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『道浦TIME』

新・ことば事情

5470「ショウ賞」

 

5月29日の読売新聞朝刊のベタ記事(1段だけの小さな記事)の見出しに、こんなのを見つけました。

「京大教授に『ショウ賞』」

え?「ショウ賞」・・・「少々」?

とまあ、単なる音の重なり、だじゃれっぽい感覚、ということなのですが、記事を読んでみると、それが"少々"どころか、かなり大変な賞のようなのです。

この「ショウ賞」は、香港メディア界の有力者が設立した学術賞(おそらくその"有力者"が「ショウ」さんなのでしょう)で、その「生命医学・医学部門」を、京都大学大学院理学研究科の森和俊教授が、

「細胞が不良なたんぱく質の蓄積を回避する仕組みを発見したこと」

を評価されて受賞したのだそうです。日本人の受賞者は、京都大学のあの「iPS細胞」で「ノーベル賞」を取った、

「山中伸弥教授に次いで2人目」

だそうです。ということは、森教授も近々「ノーベル賞」?と期待されるではありませんか!

そして、この「ショウ賞」の賞金は、なんと、

「100万ドル(約1億円)」

というから、「ノーベル賞並み」にビッグな賞です。全然「少々」ではありません!!

授賞式は9月24日に香港で行われるということです!

森教授、おめでとうございます!(面識はないけど)

あ、「ショウショウ」と言えば、「おそまつ君」に「ショウショウ」っていなかったっけ?「大将」の弟だから「少将」だったのかな?

(2014、5、29)

2014年5月30日 11:08 | コメント (0)

新・ことば事情

5469「バレエ賞のブノワ賞」

 

5月28日、この1年間で最も活躍したバレリーナに与えられる国際的なバレエ賞である「ブノワ賞」

を、スウェーデンのバレエ団で活躍している、大阪府出身の「木田真理子さん(30)」が、日本人で初めて受賞したというニュースが流れました。

そのニュースを聞いていたら、

「この1年間で最も活躍したバレリーナに与えられるバレエ賞・ブノワ賞が」

という、

「バレエ賞」

が、こう、聞こえてしまいました。

「馬鈴薯」(ばれーしょー)

こう聞こえた人は「イモ」ですね。でも、「の」を入れて、

「バレエの賞」

と読んでくれれば、「イモ」にならなくて済んだのにな・・・。

(2014、5、28)

2014年5月29日 21:22 | コメント (0)

新・ことば事情

5468「南沙諸島か?スプラトリー諸島か?」

 

5月末に開かれた新聞用語懇談会春季合同総会で、こんな質問をしました。

「中国とベトナムの問題で出て来ますが、『中国名』の『南沙諸島』『西沙諸島』か、英語名の『スプラトリー諸島』『パラセル諸島』のどちらを先に言うのか、決まっていますか?ちなみに5月15日の各紙朝刊を拝見したところ、

『読売・産経』は『英語名』が先

『朝日・毎日』は『中国名』が先

『日経』は7面では『英語名』が先だが、4面は『中国名』が先でした。」

 

もう少し詳しく言うと、

【読売】見出しは「南沙諸島」、本文と地図は「スプラトリー(南沙)諸島」「パラセル(西沙)諸島」

【産経】地図とリードは「スプラトリー諸島」「パラセル諸島」、本文は「パラセル(中国名・西沙)諸島」

【朝日】地図は「南沙諸島」「西沙諸島」、本文は1回目「南沙(英語名スプラトリー)諸島」2回目は「南沙諸島」。「ジョンソン南(中国名・赤瓜)礁」

【毎日】見出しは「南沙」、本文は「南沙(英語名・スプラトリー)諸島の赤瓜(同・ジョンソン南)礁」

【日経】地図は「南沙諸島」「西沙諸島」、本文は「南沙諸島のジョンソン南礁(中国名・赤瓜礁)」

でした。この質問に対する各社の答えはというと、

 

 

(日経)「南沙諸島(スプラトリー諸島)」(中国名を先に書く)とするようになっている。が、7面と4面で違った表記をしていたということは、徹底されていなかったということのようだ。

