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『道浦TIME』

新・ことば事情

5830「リンチ」

 

7月23日のNHK正午のニュースを見ていたら、アメリカの「ヘイトクライム」による大量殺人事件のニュースで、アメリカの司法長官がコメントを発表している様子を伝えていました。その司法長官の名前(名字)は、

「リンチ」

でした。「ヘイトクライム」で「リンチ」って...と思って、

いわゆる『私刑』の意味の『リンチ』の語源」

を調べようと、『広辞苑』を引いてみたら、こう載っていました。

 

「リンチ(lynch)」=(アメリカの判事W.Lynch17421820の名に由来)法によらない私的制裁。私刑。

 

え!そうだったのか!「アメリカの判事」で「リンチ」って人がいたのか?でも、

「その人が行ったから『リンチ』という名になった」

のか、それとも、

「そういった私刑はいけないという判決を出した」

から「リンチ」と言われるのかは、是だけではわかりません。もう少し調べて見ましょう。

「語源由来辞典」

http://gogen-allguide.com/ri/lynch.html

というサイトによると、

『1770年代、アメリカ・バージニア州で私的法廷を主宰していたキャプテン・ウィリアム・リンチ(Captain William Lynch)の名前が語源である。リンチは施設法廷で正規の手続きによらず、残酷な刑罰を加えたことから、そのような刑罰を「Lynch Law」と呼ぶようになった。この「Lynch Law」は、日本で名詞として使われている「リンチ」と同じ意味で、英語で「Lynch」は「リンチにかけて殺す」という意味の動詞になる』

とありました。また「ウィキペディア」では、

『語源はアメリカ独立戦争時のバージニア州の独立派有力者チャールズ・リンチ大佐、同じくバージニア州のウィリアム・リンチ判事などに由来する等の諸説あるが、詳細についてはわかっていない。』

となっています。また、「とっさの日本語便利帳の解説」というサイトでは、

「リンチ」=『ウィリアム・リンチ(William Lynch。一七四二~一八二〇)▼米国バージニア州の治安判事。一七八〇年に市民グループの指導者として、社会の秩序を乱していた暴徒たちを処罰するため、「リンチの法」(Lynch's law)と呼ばれた私的裁判権を行使した。米独立戦争時代の治安判事で、農場主でもあったチャールズ・リンチ(Charles Lynch。一七三六~九六)も、この語に名を残したといわれる。彼は、英国本国に味方する人々を私的裁判にかけ、絞首刑に処したと伝えられる。さらに、一五世紀のアイルランド、ゴールウェイ市長のジェームズ・フィッツスティーブン・リンチ(James Fitzstephen Lynch)は、一四九三年に自分の息子を裁判にかけて処刑した。このリンチも名祖の一人である。』

とありました。

リンチ、結構いるじゃん。しかし、やはり「リンチ(私的制裁)」を行っていた人の名前が「リンチ」だったのですね。あ、そういえば映画監督に、

「デイビッド・リンチ監督」

という人もいたな。わりとアメリカではよくある名前(名字)なのかも知れませんが、それが、こんな意味の代名詞になるなんて、ねえ・・・。

(2015、7、29)

2015年7月29日 18:10 | コメント (0)

新・ことば事情

5829「少年院の新名称」

 

「少年法」の改正に伴って、「少年院」の分類が、ことし6月1日から66年ぶりに変更されました。それによると、「旧少年法」では非行歴、年齢、心身の状況によって、

「初等少年院」

「中等少年院」

「特別少年院」

「医療少年院」

の「4つ」に分類されていたのが、改正によって、新しい「少年法」では、

*「第1種少年院」(旧法での16歳未満の「初等少年院」と16歳以上の「中等少年院」を統合)

「第2種少年院」(旧法での「特別少年院」)

「第3種少年院」(旧法での「医療少年院)

の「3つ」に分類となったそうです。

7月13日に、長崎・佐世保の高1女子同級生殺害事件の実行犯の少女(16歳)を、旧法の「医療少年院」送致とする保護処分を決定したニュースでは、(いずれもインターネット版)

「読売新聞」=「第3種(旧・医療)少年院」

「毎日新聞」=「医療少年院(第3種少年院)」

「産経新聞」=「医療(第3種)少年院」

「日経新聞」=「医療(第3種)少年院」

「朝日新聞」=「医療少年院」

地方紙では

「中国新聞」=「医療(第3種)少年院」に送致

という表記でした。

「読売テレビ」では、NNN(日本テレビ系列)からの原稿(出稿は恐らく「長崎国際テレビ」)で、

「医療少年院」

と伝えました。テレビ各社・新聞各社は、どのような方針で、どういう表現で報じられたのか、各社の用語担当者に伺ったところ、以下のような回答が来ました。

 

【MBS】

TBS系のネットニュースでは7月13日のNBC(長崎放送)からの放送で、リードは、

「加害少女を医療少年院送致とする保護処分を決定しました」

本記では、

「第三種少年院、いわゆる医療少年院送致の保護処分とすることを決めました」

とした。

 

【ABC】

ABCラジオのニュースでは、

「医療少年院」

という従来どおりの表現で、一方、テレビ系列局である「長崎文化放送」の出稿も、

「医療少年院」

という表現になっていた。

 

【フジテレビ】

系列「テレビ長崎」の原稿をそのまま放送した。リードは、

「医療少年院」

本文の中で、

「長期の治療教育が期待できる第三種少年院、いわゆる医療少年院に送致」

と説明している。今後も、基本的には、「医療少年院」と言わなければわからないだろうから、「医療少年院」を使うことになるだろう。

 

【KTV】

このニュース、弊社「ワンダー」(関西ローカル)では全く扱いがなかった。

きのう(7月15日)のFNN「全中ニュース」では

「第3種少年院、いわゆる医療少年院」

になっていた。定着するまでは、このような言い回しが続くのかもしれない。

 

【共同通信】

共同通信の新聞原稿は「医療(第3種)少年院」で、放送原稿は「医療少年院」。

6月1日に改正少年院法が施行されたのに伴い、以下のように用語を統一している。

 ▽初等少年院と中等少年院は「初等・中等(第1種)少年院」

 ▽特別少年院は「特別(第2種)少年院」

 ▽医療少年院は「医療(第3種)少年院」

 

【読売新聞】

少年法改正を受けて、記事では単に「少年院」で足る場合は、「少年院」と表記する。

 ただし、種類の記述が必要な場合は、

「第1種(旧・初等、中等)少年院」、

「第2種(旧・特別)少年院」

「第3種(旧・医療)少年院」

とする。また、重大案件などで、より丁寧な説明が必要な場合は、

「通常の非行少年を収容する第1種(旧・初等、中等)少年院」

「犯罪傾向が進んだ少年を収容する第2種(旧・特別)少年院」

「医療措置が必要な少年を収容する第3種(旧・医療)少年院」

などと記述することにした。

「見出し」については、「医療少年院」を許容。今後も見出しは、

「医療少年院」

とし、記事中は、

「第3種(旧・医療)少年院」となるのかと思う。

 

【朝日新聞】

社会面での扱いは、東京・大阪とも「記事本文」で、

「第3種(医療)少年院に送致」

とし、「見出し」では、

「医療少年院送致」

としている。法改正の趣旨が「特別」という呼称を消すことにあるので、「心身に障害のある少年」を収容するのが目的の「第3種少年院」については、従来通り「医療少年院」と表記した方が、読者の理解の助けになるものと思う。

 

【毎日新聞】

2015年7月13日付で以下のような「用語連絡」が出ていた。

『「第1種(初等・中等)少年院」「第2種(特別)少年院」

「第3種(医療)少年院」とします

~6月1日より「改正少年院法」が施行され、法律上の少年院の名称が

  初等少年院、中等少年院→第1種少年院

  特別少年院      →第2種少年院

  医療少年院      →第3種少年院

にそれぞれ変更されました。これに伴い、記事での少年院の表記を

初出「第1種(初等・中等)少年院」、2度目から「第1種少年院」

初出「第2種(特別)少年院」、2度目から「第2種少年院」

初出「第3種(医療)少年院」、2度目から「第3種少年院」

とします。今後の行政文書は「第○種」という言い方になりますが、旧名称が浸透しているため、しばらくは両方を併記します。

 新名称の「第○種」の言い方がまだ浸透していないため、見出しについては旧名称を使ってもかまいません。』

 

【中国新聞】

弊社の場合、「医療(第3種)少年院」の表記は、共同通信の表記に従っている。

少年法が規定した用語をそのまま使ってはいない。想像だが、おそらく分かりやすくするために「医療」と「第3種」をミックスした表記にしたのだと思う。

 

 

なお、実際の7月14日の各紙朝刊の表記は、以下のようなものでした(大阪版)

(見出し)       (本記)

(読売)少女を医療少年院送致   第3種(旧・医療)少年院  ※解説有

(朝日)少女医療少年院送致    第3種(医療)少年院

(毎日)少女医療少年院送致    第3種(医療)少年院 

※社会面の見出しは「少年院送致父、涙」

(産経)16歳少女医療少年院に  医療少年院に送致 

                 ※決定骨子の表は「医療(第3種)少年院」

(日経)少女を医療少年院送致   医療(第3種)少年院

 

今後も注目していきます。

(2015、7、22)

2015年7月29日 16:03 | コメント (0)

新・ことば事情

5828「『影響』の読み方」

 

「影響」という言葉の発音について、視聴者センターにご意見が届きました。

 

「台風、猛暑・・・週末天気は?というニュースで『本州でも熱中症など、影響が出始めています』の『影響』を『エーキョー』と発音していたが、正しい発言は『えいきょう』だ。辞書に明記されている。多分、『映像、英語、映画、軽四』も『エーゾー、エーゴ、エーガ、ケーヨン』と発言するのではないか?」

 

しっかりとご覧(お聞き)いただいて、ありがたいことです。

しかし、このご意見は「正しく」はありません。

たしかに、この視聴者の方がおっしゃるように、『NHK日本語発音アクセント辞典』にも、

「エイキョー」

と書いてありますが、発音は「エイ」ではなく「エーキョー」と「長音」でいいのです。というのも、同じ『NHK日本語発音アクセント辞典』の付録99ページに、金田一春彦氏が書いた「共通語の発音とアクセント」に、

 

「≪セイト≫(生徒)、≪テイネイ≫(丁寧)のようにエ列の拍の次に来た場合で、自然な発音では≪セート≫≪テーネー≫のように引く音に変化する」

 

と記されています。英語の「二重母音」とは違うのですね。

普通は自然と、そのように発音すると思いますけどね。

しかし。実は最近、「二重母音」的に発音する人も増えているような気もします。その辺りについて、先輩の牧野誠三アナウンサーは、

「最近の傾向は、『アクセント乗りが悪い』というのも一因かとも思います。

『エイ』と2音目の『イ』が上がる感じの『平板アクセント』と、『エー』と2音目があまり上がらない傾向がしゃべり手にあることも、視聴者の方の指摘の原因ではないでしょうか?

と分析しています。

それと、「関西方言」は、「全部の音が平板・しかも高い音」で「エーキョー」なので、その「関西アクセント」が全国的に広まる中で、

「第2音が上がるという法則を持つ『共通語圏』」

の方が、「長音化」して「エー」に、違和感を覚えているのかもしれませんね。

(2015、7、27)

2015年7月29日 11:59 | コメント (0)

新・ことば事情

5827「満天の星空」

 

7月23日、油井亀美也未注飛行士が、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から、ソユーズで宇宙へ飛び立ちました。それを報じた「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたらこんな表現が。

「満天に広がる星空を見上げること」

これは、実は間違いですね。正しくは、

「満天の星を見上げること」

です。というのも、

「満天」=「空全体」

であり、「満天(=空全体)」と「広がる」がやや重複の上、「星空」は「天=空」なので、「重複語」になります。また、

「満天の星」

が、成語(決まった表現)ですね。

読売新聞東京本社の校閲部主任の島津暢之さんが、ついこの間、7月24日に出された、

『知らないうちに間違えている日本語』(宝島社)

にも「いらない言葉を重ねる失敗」として載っています。ちょっと引用してみると、

『(正)満天の星を見に行こう

(誤)満天の星空を見に行こう

星の輝きが美しい季節、恋人をデートに誘うときなどは、言葉遣いにも注意が必要です。「軽井沢へ満天の星空を見に行こうよ」――これでは彼女も興ざめです。満天は「空一面」という意味なので、「満天の星空」だと「空一面の星空」ということになって「空」がダブってしまいます。ここは「満天の星」という正しい言い方でビシッと決めましょう。インターネット上では「満天の空を仰いで」「満天の空の下」など、「満天の空」という使い方も目にしますが、これでは「空一面の空」となり意味不明。気を付けましょう。』

なるほど。

なんとデートマニュアルにもなる一冊だったのですね、この本は。

でも「満天の星空」と間違って言ってしまっても、「軽井沢」ならきっと彼女は「興ざめしない」と思いますが。その彼女が、新聞社の校閲部勤務でなければ。

(2015、7、27)

2015年7月28日 12:39 | コメント (0)

新・読書日記 2015_105

『部落解放同盟「糾弾」史~メディアと差別表現』(小林健治、ちくま新書:2015、6、10)

 

ちょっと堅苦しい感じのタイトルだが、勉強になる一冊。メディアの一員として、知っておくべき内容である。読んでいると、これまでに学んだ「差別語」関連のことを思い出した。取り立てて珍しい話は、それほどなかったのだが、コンパクトにまとまっているので、「教科書」として学ぶことが出来ると思う。若い人にとっては、ほとんどが「生まれる前の出来事」なので「初めて知ること」が多く、「そうだったのか!」の連続かも。

1960年代~1970年代の「糾弾」によって、メディアが「自粛」して、表面に出なくなった差別語(差別表現)。私が入社した1980年代には、まさにそんな時代であった。ギリギリ、「糾弾」を受けた時代の先輩がいたので、「これは使ったらアカン」と教わった。しかし、ほとんど表面にそういった言葉・表現は出なくなった。それから20年も経つうちに、完全にそれらの言葉は「死語」となったが、本書の中にも出て来るように「無知によって再生産される差別」ということも、もちろん常に考えられる。知らなければ言わないだろう、ではない。教えなければ使わないだろう、ではない。「寝た子を起こすな」ということでは、ダメなのである。やはり「差別の歴史を知ること」は、少なくとも「情報の伝え手」としては絶対に必要なことだと思う。

「フムフム、そうか」というところのページの隅を折っていたら、また、ほとんどのページの隅が折れてしまいました。


star4

(2015、7、12読了)

2015年7月24日 16:03 | コメント (0)

新・読書日記 2015_104

『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる~日本人への警告』(エマニュエル・トッド:堀茂樹・訳、文春新書:2015、5、20第1刷・2015、6、3第5刷)

 

過激なタイトルのインタビュー集。『帝国以後』で知られるフランス人の人口学者・歴史家であるエマニュエル・トッド氏への、2011年11月から2014年8月までのインタビューを集めたもの。雑誌の特集記事のようで読みやすい。

要約すると、現在のヨーロッパは「EU=ドイツの支配」となっている。というのも、「EU」は「ドイツ」の論理で運営されているということ。そして、「EU」内部の勢力分布は、

「ドイツ」「ドイツ圏」「自主的ドイツへの隷属」「ロシア嫌いの衛星国」「事実上のドイツ支配圏」「EUからの離脱途上」「EUへの併合途上」「無法地帯」

に分けられるという。これは、口絵の地図も見ると、きれいに色分けされていて、わかりやすい。

そもそもヨーロッパ全体が一つの文化圏ではない上、「人と物の自由な行き来」が出来ることにしたことで、一つに国の中にいろんな国の人たちが入ってきてしまい、それによって経済的統一が難しい面もあると。「単一通貨」というのは理想ではあるが、やはり無理があるのだと。また、ウクライナ問題は実はロシア問題ではなく、ドイツの問題なのだという視点で話が進む。そして、驚きだったのは、

「今やフランス(オランド大統領)は、ドイツのフランス支局長に過ぎない」

というような表現だった、これは「著者の母国」であるからこそ、趙辛口の表現をしたのだとは思うが。

この本を読んでから、例の「ギリシャの問題」を見ていたら、本当にメルケル首相(ドイツ)がEU(経済面=ユーロ)を仕切っているのだなということ、オランド大統領が間に入ったとはいえ、メルケルに比べると力が弱いなあということなども見て取れて、大変参考になった一冊であった。

