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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_081

『風通しのいい生き方』(曽野綾子、新潮新書:2014、4、20)

 

最近精力的に新潮新書などから次々と本を出している著者も、もう80歳を過ぎているのに...物凄くバイタリティーがあるなあ。豊富な経験から、「誇り持って気高く生きる」ために必要な事を16話にわたって記している。たしかにこれを読むとそうだよなあと思う。でも世の中そんなに気高く生きることが出来ない人もたくさんいるんだけど、そういった人は、この本を万一読んでも、こうはいかないんだよなあ。じゃあ、どうすればいいのかは、記されていないんだよなあ・・・。

しかし、あれだけ頑なに「『看護師』ではなく『看護婦』」と主張していた産経新聞、そして曽野さんも、10年以上たつと、もう「看護師」って言葉を使うんだなあと、ある意味、感動しました。

*89~90ページに「お」の付く言葉がいっぱい出て来ました。

「お祝儀もの」「お話」「お芝居」お正月」「おめでたい」

*私たちがアフガニスタンと呼ぶ土地には、パシュトゥーン・バルーチュ・タジクの3つのイラン系部族がいる。その部族の集合体を、私たちよそ者はアフガニスタンと言っているだけだ、と。(90~91ページ)

*タンカーに乗せてもらった時の話。「日本の油送船の多くはホルムズ海峡を入ってから、湾岸のどこで油を取るかを決める。その日の相場が大きくものを言うのだろう。その船がサウジの港で油を入れる可能性は非常に高かったのだが、もしそうなると、私はシャリーア法のもとに、船を下りて、サウジに入ることができない。サウジでは、女性や夫や兄弟などの付添いなしに入国することは許していないからである。(162ページ)

→佐藤優さんと中村うさぎさんの対談集で出て来た、サッチャー元首相がサウジの王宮に行くときは「見た目は女だが、中身は男だから、男」と判断した話を思い出した。「シャーリア法」と言うんですね。

*当時はどの船でも十五分から十八分、四十五分から四十八分の目盛りの間が赤く塗られていた。それは毎時その時間帯に船の通信が一斉に止まり、その束の間の静寂の間に、どこから聞こえて来るかもしれない微弱な救難信号を聞くための処置であった。これが通称電波の沈黙時間であった。「弱者の声を聞く」というのはまさにこのようなことだったのである。(158ページ)

*一等航海士のことを「チーフ・オフィサー」と呼ぶが、当の一等航海士は「チーフ・メートであります」と言葉遣いを変える。これも謙譲語の一種であった。(159ページ)

豊富な経験に基づく話は、勉強になったなあ。


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(2014、5、31読了)

2014年6月12日 10:29 | コメント (0)