(産経)平成25年(2013年)6月20日付で表記を統一した。係争地域なので、中立性を保つためにまず英語名の「スプラトリー」を書いて、その後ろに(中国名・南沙)と付ける。「パラセル」と英語名を書いて、後ろに(中国名・西沙)と書く。ただし、中国の報道官が「南沙諸島」と言ったことを伝える場合には、そちらを先に書く。

(朝日)社内で取り決めはない。

(毎日)取り決めはないが「南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)」にしている。「共同通信」の表記に準拠している。

(共同通信)10年前から「南沙(スプラトリー)」としている。「スプラトリー」という英語名をあえて加えて「中立性」を担保している。「南沙」を先にするのは、「日本語で何と呼ぶか?」と考えた場合に「南沙諸島」だからだ。

(???社名聞き取れず)昔は「西沙(ベトナム名○○、英語名パラセル)としてこともあったが、長すぎたからか、今は「西沙(パラセル)」。

取り決めはない。「南沙」「西沙」は、見出しにも取りやすい。

(読売)取り決めはないと思う。英語名のほうが中立性があるので、先に「スプラトリ-」としているのではないか。

(NHK)2014年5月12日付で報道局では、今までは「南沙諸島「西沙諸島」のみだったのが、1回目のみ「南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)」「西沙諸島(英語名パラセル諸島)」とすることになった。2回目以降は「南沙諸島」「西沙諸島」。

とのことでした。実際、5月28日の読売新聞の朝刊は、やはり「英御語名が先」で、

「南シナ海・パラセル(西沙)諸島」

でした。

また外務省のホームページを見てみると、2014年3月に出した「尖閣諸島」戸言うパンフレットがあり、その中の地図には、

「スプラトリー諸島(南沙諸島」「パラセル諸島(西沙諸島)」「プラタス諸島(東沙諸島)」

「マックルズフィールド堆(スカボロー礁)(中沙諸島)」

とありました。「南沙」「西沙」「東沙」「中沙」はあっても「北沙」はないのかな?

本文の中では、「パラセル諸島」「スプラトリー諸島のジョンソン南礁」「スプラトリー(南沙)・パラセル(西沙)諸島」とありました。

 

 

 

(2014、5、28)

2014年5月29日 15:21 | コメント (0)

新・ことば事情

5467「美人さん」

 

最近時々、耳にし、また目にする言葉に、

「美人さん」

があります。「美人」ではありません、「美人さん」です。ここで疑問が。

「なぜ『さん』を付けるのか?」

ということです。

「美人だなあ」「美人ですね」

でいいのに、

「美人さんですね」

と、なぜ「さん」を付けるのか?

これはもしかしたら、

「自分とは縁遠い」

ということの表現として「さん」を付けているのではないでしょうか?ほら、会社の経営陣とか上層部のことを、平社員などが、

「えらいさん」

と言うじゃないですか。あれは、自分が手を触れることに出来ない、

「天上人」「雲上人」

のことを言うんですよね。この場合も、

「自分なんか付き合ってももらえない、ものすごくハイレベルの美人の女性」

の場合に「さん」を付けて「美人さん」と言うのではないでしょうか?

もしくは、それほどの美人ではなくても、「この言葉を使う人の自己評価が低く」て、

「どうせ、ボクなんて、歯牙にもかけてもらえない」

と思っているケースかもしれません。

グーグル検索(5月28日)では、

「美人」   =9280万0000件

「美人さん」 = 161万0000件

「えらいさん」=  15万5000件

「偉いさん」 =  44万5000件

でした。「お」を付けて「おえらいさん」と言うこともありますね。

「お偉いさん」 =51万2000件

「おえらいさん」= 5万4000件

あと、友人などの「彼氏(彼女)」のことを、

「彼氏さん」「彼女さん」

と言うこともあるようです。

「彼氏さん」=  54万9000件

「彼氏」  =3940万0000件

「彼女さん」=  47万2000件

「彼女」  =8060万0000件

でした。この「さん」は「敬語」かな。部活動の先輩を呼ぶときに。「名字」に「さん」を付けるのではなく、「ニックネーム」に「さん」を付けて、

「『タケちゃん』さん」「『タケ公』さん」

みたいな感じなのかと思うのですが、いかがでしょうか?