その前に読んだ6月28日付「日経新聞」の「経済論壇から」の「ギリシャ問題の本質は」も、大変興味深い記事だった。ここで、東京大学の植田健一准教授が6月17日付の「日経新聞」の「経済教室」で述べた「ギリシャ問題の3つの捉え方」を紹介していた。その3つとは、

(1) ドイツ人およびそれ以北の国の人は、借りた金は返すべきだと、典型的な金融契約論に基づく正解を唱える。

(2) ギリシャ人および一部南欧の人は、返せないほどの金を貸す方が悪いと言う。

(3) フランス人および一部南欧の人は、ドイツ人の主張は正しいし、ギリシャ人の不満もわかるが、ギリシャにEUから出て行かれては困るとの立場で、ドイツが容認する範囲でギリシャをつなぎとめる策を考える。国際金融論におけるマクロ複数均衡問題との捉え方。

であり、植田准教授は「貸し手の権利を尊重しつつも、返せないものは返さなくて良いという過重債務問題を取り入れた金融契約論に基づけば、貸し手の権利を中程度に守るべきだとなる。国家債務の上限と過重債務削減のメカニズムの導入に期待する」と述べる。

また、国際基督教大学の岩井克人客員教授は『中央公論』7月号で「人工的に作られたユーロは、EU加盟各国の独立性を重んじながら、経済的な不均衡がある状態では、その矛盾が永久に続くはずだ」と論じているという。各国間の景気や発展の不均衡は、「通貨」では調整できないと言うのだ。なるほど。このあたり「ユーロの矛盾・限界」は、トッド氏と同じ意見ですね。

それと、やはり「ドイツ」と言えば「宗教改革」。「宗教改革」と言えば「カルビン=カルビニズム」は、「貯蓄」を尊ぶ。その精神と、南欧の「貸す方が悪い」という生き方は、どう考えても相容れない。

奇しくも、けさ(7月21日)の「読売新聞」で、ギリシャの金融支援協議を検証していましたが、その記事の中で、ギリシャのバルファキス前財務相が、

「破綻していた国に、史上最大の融資を行ったことは人道に対する犯罪だ」

などと挑発的な発言を繰り返していたと記されていました。うーむ、植田准教授の言うとおりだ。また、ギリシャ側は、

「ドイツも、こんなに金を貸しているんだから、EU(ユーロ体制)から出て行けとまでは言わないだろう」

という「甘え」があると思うが、読売新聞の記事によると、堪忍袋の緒が切れかかっている、ドイツのショイブレ財務相が、今月に入ってから、

「ギリシャの一時的ユーロからの離脱」

も切り出して来たことを受けて、ギリシャ側も、

「お、ドイツは本気で俺たち(ギリシャ)を追い出しにかかるかも・・・」

と危機感を覚えたようである。本当に国際関係は、ややこしい。

また、この本を読んでいて、「国家」「経済」に取って「量」=「人口」=「マス」ということが感じられ、大学時代に学んだとはいえ「何が重要なんだろ、この学問は?」と思っていた「人口論」「人口学」の重要性というものが、少しわかった気がした。「マルサス」の名前を思い出した。内容は覚えていませんが。


star4

(2015、7、9読了)

2015年7月23日 16:02 | コメント (0)

新・ことば事情

5826「『生態系』のアクセント」

 

7月22日の正午のNHKニュースで、大学のグリークラブの後輩でもある(と言ってもあったことはないけど)高瀬耕造アナウンサーが、いつものように落ち着いた声でニュースを読んでいました。その中で「おや?」っと思ったアクセントがありました。

「生態系」

という言葉を、彼は、

「セ/ータ\イケー」

「中高アクセント」で読んだのです。私は、

「セ/ータイケー」

「平板アクセント」ではないかな?と思い、すぐに『NHK日本語発音アクセント辞典』を引いてみると、やはり「平板アクセント」

「セ/ータイケー」

しか載っていませんでした。「中高アクセント」だと、

「性体系」

のように聞こえてしまうのは、私だけでしょうか・・・。

(2015、7、22)

2015年7月23日 11:45 | コメント (0)

新・ことば事情

5825「蚊に刺される?食われる?かまれる?」

 

昨年(2014年)、蚊に刺されることで感染する「デング熱」患者が出て、聞き慣れない病気に対する警戒が高まりました。その際に、「蚊に刺される」ことを、方言として、

「蚊にかまれる」「蚊に食われる」「蚊に噛まれる」

ということが話題になりました。(私の周囲で)その際に行ったグーグル検索では、

グーグル検索すると(2014年9月18日)

「蚊に刺される」=45万1000件

「蚊に食われる」= 2万8700件

「蚊に咬まれる」=   4570件

「蚊に噛まれる」= 1万8800件

でした。

ことし(2015年)になって「蚊取り線香」の藤原竜也さんが出ているコマーシャルで、女性とこんなやりとりが。

女「あ、かまれた」

男「今、『かまれた』って言ったね?出身は?」

女「滋賀県だけど」

男「『かまれた』と『刺された』の境界線は、このあたりかな。」

(と言って、滋賀県あたりの地図に「かまれた」と書き込む)

男「刺されても、かまれても、金鳥蚊取り線香」

このコマーシャルは、方言的に見て大変興味深い、面白いコマーシャルですね!

一応、現在のグーグル検索数は(7月21日)

「蚊に刺される」=50万1000件

「蚊に食われる」= 5万6900件

「蚊に咬まれる」= 8万6100件

「蚊に噛まれる」= 7万1600件

「蚊にかまれる」= 1万3800件

でした。

そして、その「境界線」を調査したサイトがありました!やはり「デング熱」がらみでしょうか、去年(2014年)の12月12日の記述です。

http://j-town.net/osaka/research/results/197920.html

「『蚊に食われる』『かまれる』は方言? 『刺される』は都会人?」

というサイトで、そこで行われたアンケート(総投票数1313票、2014年11月7日~12月8日=Jタウンネットしらべ)では、

「刺される」=43,5%

「食われる」=39,8%

「かまれる」=14,9%

で、全国の分布は

「刺される」21=北海道、秋田、栃木、茨城、千葉、埼玉、神奈川、静岡、岐阜、三重、

奈良、和歌山、大阪、滋賀、京都、兵庫、岡山、山口、福岡、大分、熊本

「食われる」15=青森、宮城、山形、新潟、富山、石川、福井、群馬、東京、愛知、

徳島、愛媛、長崎、鹿児島、沖縄

「かまれる」5=鳥取、島根、広島、香川、宮崎

「刺される/食われる」4=岩手、福島、山梨、長野

「刺される/かまれる」1=高知

★その他・少数意見

「くっつかれる」=山梨(22,2%)、静岡(8,3%)

「吸われる」=奈良(9,1%)、市が(5,6%)

「かぶられる」=埼玉(2,0%)、福岡(2,2%)

だそうです。これらを通じて、

『「刺される」が全国で広く使われているのに対し、「食われる」は主に東日本、「かまれる」は主に西日本に浸透していることが確認された。』

としています。

そして翌日の12月13日には、分布の解釈に関して、やや修正というか、

『「食われる」は西日本でも浸透。関西でもかなり使う』

と題して、また日本地図が。

http://j-town.net/osaka/research/results/197921.html?p=all

「蚊に食われる」

を選んだ割合(Jタウンネット調べ)を記して、

「50%以上」13=青森、岩手、宮城、山形、福島、新潟、長野、富山、石川、福井、

長崎、鹿児島、沖縄

「30~50%」20=北海道、秋田、茨城、千葉、埼玉、東京、群馬、神奈川、山梨、静岡、愛知、岐阜、滋賀、大阪、岡山、徳島、高知、愛媛、福岡、熊本

「20~30%」7=栃木、三重、和歌山、兵庫、鳥取、山口、大分

「20%未満」6=京都、奈良、広島、島根、佐賀、宮崎

また、同じく、

「蚊にかまれる」

を選んだ割合は、

「50%以上」3=鳥取、島根、宮崎

「30~50%」5=京都、奈良、和歌山、兵庫、高知

「20~30%」7=山形、滋賀、大阪、徳島、愛媛、山口、長崎

「20%未満」=たくさん(残り全部)

という状況で、「山形」以外はほとんど西日本だけです。

筆者は、

『「東の食われる、西のかまれる」というよりは、ほぼ全国区の「食われる」に対し、関西~中・四国に「かまれる」が食い込んでいる状態。関西では、食われる・かまれるが混在している状態。関西人だからといって「かまれる」とは限らない。』

『「境界線」は東は滋賀、西は山口、南は香川といったところだろう。』

と記しています。更に、言葉の広がり方として「3つの仮説」を立てています。それは、

(1) 元々、西日本は「かまれる」だった。そこへ大阪へ「食われる」が上陸し、関西全体に広がった。

(2) 元々、全国的に「食われる」だった。そこへ広島あたりから「かまれる」が入って来て広がった。

(3) 「食われる」がより古い言葉で、京都から同心円状に広がり、その後「かまれる」が新たに流行り、再び同心円状に広がった。東日本で根付いた「食われる」が逆輸入され、関西で「かまれる」と混在するようになった。

私は、柳田国男の「蝸牛考」の「方言集圏論」である(3)番の意見を支持しますね。

また、「青森」「山形」あたりに、西日本系の言葉が残っていることに関しては、

「北前船の影響」

が残っているのだと思います。

 

私は個人的には「刺される」「かまれる」「食われる」、全部、違和感なく使います。

(2015、7、21)

2015年7月22日 19:58 | コメント (0)

新・ことば事情

5824「赤い手拭い」

 

ちょっと黄ばんだ新聞・・・・2013年3月26日の日経新聞夕刊「いまドキ関西」のスクラップが出て来ました。「歌ものがたり」というコーナーで取り上げた曲は、かぐや姫の歌で大ヒットし、「四畳半フォーク」という言葉も生み出した、

「神田川」

この曲を作詞をした、大阪出身の「喜多條 忠さん」が、会ったことも話したこともなかった大先輩の作詞家「なかにし礼さん」に、

 

「君はたぶん関西以西の出身。そうでしょう」

 

と言い当てられて驚いたというエピソードが載っていました。実際、喜多條さんのご実家は、大阪の昆布卸商なのだそうでですが、「神田川」の歌詞の中にも「関西」らしい風情は全くなかったはずなのに、どうして・・・と驚いた喜多條さん。

なぜ、なかにしさんが、喜多條さんの出身が「関西以西」と言い当てたか?なかにしさんによると、

 

「『赤い手拭い マフラーにして』とあるでしょう。東日本では手拭いといえば木綿の平織り、いわゆる日本手拭いのこと。ところがマフラーの代わりになるのはタオル地のもの。これを慣用的に手拭いというのは西日本だよ。それと、クレパスという商品名がクレヨンの代名詞として定着しているのも関西ならでは。」

 

とのことです。なかにしさん、さすが、観察の鋭い言葉の専門家ですね!歌詞からそこまで読み取るとは!舌を巻きますね。私はこれを読むまで、「手拭い」と「マフラー」については、何十年も全く気付きませんでした。「クレパス」が「商品名」というのは気付いていましたが。

 

あ、ちょうどこれを書き終えて、「PHP新書」から出たばかりの、

『大林宣彦の体験的仕事論』(大林宣彦・語り、中川右介・構成)

という本を読んでいたら、「タオルと手ぬぐい」が出て来ました!

73ページに、こういう記述が。

『東宝のような大企業の撮影所では、映画に使う「タオル」と「手ぬぐい」では、持ち場が違うんです。タオルは小道具部、手拭いは衣装部の扱いなんです。まだ慣れていない助監督が小道具部に手ぬぐいを借りに行くと、「馬鹿もん」と言われたという笑い話がある。』

そうだったのか!大変、勉強になりました。

(2015、7、22)

2015年7月22日 12:12 | コメント (0)

新・ことば事情

5823「かたを付ける」

 

7月4日付の「日経新聞・夕刊」で、サッカー女子のなでしこジャパンが、2大会連続で決勝進出を決めたこと関する記事が出ていました。その中に、

「相手の想定を超えることをする。90分で方を付けたい

という、主将・宮間あや選手の言葉が紹介されていました。

これを見て「おや?」と思ったのは、

「方を付ける」

という漢字の使い方についてです。これは、普通は「片付ける」ですから、

「片を付ける」

なのではないかと思ったのです。

日本新聞協会・新聞用語懇談会編の『新聞用語集2007年版』には載っていませんでしたが、読売新聞社の『読売スタイルブック2014』には、

「片が付く」

という形で「片」で載っていました。しかし、『精選版日本国語大辞典』の「かたが付く」の用例は、国木田独歩の『正直者』(1903)の中の、

「それなりで君の身の方(カタ)がつくといふものだ」

「方」で載っています。『デジタル大辞泉』でも、見出しは、

「方(かた)が付く」

で、注釈として、

「◆「片が付く」とも書く」

とありました。『明鏡国語辞典』では、「片」の中に、

「物事の始末」

という意味が書かれた後の例文で、

「片がつく(=決着がつく)」「片をつける(=決着をつける)」

とありますが、こちらも、

【表記】「方」とも。

とあります。

『三省堂国語辞典』「片」の中に、「片がつく」「片をつける」で載っていますが、意味の説明の中には「方がつく」も記されています。

『新明解国語辞典』は、「方」のほうに「方を付ける」とありますが、

【表記】「片」とも書く。

とあります。

『岩波国語辞典』は、「片」のほうに、

(3)「片がつく」物事が落着する。

とありますが、そのあとに注釈として、

「(3)は「形」の当て字か。」

と書かれています。「カタがつく」は、

「『形』が、それらしくなって落ち着く」

という意味として、語源をそこに求めているのですね!

『新潮現代国語辞典』「方が付く」「方を付ける」が見出しですが、すぐその下に、

「片が付く」とも・「片を付ける」とも

とあります。

『広辞苑』は、ちょっとおかしくて、見出しは、

「片が付く」で「片」なのですが、用例為永春水『春色梅暦』(1832~1833)で、

「おいらんのお身の上も、どうか手軽く方がつきませう」

というように「方」なのです。表記は気にしていないということでしょうか?

まとめて見ますと、

「片」=読売新聞、※明鏡国語辞典、※三省堂国語辞典、岩波国語辞典、

「方」=日経新聞、精選版日本国語大辞典、※デジタル大辞泉、※新潮現代国語辞典、※新明解国語辞典

ということです。※は、見出しにはそう書いてあるが、一応「別の書き方」も記してあるものです。『広辞苑』は、どっちに入れればいいのかな?引用での用例だけを見れば、『精選版日本国語大辞典』も『広辞苑』も「方」なんですけどね。

なかなか簡単には、「カタ」が付きそうもありません・・・。

(2015、7、20)

2015年7月21日 20:28 | コメント (0)

新・読書日記 2015_103

『もっと声に出して笑える日本語』(立川談四楼、光文社知恵の森文庫:2009、8、20第1刷・2014、7、5第6刷)

前作『声に出して笑える日本語』、面白かったです。(2010読書日記086『声に出して笑える日本語』光文社知恵の森文庫:2009420第1刷)もう5年前なんだ、あれを読んだのは。すぐに、続編(柳の下のドジョウ)が出ているとは、6年もの間、知りませんでした・・・・。

前作ほどのパワーは無いにせよ、面白かったです。「つぶやき」的なものでは、「うんちく」が勉強になりました。たとえば、ちょうど私は、小津安二郎監督の『小早川家の秋』をDVDで見たばかりで、実は「小早川」は「こばやかわ」ではなく「こはやがわ」だということを知ってビックリしたのですが、談四楼さんも同じことを、もう6年前に書かれています。ふつうは「こばやかわ」だもんねえ・・・共感できました。


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(2015、6、29読了)

2015年7月21日 17:19 | コメント (0)

新・ことば事情

5822「縦断か?横断か?」

「台風11号」が日本列島に向かっている時の天気予報を伝える際に、「日本列島」を、

「縦断」

するのか?それとも、

「横断」

するのか?が問題になりました。

最初は、読売テレビの他の番組が「縦断」で放送したところ、視聴者から、

「横断ではないか?」

というご指摘が。たしかに「縦断」というと、

「全てを貫いて"串刺し"状態」

のようなイメージがあります。それに対して「横断」は、

「その物の、短いほうの長さの一部を横切る」

といったイメージです。

但し、「縦・横」に関するもう一つのイメージには

「南北=縦」「東西=横」

というものがあります。それで考えると、今回の「台風11号」は、

「南から北へまっすぐ進む」

ので、「縦=縦断」のイメージがあるのです。しかし、その「台風11号」が通る予想コースは、

「太平洋側の四国か和歌山県から、岡山~鳥取・島根へ抜けるコース」

ですので、九州や東海・関東・東北・北海道は、あんまり関係なく、

「全てを串刺し=縦断」

というイメージよりは、

「日本列島の一部を『横断』」

とする方がいいような気が。「ミヤネ屋」では、そういう理屈で一貫して

「横断」

にして放送したのですが、7月17日の日本テレビ「every.」では、

「西日本を縦断した台風11号」

「縦断」で放送していました。

ここでまた問題が!「日本列島」だと通るのは「一部」だから「横断」で良いと考えたとしても、

「西日本」

だとどうなんでしょうか?まあ、これも「横断」で良いとしても、じゃあ、

「近畿地方」

だと、どうなんでしょうか?「近畿」だと「縦断」するような感じもしますが。つまり、

「同じコースを通る台風でも、地形によって『縦断』と呼んだり『横断』と呼ぶことがある」

ということですかね?

