある。その際に「ジョージア」は「欧州」か?「アジア」か?が問題になった。結局「外務省のサイト」を見たら、「ジョージア」は「欧州」に区分されていた。おそらく、「CIS」の国々は「欧州局」が管轄しているからではないか。その後、「西アジア」という区分を作って「ジョージア」をそこに入れた。「中央アジア」でもある。「地理的に」ということだが。

(共同通信)「東西」に関する「地理的な概念」と「政治的な概念」は必ずしも一致しない。一般的に「東欧」と言えば「旧ソ連の構成国」だろう。例えば「東アジア」と言ったときに、「狭義」では「日中韓(北朝鮮)」の「3(or4)か国」だが、「広義」では「東南アジア」も含む。日本の外務省では、「欧州局」が「CIS」を担当している。

(ytv)サッカーのワールドカップ予選では、昔、1990年代の後半は「カザフスタン」は「アジア予選」に出て来たが、今は「ヨーロッパ予選」に区分されている。

(朝日新聞)サッカーでは昔は「イスラエル」も「アジア」に区分されていた。

(ytv)その意味ではサッカーの予選分けは「地理的」ではなく、「政治的」な配慮があるのかもしれない。

会社に戻ってから、、帝国書院の「世界地図」(2010)を見てみたら、

「『アゼルバイジャン』は『アジア』」

に区分されていました。そのほか「アジア」には、

ジョージア(旧グルジア)、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トクメニスタン、イラン、イラク、クウェート、シリア、ヨルダン、レバノン、サウジアラビア、カタール、トルコ、キプロスも「アジア」に区分。一方「ヨーロッパ」には、

ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モンテネグロなどが。

「地図帳」だけに、純粋に「地理的に分類」しているのでしょう。

一方「外務省のサイト」を確認すると、「アジア」に分類されている国は、

インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、韓国、中国、

ネパール、パキスタン、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、

ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル、

ラオスの他、北朝鮮、香港、マカオ、台湾が別グループで載っていますが、

「アゼルバイジャン」などはありません。そして「欧州」の国々の中には、

アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キプロスなどがありました。「外務省」的には、

「アゼルバイジャンは、『欧州』」

なんですね。これは明らかに、

「政治的な分類」

ですね。また、外務省のサイトの「アジア」にも「欧州」にも、「サウジアラビア」「イラン」「イラク」「カタール」などの「中東」の国はありません。これは、

「中東」

という別の区分が、ちゃんとあるんですね。「中東」には、

アフガニスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、バーレーン、

ヨルダン、レバノンそれとパレスチナ。わりと「中東」と言われて、納得する国々です。

外務省の組織図を見ると、

「アジア大洋州局」「欧州局」「北米局」「中南米局」「中東アフリカ局」

「5局」があり、「アジア大洋州局」の下に「南部アジア部」が、「中東アフリカ局」の下に「アフリカ部」がありました。

ついでに「FIFA(国際サッカー連盟)」のサイトで、「アゼルバイジャン」はワールドカップのどこの予選に区分されているかを見ると、

「ヨーロッパC組」

でした。アゼルバイジャンと同じ組には、

「サンマリノ、チェコ、北アイルランド、ドイツ、ノルウェー」

がいます。ヨーロッパだ!ドイツと同じ組ですか、かわいそう。

「ヨーロッパ予選」の各組の国(地域)は、

(A組)ベラルーシ、フランス、ブルガリア、ルクセンブルク、スウェーデン、オランダ

(B組)アンドラ、ラトビア、ハンガリー、フェロー諸島、スイス、ポルトガル

(C組)アゼルバイジャン、サンマリノ、チェコ、北アイルランド、ドイツ、ノルウェー

(D組)ジョージア、オーストリア、セルビア、アイルランド、ウェールズ、モルドバ

(E組)カザフスタン、ポーランド、デンマーク、アルメニア、ルーマニア、

モンテネグロ

(F組)リトアニア、スロベニア、スロバキア、イングランド、マルタ、スコットランド

(G組)アルバニア、マケドニア、イスラエル、イタリア、スペイン、

リヒテンシュタイン

(H組)ボスニア・ヘルツェゴビナ、エストニア、キプロス、ベルギー、ギリシャ、

ジブラルタル

(I組)フィンランド、コソボ、クロアチア、トルコ、ウクライナ、アイスランド

でした。ご参考までに。

こういったことに関して大変詳しい博覧強記の郵便学者・内藤陽介さんにツイッターで、

「アゼルバイジャンは、アジアなんでしょうか?ヨーロッパなんでしょうか?『地理的概念』と『政治的概念』の線引きは、どのようにするのでしょうか?」

と質問してみたところ、詳しいご説明を頂きました。

「帝国書院の地図帳は、地図帳ですので『地理的概念』で『アジア(ウラル山脈以東)』に入れたのでしょう。外務省が『中東』としたのは、アゼルバイジャン人が言語的・文化的にテュルク系であることに加え、イランの人口の25%を占めているという事情から、中東の担当者が扱ったほうが好都合だということだと思います。『ヨーロッパ』という区分については、例えばワールドカップや五輪は、『旧ソ連』から分かれたという経緯でアゼルバイジャンは『欧州扱い』です。文化面でも同様のケースが多く、iTVが欧州放送連合(EBU)の加盟国ということで、アゼルバイジャンはユーロヴィジョンにも参加しています。切手の世界でも、アジア連盟の加盟国にはなっていなかったはずです。旧ソ連諸国の場合、基本的には『人的なネットワーク』としてロシアとのつながりが強く、組織運営のシステムや国内のルールなども、ソ連時代からの流れで欧州の方がやりやすいということではないかと思います。また、おそらく欧州連盟ではロシア語は公用語でしょうが、アジア連盟では違うでしょう。」

