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『道浦TIME』

新・読書日記 2015_154

『多数決を疑う~社会的選択理論とは何か』(坂井豊貴、岩波新書:2015、4、21)

 

タイトルに惹かれて購入。実は「数学」の感覚がないと難しい論文。でも、途中経過を飛ばして、結果を読むと、「なるほどそうか」と思える部分もたくさん。

「民主主義=多数決」と思われがちだが、実は「多数決」が民主主義の絶対無二のルールではない。最善でもない。だからこそ「少数意見の尊重」ということも言われるわけだ。

この本では、統計的手法で、「多数決以外の民主主義のルール」を例示して、そのことを明らかにしている。また、状況によっては、そういった、

「多数決以外の決定方法」

を採用すべきではないか?ということも、読んでいて感じる。

いかんせん、ちょっと数学的な部分は難しかったが、全体像と意図は、把握・理解できた。

「民主主義=多数決」とは限らないということの実例では、9月16日に横浜で開かれた「集団的自衛権関連法案」の地方公聴会で、野党側から出た弁護士が、

「こういった動きは民主主義ではない、多数決主義だ!」

と言っていたということがあった。私は「そう、それ!」と意味が分かりましたが、一般的にはどうなんでしょうかね?

 

 


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(2015、8、26読了)

2015年11月 6日 17:13 | コメント (0)