そもそも「縦」か?「横」か?というのは、とっても「相対的な感覚」ですよね。

以前、

「魚の縞模様は、タテ縞か?ヨコ縞か?」

という論文を読んだ覚えがあります。

つまり、私達が見て「タテ縞」に見える模様は、「魚」にとっては、

「進行方向に向かってクロスする形の縞なので『ヨコ縞』ではないか?」

という問題提起でした。

このように、「タテ」「ヨコ」は、基準によって変わる、という話でした。

ちなみに国語辞典は「タテ」「ヨコ」をどう記しているか?気になりますよね。

見てみましょう!まず「縦」、『広辞苑』から。

(1) 上から下への方向、また長さ。(例)縦書き

(2) まえから後ろの方向、また長さ。(例)縦に並ぶ

(3) 細長い物の長い方向、また長さ。(例)材木を縦に切る

(4) 南北の方向、また距離。

(5) 「たて糸」の略。

(6) 年齢・身分の上下の関係。(例)縦社会

 

「横」については、

(1) 縦に対して垂直の方向。上下に対して、水平の方向。立っているものが寝た位置。また、前後に対して、左右の方向・位置。南北に対して、東西の方向。(例)(一部略)横に長い、横になる

(2) 系列・系統を越えて、地位・水準などが同じ関係。(例)横のつながり

(3) 正面・背面ではなく、側面。特に左右の正面。(例)箱の横に絵をかく

(4) かたわら、そば。局外。(例)横から口を挟む

(5) 正しくないこと。また、無理にすること。

(6) 緯糸(よこいと)の略。

(7) (遊里語)客のある遊女が他の客の座敷へ出ること。(例)横に行く

とありました。

『三省堂国語辞典』『精選版日本国語大辞典』も、ほぼ同じようなことでした。

ここで「縦断」「横断」も見てみましょう。『精選版日本国語大辞典』です「縦断」は、

(1) 縦または南北の方向に断ち切ること。また、その方向に向かって通り抜けること。

(2) 山脈の走っている方向に尾根を歩くこと。縦走。

一方「横断」は、

(1) 横にたち切ること。平行方向に区切ること。

(2) 道路や敷地などを、一方の側から向かい側へまっすぐに行くこと。また、ある地域や海域を東西の方向に取ってゆくこと。

うーん、これで見ると、

「東西=横断」「南北=縦断」

ということだけで考えても、間違いではなさそうだな。

でもこれだと「魚の縞模様問題」は、解決できないな。

もう少し考えてみますね。

(2015、7、20)

2015年7月21日 12:10 | コメント (0)

新・ことば事情

5821「『農作物』の読み方」

 

7月19日、静岡県西伊豆町で、シカなどの動物よけの「電気柵」で感電して、2人が死亡し、5人が重軽傷を負うという痛ましい事故がありました。

その翌日、地元・静岡第一テレビ(日本テレビ・読売テレビ系)のアナウンサーが、

「シカなどの野生動物から、農作物を守るための電気柵」

というような説明をしている中で、この「農作物」を、

「ノーサクモツ」

と何度も繰り返ししゃべっていました。しかし、これは「間違い」ですね。正しくは、

「ノーサクブツ」

なのです。

単体で「作物」の場合は「サクモツ」ですが、「農作物」は「ノーサクブツ」

なぜなら、意味上の分かれ目

×「農・作物」→○「農作・物」

だからです。

日本新聞協会が出している『新聞用語集2007年版』の「放送で標準とする読み方例」409ページにも、そういった「注意書き」が載っています。

アナウンス部や「ミヤネ屋」のスタッフにも「注意喚起のメール」をしたのですが、その後に見た「テレビ朝日系列」の静岡の局の記者(静岡朝日放送かな?)も、

「ノーサクモツ」

と言っていたので、この誤用は、かなり広がっているようですね。

ちなみに、「電気柵」の業界団体である、

「日本電気さく協議会」

の方に、きょう(7月20日)の「ミヤネ屋」に電話出演してもらいましたが、この団体の名前の中にある、

「さく」

は「平仮名表記」でした。「柵」という漢字が「常用漢字」になったのは、

「2010年11月」

なので、それ以前に設立されて定着していたので、「さく」は「平仮名のまま」なんでしょうね。

(2015、7、20)

2015年7月20日 19:09 | コメント (0)

新・ことば事情

5820「恋しかるべき」

 

6月末のある日、朝のワイドショーを見ていたら、男性アナウンサーが、

「恋しかるべき」

という語を、

「コ\イ・シ/カルベ\キ」

と読んでいて「えっ!」と思いました。これでは、

「恋・叱るべき」

に聞こえてしまいます。・・・叱られても・・・・ねえ。叱られたことがあるのかな?

ここは、やはり、

「コ/イシカルベ\キ」

と読んで、「恋しい」感じをきっちりと伝えてほしかったなあ。「百人一首」とか、やらなかったのかなあ。なんとも、スッキリしない感じでした。

(2015、7、16)

2015年7月20日 17:08 | コメント (0)

新・読書日記 2015_102

『縁の切り方~絆と孤独を考える』(中川淳一郎、小学館新書:2014、12、6)

 

著者は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などで知られるネットニュース編集者でライター。

たまたま同時に買ったのが、蛭子さんの『ひとりぼっちを笑うな』。並べると、

『ひとりぼっちを笑うな』『縁の切り方~絆と孤独を考える』。

なんだか、孤独になりたいと考えているか、既に孤独なのか?と、書店員さんに思われたのではないか?

共に結果としては同じような「自分をしっかり持って」というところになるのだが、この本の著者である中川さんと蛭子さんでは、まったく性格の方向性(ベクトル)は「逆」だと思うのだけど。しかし、実は中川さんは、「婚約者を自殺で失う」という経験をしているという。蛭子さんも、奥さんを病気で若くして失っている(51歳)。そういった共通点から「孤独」「ひとりぼっち」について考えざるえなくなった。その結果、「人間としての生き方」に通じる哲学的な思考を経て「実際に生活していく上での、自らの生き方」が定まったのではないだろうか?と思った。


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(2015、7、16読了)

2015年7月19日 18:09 | コメント (0)

新・読書日記 2015_101

『ひとりぼっちを笑うな~内向的人間の幸福論』(蛭子能収、角川新書:2014、8、15第1刷・2015、2、10第9刷)

 

普通だと買わない(読まない)本ですが、ここまでロングセラーになっている(発売から11か月で9刷)と、ちょっと興味が湧いて購入、読みました。いやあ、食わず嫌いはいけませんね。なかなか中身の濃い本でした。タイトルが、「人のセックスを笑うな」(これも読んでない)に似ていたけれど、内容は、「個の確立」に関するものだと思います。

蛭子さん、奥さんに先立たれたというのは聞いていましたけど、再婚されていたのですね!知らなかった。

こんな本を出せるのも、最近、太川陽介さんとの「路線バスの旅」の番組が人気だからだと書いていました。1回しか見たことないけど、面白かったね、あの番組。ずっと、あの調子なんでしょうね、蛭子さん。ある意味、自分を「貫き通して」いて、偉いです。

自分の好きな生き方を貫くことが「幸福」につながる、ということですね。

同時に買って続けて読んだのが、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などで知られるネットニュース編集者の中川淳一郎の『縁の切り方~絆と孤独を考える』。まったくベクトルの向きが違うこの二人が、考えに考え抜いて、そして行動した末の結論が「同じ」というのが興味深い。


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(2015、7、14読了)

2015年7月19日 12:07 | コメント (0)

新・読書日記 2015_100

『武庫川女子大学言語文化研究所年報 第25号~佐竹秀雄教授退職記念号』(武庫川女子大学言語文化編研究所:2015、3、31)

 

武庫川女子大学言語文化研究所の佐竹秀雄先生が定年退職されたことを受けて、ゆかりの方々が言葉を寄せた一冊。僭越ながら、私も佐竹先生とのかかわりについて書かせてもらった。ほかの先生方、朝日新聞の河合記者、先生の教え子の方々、さらに佐竹先生御自身が「言語文化研究所創設25年と私」という一文を記してらっしゃり、読んでいて「そうだったのか」と思うようなことも多く、興味深く読めました。

と言っても、「非売品」で関係者しか読めないと思うので、参考までに、私の書いた文章を載せて置きます。

****************************************

「佐竹先生のご退職に寄せて」

2015、1、6

読売テレビ 道浦俊彦

ここに、一冊の古い大学ノートがある。

表紙には「1998~ 平成ことば事情 関係者リスト」とある。

今から17年前、当時、読売テレビの夕方のニュース番組『ニュース・スクランブル』の中で、「ことば」をテーマに特集コーナーを作ろうと企画した。

「1998年」は「平成10年」、つまり「平成」になって10年、"新しい"年号にも慣れた今、「平成」の世の中のことばの動向を捉えてみてはどうだろうか?「昭和」のことばと、何がどのように変わったのか探ってみよう!というのが、このコーナーの企画意図であった。(ちょうど『広辞苑』の「第5版」が出た年でもある。)

6月に第1弾「アクセントの平板化問題」、第2弾「じゃないですか言葉」について放送してから4か月後の10月6日、「~のほう」という言葉を取り上げた。「メニューのほう、よろしかったですか?」のような"婉曲表現"としての「のほう」である。これについて伺った専門家が、佐竹先生だった。初めて武庫川女子大学にお邪魔してインタビューをした。「~のほう」について取り上げたものとしては、比較的早い時期だったと思う。

佐竹先生がお答えになったインタビュー内容が良かったためだろう、この回の視聴率は、12、1%と、コーナーとして初めて「2ケタ」を記録している。夕方の番組としては、相当に良い数字である。ノートに残る記録を見ると、その年度(平成10年度)は、もう一度、年が明けた1月6日に「なんでそんなことするかなあ」(「する"の"かなあ」ではなく)という言葉について、佐竹先生にインタビューしている。

このノートには、佐竹先生から届いた「住所変更のメール」のコピーが張り付けてあった。1999年10月12日のものだ。この日は「ぼんさんがへをこいた」という「1から10まで」を数える代わりに言う「子どもの遊び言葉」について取り上げた。当時、既にこの「ぼんさんがへをこいた」が、関東発祥と見られる「だるまさんがころんだ」に取って代わられているという現状を分析した特集だった。この言葉に関してはその昔、ことばの専門誌『言語生活』で調査したことがあったと言うことで、その「最後の編集長」を務められた佐竹先生にインタビューしたのだ。インタビューでの肩書は「『言語生活』元編集長」としたのだが、放送を見た先生からの感想メールには、「私の肩書きの『元編集長』は恥かしかったです」と書いてあった。

『ニュース・スクランブル』の「平成ことば事情」での専門家としての出演回数は、おそらく佐竹先生が一番多かったと思う。理由は「何を聞いても、うまく答えてくれるから」である。「平成ことば事情」のコーナーは、その後「新世紀ことば探検隊」と名前を変えて2003年1月まで続いた。

コーナーがなくなった後も、(1999年から)私は、読売テレビのホームページやブログで「ことば」について書き続けた。その数は、5600回を超えた(2015年1月現在)。そして「ことば」についてわからないことがあると、自分で調べてもわからないことは佐竹先生に頼った。また、言語文化研究所の講演にも「取材」と称して、カメラマンと一緒に、あるいはカメラマンなしでも、足しげく通った。

そうこうしているうちに、書き溜めたコラムが1000回に達しようとした2003年、「本にまとめませんか?」という声がPHP文庫からかかり、5月に『「ことばの雑学」放送局』という、私としては初めての著書になった。(すでに絶版になったけれども・・・。)

さらにその年の秋、佐竹先生からも「言語文化セミナーで、ゲストスピーカーとして話してくれませんか?」というお話を頂いた(たしか、その前の回のゲストスピーカーは、タレントの遙洋子さんだったような気がする)。当時のレジュメを検索すると、出て来ました、

「2003、11、14 武庫川女子大学言語文化セミナー『平成カタカナことば事情』読売テレビアナウンサー・道浦俊彦」

今、レジュメを改めて読んでみると、なかなか専門的で奥が深い。あ、そう言えば、この「奥が深い」という言葉に関して、佐竹先生は2005年11月1日付の読売新聞・夕刊のコラム「ことばのこばこ」に、

「『日本語は奥が深いと思いました』。学生にレポートを書かせると、出来のよくないものにこの感想が付いてくることが多い」

『「関係者には大問題だが、一般の人にはどうでもいいことだし、よく分らない」を穏やかに表現したものが「奥が深い」ということらしい。』

と書いてらっしゃる。これを読んで以来、「奥が深い」とは、簡単に口に出せなくなったよなあ・・・。

武庫川女子大を退官されても、週5日は京都と神戸で「ことば」に携わっていらっしゃるとか。今年(2015年)の年賀状には、「現役時代の3倍の労働で、収入は3分の1・・・」と記されていた。お元気でご活躍、何よりです!次は「古希」か「喜寿」の記念号に書かせて頂きますね!!

 


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(2015、7、12読了)

2015年7月18日 20:06 | コメント (0)

新・読書日記 2015_099

『憲法とは何か』(長谷部恭男、岩波新書:2006、4、20第1刷・2006、5、15第2刷)

 

安保法制の審議で、自民党の参考人として呼ばれた3人の憲法学者の一人・早稲田大学の長谷部恭男教授の著書。

「安保法制は、明らかに違憲である」

との発言であったが、法律を成立させようとしている自民党が呼んだのだから、当然「法案は合憲」と言うのだと思っていたら、意外にも「違憲」と。

そもそも、長谷部教授の日頃ろからの主張は?それを知るために、8年前に出たこの本を買って来て読んだ。(当時は東大教授)

読んでわかったことは、

「長谷部教授は、最初から護憲派」

だということ。「憲法」は「原理」(principal)であり、めったなことで変えるものではないと。日常変えられる「準則」(rule)とは違うのだと。特に「日本国憲法」のキモは「第9条」なんだから、それを変えるのはおかしいし、改正のハードル(基準)を、憲法を変えやすいように、「3分の2以上」から単純多数決の「過半数」に変更しようとするのもおかしいと、はっきり書いている。また、

「戦争とは、相手国の憲法を書き換えることである」

とも言っている。となると「日本国憲法」を書き換えようとする安倍首相らは、「戦後日本」に「戦争」を仕掛けて来ているわけか?