ということは「政治的な区分」というよりは、「文化的視点」や「人的ネットワークの面から「ヨーロッパ」と「アジア」の区分がなされるのでしょうか?そう問うたところ、

「特に、言葉の問題は大きいです。公式の場ではみんな英語で話していても、食事やパーティー・非公式な打合わせなどでは、言語ごとのグループに分かれて(アジアでは、そもそも人口の関係もあって、「中国語」と「非中国語」のグループに分かれることが多いですが)内密の話は『その言語』でということも多いです。

いずれにせよ、アゼルバイジャンを含む南コーカサスの旧ソ連諸国に関しては、その時々で、『アジア』に入れたり『欧州』に入れたり、というのが実情のようです。彼らも『欧州』に入れられることには、不満を持っていないようですが。」

ここで、テレビ番組で「アゼルバイジャン」が「東欧」とされていたことついて言うと、

「なるほど、たしかに『アゼルバイジャン』を『東欧』というのには違和感がありますね」

と共感して頂けました。内藤さん、ツイッターという文字数に制限のある中で、詳しいご説明を、ありがとうございました!(しかも、夜中に)

そうそう、「南北」に関しても「北欧」と「南欧」は「地理的な概念」だけかもしれませんが、それ以外にも「経済的な概念」がありますね。

・「南」=貧しい、自然がある、農業

・「北」=裕福、都市、工業

というようなイメージが。これは「イタリア」の場合には歴然とありますし、「スペイン」も少しあるのかな。「南」に対してはありそう。「フランス」や「ドイツ」はどうなのかな?

いずれにせよ「政治的な区分」「経済的な区分」(これも「政治的な区分」だが」)という、

「人間が勝手に、恣意的に決めたもの」

に加えて、歴史の中で培われて来た、

「文化的・言語的区分」

も絡んで来るのですね。「分類という思想」も複雑ですね。思わぬ勉強になりました。

(2017、11、22)

2017年11月22日 12:38 | コメント (0)

新・読書日記 2017_131

『スリーパー 浸透工作員~警視庁公安部外事二課(ソトニ)』(竹内明、講談社:2017、9、26)

北朝鮮の若い工作員が主人公。現実の出来事と、我々は知らないので現実かどうかわからないことが、ないまぜになっている。ちょうど「北朝鮮の脅威」を安倍首相があおって衆議院解散を行った頃に読み始めたので、「こういうスパイが、本当に日本に入り込んでいるのではないか」(たぶん)ということを、現実感を持って読むことができた。しかし、これだけシリアスなものをリアルに書ける作家さんがいたんだなと思って、著者の「竹内明(めい)」さんの「著者略歴」を見ると、1969年生まれで慶應義塾大学を卒業して、1991年TBS入社。え?同業者か?今年3月まで「Nスタ」のキャスターも務めたと。すみません、勉強不足で、全然知りませんでした。それでTBSを辞めた訳でもなく作家活動もしていたのですね。凄いなあ。TBSも懐が深い。

ちょうどこの時期に読んだ「3冊の本」が、部「TBS」がらみ。この本の他の2冊は、1冊は「久米宏」さんが書いた本、『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』。彼も元・TBSアナウンサー。そして、もう一冊はTBSの社員が書いたのではなく、元TBS社員の男が「準強姦罪」で訴えられた話。そう、伊藤詩織さんの『ブラックボックス』。本当、TBSは、懐が深いわ。

読んで気になって点を箇条書きにします。

・「T字路の突き当たりの青い屋根の家。これが筒見のかつての我が家だった。」(81ページ)=「T字路」。「丁字路」ではなく。

・「ステガノグラフィー」=インターネット上の画像に隠されたテキストや音声ファイルを復号して、指令を受信する暗号(104ページ)=知りませんでした。

・「先日、交番で応対した女警に当時の状況を再聴取したら、妙なことを言うのです。」(218ページ)

「若い女警なのですが、芸能人のことをあまり知らないらしくて」(218ページ)=「女警」という言葉があるのか「婦人警察官」が「婦警」というのはあったが、「女性警察官」は略すと「女警」なの??

・「倉本雅恵背乗り事件が絡んでいるのではありませんか?」(218ページ)

・「工作員が背乗りする日本人の身分は、偵察総局にやる厳重な審査のうえ、複数の候補から選択される。捜索願が出されることのない、天涯孤独の日本人で、北朝鮮に拉致された者、もしくは工作員によって殺害された者の身分が選ばれる。したがって、本物を名乗る者が現れることなど、共和国の工作史上あり得なかった。」(240ページ)=「背乗り(はいのり)」という言葉。知らなかった。

・『机の上に一眼レフカメラがあった。ニコン製の高級機、ずっしりと重いプロ仕様のものだ。電源を入れ、再生ボタンを押した。「これは、、、」言葉がこぼれた。モニターに表示されたのは、夜、撮影された写真だった。』(232ページ)=モニターが付いて再生できるようなデジタルカメラでも、「一眼『レフ』カメラ」があるのか???

