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『道浦TIME』

新・ことば事情

5881「ハーフ」

 

<もう、8年前に書きかけて、そのままだったものです。>

 

また、2007年1月29日の読売新聞朝刊(大阪本社版)に『実力派シンガー』の

「クリスタル・ケイ」

のインタビュー記事が載っていました。

彼女のことは名前ぐらいしか知りませんが、アメリカ人と日本人の「ハーフ」なんですよね?見た目は「黒人」系統に見えました。『ウィキペディア』によると、

「ニューヨーク出身でベーシストであるアメリカ人の父と、在日韓国人シンガー、shunkay(シュンケイ)との間に1986年2月26日に生まれる。」

とあります。ありゃ?ということは「ハーフ」としても「韓国人」と「アメリカ人」の「ハーフ」なのか?

読売新聞の記事によると、

「米国籍の彼女にとって」

「横浜の出身で日本で育ったが、父の国・アメリカでは、飲酒などが許されるのは21歳から。米国籍でもあるクリスタルさんは...」

というような表記がありました。なかなか複雑です。

いずれも「ハーフ」という言葉を使わずに表現しようとしています。かなり苦労しているような感じはしましたが、「ひと言」で言わなければ、多様な表現方法があるなと思いました。

 

それから8年たって、2015年10月17日放送の読売テレビの制作番組『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル吉本』で、

「ハーフタレント特集」

を放送していました。司会は、今田孝司と月亭八光。パネルには「ハーフ」の文字が満載で、しゃべり中でも何の特別扱いされることもなくもなく「ハーフ」という言葉を使っていました。ゲスト出演者は月亭八方、シルク、海原やすよ・ともこ、入江慎也、渡辺直美、植野行雄(デニス)、藤田ニコルと芸能リポーターの中西正男の皆さん。この中の渡辺直美、植野行雄(デニス)、藤田ニコルが、いわゆる「ハーフ」です。

ハーフの芸能人が集まる「ハーフの会」というのがあるそうで、発起人はシェリー。芸能リポーターの中西さんが、

「台湾人のハーフ」

と言っていました。(「台湾人」というのも微妙な表現です。)

山本アナウンサーのナレーション(原稿)でも「ハーフ」と読んでいました。

渡辺直美の母が"台湾人"ということで、直美ちゃんが「台湾のハーフ」。

その後「4分の1」(祖父母のいずれかが外国人)のケースとして、

東山紀之は、祖父がロシア人なので「ロシア人のクォーター」と。仲里依紗は「スウェーデン人のクォーター」。大島優子は「アメリカ人のクォーター」。

また、「あの人気芸人にも外国人の血が」という惹句で取り上げられていたのが、ブラマヨ(ブラックマヨネーズ)の小杉竜一。高祖父(こうそふ=ひいひいおじいちゃん)がアメリカ人なのだそうで、「16分の1」がアメリカ人だそうです。

うーん、もう「ハーフ」という言葉も、少なくとも「バラエティー番組」では問題ないのかなあ。

「平成ことば事情1784 ハーフ・アメラジアン・国際児」もお読みください。

 

(2015、10、19)

2015年10月29日 11:58 | コメント (0)