「戦後レジームを変える」

と言っているのだから、確かに、

「武器を使用しない内戦状態」

なのかもしれない。

それにしても、自民党はなぜ、長谷部教授を参考人として呼んだのか?どう考えても、自民党寄りのコメントをするとは思えない人である。もしかして、著書の一冊も読まずに呼んだのだろうか?と、疑問を持たざるを得ない。(もしかしたら、8年前はこういう立場だったが、その後、立場・主張を変えていたのか?ないと思うが)


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(2015、7、15読了)

2015年7月18日 10:05 | コメント (0)

新・読書日記 2015_098

『天空の蜂』(東野圭吾、講談社文庫:1998、11、15・2015、5、26第66刷)

1995年11月に講談社から単行本が、1998年11月講談社文庫版が発売された。「第17回吉川英治文学新人賞候補作」だったらしい。文庫本が出てからでも、もう17年。すごいロングセラーである。「66刷」って、あんまり見たことがないです!

東野作品は、デビュー作と『白夜』、それに『手紙』ぐらいしか読んだことがないのだが、なぜこの本を読もうと思ったかと言うと、この秋に映画化されるということと、内容が、原子力発電所の上に自動操縦のヘリコプターを飛ばして、「日本中の原発を止めないと、原発の上に、爆薬を積んだヘリコプター落とすぞ」と脅迫する犯人とのせめぎ合いを描いたサスペンス小説、という筋書きだと聞いたから。

実際にその危険がないとは言えないことは、もう20年も前から、やはりみんな考えていたのだな。映画ではどう描いているのかな?という興味もある。そのためには、原作を読んでおかなくてはと。そして、今だったらヘリコプターでなくても「ドローン」があるではないかと思った。余計にそういった危機があり得るのでは?などなど、興味を持って読みました。大変、分厚い本でしたが、ほぼ一気に読めました。映画は、どんな感じなんだろうな?9月公開らしいです。


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(2015、6、28読了)

2015年7月17日 20:03 | コメント (0)

新・読書日記 2015_097

『知らないうちに間違えている日本語』(島津暢之、宝島社:2015、7、24)

 

著者は、読売新聞東京本社・編集局校閲部主任。つまり、文字や言葉のチェックの専門家。1967年生まれだそうですから、うちの下の弟同い年だな。

新聞用語懇談会でお世話になっている、読売新聞の用語幹事・関根健一さんから、

「うちの後輩が書いた本です」

と贈ってもらいました。ありがとうございます。

届いたその日に「あっ」という間に読めました。一つ一つの項目が短く「○、×」で記してあるので、パラパラパラっと読めますが、気になったところのページを折って行ったら、半分ぐらいのページの角を折ることに・・・。

中でも「へえー、知らなかった!」というものをいくつかご紹介すると、

*○三ぞろい ×三ぞろえ

*「土産団子」=葬礼の際に墓に持って行く団子のこと。

*「複雑骨折」は「骨が複雑に(粉々に)砕けること」ではなく、「骨が折れるとともに、付近の皮膚・筋肉などにも損傷があって、開いた傷口から骨折部が外に露出しているもの」をいう。「骨が折れているだけ」は「単純骨折」。また、整形外科では「複雑骨折」とは言わず「開放骨折」ということが多い。

*「病状があらたまる」は「容体が悪化する」「危篤になる」という意味。

などなど。勉強になりました!


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(2015、7、13読了)

2015年7月17日 12:02 | コメント (0)

新・ことば事情

5819「治療のためのタイムアウト」

 

6月30日、テレビ朝日の「報道ステーション」で全英オープンテニスを見ていたら、錦織選手が、痛めた左足の治療のための「タイムアウト」を取りました。これは、NHKのテニス中継では、

「メディカルタイムアウト」

と言っていたのですが、「報道ステーション」では、

「治療のためのタイムアウト」

と言っていました。「メディカル」が、一般視聴者にはわかりにくいと判断したんでしょうね。テニスファンだけが見ているわけではありませんからね。

そのあたりはスポーツ中継での言葉と、一般のスポーツニュースでは、言葉を選んでいかないといけないなと、改めて思いました。

(2015、7、14)

2015年7月16日 17:41 | コメント (0)

新・ことば事情

5818「もふもふ、ぷにぷに」

 

「キラキラ」「ピカピカ」「ギトギト」「ドキドキ」「スバスバ」「ピクピク」

といった「擬態語」や「擬声語」は、

「カタカナで書くのが基本」

のように思っていました。しかし、最近は、

「もふもふ」「ぷにぷに」

のように、

「平仮名で書く」

ことが増えているように感じるのです。特に。若いディレクターやADが発注して来るテロップの擬態語・擬声語の表記が、

「平仮名」

で書かれていることが多いのです。まず大体は「カタカナ」に直しているのですが。

「平仮名」で書かれたほうが、

「やわらかい」「やさしい」

感じがするのは、確かです。

「モフモフ」「もふもふ」

「プニプニ」「ぷにぷに」

ね!「平仮名」のほうが、やわらかい気がしませんか?

それはわかるのですが、何でもかんでも「平仮名」がなにしなくてもいいじゃないかと思うわけです。あくまで基本は「カタカナ」、例外的に「平仮名」でいいのではないでしょうか?あの、「ラーメン」を「らーめん」「らあめん」と書くのと似たような心理があるんですかね?(「平成ことば事情1730 らあめん」「平成ことば事情1947 らうめんとらあめん」参照)

グーグル検索では(7月14日)

「もふもふ」=129万0000件

「モフモフ」= 93万7000件

「ぷにぷに」= 98万0000件

「プニプニ」= 66万9000件

でした。

そして、読売新聞東京本社・編集局校閲部主任の島津暢之さんが、このたび出された、

『知らないうちに間違えている日本語』(宝島社)

の中でも、

「ちょっとかわいい新語」(200~201ページ)

として、「もふもふ」「ぷにぷに」は取り上げられています。もう一つ、

「なごなご」

というのもありました。「なごなごする」などと使う、意味はご想像通り、

「なごむこと」

だそうです。ただでさえ「同じ音を重ねた語」は、幼児的な感じでかわいい上に、平仮名で書くからよけいに、かわいらしさに拍車がかかる・・・でも、ちょっと幼稚っぽい気もしますがね。

(2015、7、14)

2015年7月16日 12:39 | コメント (0)

新・ことば事情

5817「スピード感を持って」

 

70年前のきょう(7月14日)、岩手県釜石市は、

「艦砲射撃」

を受けたのだそうです。NHKの夜7時のニュースで伝えていました。その「負の遺産」であり、

「不発弾」

が今も残されていると。津波による被害を受けて、土地のかさ上げ作業を進めようとすると、「不発弾」が埋まっている恐れがあるので、まず2000か所にわたって、

「不発弾が埋まっているかどうかの調査」

を行わなくてならないそうです。それに関して、おそらく市の担当者ではないかと思われるのですが、その男性がインタビューに答えて、こう話していました。

「しっかりと調査した上で、スピード感を持って取り組んでいきたいと思います。」

この中の、

「スピード感を持って」

という言葉は、最近よく耳にします。お役人や政治家が使うような気がします。

昔だと、

「可及的速やかに」

と言っていたものではないでしょうか?もっと平たく言うと、

「できるだけ早く」

ということですよね。グーグル検索では(7月14日)、

「スピード感を持って」= 33万5000件

「可及的速やかに」  = 22万1000件

「できるだけ早く」  =321万0000件

でした。結構「スピード感を持って」は使われているようですね。

でもそう言ったからといって、

「スピード感を持って、事が進むとは限らない」

のは、今まで通りだと思いますが。

(2015、7、14)

2015年7月16日 10:35 | コメント (0)

新・ことば事情

5816「小早川家の秋」

 

小津安二郎監督の1961年作品、

『小早川家の秋』

をDVDで見ました。カラー作品だったんですね、これ。森繁久弥さんや加東大介さんが冒頭出て来て、舞台も大阪だというのも知りませんでした。てっきり、東京が舞台かと。原節子さん、たしかに外国人風の造りはっきりした顔立ちですね。目や鼻が大きい。中原淳一の描く美人のような。新珠三千代さんや白川由美さん、きれいで元気いっぱいですね!

また、小津監督の構図はたしかに、カメラの位置が極端に低い。まるで、

「ネコの目線」

です。また、いろいろセリフを聞いていたら、京都の地名、

「嵐山」

のアクセントは、

「ア/ラシ\ヤマ」

と「中高アクセント」でした。また、

「連れ子」

という言葉、濁らずに、

「ツレコ」

でした。そして、病院(平山医院)に電話をかける際は、交換台を通してかけていましたが、その、

「30の1051」

という電話番号の読み方は、

「サンレイノ イチレイゴーイチ」

「0」は「レイ」と言っていました。

また、「蚊取り線香」は「水平に横」にではなく、

「垂直に縦」

に置いていました。心筋梗塞になった父親のために、氷を砕いて、

「氷嚢(ひょうのう)作り」

をしていましたし、親類には父の病状に関して、

「電報は打ちましたけど」

と。もちろん、メールはないですからね、「電報」です。

そして、森繁久弥はデートをすっぽかされて、

「き(来)やへんよ、きみ」

と。「こやへん」ではなく「きやへん」でした。

中でも一番びっくりしたのは、タイトルの、

「小早川家」

の「小早川」の読み方です。

「こばやかわ」

だと思っていたのですが、これは正しくは、

「こはやがわ」

なんですね!映画の中でもそうしゃべっているし、タイトルのルビも、そのようになっていました。ビックリしました。

そう思っていたら、その後に読んだ『もっと声に出して笑える日本語』(立川談四楼、光文社知恵の森文庫)に、おんなじことが書いてありました!これもビックリ!

(2015、7、14)

2015年7月15日 21:32 | コメント (0)

新・ことば事情

5815「シエムレアプ」

 

京都市が、2年連続で世界一魅力的な観光都市に選ばれたというニュースがあった際、同じくランキング上位に入っていた、

「カンボジアのアンコールワット遺跡がある都市の名前」

の表記は、

「シエムレアプ」?「シェムレアップ」?「シアムリアップ」?「シェムリアップ」?

という問題が出て来ました。

日本新聞協会の『新聞用語集2007年版』や読売新聞社の『読売スタイルブック2014』では、ともに、

「シエムリアプ」

となっていましたが、ちょっと発音しにくいし、あまり耳にしない表現です。日本テレビにも確認したところ、やはり、

「シエムレアプ」

ということで、読売テレビでもそのように放送しました。

グーグル検索(7月13日)では、

「シエムレアプ」=    6790件

「シェムレアップ」=   3460件

「シアムリアップ」=   1470件

「シェムリアップ」=51万9000件

で、圧倒的に「シェムリアップ」が多いです。発音も「アップ」の方が言いやすいです。

「外務省」のサイトの「ODAのページ」では、

「シェムリアップ州」

と出ていました。が、同じ外務省のサイトで検索して出て来た「2012年版政府開発援助(ODA)白書」のページでは、

「シエムレアプ」

になっていました。外務省サイト内では、

「シェムリアップ」=193件

「シエムリアプ」 =  1件

でしたが、「在外公館医務官情報」の「カンボジア」のページを見ると、

「シアムリアップ」=2回

「シュムリアップ」=1回

出て来ました・・・。

うーむ、外国語のカタカナ表記は、本当に難しい。

(2015、7、13)

2015年7月15日 18:29 | コメント (0)

新・ことば事情

5814「塩パン」

最近、我が家で好評なのが、

「メロンパンの塩パン」

です。甘いメロンパンに塩がまぶしてあって、それが、

「スイカに塩」

のように、甘さを引き立てるのですね。

メロンパンに限らず、このところ「塩パン」が、ブームのようです。

先日、街中のパン屋さんで

「塩パン」

という文字が書かれた黒板を発見!写真を撮りました。

でも、「塩」の字の「口」の部分が「四」あるいは「皿」のように書かれていたんですけどね。これも「塩」でしょうね。

0714Q.jpg


なお、グーグル検索(7月13日)では、

「塩パン」   =40万8000件

「塩メロンパン」= 1万1100件

でした。やはり夏にはやるのかな?水分と共に塩分も取らなきゃいけないし。数年前、

「塩キャラメル」

もはやりましたね。「平成ことば事情3750」で、高知の特産品「塩芋けんぴ」というのも書いています。1998年に「塩」の専売が廃止されて以降、注目の調味料なんですね、塩。ちなみに「サラリーマン」の「サラリー」も、語源は「塩」のようですが。

(2015、7、13)

2015年7月14日 20:07 | コメント (0)

新・ことば事情

5813「『建て方』のアクセント」

 

関西は、京都は「祇園祭」のシーズンです。ニュースも祇園祭関係のものが増えて来ます。入社2年目で東京出身のMアナウンサーが、昼ニュースを前に質問して来ました。

「祇園祭の『鉾建て』のニュースなんですが、この『建て方』のアクセントは、『タ/テカ\タ』と『中高アクセント』でしょうか? それとも『タ/テカタ』と『平板アクセント』でしょうか?」

「うーん、その場合は『平板アクセント』で『タ/テカタ』(建方)だね。この『方』は、『○○をする役』という意味だからね。もし、『タ/テカ\タ』と『中高アクセント』になると、『○○する方法』ということになるからね。アクセントで、意味が変わって来るんだね」

「わかりました!」

ということで、やさしく教えてあげました。

(2015、7、10)

(追記)

NHKの原田邦博さんから、

×「タ/テ\カタ」→○「タ/テカ\タ」

というアクセント表記の間違いのご指摘と、

「鉾建ての方の『タテカタ』の漢字表記は『建方』で、送り仮名の『て』は要らないのではないか?」

とご指摘を受けました。ありがとうございます。アクセント表記、修正しました。

(2015、7、10)

2015年7月14日 19:33 | コメント (0)

新・ことば事情

5812「ちゃん・くん・さん」

このところ、子どもが犠牲になる痛ましい事件が続いているように思います。

そういったニュースで出て来る被害者の子どもの「敬称」に注目しました。つまり、

「ちゃん」「くん」「さん」

の使い分けについてです。読売テレビ報道局のSチーププロデューサーに聞いたところ、日本テレビ系列(NNN)では、一応の「目安」として、

【男子】

(小学校入学前)「ちゃん」

(小学校入学後)「くん」

(11歳以上)「くん」

(中学・高校)「くん」(相手がどう呼ばれるのが自然かによって「さん」もあり)

【女子】

(小学校入学前)「ちゃん」

(小学校入学後)「ちゃん」

(11歳以上)「さん」

(中学・高校)「さん」

となっているそうです。

新聞用語懇談会の放送分科会で、過去に話し合われた内容も、参考までに掲載します。

 

【2008年9月】

*「ちゃん・君・さんの使い分けについて」

各社で基準があるようなので、特に今回、放送分科会でまとめて「用語集」に載せる必要はない。

(NHK)学齢前は「ちゃん」①誘拐・交通事故など痛ましい事件事故の場合は「ちゃん」②愛らしさを強調する場合は「ちゃん」。ただ小学校の教育の中で、敬称を「さん」で統一している県もあり、その県の支局のローカル放送では全部「さん」を使っているケースも。秋田の鈴香被告の事件の「豪憲君」は、マスコミ全社「君」で統一されていた。

(ABC)加古川の事件は「ちゃん」→痛ましいので「さん」に変えた。(=NHKとは逆のケース)

 

【2015年2月】

和歌山で起きた事件の被害者の「11歳の小学5年生」の「敬称」だが、NHKでは「さん」を使っていたが、それ以外のメディアは「君」だった。各社、使い分けの基準はどうしているのか?(共同通信)

(NHK)たしかに「さん」を使った。最近は小学校の現場でも、ジェンダーの関係で男子にも女子にも「さん」を使っており、「君」は使っていない。その影響かもしれない。その昔「吉展ちゃん事件」というのもあったが・・・。

(MBS)JNNでは、

*「大学生」=「さん」(男女とも)

*「小・中・高」=()「君」

(女)小学校低学年「ちゃん」、高学年以上「さん」

*「未就学児」=「ちゃん」(男女とも)

(テレビ朝日)ANNでは、

*「専門学校生・大学生」=「さん」(男女とも)

*「高校生」=原則「さん」。「君」もOK。

*「中学生」=(男)「君」

(女)「さん」

*「小学生」=(男)「君」

       (女)9歳以下or3年生以下がわかれば「ちゃん」、それ以上は「さん」

~以前は全部「ちゃん」だったが、12歳が「ちゃん」はおかしいという声や、「さん」だと「かわいそう感」が出ないというような声もあり検討。4年前から上記のように決めた。「小4で9歳」という子がいた場合は、「学校の発表=小4」か「警察発表=9歳」か、どちらか「先に得た情報」の方の基準を使い、それで通す。