・『「お目覚めですか。頭痛や吐き気は?」筒見はこの女が医師であることに気付いた。「ああ、大丈夫だ」女医はペンライトを筒見の両眼の瞳孔に当てた。』(235ページ)=「女医」という言葉。さっきの「女警」といい、ハードボイルドな、ジェンダー表現とは無縁な漢字の小説。

・「老婆は半年前のある日、浅草駅前の交番に現れ」(240ページ)=「老婆」も最近見ない表現。「老婆の休日」なんちゃって。

・『筒見は片方の口の端を僅かに持ち上げた。「私は一線を越えてしまいました。飯島さんたちは私に何があっても、知らぬふりを通してください。」』(249ページ)=これは流行語の「一線を超える」を織り込んでいるのか?(笑)

・「晩秋の好天に恵まれた朝、北朝鮮は捨て身の挑発に打って出た。アメリカや中国の警告を無視して大陸間弾道ミサイルの発射実験を行ったのだ。新型ミサイルは北東方向に飛び、北海道上空を越えて、六千キロ離れたアメリカ・アラスカ沖に着弾した。」(286ページ)これは「事実」を織り込んで来てますね。そういったところがあると、真実味が出ますね。


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(2017、10、27読了)

2017年11月21日 19:16 | コメント (0)

新・ことば事情

6561「打っちゃえゔぁ?」

先日近くのパチンコ店の前を通ったら、こんな看板が。

eva.jpg

この看板、ちょっと右側は木の枝で隠れて見えにくいけど、

「当店でエヴァ、打っちゃえゔぁ?」

と書かれています。ダジャレ系で、わりと好きです。こういうの。脚韻、踏んでるのね。しかしこの表記の、

「えゔぁ」

という表記は、見慣れません。

パチンコかスロットの機械(台)が、

「ヱヴァンゲリヲン」

の絵が描かれていたり、そういう種類なのですね。それで「ヱヴァンゲリヲン」の表記に引っかけて、

「エヴァ、打っちゃえゔぁ?」

になったのだと思われますが、「平仮名」の、

「ゔぁ」

は、ワープロソフトでは出ないよ!発音が粘り気がありそうな。

珍しい表記でした。

(2017、11、15)

2017年11月17日 16:30 | コメント (0)

新・ことば事情

6560「牛カレー」

先日、カレー屋さんの前を通った時に、

「牛カレー」

という文字が目に入りました。

「GYU」

と、アルファベットでルビが振ってあったので、

「ギューカレー」

と読むのでしょう。「ウシカレー」ではなく。

curry.jpg

でも、それなら普通は、

「ビーフカレー」

と言うのではないでしょうか?

しかし「ビーフカレー」なら当たり前すぎて、あまり特徴が無い。そこであえて、

「牛」

という漢字を前に出したと。そこまで前に出したのなら、

「国産黒毛和牛」

の上等なお肉を使っているとか、何かあるのかな?・・・と思わせたら「勝ち」かな?

知らんけど。

(2017、11、15)

2017年11月17日 16:26 | コメント (0)

新・ことば事情

6559「ひゃくいちぽん」

先日、電車に乗っていたら、お母さんとおじいちゃんと幼い兄弟が4人で座っていました。そのお兄ちゃんのほうの、

「5~6歳の男の子」

が、車窓から見える「電柱の数」を数えていました。お兄ちゃんは、

「101本」

まで数えて、これをちゃんと「促音化」して、

「ひゃくいっぽん」

と言っていました。一緒に乗っていた、

「2~3歳の男の子」

つまり、弟のほうも、お兄ちゃんのマネをして数えていたのですが、彼は「101本」を、

「ひゃくいちぽん」

「促音化せずに」、でも「本」は「ぽん」と「半濁音」で言っていました。

ということは、大体「4歳」を境にして、

「数字と助数詞の組み合わせの中の促音化」

を覚えるのかな?と思いました。あ、年齢は「推定」です。

(2017、11、15)

2017年11月17日 13:32 | コメント (0)

新・ことば事情

6558「行ったところ」

11月9日の「かんさい情報ネットten.」で若一さんと一緒にロケに行った黒木アナウンサー。その日に行くロケの場所が、「数週間前に取材したばかりの場所」だったことを指して、若一さんが黒木アナウンサーに、

「こないだ言ったところ」

と言ったら、黒木アナは、

「こないだ行った所?どこだろう?」

と。これは、おそらく若一さんは、

「行ったばかり」

というように、

「時間があまり経っていない」

という意味で「ところ」を使ったのに対し、黒木アナは、

「行った場所」

というように勘違いしていたようです。もしかしたら、

「~したところ」

という言い方は「関西特有」なのかな?そんなこと、ないよね。

(2017、11、15)

2017年11月17日 13:00 | コメント (0)

新・ことば事情

6557「和ジェラート」

新しくできたお店に、

「和ジェラート」

という文字を見つけました。違和感が。

だって、「ジェラート」は「イタリア」のものです。「和」ではありません。

これを許せば、

「和イタリアン」「和フレンチ」「和中華」「和コリアン」「和アメリカン」「和メキシカン」「和スパニッシュ」「和ドイッチェ」「和ボルシチ」「和シシケバブ」・・・もう、何が何だかわからなくなります!

