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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_061

『フジテレビ全仕事』(フジテレビジョン編、扶桑社:2008、10、10)

2016読書日記061『フジテレビはなぜ凋落したか』を読んだ後、ふと家の書棚を見ると、この本があった。今から8年前、まだまさに、フジテレビが絶頂を極めていたときに出された本。当時、「勉強に(参考に)なるかな?」と思って買ったものの、何となく読まずに、本棚に挿したままになっていた分厚い新書。2007年度にフジテレビが慶應義塾大学で「講座」を持って、大学生たちに「テレビ局の極意」の授業をしていた、その講義録のような一冊。うち(読売テレビ)も読売新聞大阪本社と一緒に立命館大学などでこういった「マスコミ講座」的な授業をしていて、私も何年か前に行ったことがある。

この慶應での講義をしている人たちは、現在、社長さんになった方や役員になっている人はもちろん、当時の局長や局次長といった、かなり「幹部」の人たち。報道や制作・ドラマの現場の「バリバリの中心」ではなく、既に功なり名を遂げて管理職になった方が多く、そこで話される内容も「少し過去」のものが多いように感じた。

読んでいると、テレビ局の様子もよく分かるし、『フジテレビはなぜ凋落したか』に出てきたように、フジテレビが、いかに『楽しくなければテレビじゃない』を「憲法」のように信奉しているかもよくわかった。だって、それで業界のトップに君臨してきたし、当時はまだ君臨していたのだから、「信奉」するのは当たり前ですよね。

読んでいて、8年経った今でも「その通りだな」という感じを持ったのは、報道やコンプライアンス、アナウンサー、ネットワークシステムなどの分野。逆に、「それはちょっと・・・どうだろう?8年の歳月は、こうも我々の感じ方を変えたのか」と思ったのは、ドラマやバラエティーの分野。変化の波が、激しいのかもしれない。

『フジテレビはなぜ凋落したか』との2冊を並行して比較して読むことで、より深く「フジテレビ」を知ることが出来たように思った。


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(2016、4、12読了)

2016年5月10日 17:11 | コメント (0)