*「未就学児」=「ちゃん」(男女とも)

以上は「ガイドライン」だが強制はしない。小学生でも、女の子の場合は、大人並みに身長が高い子もいる。

(日本テレビ)記者が取材に行って、周囲の取材で聞いた呼び方が「ちゃん」なら、「小学校高学年」でも「ちゃん」とすることもある。

(フジテレビ)FNNでは、

*「大学生以上」=「さん」(男女とも)

*「中・高生」=(男)「君」「さん」

(女)「さん」

*「小学生」=(男)「君」

(女)「ちゃん」「さん」

*「未就学児」=「ちゃん」(男女とも)

☆その後NHKの委員から、最近の事例に関しての各社の状況が届きました。

(NHK)前回の和歌山の「小学5年生(11)の少年」の殺害事件では、

NHKのみ「さん」で他社は全て「君・くん」でしたが、今回の神奈川・川崎市で、

「中学1年生(13)の少年」が殺害された事件では、

*「さん」=NHK、日テレ、フジ:朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞

*「君」 =TBS、テレ朝、テレビ東京:読売新聞、日経新聞

となっています。中学生ぐらいからは「さん」で違和感はないようです。

小学生は微妙かもしれません。

 

【2015年4月】

☆敬称などの使い分けについて(関西テレビ)

 放送原稿における「さん」「氏」「肩書」(例えば小保方「さん」「氏」「研究員」)は、各社どのように使い分けていらっしゃいますか。

(NHK)疑惑前は「肩書」「さん」、疑惑後は「肩書」「氏」になった。佐村河内氏も疑惑後は「氏」になった。「氏」のほうが、「距離をおいた感じ」がする。

(TBS)『TBS用語ハンドブック』では原則「さん」。小保方さんの場合は、STAP細胞のドキュメントでは「さん」、STAP細胞発表「ニュース」では「氏」で混在していた。疑惑後は「氏」「肩書」。佐村河内氏は、疑惑後は「氏」だが、「ニュース23」は「さん」。呼称では過去に「アウンサン・スー・チー」は「女史」だったが「氏」に変更された。

(NTV)STAP細胞研究中は「ユニットリーダー」という肩書。その後「元研究員」「さん」「氏」は混在。

(フジテレビ)決めていないが、通常は「さん」。政治家の場合は「○○大臣」だが、肩書が長いと2回目から「氏」にすることもある。小保方さんは混在していたが、疑惑後は「肩書」か「氏」。

(テレビ朝日)ハンドブックに、敬称は「氏」「さん」「君」「ちゃん」を使えとは書いてあるが、その使い分けの指示はない。政治家・財界人・疑惑の人物は「氏」が多い。社会部ネタなど市井の人は「さん」。公職選挙法で当落がはっきりするまでは、読みは「さん」、テロップは「氏」。

(テレビ東京)硬いニュースは「肩書」、被害者は「さん」。小保方さんは、疑惑前は「ユニットリーダー」と「肩書」。特に取り決めはなし。

(テレビ大阪)「さん」「氏」あいまい。テレビ東京に準拠。スポーツ選手には「肩書」なし。トークでは「さん」。「芸能人」や「いい人」には「さん」を付けて読む。

(MBS)呼称はTBSと同じ。タレントの「島田紳助」は「島田紳助タレント」という呼称だったことがあった。

(新聞協会・伊藤専門委員)以前は「さん」よりも「氏」のほうが「格上」のイメージがあった。それが産経新聞が「オウムの女たち」という連載をやった時に、すべて「氏」を付けて以来、「氏」の格が落ちて、うさん臭くなったと思う。その昔、「ロス疑惑」の「三浦和義氏」も「氏」が付いていたが。

(ytv)小保方氏は、疑惑前は「肩書」「さん」。疑惑後は、肩書がいろいろ変ったのと「元ユニットリーダー」の文字数が多いこともあり「氏」。

 

また、大分県杵築市で、父親が自宅に放火して、子ども4人が死亡した事件のニュースでは、7月6日の日本テレビ『ZERO』では、

(長女)悠佳梨さん(14)

(二女)真由美さん(7)

(四男)雅祐くん(9)

(五男)滋くん(5)

でした。「ミヤネ屋」でも、事件初日はそれで放送しましたが、日本テレビの「目安」に当てはめると、

(二女)真由美さん(7)→真由美ちゃん(7)

(五男)滋くん(5)  →滋ちゃん(5)

となるので、「ミヤネ屋」では翌日から、そのように「敬称」を変更しました。

また、7月8日の日本テレビ「スッキリ!!」では、男の子は、

(四男)雅祐くん(9)

(五男)滋くん(5)

と、「ZREO」と同じでしたが、女の子は、

(長女)悠佳梨さん(14)

(二女)真由美ちゃん(7)

と、二女が「さん」ではなく「ちゃん」を使っていました。

また、岩手県で列車に飛び込み自殺した「中2」の、

「村松亮さん(13)」

に関して、日本テレビ系列は、

「さん」

を使っていますが、7月8日のテレビ朝日のお昼のニュースでは、

「村松亮君(13)」

「君」を使っていました。(7月13日のお昼のニュースでも「君」でした。)

NHKは、「匿名」でした。その後、7月13日の昼ニュースでは、村松さんの父親が学校に真相究明を申し入れた段階では、名前を出して、

「村松さん」

と「さん」でした。

また、7月10日の「ミヤネ屋」内の「250ニュース」でも、日本テレビは、8日の「スッキリ!!」と同じように

(長女)悠佳梨さん(14)

(二女)真由美ちゃん(7)

(四男)雅祐くん(9)

(五男)滋くん(5)

としていました。

また、岩手県で列車に飛び込み自殺した中2の「村松亮さん(13)」に関して、新聞各紙(7月11日~13日夕刊)までを見てみたら、

(読売)匿名(男子生徒)

(朝日)さん

(毎日)さん

(産経)君

(日経)匿名(男子生徒)

でした。地方紙も報道フロアにあったので見てみると、

(神戸)君

(京都)君

(奈良)君

と、漢字で「君」でした。おそらく、

「共同通信が『君』」

なのだと思います。

なお、「平成ことば事情1284『ちゃん』と『くん』」、「平成ことば事情1346『ちゃん』と『さん』」もお読みください。

(2015、7、13)

2015年7月13日 19:05 | コメント (0)

新・ことば事情

5811「オーキャン」

 

ツイッターを見ていたら、

「オーキャン行って来たよー」

という文字が。

「オーキャン」

って、何だろうな?と思って見ていたら、なんと、

「オープンキャンパスの略」

なんだそうです。

何でもかんでも、略すなあー!

グーグル検索では(7月8日)

「オーキャン」=14万9000件

でした。

そういえば、7月に入ってから、新聞の真ん中に入っているカラー刷りの見開き広告がほとんど、

「大学の学校紹介」

そして、

「オープンキャンパスのおしらせ」

です。電車内の広告でも「オーキャン」のお知らせが多い。

「受験生」にとっては夏休みをどう乗り切るかが「合格に向けての山場」ですが、「大学側」にとっても、志望校として選んでもらうには、夏休に入る今がまさに "正念場"なんですね。

(2015、7、8)

2015年7月13日 11:43 | コメント (0)

新・ことば事情

5810「祇園か?衹園か?」

 

2013年の7月に出た疑問。当時の番号は「平成ことば事情5170」でした。書きかけて止まっていましたが、また今年も7月が巡って来ました。「ぎおん祭」の季節です。

その「ぎおん」の「ぎ」の字、漢字で書くと、

「祇」

なのか、はたまた、

「衹」

なのか?つまり「へん」が、「示」なのか「ネ」なのか?という問題です。

京阪電車の駅で、

「衹園四条駅」

「衹」は、「示」ではなく「ネ」でした。これは「2013年」に調べたところね。

その後、いろいろ見ているんですが、今年「2015年」、京阪電車の中のポスターでは、

「衹園祭」

と「ネ」でした。

新聞では、2015年6月25日の朝刊各紙に、「祇園祭ドローン禁止」という記事が出ましたが、その際の字体は、

(読売新聞)衹園(ネ)

(朝日新聞)祇園(示)

(産経新聞)祇園(示)

と分かれました。

ことし、読売テレビの報道デスクからも、字体について質問を受けたのですが、

「両方あるけど、やはり伝統のあるお祭りだから旧字体の『示へん』の『祇』のほうがいいんじゃない?」

と答え、そのようになりました。しかし、実は去年、もっとややこしい問題が出ました。

「示へん」の「祇園」と書いた(打った)つもりが、「漢字が違った」のです。

「示へん」は合っていたのですが、「つくり」のほうが「氏」ではなく、「氏」の下に、1本「―」(横棒)が引っ張られた字だったのです。つまり、

祇園

と書いたつもりが、

祗園

となっていたのです。

なぜ「ぎおん」で変換して、そんな字が出るのか?そもそも、そんな漢字があるのか?あるとすれば何と読むのか?

調べたところ、あるんですね、別の字が。『漢字源』を引くと、下に横棒が引かれた漢字は、「音読み」で、

「シ」

意味(訓読み)は、

「つつしむ」「うやまう」「ただ」

だそうです。「示へん」は「神に仕える」という意味で、「つくり」は「テイ」という音を表しているそうです。注釈には、

「祇(ギ)=(地の神)とは別字」

とあるので、やはりよく間違われるのでしょう。

「祇園」の「祇」の字で思い出しました。

中学の時の同級生で、「漢字の書き取りテスト」で「ぎおん」の「ぎ」を、

「下に横線を引いた『祗』」

と書いて「×」を付けられた友人がいました。彼は、憤然と先生に、

「先生、何で×なんですか?合ってるやんか!」

と抗議したところ、

「横線が1本多いから、×」

という、至極まともな回答をされました。しかし、彼はこう答えました。

「ええやんか、1本ぐらい!まけといてや!」

もちろん、先生はまけてくれませんでしたが、彼はその回答に納得できず、授業の途中だというのに、

「窓から飛び出してエスケープ」

してしまいました・・・、1階だから、よかったようなものの・・・。

今、もし私が国語の先生なら、

「別の漢字なんだよ」

と教えてあげたのになあ。

 

 

(追記)

今、これをプリントアウトしたところ、「明朝体」で書かれた「ぎおん」の「ぎ」は、どちらの字体も「ネ」で出ているではありませんか!真ん中あたりの「ゴチック体」のものは「ネ」と「示」に分かれています。「書体」によって、印刷する際に「書体が違う」のですね!面倒な話だなあ・・・。

(2015、7、9)

 

 

 

(追記2)

「スギヤマ ケイイチさん」という読者の方から連絡を頂きました。ありがとうございます。

『2013年の7月に出た疑問。当時の番号は「平成ことば事情5170」でした。書きかけて止まっていました』

と書いてある部分、「5170」は「なぜ『サケ』は濁るのに『サンマ』は濁らないのか?」なので、間違っているのではないか?というご指摘です。

ややこしいことを書いてしまいました。すみません。

実は、ブログにアップするまでに「タイトルだけ書きかけて置いてあるコラム」がたくさんありまして、この間、整理したら「(仮)の通し番号」はすでに「6054」まで行っています。その中で、気が向いたものを書いていくので、「(仮)の通し番号」と、「実際にアップされる時の番号」が異なるのです。

実際にアップする際には、「(仮)の通し番号」は消してしまいますが、

『その「(仮)の通し番号」が「5170」であった』

という意味だったんです。これは分かりにくいですよね。

今後、この番号のことを書くのは、やめます。いつ頃書きかけたかだけを記します。

ご指摘ありがとうございました。

(2015、7、14)

 

(追記2)

大変久しぶりに、川崎市の西尾さんからメールを頂きました。

 

『川崎の西尾です。5810「祇園か?衹園か?」を拝読して気づいたことをご報告します。 この「衹」は、示へんの「ネ」ではなく、衣へんになっています。つまり、「祇」とは別字と思われます。』

 

え!そうなの?と確認した所、文字を拡大してみたら、あ!確かに!「ネ」の「へん」で出したつもりが「衣へん」になってる!

 

『示へんの「祇」は、音読:キ・ギ・シ・ジ、訓読:<なし>

衣へんの「衹」は、音読:キ・ギ・シ・テイ・タイ、訓読:<なし>

従来のJIS漢字コード規格は、示へんは「ネ」になっていましたが、2004年の改定で常用漢字は「ネ」のまま、表外字は「示」に統一(本来の字形に変更)されました。これは御承知かと思いますが2000年の国語審議会答申「表外漢字字体表」を反映したものです。

 

22期国語審議会答申「表外漢字字体表」(平成12128日)

http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/sanko/hyogai/index.html

 

経済産業省「JIS漢字コード表の改正について」(平成16220日)

http://law.e-gov.go.jp/announce/040220kanjicode.pdf

 

Windowsパソコンでは、Windows XPまでは旧漢字コード規格でしたが、Windows Vista以降は 2004年版の漢字コード(俗に「JIS2004」と呼ぶ)を採用していますので、表外字は基本的に「表外漢字字体表」の字形で表示されます。

文字コードは変更されていないので、同じ文書でも、旧規格のフォントを内蔵したパソコンでは「ネ」へんの「ネ氏」で、新規格のフォントを内蔵したパソコンでは「示へん」の「示氏」で表示されます。

また、昔のパソコンで「ネ氏」で書いたはずの古い文書を、新しいパソコンで開いてみると、勝手に「示氏」で表示されます。表外字の「辻」などの「一点しんにょう」が「二点しんにょう」に変わったり、「葛」の字形が変わったのも、同様に「JIS2004」のせいです。』

 

うーんややこしい、難しいけど、途中で規格の変更などもあったことが原因のようですね。そして、結論としては、

 

『いずれにしても、同一文書内で同一フォントを使って「ネ氏」と「示氏」を書き分けることはできません。』

 

そうなのか!困ったな。

 

『5810「祇園か? ~」の記事は、Wondows8パソコンでは(MS明朝でもMSゴシックでも)「示氏」で表示されます。スマートホンの2種類のフォント「Droid Sans(サンセリフ)」「UD新丸ゴ」では「ネ氏」で表示されます。「衣へん」の「衹」のほうは、JIS漢字コードに存在せず、unicodeに存在する漢字ですが、パソコンでもスマートホンでも「衣へん」で表示されます。俗にいう「環境依存文字」なので、機器によっては表示できません。』

 

こうなったら、もう、

「どちらでも同じ字なので、許してね」

としか言えないですねえ・・・。

きょう・16日は「宵山」ですが、「台風11号」のほうも気になりますけど、「字体」も気になる「事態」で・・・。

(2015、7、16)

 

 

 

 

 

 

 

 

(2015、7、9)

2015年7月12日 18:54 | コメント (0)

新・読書日記 2015_096

『沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>』(堤未果、集英社新書:2015、5、20)

 

今年初めに読んで、読書日記004に書いた『沈みゆく大国アメリカ』(堤未果、集英社新書)の続編。前著と同じタイトルなので、「あれ?この前読んだのに・・・」と思ったが、前著が、『知られざるオバマケアの実態』について書かれたものであったとするならば、今回は、

「その影響は日本にも及んでいるのですよ。しかもここ数年のことではなく、中曽根政権の30年前から、アメリカの製薬会社のコングロマリットが、日本の政治家を使ってじわじわと進めて来た『規制緩和』で、世界に誇る『国民皆保険制度』は骨抜きにされようとしている!」

と危機感をあおる。ちょっと「陰謀論」風でもあるのは頂けないが、たしかに、「医療分野」は「成長産業」と言われ注目されているが、TPPを始めとした「アメリカの生き残り策」に、日本も手を貸さざるを得ないようになっている現状は、一体どこから始まっているのか?と根っこを辿ると、そういう見方もできるのかもしれない。

日本の「国民皆保険」=「健康保険」は、「保険」と名前は付いているが「国の福祉制度」。それに対して、アメリカが進めているのは「民間の保険会社」の保険制度だ。つまり保険会社がもうかる「商売」である。そのターゲットとして日本が狙われている、と。

"隣の芝生は青い"じゃないけど、

「失った時に、初めてその大切さが分かるもの」

って、我々の回りには、結構たくさんあるんだろうなと思いました。


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(2015、7、5読了)