でも、これ、「風」を付けて

「和風ジェラート」

ならば、納得です。「風」は略さないでほしいです。

しかし、グーグル検索では(11月17日)、

「和ジェラート」=149万件

もありました!一方の、「和風ジェラート」は、

「和風ジェラート」=43万3000件

でした。

(2017、11、17)

2017年11月17日 12:40 | コメント (0)

新・ことば事情

6556「入境」

その日本人が北朝鮮にいるかどうか?という問いに対して、北朝鮮側からの回答が、

「未入境」

だったと。その表記について「ミヤネ屋」のスタッフが、

「元の原稿には『未入境』になっているんですが、これは『入境』でいいでしょうか?『入国』ではないんでしょうか?どちらでしょう?」

と質問して来ました。

この「入境」、国語辞典に載っていません。そこで考えてみました。

正式のパスポートを持っていて、ビザも取ってその国の領土に入って来るのは、

「入国」

ですよね。それに対して、わざわざ「入境」と区別するのはなぜか。

「入境」の「境」は、当然、

「国境」

でしょう。国境を越えてその国に入って来るが、正式な「入国審査」は受けていない可能性がある。これが、

「入境」

なのではないでしょうか?それが「未(=確認できない)」という状態が、

「未入境」

ではないか。だから、これは、「未入国」に置き換えるのではなく、その言葉通り、

「未入境」

という言葉を使った方が良いだろうと答えました。

あとでネットを調べると「Weblio日中中日辞典」というのがトップに出て来て、なんと、

「入境」「出境」「出入境」

というのは、

「中国語」

だったのです!その「出入境」の意味は、

「一定の国からの出国と、その国への入国」

つまり日本語では、

「出入国」

だというのです!知らなかった!また、こんな記述も。

「中国本土への入国には必ずビザが必要ですが、香港は中国本土とは異なる入境管理政策を持つ特別な地域で、特に、ビジネス目的での入境は比較的容易です。170以上の国や地域からの訪問者に対し、最長7日から180日までのいずれかの日数を上限として、香港へのビザなし入境が許可されています。日本のパスポート保持者の場合は、香港入境後90日以内の滞在であれば、ビザは不要です。」

ということで、「香港」などの地域は、日本語でも、「入国」ではなく

「入境」

が使われているようです。

(2017、11、15)

2017年11月17日 12:21 | コメント (0)

新・ことば事情

6555「『11か国』の読み方」

アメリカが抜けてしまって、

「TPP11」

と呼ばれるようになった貿易交渉は、参加国の数が、

「11か国」

だから、その名があるわけですが、この「11か国」をこれまで正しくは、

「ジューイッカコク」

「促音」で読んで・話してきました。しかし 最近これを、

「ジューイチカコク」

「促音化しない」で話す様子を、何度か耳にしました。

11月9日のテレビ朝日の『お昼のニュース』で、「米抜きTPP最終合意へ」というニュースで、女性記者が中継で、

「ジューイチカコク」

と促音化しないで言っていました。

また、11月10日の日本テレビ『スッキリ』の中のニュースで、男性記者が、

「TPPジューイチカコク」

と、やはり促音化しないで言っていました。この広がり、イヤな感じがします。まだアナウンサーには及んでいないといいのですが・・・。

実は3年前、2014年9月の新聞用語懇談会放送分科会で、

「11か月」

の読み方を、従来の、

「ジューイッカゲツ」

という「促音」ではなく、

「ジューイチカゲツ」

と「促音化しない傾向がある」ことを指摘して、各社の意見を聞いたことがあったので、それをここに載せます。

*「11か月」の読み方=2014年9月

9月9日、「5年11か月ぶりの円安」のニュースで、「11か月」を、「ジューイチカゲツ」と読んでいるケースを(弊社も含め)耳にしました。正しくは当然、「ジューイッカゲツ」だと思うのですが、若い人の間に「ジューイチカゲツ」と読むような傾向はありませんか?(読売テレビ・道浦委員)

→(朝日放送)最近の若い人は、時間の「4分」は、もう全員「ヨンフン」と言う。

(毎日放送)デスク・クラスまでもが「ヨンフン」と言っている。

(テレビ朝日)「11分」について、アナウンサー7人に聞いたところ、1人だけ「ジューイチカゲツ」と言う人がいた。理由を聞くと「スポーツ中継などでは"数字を強調したいから"」ということだった。

(NHK)『NHKアクセント辞典』の改訂作業に際して「11か月」は「ジューイッカゲツ」で間違わないだろうが、同じ「11」でも「11か国」「11か所」「11か条」は、「ジューイッカ(国・所・条)」と「ジューイチカ(国・所・条)」の言い方があると思うので、悩んでいる。

