Top

『道浦TIME』

新・読書日記 2016_079

『喋らなければ負けだよ』(古舘伊知郎、青春出版社:2016、4、25)

この3月末で、12年続けた「報道ステーション」のキャスターを降板した著者。その「裏話」があるのかな?このタイミングでの出版だから...と期待したら残念でした。1990年に新書版で、2002年に新装版で出た本を「加筆・修正」したもの。新たに書かれたのは、「はじめに、の前に 二○一六」と「おわりに 二○一六」。ということは、ちょっと「キセル」っぽくもある。

著者本人も「もう30年ほど前に書いたものなので・・・と思ったが、加筆・修正のために読んでみると、基本的な姿勢は全く変わっていない」とのこと。しかし、あとから「加筆・修正」したことによって、「時制」がわからなくなってしまっている部分があり、戸惑う。比喩などで出て来る事例が、昔と今とが交ざってしまって「どの視点で書かれたのか」が分からない。これは結構、気持ち悪い。もし、私も昔書いた物に手を入れる場合は、気を付けたいと思う。でも、だからと言って「出さないほうが良かったか?」と言うと、著者本人も書いているように、基本的には「今と何らブレていない」のだから、やはり読んでいると大変タメになる(特に若い人)し、「古舘さんは、こんなこと考えていた(いる)んだ」と分かって、参考になります。


star4

(2016、5、11読了)

2016年5月18日 17:04 | コメント (0)