2015年7月12日 12:35 | コメント (0)

新・読書日記 2015_095

『国家の攻防/興亡~領土、紛争、戦争のインテリジェンス』(佐藤優、角川新書:2015、4、10)

会員制の情報誌で、著者が2006年11月から2015年1月まで、ロシア情勢に関して書いたコラムを集めたもの。

最初の方(2006年)のものは情報としては古いのだが、そこに書かれていること(「予想」、ある意味で「予言」)が、その後、実際に世界で起こっているという事実を知れば、著者の眼力・未来を見通す目の確かさを確認できるエビデンス(証拠)だと見ることもできる。

たとえば、最初の大統領を辞めて首相になったときのプーチンは、次の大統領選挙に出馬して、2020年まで2期、大統領を務めて「プーチン王朝」を作るつもりだという読みは、おそらく当たっていると言えるだろう。

本書を読みながら赤線を引いた部分を、いくつか抜き書きする。

*「新自由主義は、経済主体が行動するにあたって障害になる要素をすべて除去するという排除の思想である。(中略)頭を使って何か難しい思想を構築するという作業は必要とされない」(46ページ)

*「ロシア側は小細工を軽蔑する」(156ページ)

*「ロシア外務省の姿勢を牽制できる 安倍首相のソチ五輪『開会式出席』(198ページ)

*「ウクライナ政府は占拠を行っている自国民に『テロリスト』というレッテルを貼り、翌一四日にトゥルチノフ大統領代行がテロ作戦を開始する大統領例に署名した」(217ページ)

*「トゥルチノフの狙いは、ロシアに(中略)軍事介入を行わせることだ。そうすれば、ロシアによる侵略を口実に新政権は、米国、EUから政治的・経済的・軍事的な支援を得ることができる。その結果、財政破綻の危機を回避できる」(217~218ページ)

 

いやあ、やっぱり国際政治の現場は一筋縄ではいかないな!「肉を斬らせて、骨を断つ」じゃないけれど「奇奇怪怪」ですねえ・・・。さらに、

*「米国は、『敵の敵は味方』という単純な論理でウクライナ暫定政権の抱える深刻な問題から目を逸(そ)らせている。ロシアが毒蛇ならば、ウクライナは毒サソリである」(219ページ)

*「GRU(ロシア軍参謀本部諜報総局)は、"独立王国"で、簿外の資金が潤沢にある。それは、GRUがインテリジェンス活動だけでなく武器売買にも従事しているからだ。武器市場に『定価』は存在しないので、簿外の資金を作ることが容易である」(220ページ)

 

そうなのね・・・。


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(2015、6、19読了)

2015年7月11日 20:33 | コメント (0)

新・ことば事情

5809「線路内か?線路上か?」

 

7月9日の「ミヤネ屋」の「250」ニュースで、73歳の男が運転する自動車が、阪急・京都線の線路の軌道内に入って1,3キロにわたって走行するという事件がありました。幸い、けが人などはなかったのですが、一つ間違うと大惨事になっていました。その際の表現として、自動車が、

「線路内」

を走行したのでしょうか?それとも、

「線路上」

を走行したのでしょうか?

「250」ニュースの原稿では、

「線路上を走行」

になっていましたが、それをまとめてスタジオのマルチ画面に出す文字は、

「線路内を走行」

にしました。

「線路」

というものが指す範囲は、「広義と狭議」で変わって来ると思います。

*(狭義)=「2本のレール」

*(広義)=「レールを含む電車が通行する、他の車や人が立ち入ってはいけない敷地(軌道)内」

ということですね。

ですから、今回は「広義」でいいんじゃないかなあと思いました。

7月9日の各紙夕刊を見てみたら、

(読売)「線路内に侵入し約1、3キロ走行した」

(朝日)「線路上を走る乗用車」「線路に進入」=2回

(毎日)「線路上を乗用車が走行」「線路を車が暴走した事件」「線路に入り」

(産経)「線路内を車が走行」=2回、「線路上」=1回、「軌道内」=1回

(日経)「線路上に乗用車が進入」「線路上を乗用車で走行した疑い」

ということで、シンプルにまとめると、

(読売)「線路内」

(朝日)「線路上」

(毎日)「線路上」「線路」

(産経)「線路内」=2回、「線路上」=1回、「軌道内」=1回

(日経)「線路上」

ということですね。産経新聞は「線路内」と「線路上」と「軌道内」を、どう区別しているのでしょうか?「同じ意味だけど、同じ表現は使いたくない」ということなんでしょうか?毎日新聞は「走る」のは「線路上」で、車が入ったのは「線路」ということで、この「線路」は「軌道内」という意味のようですね。

ああ、ややこしい!

 

ちなみに7月10日の日本テレビ「スッキリ!!」では、

*「線路内に入った」

*「線路に侵入(進入)」

*「線路上を走行」

と3種類の表現が出て来ました。もしかしたら、

*「侵入(進入)」=線路内、線路

*「走行」=線路上

と使い分けているのかもしれません。また、「しんにゅう」に関しては、

*「侵入」=読売

*「進入」=朝日・日経

でした。

 

(2015、7、10)

2015年7月11日 12:34 | コメント (0)

新・ことば事情

5808「宝石を試着」

 

7月9日の「ミヤネ屋」250ニュースで、

「試着したまま 宝石泥棒」

というニュースがありましたが、「宝石」も「試着」と言うのでしょうか?

普通は「試着」と言えば、

「服」

ですが、そのほかにも考えられるものとしては、

「帽子」「ネクタイ」「靴」「眼鏡」「時計」

などがありますね。

ただし、「着」という漢字は、

(1)  着る

(2)  (身に)着ける

というように「きる」「つける」と読めます。「宝石」などは「身に着ける」なので、これを「音読み」で使うなら、「宝石」も、

「試着」

という表現があり得るのではないか?と思いました。辞書で「試着」を引くと、

「服(など)着る」

とあります。

新しい言葉をいち早く取り入れることで有名な『三省堂国語辞典』(第7版)を引いてみると、「2つ目の意味」として、

「②ためしにつけてみること。(例)自動車のホイールの試着」

というのが載っていました。さすが「三国」!これは「装着」の意味ですが、自動車でもOKなら、それ以外の「身に着ける」ものも、「試着」でいけそうです。これなら「宝石」も「試着」でもいいですね!

(2015、7、9)

2015年7月10日 22:32 | コメント (0)

新・ことば事情

5807「山城の読み方」

 

7月8日の読売テレビの夕方のニュース番組「かんさい情報ネットten.」を見ていたら、アナウンサーが、「山の中に作られたお城」=「山城」を、

「ヤマシロ」

と濁らずに読んでいましたが、これは正しくは、濁って、

「ヤマジロ」

です。すぐに担当のアナウンサーに、注意喚起のメールを送りました。

『京都の地名の「山城」は「ヤマシロ」と濁りませんが、「山にあるお城」の「山城」は、濁って、『ヤマジロ』です。VTR部分を読んでいたナレーターさんも、VTRの中に出て来た専門家も『ヤマジロ』と濁っていました。また、『NHK日本語発音アクセント辞典』にも『ヤマジロ』と濁って載っています。』

「濁る・濁らない」っていうのは、日本語の難しい点の一つですねえ。

ひとつひとつ、覚えていくしかないのかなあ。

一応『逆引き広辞苑』で「城」と書いて「シロ」と濁らないものと、「ジロ」と濁るものを抜き出してみました。

*【シロ】=3(+「の」が入ったもの=4)

浮城(うきしろ:「軍艦」の雅称)・新城(しんしろ:地名・愛知県)・山城(やましろ:地名・京都府)

<鉄(くろがね)の城・陣の城・伝えの城・詰(つめ)の城>

 

*【ジロ】=22

枝城(えだじろ)・押(おさ)え城(じろ)・掻揚(かきあ)げ城(じろ)・垣城(かきじろ)・小城(こじろ)・捨城(すてじろ)・外城(そとじろ)・付城(つけじろ)・繋(つな)ぎ城・出城(でじろ)・根城(ねじろ)・端城(はじろ)・裸城(はだかじろ)・平城(ひらじろ)・平山城(ひらやまじろ)・水城(みずじろ)・向(むか)い城(じろ)・持城(もちじろ)・本城(もとじろ)・館城(やかたじろ)・屋敷城(やしきじろ)・山城(やまじろ)

 

圧倒的に「ジロ」と「濁る」ほうが多いのですね!

余談ですが、「シロ」で終わる単語には、

「原子炉」

がありました。「減城」?また「ジロ」で終わる単語には、

「丁字路」「T字路」「Y字路」

がありました。本当に余談でした。

(2015、7、9)

2015年7月10日 19:30 | コメント (0)

新・ことば事情

5806「アデノウイルス」

 

小学5年生の娘の学校で、5月の連休明けぐらいに、

「アデノウイルス」

による病気が流行っていました。その週に入って4人、休んでいると言っていましたが、あまり聞いたことのない病気です。

「どんな病気?」

と聞くと、

「『プール熱』のことや!」

とのこと。

「え?でもまだ(5月やから)プールの授業、やってないやろ?」

「プールでなくても、うつるねんて!」

「そうなの?」

ということで調べてみたところ、

「咽頭結膜熱」

という病名で、その原因となるのが「アデノウイルス」。いわゆる「プール熱」ですが、娘が言うように「プール」以外でも、うつるんだそうです。そして4~5日、38℃~39℃の高熱が続くそうなんです。大人は、かからないのかな?

「アデノ」

というと、思い出すのは、高校時代、「生物」や「化学」で出て来た、

「アデノ三リン酸」

ですが、関係あるのかな?

(2015、7、8)

2015年7月10日 16:29 | コメント (0)

新・ことば事情

5805「料理家と料理研究家」

 

3月5日に日本テレビ『スッキリ!!』で、「冷凍卵料理」を紹介していた、

「料理家・RYO

という男性(28)がいました。この肩書の、

「料理家」

が気になりました。普通こういった場面で出て来る人は、これまでは、

「料理研究家」

だったのではないか?

「料理家」と「料理研究家」、はたまた「料理人」は、どう違うのでしょうか???

また「家」の付く職業を思い浮かべてみると、

「音楽家」と「音楽研究家」「音楽評論家」

「作家」

「文筆家」

「研究家」

「発明家」

などなど。そのほか、

「国語学者と国語研究者」

も、どう違うのかなあ。

そんなことに悩んでいるうちに3か月経ち、たまたま読んだ本(「2015読書日記092」に感想を書いた)『小林カツ代と栗原はるみ~料理研究家とその時代』(阿古真理、新潮新書)の中に、ケンタロウやコウケンテツといった男の若い人たちが出て来た頃から、それまでの「料理研究家」に変わって、新たに

「料理家」

という言葉が使われ出したと記されていました。やはりあったか!と思いました。

ここ十数年のことなのかな?

従来の「料理研究家」というものと、とイメージを分けるために出て来た言葉なのかもしれませんね。

グーグル検索では(7月8日)、

「料理研究家」=91万1000件

「料理家」 =114万0000件

と、なんとネット上では「料理家」の方が多く使われていたのでした。

(2015、7、8)

2015年7月10日 10:28 | コメント (0)

新・ことば事情

5804「発疹はハッシンか?ホッシンか?」

6月21日に行われた新聞用語懇談会放送分科会で、私からこんな質問を出しました。

『「発疹」を、若いアナウンサーやデスクも「ホッシン」と読んでいます。神戸の女子短大の学生に聞いてみても、皆「ホッシン」と。『新明解国語辞典』第7版では「ホッシン」は「はっしんの古風な表現」と記されていますが、本当に「ホッシン」は「古風な表現」なのでしょうか?(第4、5版では「ハッシンの『老人語』」とあった)最近は「ハッシン」から「ホッシン」へ、回帰しているのではないでしょうか?』

これに対する各社の委員からの意見は、                                 

(新聞協会・I専門委員)「ホツ」のほうが「ハツ」よりも古い。「発議」も、昔は「ホツギ」と言ったが、今は「ハツギ」だ。現在検討している新しい「新聞用語集」の「放送で標準とする読み方例」では「①ハッシン②ホッシン」と既に決定したが、これが変わる可能性があるということか?

(テレビ朝日・A氏)確かに「ホッシン」も聞くような気がする。もし、道浦氏の言うような傾向があるとするならば、個人的な見解だが、「ハッシン」という音の言葉が「メール等の「発信」でよく使われるようになって、「同音を避ける」ために「発疹」は「ホッシン」と読むようになっているのではないだろうか?

(テレビ朝日・B氏)20代~40代後半のアナウンサーに「発疹」をどう読むか聞いたところ、全員「ホッシン」と答えた。「スタート」の意味の「発進」とも音が同じなので、それを避けるために「ホッシン」と言うのではないか?病名では「発疹(ホッシン)チフス」「突発性発疹(ハッシン)」。

(NHK・C氏)伝統的な読み方では大正3年(1914年)の辞書『辞海』では「ハッシン」とあり、「ホッシン」のほうが新しい。「発作(ホッサ)」と混同して「発疹(ハッシン)」も「ホッシン」と読むようになったのではないだろうか?1994年に行った「『発疹』をどう読むか?」というNHKの調査では、「ハッシン」=50%:「ホッシン」=47%だったが、その後「ホッシン」は増えているようだ。

(フジテレビ・D氏)個人的には「ホッシン」と読むが、フジテレビのハンドブックでは「①ハッシン ②ホッシン(古くは「ホッシン」。医療現場は「ホッシン」が多い)」と書いてある。

(TBS・E氏)私は「ハッシン」と読む。TBSでは「①ハッシン ②ホッシン」。『新明解国語辞典』の4版・5版では、道浦氏の言うように「ホッシンは、ハッシンの老人語」だったが、その前の1、2版では、確か「百姓読み」と書かれていたのでは。「医学事典」を引くと「突発性発疹(ホッシン)」など「ホッシン」と読むものが多い。(ここはテレビ朝日・B氏と意見が相違する。)以前は「発疹チフス」も「ホッシンのみ」と書いてあった。

(ABC・F氏)「ホッシン」と読むことになっており。私も「ホッシン」で読む。

(MBS・G氏)個人的には「ホッシン」派だが、会議で「ハッシン」になったので「ハッシン」。

(MBS・H氏)小児科の先生は「ホッシン」と言うが、ハンドブックは「①ハッシン ②ホッシン」となっている。

(KTV・J氏)入社時、当時のアナウンス部長に「ハッシンと読むんだ!」と言われた。先日、アナウンス部の若手3人に聞いたところ、全員「ホッシン」と答えた。

(ABC・K氏)あまり参考にならないと思うが、滋賀の田舎に住む母に聞いたところ「ブツブツができるのが『ホッシン』、皮膚がただ赤くなるだけのは『ハッシン』」と言っていた。

(日本テレビ・L氏)ハンドブックでは「両方○」。「①・②」の順番は付けていない。ただし、1つの原稿・1つの番組の中では統一するようにしている。個人的には「ホッシン」。

(日本テレビ・M氏)個人的には「ホッシン」だったが、入社してから「ハッシン」に直された。

(WOWOW・N氏)プライベートでは「ホッシン」。しかし、入社研修で「ハッシン」と教わったので、今は原稿を読むとしたら「ハッシン」。

(新聞協会・I専門委員)意見を聞いていると、「新聞用語集」では「両方○」とするのが妥当だろう。「ハッシン・ホッシン」の順番は変えずに、変更する。

というように活発な論議が行われたのでした。

 

 

 

(追記)

7月10日の日本テレビ「スッキリ!!」を見ていたら、今、子どもたちの間で、

「リンゴ病」

が流行っているというニュースを放送していました。ほっぺたが赤くなる病気ですよね。正式な病名は、

「伝染性紅斑(こうはん)

と言うそうです。最近「伝染病」とは言わないで、「感染症」と言うようになっているので、

「感染性紅斑」

なんじゃないかな?とも思ったのですが、それはさておき、この病気の特徴として、

「発疹が出る」

ということの「発疹」を、上重アナと専門医がともに、

「ホッシン」

と言っていました。

(2015、7、10)

 

 

(2015、7、8)

2015年7月 9日 22:09 | コメント (0)

新・ことば事情

5803「最後の晩餐」

 