(関西テレビ)「ジューイチカゲツ」と言うといった30歳の男性アナウンサーは「『ジューイチカゲツ』のほうが"丁寧な感じ"がする」と答えた。

(日本テレビ)「8」を「ハチ」と言うか、促音で「ハッ」と言うかということに似ているかもしれない。

(毎日放送)たしかに、「(0時)28分」を「ハチフン」と言うか「ハップン」と言うかだと、事件・事故のニュース原稿で「ハップン」は、軽い感じがして、違和感がある。

やはりNHKの委員が言っているように、「11か月」だけでなく「11か国」も、そういった「促音化しない傾向」が、3年前にはあったのですね。

これはヤバイなあ・・・。

10年以上前に書いた「平成ことば事情2843 ジューイチか月」もお読みください。

(2017、11、14)

2017年11月16日 12:37 | コメント (0)

新・ことば事情

6554「お賃金を頂いています」

ネットを見ていたら、書き言葉でこんな言葉が出て来ました。

「お賃金を頂いています」

それを見て、すぐにつぶやきました。

「賃金に『お』はつかへんやろ。(なんか別の物に聞こえる。)『給与』にも『お』はつかない。『給料』『給金』には『お』はつく。」

「お給料」「お給金」と「お賃金」

この「違い」は、何でしょうか?

普通は「お」は「和語」に付き、「ご」は「漢語」に付くような気がします。

【漢語】=「ご褒美」「ご協力」「ご自愛」「ご丁寧に」「ご希望」「ご宿泊」

【和語】=「おほめ」「お力添え」「お望み」「お泊まり」「おねだり」

など。

でも「給料」も「給金」も、そして「給料」も全部「漢語」ですよね。だのに「給料」と「給金」は「お」が付く。一方「賃金」には「お」も「ご」も付かない。

「給料」と「給金」に「お」が付く理由は、恐らく、

「漢語由来ではあるが、もう和語扱いとなるぐらい日本人になじんでいるから」

でしょう。ありがたいことに、毎月「お給料」を頂いてますからね、サラリーマンは。

しかし「賃金」というのは「労働の対価」であり、日常的な言葉ではありません。「労使交渉」などでは出て来ますがね。会社に入ってから、労働組合に入って初めて、

「チンカツ」

という言葉を聞いた時は、

「チキンカツの仲間」

かと思って、おいしそうな感じがしましたが、それが実は、

「賃カツ」=「賃金カット」

だと分かった時には、「カツ」がどこかに飛んで行ってしまいました。

話がそれましたが、「賃金」という言葉は、ちょっと理屈っぽい感じの「漢語のまま」です。ここに理由があるのでしょう。

しかも「給料」は「もらうもの」ですが、「賃金」は「払うもの」ですから、

「主語が違う」

のではないでしょうか。この辺に「お賃金」に違和感を覚えた根本的な理由があると思います。でもやっぱり、「音の響き」がなあ・・・。

(2017、11、14)

2017年11月15日 16:34 | コメント (0)

新・ことば事情

6553「グータッチ」

11月6日の朝刊各紙には、前日来日したアメリカのトランプ大統領が、安倍首相とゴルフをしている写真が掲載されました。二人が仲良く、

「拳を握りしめてタッチ」

をしている写真です。その写真のキャプションに「読売新聞」と「朝日新聞」は、

「グータッチ」

という言葉を使っていました。これは辞書に載っている言葉かな?と思って、新しい言葉をいち早く載せることで有名な『三省堂国語辞典』を引いてみましたが、載っていませんでした。

そこで、ちょうどその日に開かれた「関西地区新聞用語懇談会」という会議で、質問してみました。

「けさの朝刊1面を見ていたら、きのうゴルフをした安倍首相とトランプ米大統領が、拳を突き合わせる写真のキャプションに、読売新聞と朝日新聞が『グータッチ』という言葉を使っていましたが、新しい言葉をいち早く載せることで知られる『三省堂国語辞典』をはじめとした国語辞典には載っていない言葉でした。『グー』は日本語、『タッチ』は英語ということで、『グータッチ』は『和製英語』でしょう。『グー』の手をしたドラえもんの握手を『ドラえもん握手』と呼ぶこともありますが、いずれも俗語で、全国紙の1面に出て来るとは思えない言葉ですが、これはもう『1面に載る言葉』として認識されているのでしょうか?」

これに対する回答ですが、

(朝日新聞)・・・・・。

(読売新聞)キャプションはともかく、3面の記事本文でも使ってしまったのは、ちょっと・・・。

という感じでした。これに関して「スポーツ紙」の用語担当者が、

(スポニチ)これは、巨人の原辰徳氏が監督時代にやり出して広まったもの。スポーツ紙ではバンバン出て来る。「ハイタッチ」だと、突き指をしたり、ケガをしがちなので「グー」にしたと聞いている。

と教えてくれました。そういえば、原監督、やっていたな!ちょっと思い出した。追加で聞いてみました。

(ytv)日米両首脳は「片手で」タッチしているが、「片手で」やるものなのか?

