Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

6214「『母なる』と『母たる』」

本を読んでいたら、

「母たる○○」(○○は人名)

という文章が出て来て「おや?」っと思いました。

「母なる大地」

等の文章で「なる」のほうが自然ではないか?と思ったのです。

「たる」は、

「男たるもの、こうあらねばならぬ」

みたいな文章で目にします。

そこで「母なる」と「母たる」の違いについて考えてみました。

まず、本に出て来た「母たる」は、

「母である」

という意味ですよね。「母=○○」です。

それに対して「母なる」は、

「母のような」

という意味ですね。「母なる大地」では「大地(地面)」が「母」ではありません。あくまで「比喩」です。「なる」は、

「形容動詞の活用語尾」

であり、「たる」は、文語「たり」の活用形。「たり」を現代口語で言うと、

「だ」

でしょうから、意味は「断定」ですね。文法は詳しくないので、間違っていたらゴメンナサイ。

ですから、本に出て来た「母たる○○」は「正しい」という結論に至りました。

(2016、12、8)

2016年12月12日 12:13 | コメント (0)