6月21日に開かれた新聞用語懇談会放送分科会で、こんな質問を出しました。

『「豚生レバー問題」で、規制が始まる前夜までに食べることなどを指して「最後の晩餐」を使うのは、宗教上問題があるでしょうか?なお、「ミヤネ屋」では" "を付けて"最後の晩餐(ばんさん)"として放送しました。

これに対する各社の委員の意見は、

(読売新聞)この慣用句本来の意味での使われ方ではない。「最後の晩餐」は、キリストの「人生で最後の食事」という意味だが、今回の使われ方は「豚生レバーが食べられる最後の食事」となって、意味が変わってしまっている。

(MBS・A氏)「冥福を祈る」などは宗派によっては使わないが、こういった比喩表現は、みんなが笑って「OK」であるようならば、どちらでも良い。

(MBS・B氏)宗教関連の言葉は、「その宗教の信者がどう思うか」が重要。例えばイスラム教なら「ブタ」を使うのはダメ、といったこと。

(MBS・A氏)日蓮宗で使われる「お題目」だが、比喩的に「会議ではお題目しか出なかった」「お題目を唱えてばかり」と否定的な内容で使っている某局のアナウンサーがいて、知り合いの日蓮宗の僧侶が抗議の電話をかけたところ、以後ピタッと使わなくなったそうだ。

(WOWOW・C氏)半年ほど前、サッカー・スペインリーグ(リーガ・エスパニョーラ)の、数年前の「レアル・マドリードvs.バルセロナ」戦に、新たに実況をつけて放送するというケースがあり、バルセロナからレアルに移籍して「禁断の移籍」と言われた「ルイス・フィーゴ選手」が「裏切り者」という意味の「ユダ」と呼ばれていたことがあった。実況の音声では「ユダ」とは言わずに、「裏切り者」という意味を伝えたが、画面には「ユダ(Judas)」と書かれたプラカードが映っていた。(そのまま放送した。)

(NHK・D氏)「最後の晩餐」に関して、もし問い合わせがあったら「使うのはやめたほうがいい」と言うだろう。ただ、「お題目」に関しては、辞書を引いても1番目には宗教的な意味が載っているが、2番目の意味で「口先ばかり」と載っているので、問題ない。先日「歴史番組」をチェックしていて、満州国建設の場面で「お題目ばかり」というセリフがあったが、そのまま通した。

 

とのことでした。

その後、7月5日のフジテレビの人気アニメ「サザエさん」で、

「アナゴさん最後の晩さん」

という回があったそうで、

「アナゴさんが死んじゃうのか?」

と注目されたそうです。内容は、

「アナゴさんの奥さんが家出して、その際に『お世話になったお礼に『最後の晩さん』を作っておきます』と書き置きがしてあった」

というものだそうです。見てないけど。やはり、使われるのですね、「最後の晩餐」。

(2015、7、8)

2015年7月 9日 19:08 | コメント (0)

新・ことば事情

5802「シアン化合物と青酸化合物2」

 

「平成ことば事情5797」で書いた「シアン化合物と青酸化合物」の続きです。

週末、テニス教室に行って休憩時間にスポーツドリンクを飲んでいました。その際に、見るとはなしに「スポーツドリンクのボトル」(2リットル)を眺めていたら、ある文字が目に留まりました。

「※ミネラル、燃焼系カルニチン、ゼロカロリー」

その「※ミネラル」の注意書きに、

「※ミネラルとはナトリウム・カリウムのことです。」

と書かれていたのです。それを見て、「あ、そうか!」と思ったことがあります。

黒川博行さんの『後妻業』という小説にそっくりの事件で再々逮捕された筧千佐子容疑者。一連の事件で使われのが、

「青酸カリ」「青酸化合物」

です。この事件を報じる際に、読売テレビでは「青酸化合物」「青酸カリ」と言っているのですが、中には、

「シアン化カリウム」あるいは「シアン化合物」

という言い方をしている放送局もあります。その局の用語委員の方に聞いてみたところ、

「起訴状に『シアン化合物』と記載されているため、それに関する部分については『シアン化合物』を、その事実にまで至っていない部分については『青酸化合物』という表現で区別している」

という返事を頂きました。「起訴状」の表現をそのまま使っていると。でも「シアン化合物」と「青酸化合物」は「同じもの」ですよねえ。

こういった場合に、どちらを使うべきなのか?いや、殺人に使っちゃだめですよ、もちろん!「呼び名」の問題です。スポーツドリンクのボトルに書かれた、

「ミネラルとはナトリウム・カリウムのことです。」

を読んで、

「シアン化カリウム、いわゆる青酸カリ」

という表現が妥当なのかなあという気がしたのでした。

(2015、6、15)

2015年7月 9日 16:07 | コメント (0)

新・ことば事情

5801「視野に」

 

最近気になる表現に、

「視野に」

があります。きょう(5月25日)も、長崎県の公園に女性の遺体を捨てたとして、福岡の男2人が逮捕された事件で、テレビ朝日のお昼のニュースで地元局のアナウンサーが読んでいた原稿では、

「殺人容疑での立件も視野に捜査しています」

となっていました。テレビ朝日の女性アナウンサーが読んだリード部分は、

「殺人容疑も視野に捜査しています」

でした。同じ日の日本テレビのお昼のニュースでも男性アナウンサーが、

「殺人容疑も視野に捜査しています」

と読んでおり、テロップも「殺人容疑も視野に捜査」でした。テロップをそのまま読んでいる感じです。

実はこの「視野に」は、「ミヤネ屋」の原稿などでも、ものすごくたくさん出て来ます。そのたびに、

「視野に入れて」

に直しているのですが、こう直しても直しても出て来ると、徒労感があります。

6月21日に行われた「新聞用語懇談会放送分科会」で議題として出し、各社の対応をお聞きしました。

****************************************

「視野に」の表現について(読売テレビ・道浦委員)

「殺人罪も視野に捜査しています」のように、「視野に」で止めた形が、かなり使われています。「視野に入れ(て)」と直すべきでしょうか?もう「許容」の表現でしょうか?

→*「許容」とする社=ABCのみ。「原稿の尺によっては、仕方がないのではないか」

(テレビ朝日・A氏)決まりはないが「視野に入れる」が正しい。一般的には、こういった略語が日常的に使われていることは、否定しない。

(ytv・B氏)似たようなものに「念頭に置いて」を略した「念頭に」もある。これもあわせて検討してほしい。

(テレビ朝日・C氏)タイトルスーパーでは「視野に」はよく出て来る。その場合もナレーションは「視野に入れて」が正しいが、現場の記者リポートでは「殺人容疑も視野に、捜査しています」というのは、よく出て来る。

(日本テレビ・D)「常套句」なので使いたくない。「殺人罪の適用も検討して」などにしたいところ。テロップは「視野に」でも仕方がないが、その場合も読みは「視野に入れて」とすべきだ。「念頭に置いて」も「念頭に」と略さない方が良い。

(共同通信・E氏)慣用句や常套句は、あまり内容を考えないで書いている時に多用する。「視野に」「念頭に」は見出しになりやすい。それをそのまま、原稿本記にも書いてしまう。「見出し」が「本文」に入り込んで、だんだん、なじんでいってしまうのではないか。以前「はじける笑顔」というのが出てしまったことがある。(笑顔がはじけたら、大変なこと)「はじけるような笑顔」とすべきところだった。似たようなもので定着しているものに「前提に(して)」もあるのでは?

(読売新聞・F氏)他にも「~を引き合いに出して」を略して「~を引き合いに」や、「風前の灯火」を略して「風前」とした例もあった。慣用句はちゃんと使いたいが、「慣用句」だとみんなが知っていると思って「最後まで言わなくても、わかるのでは・・・」ということで、省略してしまうのではないか。

というような意見が出ました。

まだ、私は、「視野に入れて」に直していこうと思いました。

(2015、7、8)

2015年7月 9日 12:06 | コメント (0)

新・ことば事情

5800「匂いと香り」

(2年前に書きかけてそのままになっていました。当時の番号は「平成ことば事情5155」でした)

 

(2013年7月に)早稲田大学非常勤講師で『三省堂国語辞典』の編纂者の飯間浩明さんと、フリーアナウンサーの梶原しげるさんと一緒に飲んだ際に、梶原さんが、

「最近、アナウンサーやリポーターがすぐに『香り』という言葉を使うが、何でもかんでも使うのは、違うのではないでしょうか?」

という話をされました。たしかに「におい」には「良いにおい」と「悪いにおい」があり、漢字で書く時は、

*「良いにおい」=「匂い」

*「悪いにおい」=「臭い」

と書き分けますね。以前は「臭い」は「くさい」しか、常用漢字表に「訓読み」がなかったのですが、で2010年11月に「におい」も加えられましたから使い分けできるようになりましたね。そして、

「良い匂い」=「香り」

ということなんですが、何でもかんでも褒めると、

「価値が逓減する」

ということでしょうか。

私も、

「たしかに。似たようなことで言うと、グルメリポートで、何でもかんでも『香ばしい』というのも気になります」

と話したところ、飯間さんが、専門分野である「古典」(アバウトな紹介)から、

 

「『源氏物語』には『匂宮』と『薫君』という登場人物が出てきます。」

 

という話をされました。『源氏始物語』をちゃんと読んだことのない私にとっては、

「フムフム、ちょっと名前は聞いたことがあるな」

という感じでしたが、飯間さんによると、

「『におい』という言葉は、雅びな『歌の世界』では、しばしば効果的に使われてきました。有名な本居宣長『敷島の 大和心を 人問はば 朝日ににほふ 山桜花』という歌も、『におい』といっても『嗅覚』ではなく、『照り映える』という『視覚』に訴えた表現です。これは伝統的にあるんですね。『においたつ霊峰富士』という上品な言葉も、別に『におい』がしているわけではありませんね。そうそう、それに、古(いにしえ)の京の都では、『におい』が『かおり』を打ち負かしたという話もあるんです。『源氏物語』に登場する『浮舟』の物語で、彼女を巡って『匂宮(においのみや)』と『薫(かおる≒かおり)』が恋のさや当てをし、浮舟の心を奪ったのは、『かおり(薫)』ではなく『におい(匂宮)』。つまり、勝ったのは『におい』だったということなんです。」

 

なーるほど!と言ったものの、これはちょっと、強引な感じもしましたが。

しかし、「におい」は「嗅覚だけではない」「視覚的なものにも使えた」ということは、参考になりました。

それと、後で思ったのですが、「悪いもの」もある「におい」という言葉を嫌って、

「香り」

を好む傾向は、もしかしたら「プリッグ・清潔志向」の現代の傾向を表しているのかもしれませんね。

(2015、7、8)

2015年7月 9日 10:05 | コメント (0)

新・ことば事情

5799「コンビニのおつりのお数え方」

 

先日のこと。いつも行くコンビニで、

「664円」

の買い物して、

「一万円札」

を出しました。すると、たぶんアルバイトなんでしょうけど、若い男性店員が、「おつり」を渡す際に、こう言ったのです。

「まず、大きいほうから、5、1、2、3、4、9000円のお返しです」

つまり、まず「大きいほう」である、

「五千円札」

を渡して、

「5」

と言った後に、今度は「小さい額のお札」である「千円札」を、

「1、2、3、4」

と数えて、最後に、「五千円札+千円札4枚=9000円」ということで、

「9000円」

と言ったのですね。「五千円札」と「千円札」の金額を分けて口に出していたわけです。「ご名算!」と言うわけもなく、さすがに、

「普通こういう時は、五千円札を渡して『5』と言った後は、千円札を足した金額を『6、7、8、9000円お返し』って言うでしょ!」

と口を出したら、ハトが豆鉄砲を食らったような顔(わあ、こんな「常套句」を、ここで使えるとは!半生において一度も「ハトに豆鉄砲を食らわせた」ことはないのですが。)で、キョトンとして、

「はあ・・・、いつもこう、やってましたけど・・・」

と言うではありませんか!

「誰かに言われたこと、ないの?」

「ありません」

誰か、注意したれよ!(あ、俺の仕事か?)

そういえばこのコンビニ、以前におばちゃんの店員さんが、同じように「一万円札」を出して「1000円以下の買い物」をした際、「おつり」を返す時に

「はい、おつり、1000、2000、3000、4000、9000円のお返し」

、最後に「五千円札」をドーン!!と返してきたことがありました。

「5000、6000、7000、8000」

がなかったので、"なんだか、ごまかされたような気がした"とともに、落語の

「時そば」

を思い出したものです。

こういった「おつりの返し方」は、ちょっとおかしいですよね?こういった教育は、しないのかなあ?

ちなみに、おつりを「まず大きいほうから5、1、2、3、4、9000円」と言った男性店員さんは、

「郷ひろみさん」

ではありません。GOGO!!

 

 

(追記)

同じコンビニで30代ぐらいの男性店員が、1万円からのおつりを、こう言って返して来ました。

「はい、おつり、1000、2000、3000、4000と5000円で、9000円のお返し」

あれ?これって、前におばちゃんの店員が返して来たのと同じおつりの返し方だ!もしかしてこの店では、そう教えられているってこと???謎は深まります・・・。

(2015、8、20)

 

 

(2015、7、8)

2015年7月 8日 22:05 | コメント (0)

新・ことば事情

5798「洗礼2」

 

平成ことば事情5540「洗礼」で書いた続きです。

2015年の6月29日の新聞各紙に、28日、元・読売巨人で、メジャーリーグ・インディアンスの村田透投手が、オリオールズ戦に先発してメジャーデビューしたという記事が載っていました。

3回3分の1を投げて、ホームラン2本を含む4安打5失点で敗戦投手となってしまったのですが、それを受けての新聞の「見出し」が、

「メジャー洗礼 4回途中降板」(日経新聞=共同通信)

で、また本文でも、

「渡米5年目でたどりついたメジャーのマウンドで厳しい洗礼を受けた」(読売新聞=時事通信)

と、ともに「洗礼」を使っていました。

あと「毎日新聞」と「産経新聞」も、「共同通信」の解説記事の配信を受けて使っていたので、見出しには「洗礼」は無かったものの、本文の中に、

「メジャーの洗礼を受けた」

とありました。「朝日新聞」は、見出しにも本文にも「洗礼」はありませんでした。

あ、そうだ、ちょうどこの日(7月6日)、イギリスの「シャーロット王女」の、

「洗礼式」

が行われたニュースを放送していました。これは本物の「洗礼」ですね。

(2015、7、6)

2015年7月 8日 17:24 | コメント (0)

新・ことば事情

5797「シアン化合物と青酸化合物」

 

昨年12月、筧千佐子容疑者が逮捕された際、容疑の中で、

「青酸化合物を飲ませて殺害した」

というくだりで、この毒物の名前を、

「青酸化合物」

としたメディアと、

「シアン化合物」

としたメディアがありました。どちらも「同じ物」だとは思うのですが。

私のチェックでは、

【青酸化合物】=読売テレビ(日本テレビ)、NHK、関西テレビ、毎日放送(TBS)、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、京都新聞、神戸新聞、東京新聞

【シアン化合物】=朝日放送(テレビ朝日)

でした。

唯一、「シアン化合物」とした朝日放送の知り合いに「理由」を聞いたところ、

「今回の事件で『シアン』と『青酸』が分かれているのは、起訴状に『シアン化合物』と記載されているため、起訴容疑に関する部分については『シアン化合物』を、その事実にまで至っていない部分(ベランダから見つかった物や、別の男性から検出された物と、京都の男性に使われたものが同一かどうかは確認されていない)については『青酸化合物』という表現で区別している。少なくとも、12月10日に起訴されてからは、上記のように、あえて区別している。」

ということだそうです。

うーん、たしかに、

「同一人物が使った、同じ毒物どうか」

というのは、関連の事件に関しては重要なことで、それは、あの「和歌山毒カレー事件」で使われた「ヒ素」でも問題になったことでした。しかし「青酸化合物」と「シアン化合物」は同じだと思うので、それを使い分けて視聴者に伝わるのか?というあたりは、ちょっと私は疑問です。

でも、ちゃんと意図を持って使っているということでした。

(半年前に書きかけて、そのままになっていました。)

(2015、7、6)

2015年7月 8日 11:24 | コメント (0)

新・ことば事情

5796「医薬品医療機器法」

 

7月5日の読売新聞の社会面に、

「ぜんそく薬 転売120年分」

という大きな見出しが。そのリード部分を読んでみると、

「ぜんそく用の処方薬を無許可で販売したとして、堺市堺区の無職男が医薬品医療機器法(旧薬事法)違反容疑で大阪府警に逮捕された事件では、男は2年弱の間に通常の130年分の薬を入手し、少なくとも120年分を医薬品販売会社に転売していたという」

とありました。この中の、

「医薬品医療機器法(旧薬事法)」

に目が留まりました。私たちが聞き慣れた、

「薬事法」

が、昨年11月に名称が変わったのです。これに関しては、昨年末の新聞用語懇談会放送分科会で議題に上りました。(私が出したのですが。)それをここに載せると、

『「薬事法の名称変更について」 

11月25日に「薬事法」が改正されて名称が変わりました。新しい名称は、

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

この法律の医薬界での略称は、

「薬機法」

だそうですが、放送でどうしますか?「危険ドラッグ」関係などで、今後しばしば出て来そうです。

「改正薬事法」

とするとわかりやすいですが、「薬事法」はこれまでにも、ちょくちょく改正されているので「どの改正か、分からない」上に、今回の改正は名称も変わるぐらい大きなものなので、やはり「新しい名前」が必要かと思います。各社はどのように定めているでしょうか?』

というもので、これに関して、NHKと共同通信の委員から回答がありました。

*(NHK)おととい(2014年12月3日)、社会部で「医薬品医療機器法」に統一した。原稿などでは「薬事法、現在の医薬品医療機器法」という言い方も。

*(共同通信)役所(厚労省)がそう言っているので、社会部で「医薬品医療機器法」としたが、見出しは「医薬品法(旧・薬事法)」。

ということでしたが、読売新聞も、同じ名称にしていたんですね。実際にこの法律名が報道で出て来たのを、初めて見ました!