(スポニチ)原・元監督の「グータッチ」は「両手で」やるものだ。

とのことでした。『三省堂国語辞典』は、次の改訂で「グータッチ」を載せますかね?それと来年1月に出る『広辞苑』の「第七版」にも載っているか、注目したいと思います。

(2017、11、14)

2017年11月15日 13:32 | コメント (0)

新・ことば事情

6552「壁」

アメリカのトランプ大統領が選挙戦で公約していた、

「メキシコ国境に壁を造る」

という話、ついに「壁の試作品」が出来たと、10月27日の日本テレビのお昼のニュースで放送していました。ツイッターで数日前に見ましたが、なんだか、

「アート作品」

のようでした。

「壁」

と聞いて思い出すのは、まず、

「ベルリンの壁」

そして、

安部公房の小説『壁』

ですね。高校の時に読んだだから、もう40年も前なので、内容忘れちゃったなあ。安部公房も長生きしていたら、ノーベル文学賞、取ったんじゃないかなあ。

そうそう、

養老孟司先生の『バカの壁』

というベストセラーもあったな。あれももう、ひと昔以上前ですね。

そんなことを考えさせた、

「メキシコの壁」

でした。

(2017、11、14)

2017年11月15日 10:46 | コメント (0)

新・ことば事情

6551「全力で」

<2017年2月2日に書きかけたままでした。>

ことし(2017年)の年賀状を読んでいて、一番腹が立ったというか、驚いたのは、

25年ほど後輩のアナウンサーから届いたハガキでした。

そこには自筆で一言、こう書かれていました。

「今年も、全力でご指導ください」

え?「全力で」ご指導ください?

それって、俺が手を抜いて指導してるってこと?

普通は、

「今年も全力で頑張ります!よろしくご指導ください」

と書くんじゃないの?社会人の常識として・・・。真ん中を略したら、あかんやろ!

来年はどんな手書きの一言が添えられているか、楽しみです。

ちなみに、今年(2017年)俺は、一応「全力で」、お前を指導したからな!!

(2017、11、14)

2017年11月14日 22:45 | コメント (0)

新・ことば事情

6550「肩峰、肘頭」

インフルエンザの予防注射をしてもらいに、会社の健康管理室(昔の「医務室」ですね)に行きました。そこには、

「注射を打ってもらう時の姿勢」

が図示されていました。その中にこんな文字が、

「肩峰」「肘頭」

何と読むのでしょうか?「かたみね」?「ひじがしら」?

「膝頭(ひざがしら)」

はよく使うけど、「肘頭」は言わないなあ。

お医者の先生に聞いてみたら、「音読み」で、

「けんぽう」「ちゅうとう」

と読むのだそうです。

「大体こういった身体の部位などは『音読み』が多いですねえ」

と話してくれました。

グーグル検索では(11月14日)、

「肩峰」=38万9000件

「肘頭」= 6万7700件

でした。

(2017、11、14)

2017年11月14日 20:45 | コメント (0)

新・ことば事情

6542「『に』か?『を』か?」

助詞の「に」と「を」の使い分けが、よく間違っています。

11月14日の「ミヤネ屋」のテロップの事前チェックの例で言うと、

×「カメラマンを暴行」→○「カメラマンに暴行」

×「知人男性を暴行」→○「知人男性に暴行」

というのがありました。

「暴行」という単語の前には、

「目的語=暴行をする対象の人(暴行を受ける人)」

が来るので、「暴行(暴力行為)をする人」から見ると、

「に(暴行)」

になります。

これは単語によって変わります。もし「殴る」「蹴る」であれば、その前に来る、

「目的語="殴る""蹴る"をする対象の人(殴られる人・蹴られる人)」

の後には、

「を」

が来て、

「カメラマンを殴る(蹴る)」「知人男性を殴る(蹴る)」

となるわけです。「暴行」は「名詞」ですが、

「暴力を行う」

という意味があり「動詞的な名詞」です。しかしこれを「動詞」にするには「する」などを付けて、

「暴行する」「暴行を加える」

という形にしなくてはなりません。その「する」「を加える」を省略した形だと考えられます。そうすると自然と、助詞は「に」になるはずです。

(2017、11、14)

2017年11月14日 21:17 | コメント (0)

新・ことば事情

6549「滑り込み」

フィギュアスケートの羽生結弦選手が、NHK杯の公式練習で「4回転ルッツ」の着氷の際に右足靭帯をケガしてしまいました。その前のインタビューで彼は、「4回転ルッツ」に関して、

「滑り込みが足りない」

と話していました。この、

「滑り込み」

というのは、

「滑る練習=フィギュアのワザの練習」

のことだと思いますが、普通に「滑り込み」と聞いて私が思い浮かべるのは、

「野球のスライディング」

です。そちらを思い浮かべながら聞くと、なんだかちょっと違和感がありますね。でも、

「走り込みが足りない」

というのはよく耳にします。

「泳ぎ込みが足りない」

はどうでしょうか?たまに耳にするかな。野球のピッチャーなら、

「投げ込みが足りない」

バッターなら、

「打ち込みが足りない」

でも、サッカーで、

「蹴り込みが足りない」

とは言わないなあ。

この「○○込み」という言葉は、面白いですね。

(2017、11、13)

2017年11月14日 18:16 | コメント (0)

新・ことば事情

6548「訪中中」

アジア歴訪中のアメリカのトランプ大統領。

日本、韓国と訪問して、きのう(11月8日)から中国を訪問しています。その様子を伝えた「ミヤネ屋」の画面左上のサイドスーパーに、

「きょう訪中」

ところが、中国へ行ったのは

「きのう」

ですから、「きょう訪中」と書くと、

「きょう、中国へ行った」

ように感じてしまいます。きのうから訪中して現在も滞在中ということは、

「訪中中」

「ホーチューチュー」?

なんか変です。結局、放送では、

「現在訪中」

としたのですが、これもなんだかヘンな感じです。

「訪米中」「来日中」

というような表現は普通にあるのに、なぜ「訪中中」はおかしく感じるのか?

「~しているところ」

を意味する、

「○○中」

の「中」の前に、

「『中国』の略称である『中』が来る」

ので、ヘンな感じになるのでしょうね。もう一つ「中」が来ると、「ポン」してしまいそうです。「中」のみ。

「きのうから訪中」

にすれば良かったな。

(2017、11、9)

2017年11月10日 11:18 | コメント (0)

新・ことば事情

6547「左のかたは」

「京セラドーム大阪」前の屋外エスカレータに乗ろうとしたら、自動音声の女性の声が聞こえて来ました。

「左のかたは、右側のエスカレーターをご利用ください」

え?左のかたは、右なの?クロスするの?

と思って戸惑っていたら、もう一度、自動音声が流れて来ました。

「下りのかたは、右側のエスカレーターをご利用ください」

でした。「ひだり」ではなく、「くだり」だったのですね。1字違いだ!

で、「のぼり」が「ひだり」なのね。

(2017、11、7)

2017年11月 8日 15:54 | コメント (0)

新・ことば事情

6546「大原れいこさん」

眼科の定期検診に行きました。去年、網膜剥離で1か月入院してから、1か月に1回は検診に行っています。もうね、平日の午前中ですが、もの凄く混んでいます。「老若男女」から「若」を抜いた方々でいっぱいです。100人以上います。200人はいないかな。いっぱいですから、時間もかかります。トータルで2時間40分ぐらい待ちました。。本を2冊読み終えることができました。目の検査に行って、目を酷使してどうする!検査は5分、診察は3分でした。

そうやって椅子に座って待っていると、看護師さんが患者さんの名前を呼びます。自分の名前が呼ばれるのを、ひたすら待っていたら、こんな声が聞えました。

「大原さーん、大原れいこさん!」

え?おおはられいこ!?大原麗子!と思っていたら、隣に座っていたおばあちゃんが、よろよろと立ち上がりながら、

「ハ~イ」

うわああ、びっくりしたー!というのを悟られないようにしないと、と動揺を隠して平静を装うのに苦労しました。

「大原れいこさん」が診察室に消えて行った後に、今度は看護師さんが、

「福田さーん、福田たけおさん!」

え?今度は「元首相」か!でも、「大原麗子さん」も「福田赳夫さん」も、もうお亡くなりになってますよね。こちらの患者さんは、もちろん生きている「大原さん」と「福田さん」です。

すごい病院やなあ、ここ。大物がおるわ。と思っていたら、最後にこう来ました。

「中村さーん、中村みつこさーん」

「演歌歌手」もおるんかい!大阪やから・・・って関係ないか。

周りの人たちは、気付いてないんやろか?こんな大物(と同じ名前の)の患者たちが来ていることに。

次回の診察が楽しみです。(全て「実話」です。)

(2107、11、7)

2017年11月 8日 11:53 | コメント (0)

新・ことば事情

6545「『2014年』のアクセント」

11月6日、テレビ朝日のお昼のニュースで「パラダイス文書」についてのニュースを放送していました。その中で、若い男性アナウンサーが読んだ、

「2014年から」

「14年」が「平板アクセント」で、

「ニ/セ\ン・ジュ/ーヨネンカラ」

となっていましたが、これは、

「ニ/セ\ン・ジュ\ー・ヨ/ネンカラ」

と区切って読むべきところでしょうね。

もう少し古い(伝統的)アクセントなら「14年」は、「頭高アクセント」でひと息に、

「ジュ\ーヨネン」

となるところです。

(2017、11、6)

2017年11月 7日 23:35 | コメント (0)

新・ことば事情

6544「秋田犬」

11月2日の「ミヤネ屋」で、今月5日に初来日するアメリカのトランプ大統領についてパネルで特集しました。その際に過去の「国賓クラス」の元首の来日の際の「お土産」についても紹介しました。

その中で、ロシアのプーチン大統領に対して過去に、

「秋田犬」

をプレゼントしたことがあるという話が出ました。この「秋田犬」の「犬」は、

「イヌ」と読むのか?「ケン」と読むのか?

という疑問が出ました。結論から言うと、

「イヌ」

と読みます。過去の新聞用語用語懇談会で、この「秋田犬」について話し合ったことがあったので記録を残しておきます。

【2016年2月 新聞用語懇談会放送分科会】

『新聞用語集』の前回の記述をそのまま引き継いだ「秋田犬」の読み方の「アキタイヌ」の注意書きは、

「秋田犬保存協会の決定呼称」

でしたが、改めて調べてみたところ、どうも「秋田犬」に関しては、

「(社)秋田犬保存会」(本部・秋田県大館市)

「(社)秋田犬協会」(本部・神奈川県鎌倉市)