そして、けさ(7月7日)の読売新聞・朝刊社会面では、「(旧薬事法)」を付けないで、

「医薬品医療機器法」

で出て来ました。

 

 

(追記)

平成ことば事情5619「薬事法の名称変更」も、お読みください。

(2015、7、28)

 

 

(2015、7、7)

2015年7月 7日 17:23 | コメント (0)

新・ことば事情

5795「近隣住民」

 

6月21日に東京で行われた新聞用語懇談会放送分科会で、私が提案した議題の一つに、

「近隣住民」

があります。最近、テロップや原稿で「近隣住民は」というのがよく出て来るのですが、私は、この言葉は「表現が硬い」ように感じるのです。

「近所の住民は」「近くに住む人は」

のほうが良いと思うのですが、他社では「近隣住民」が多用されているということはないか?と尋ねたのです。それに対する各社の意見は、

(フジテレビ)よく、目にも耳にもする表現。

(MBS)サイドスーパーには出る。コメントでは「近所の人」などと言い換える。

(共同通信)「近隣諸国」は使う。「近隣住民」も散見する。新聞原稿ではよく出て来る。放送原稿では「近所の人」に代える。

(日本テレビ)見出しに出て来る表現に引っ張られるのではないか?また「近隣トラブル」という言葉からの連想で「近隣住民」が出て来たのではないか?できるだけ「近所の人」などとする。

(共同通信)警察発表では「110番通報をした人は?」と聞かれたときに「近隣住民」と言っていたような覚えがある。

というようなものでした。

先日も「ミヤネ屋」で、事前にテロップをチェックしていたら「近隣住民」が出て来たので、チェックの段階で「近所の住民」に直しました。

ところが、6月30日に、男が走行中の東海道新幹線の車内で焼身自殺をし、女性一人が巻き添えで死亡するという事件があり、その男の近所に住む人に対する、各局のニュース番組でのインタビューでの「スーパー」(テロップ)を見ていたら、

*テレビ朝日「報道ステーション」=「近所の人」

*日本テレビ「ニュースゼロ」=「近所の人」

と、「近隣住民」ではなく「近所の人」でした。翌朝の番組も、

*日本テレビ「スッキリ!!」=「近所の人」

*TBS「白熱ライブ ビビット」=「近所の人」

と、「近隣住民」は使っていませんでした。もしかしたら、会議での議論が、さっそく反映されたのかな?(それは、ないかな。)

ふだん「近隣住民」が出て来る場合は、

「事件現場の近くに住む人」

ですが、今回の「事件現場」は、男の住居=東京都杉並区から遠く離れた、

「神奈川県小田原市を走行中の東海道新幹線の車内」

でした。たまたまその人の家の近くに住んでいて、事件は違うところで起きたから、

「近所の人」

にしたのでしょうか?「火事」など「事件・事故現場の近くの人の場合」は「近隣住民」というような「区別=使い分け」があるのでしょうか?その辺りは、ナゾです。

(2015、7、6)

2015年7月 6日 17:21 | コメント (0)

新・ことば事情

5794「ドーパミンか?ドパミンか?」

 

7月1日の「ミヤネ屋」で、俳優の高知東生さん(50)が、奥さんの女優高島礼子さん(50)のお父さんの介護のため、俳優業から引退するという芸能ニュースを取り上げました。高島さんのお父さんは「パーキンソン病」なんだそうです。その病状を紹介する際に出て来た、

dopamine

のカタカナ表記が、

「ドパミン」

となっていました。私の記憶では、これは、

「ドーパミン」

と伸ばします。そこで確認にために辞書を引いたら、『広辞苑』『デジタル大辞泉』『精選版日本国語大辞典』は、

「ドーパミン」

しか載っていませんでしたので、「ドーパミン」としました。

しかし担当のTディレクターから、

「パーキンソン関係のお医者さんのサイトを見ると、『ドパミン』と、伸ばしていないんですが、どうしましょうか?」

と聞かれました。

「そうか、もしかしたら、専門家の間では『ドパミン』と伸ばさないのかもしれないね。また『インシュリン』が『インスリン』に、『カロチン』が『カロテン』になったように、今後、名称変更が検討されるかもしれないね。でも、今は一般的には『ドーパミン』と伸ばすし、国語辞典にもそれしか載っていないので、『ドーパミン』でいこう」

ということにしました。

放送が終わってからネット検索をしてみたら、2010年の4月22日の「ヤフー知恵袋」に、

「『ドパミン』と『ドーパミン』って何が違うんですか??

とあり、「ベストアンサー」(回答数は1ですが)は、

「同じ物質です。英語表記ではDopamine。これを発音するときに『ドパミン』と言っているか『ドーパミン』と言っているかの違いです。『ビニールハウス』と『ビニルハウス』の違いのようなものです。なお、医療分野では『ドパミン』って言い方してる方が多いです。」

というものでした。ほかのネットのサイトでは、

「ドーパミン」=脳科学辞典、ウィキペディア

「ドパミン」=化学物質辞書

 

となっていて、「ウィキペディア」の説明の中に、

「医学・医療分野では日本語表記を『ドパミン』としている」

と書かれていて、脚注に出店として、

「日本神経学会用語委員会編『神経学用語集 改訂第3版』文光堂、2008年、p.42

が挙げられていました。

グーグル検索では(7月2日)

「ドーパミン」=53万5000件

「ドパミン」 =21万2000件

でした。

(2015、7、2)

2015年7月 3日 10:25 | コメント (0)

新・ことば事情

5793「オービス」

 

<2008年12月に書きかけたままになっていました。当時の番号は「平成ことば事情3571」でした>

 

2008年12月19日の各紙朝刊に、大阪府堺市に設置された「自動速度違反取締装置」(商品名の通称は「オービス」)で、偶然テスト撮影された車(タクシー)を、違反車両反車両と勘違いして大阪府警が運転手を書類送検してしまったという"事件"が載っていました。これを報じた新聞の表記が微妙に違いました。「オービス」は「特定商品名」なので、それを使っているかどうか、またその言い換えは?ということに注目しました。

<本文>           :     <見出し>

(朝日)自動速度違反取り締まり装置(オービス):オービス試験で罰金。

(読売)速度違反自動取締装置(オービス)オービステスト画像「速度違反」大阪でも誤る

(産経)自動速度取締装置:テスト画像で誤って速度違反摘発

(日経)速度違反自動取締装置:大阪府警テスト画像で誤検挙

(毎日)記事なし

 

うーん、「朝日新聞」と「読売新聞」は「オービス」を( )の中で使っていますね。これは、

「商品名ではない」

という判断なのでしょうか?それに対して、「産経新聞」と「日経新聞」は、「オービス」は使っていません。

また、日本語(漢字)での表記が、各社、微妙に違います。「自動」が先に出てくるのが「朝日と産経」、「速度違反」が先に出てくるのが「読売と日経」。また「取り締まり」と「送り仮名」を送っているのが「朝日」、他の3社は、「取締」と、「漢字のみ」の表記です。微妙な違いだ、内容は同じだけど。

このあたりについて、「朝日新聞」の知り合いに聞いたところ、

「『オービス』は、もともと『ボーイング社』が開発したもので、日本では『東京航空計器』という会社が商標登録している。朝日では今のところ取り決めていないが、新聞協会の調査結果では、一般名としては『使用不可』扱い。他の会社の製品も含めて『オービス』と言っているようにも思うが、商標権者がいる以上は『通称使用は、やめる方向』だと思う。一般名は新聞協会の調査結果では『速度違反取締装置』。『自動』が必要かどうかはよくわからない。『取り締まり』については、朝日の基準では『送り仮名省略例』に当たらないので『送り仮名つき』」

とのことでした。

また、「読売新聞」の知り合いに聞いたところ、

「『オービス』は『東京航空計器』の商品名。新聞協会で作成した『特定商品名』の一覧にも載っている。ただ、この商品は、この会社しか作っておらず、他社の製品と紛れたりするなどの問題は起こらないため、当面様子を見ながら、用いている。『タミフル』などと同様のケース。一覧表の言い換えでは『速度違反取締装置』だが、これはあくまで参考情報で、新聞協会として、これに統一するということではない。『自動』を付けるかどうか、付けるなら、どこに入れるかなどは、『各社判断』でやっている。」

とのことでした。

 

とここまで書いて7年間、ほったらかしだったのですが、2015年6月23日、奈良県警奈良署交通2課の巡査部長・中西祥隆容疑者(44)が、スピード違反を見逃す代わりに違反者が経営する風俗店を無料で利用させてもらったり、金品を受け取っていた事件で再逮捕されて、また「オービス」問題が出て来ました。

各紙の表記をネット上で拾ってみると、

<本文>           :<見出し>

(毎日)速度違反自動監視装置(オービス):オービスももみ消しか(6月23日)

(産経)自動速度違反取締装置(オービス):オービス不正操作で (6月23日)

(朝日)速度違反自動監視装置(オービス):速度違反もみ消し  (6月24日)

(読売)自動速度違反取締装置      :オービス画像不鮮明に(6月24日)

(日経)自動速度違反取り締まり装置      :速度違反もみ消しか(※6月23日)

(「日経」はネット上では見つからず、夕刊に記事がありました。)

 

日経除き、各紙メーンではないけれど、「オービス」使っていますね。

「読売新聞」は、「本文」では使わないけど、「見出し」単独で使っています。

また、7年前の記事(本文)と比べると、

【2008年】          :  【2015年】

(朝日)自動速度違反取り締まり装置(オービス):速度違反自動監視装置(オービス)

(読売)速度違反自動取締装置(オービス)   :自動速度違反取締装置  

(産経)自動速度取締装置           :自動速度違反取締装置(オービス)

(日経)速度違反自動取締装置         :自動速度違反取り締まり装置

(毎日)記事なし               :速度違反自動監視装置(オービス)

 

「朝日」は「取り締まり」から「監視」になり「自動」の位置が後ろになっています。

「読売」は「朝日」とは逆に、「自動」の位置が「前」に出て来て本文では「オービス」が消えました。

「産経」は「違反」が入り、(オービス)も入りました。

「日経」は頭に「自動」が入り、「取締」から「取り締まり」へと送り仮名が入りました。「オービス」は、前回も今回も使っていません。

「毎日」は前回は記事を確認できませんでしたが、今回「オービス」を使っています。

 

「ウィキペディア」を見てみると、

「自動速度違反取締装置は、アメリカのボーイング社で開発された、道路を走行する車両の速度違反を自動的に取り締まる装置である。通称のオービス(ORBIS)はラテン語で『眼』を意味する言葉からとったボーイング社の商標である。そのため厳密な意味ではボーイング社(もしくはライセンスを受けた会社)以外の『取締機』をオービスと呼ぶのは誤りであるものの、他社の製品を含めての取締機全般の通称として使われることが多い。」

とあります。

6月24日に放送した読売テレビの「かんさい情報ネットten.」では、

「自動速度違反取締装置」

で放送し、翌日の「スッキリ!!」でも同じ表現でした。(出稿は読売テレビ)

 

 

(追記)

2015年11月3日の午前0時過ぎの朝日新聞のネットの記事で、本文では、

「速度違反取り締まり装置」

で、見出しは、

「速度違反レーダー」

でした。

(2015、11、4)

 

 

 

(2015、6、26)

2015年7月 2日 20:23 | コメント (0)

新・ことば事情

5792「着用ダメージ」

 

桐谷美玲さんの出ている、洗剤(アクロン)のコマーシャルを見ていたら、

「のびのび よれよれ が、ぴん!」

という表現が出て来ました。最近、以前は、

「ノビノビ ヨレヨレ が、ピン!」

のように「カタカナ」で書いていた(「のびのび」は「スクスク育つ」意味では「平仮名」かな)こういった擬態語を、「平仮名」で書くことが多い気がします。あ、このCMは文字が出ていたかどうかは、忘れましたが。(「アクロン」のサイトでは、

「着用による伸びやヨレ」

となっていました。)

その後に出て来た言葉に、着目しました。それは、

「着用ダメージ」

という言葉、これは、「ダメージを受ける」のは、「服を着用した人」ではなく、

「着られたら"服"」

の方なのです。つまり、

「着用"した"ことによるダメージ」

ではなく、

「着用"された"ことによるダメージ」

です。「受け身形」なのです。そう、

「主語は、『服』」

なのです。そこがちょっと面白いなあと思いました。さすが洗剤のCMです。

グーグル検索してみたら(7月1日)

「着用ダメージ」=1万3400件

出て来て、トップに出て来たのは、

「おしゃれ着用洗剤『アクロン』改良新発売」

でした。

(2015、7、1)

2015年7月 2日 14:12 | コメント (0)

新・ことば事情

5791「去年中」

 

「ミヤネ屋」のナレーター・中矢さんから質問を受けました。

「『去年中』という、この原稿の『中』は『チュー』でしょうか?それとも『ジュー』でしょうか?」

うーん、ムズカシイな。原稿を見せてもらってちょっと考えて、こう答えました。

「『去年』のうちの、どこかの時点で、というのなら『チュー』。もし『ジュー』ならば、『去年1年間、ずっと』という意味になりますね。たぶん、この文脈だと『チュー』ですね。でも、『去年チュー』とはあまり言わないので、ここは『去年』を『昨年』に換えて、『昨年チュー』で読んでください」

と答えました。

「『世界中』を『世界ジュー』とは言っても、『世界チュー』と言わない」

ことに、似ていますね。

(2015、7、1)

2015年7月 2日 11:03 | コメント (0)

新・ことば事情

5790「影の黒幕」

 

先日の「ミヤネ屋」で、いつものように放送前にテロップをチェックしていたら、こんな言葉が出て来ました。

「影の黒幕」

あ、これは「影」ではなく、隠れて出て来ないんだから、

「陰の黒幕」

だ!気付いて良かった!と直しました。そして、放送を見ていたら、その場面が出て来ました。

「陰の黒幕」

あれ?なんだかちょっと、おかしいぞ・・・あ、そうか、

「『黒幕』は『陰』にいるに決まっているから、これは『重複表現』だった!単に『黒幕』で良かったんだ・・・」

ただ、もしかして、

「『黒幕』の、さらに『陰』にいるなら、『陰の黒幕』」

ですけどね。

今回は、ちょっと失敗。でも、「陰の黒幕」って、語呂はいいんだけどな。

(2015、7、1)

2015年7月 1日 19:47 | コメント (0)