という二つの団体があるようです。そして、「秋田犬保存会」のホームページの年表によると、この会は昭和2年(1927)に設立され、昭和29年(1954)に「秋田犬保存協会」と一本化されて「秋田犬保存会」となったようです。つまり現在は「秋田犬保存『協』会」は存在しないようなのです。

「秋田犬保存会」に電話して聞いてみたところ、自分のところのホームページに一本化したと掲載しているにも関らず、なんだか警戒されたのか、

「うちでは、『秋田イヌ』と言っています。一本化のあたりの経緯は、古い話なので分かりません。秋田犬保存協会という団体は、知りません。」

という答えでした。いずれにせよ、「秋田犬保存『協』会」は、存在しなさそうです。

【2016年12月 新聞用語懇談会放送分科会】

『NHK新アクセント辞典』では、「秋田犬」の「第2アクセント」に「平板」が入っているのに違和感がある。なぜ落とさなかったのか。(ytv・道浦委員)

→(塩田氏)個人的には「平板アクセント」は言わないが、元々「1998年版」に入っていた。そして第2回&第3回の調査報告に上がって来なかったので、削らなかった。

東京の古いアクセントをよく残している『新明解アクセント辞典』に「秋田犬」は、

    1. ア/キタ\イヌ ②ア/キタイヌ(平板アクセント) ③ア/キタ\ケン

の順番で載っている。平板アクセントの「ア/キタイヌ」は、古いアクセントだろう。

「支持率が半々」ぐらいのものは残している。

(2017、11、2)

2017年11月 7日 21:34 | コメント (0)

新・ことば事情

6543「DM」

神奈川・座間市の6畳+2畳の自宅アパートから9人の遺体が発見され、死体遺棄容疑で逮捕された、白石隆浩容疑者(27)。恐るべき猟奇的犯罪です。

その白石容疑者がツイッターで「首吊り士」と名乗り、自殺志願者の相談に乗るような申し出をしていたと「ミヤネ屋」で伝えました。その中で出て来た、

「DM」

という文字。最初、

「ダイレクトメール」

だと思ったのですが、ツイッターでは「M」は「メール」ではなく「メッセージ」の略、つまり、

「ダイレクトメッセージ」

です。「ミヤネ屋」の視聴者層は年齢が高いと思われますので、これは少なくともルビを振った方が良いなと考えて、

「DM(ダイレクトメッセージ)」

と、ルビを振って放送しました。

(2017、11、2)

2017年11月 2日 21:37 | コメント (0)

新・ことば事情

6541「瑪瑙のアクセント」

現在開催中の「第69回正倉院展」。その内容を紹介する特集を、11月1日の読売テレビ『かんさい情報ネットten.』」で放送していました。Hアナウンサーのナレーションです。しっとりしていて、内容によく合ったナレーションでした。さすが、ベテラン!!

しかしその中で、

「瑪瑙(めのう)」

のアクセントを、

「メ/ノー」

と「平板アクセント」であったのは違和感がありました。私の語感は「中高アクセント」の、

「メ/ノ\ー」

なのです。

そこで、『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引いてみると、

「メ\ノー」(頭高)、「メ/ノ\ー」(中高)、「メ/ノー」(平板)

の順番で、「3つのアクセント」が載っていました。その事実をメールで伝えると、Hアナウンサーから返事がありました。

「『瑪瑙』、どのアクセントでも聞いたことのある言葉です。読み合わせでは、私も、一番自分の語感に近い『中高』で読んでみました。でも読んだ時に、なんだか違和感があって、『瑪瑙→箕面』みたいに聞こえはしないかと心配に・・・。そんな妙な心配に引っ掛かることはなかったかも知れませんが、アクセント辞典を調べたうえで、『頭高』よりも私の語感により近い『平板』を選択した次第です。」

とのこと。なるほどね。難しいですね、アクセントは。

「箕面(みのお)」

という地名も「中高」「頭高」、両方のアクセントがありますね。

でも「平板アクセント」だと、

「未納」

みたい・・・。

(2017、11、2)

2017年11月 2日 17:36 | コメント (0)

新・ことば事情

6540「ノーノー」

11月1日、プロ野球日本シリーズ第4戦。ソフトバンクの「王手」を受けて、DeNAが6--0でソフトバンクに勝利。対戦成績を1勝3敗としました。

この試合、8回1アウトまで、

「ノーヒットノーラン」

の好投を続けていた先発の新人左腕・濱口遥大投手。

私がテレビのチャンネルを変えて日本シリーズを見始めたとたんに、濱口投手が打たれてしまいました。ごめんね・・・って、私には全く責任ないけど。

この試合のことを伝えたネットの「スポーツニッポン」の見出しが、

DeNAノーノー逃すも初勝利」

とありました。この、

「ノーノー」

というのは、

「ノーヒットノーラン」

のことなのでしょうか?初めて見ました。

ネットでさらに検索してみると、

「【日本シリーズ】DeNA・浜口が8回途中までノーノーの快投 ソフトバンクに一矢報いる」(東京スポーツ)

など複数あり、他でも使われているようです。でも「ノーノー」じゃ「No,No」と、

「拒否」

されているような感じ。

グーグル検索では(11月2日)、

「ノーノー」=81万5000件

「ノーノー」「日本シリーズ」=7万0100件

でした。

(2017、11、2)

2017年11月 2日 15:34 | コメント (0)