 

(追記)

あちゃー、「彼女さん」はついこの間に書いているではありませんか!すっかり忘れてた!

ことしの2月に「平成ことば事情5374彼女さん」で書いてました!そちらも読んでね!

(2014、6、4)

 

 

(2014、5、28)

2014年5月29日 11:21 | コメント (0)

新・ことば事情

5466「絶叫系」

京阪電鉄に乗っていたら、車内放送で、

「大人の方が楽しめる絶叫系から・・・」

とアナウンスしていました。もちろん「ひらパー」こと、

「ひらかたパーク」

の宣伝ですね。この中で、

「絶叫系」

という言葉がさりげなく使われていたのを、私は聞き逃しませんでした。

「~系」

という言葉が使われるようになって、少なくとももう20年ぐらいはたつと思いますが、「絶叫系」というのは(遊園地に縁がないからか)知りませんでした。きっと、

「乗ると誰でも思わず絶叫してしまう、ジェットコースターなどの激しく動く遊具」

のことを指しているのでしょう。辞書の説明みたいですね。もともとは「遊園地業界」の「業界用語」なのではないでしょうか。それが若者の会話で出て来るのなら、それほど違和感はないのですが、

「電車の車内放送で出て来た」

ので、違和感を覚えたのでした。グーグル検索では(5月28日)、

「絶叫系」=64万4000件

出て来ました。うお!もうすごく使われている。どういう使われ方か見てみると、

「絶叫系アトラクション」「フリーフォール系の絶叫系」「絶叫系の乗り物」

「絶叫系マシン」「絶叫系苦手系男子」「新絶叫系遊具」「日本一の絶叫系」

ちなみに、

「絶叫系アトラクション」=25万2000件

「絶叫系マシン」    =26万8000件

でした。かなり浸透してますね。『三省堂国語辞典・第7版』はどうか?飯間さんは選んでいるのか?「絶叫」を引くと・・・ありました!用例に、

「遊園地の絶叫マシン」

「系」は付いていませんが、それです。「系」をはずしてもう一度、グーグル検索。

「絶叫マシン」    =48万2000件

「絶叫アトラクション」= 5万0600件

もしかしたら「絶叫マシン」の方が古くて、最近になって「系」の入った「絶叫系マシン」と呼ぶようになったのかも知れませんね。

(2014、5、28)

2014年5月28日 21:14 | コメント (0)

新・ことば事情

5465「出雲国造」

 

5月27日、高円宮家の二女・典子さま(25)が、婚約の内定を発表しました。お相手は、出雲大社宮司の長男で現在、禰宜(ねぎ)の千家国麿(せんげくにまろ)さん(40)です。「縁結び」で有名なあの出雲大社の神職がご結婚。ああ、めでたい、と。

このニュースを伝える言葉の中に、

「出雲国造」

という言葉が出て来ました。この読み方を調べると

「いずものこくそう」

「いずものくにのみやこ」

2種類の読み方が出て来ました。出雲大社のホームページでは、

「いずもこくそう」

だったので、「ミヤネ屋」ではそちらを取りましたが、辞書に載っている

「いずものくにのみやつこ」

の説明を読んでみると、「国造(くにのみやつこ)」の「みやつこ」は、

「『み』は『御』、『つ』は『~の』の意味」

だと書かれていました。そうなのか!「造=みやつこ」の「つ」は「沖つ白波」の「つ」、「まつげ」の「つ」だったのか!そして、おそらく、

「や=家(屋)」

なのではないか?また、

「こ=子=人」

ではないか?すなわち、

「みやつこ」=「お家を作る人」

ではないか?そして、ここで言う「お家」は「八紘一宇」の「一宇」で表される、

「宇」=「屋根」

となって、

「国=一つ屋根(=ひとりの統治)の下の土地(領地)」

なのではないか?そして、もしかして、「都=みやこ」は、

「『みやつこ』から『つ』が落ちてできたのではないか?」

など、どんどん"連想ゲーム"が広がって行ったのでした。ほんとかどうかは、わからんけど。

(2014、5、28)

2014年5月28日 17:11 | コメント (0)

新・ことば事情

5464「よされ2」

 

以前、北島三郎さんの曲「風雪ながれ旅」の中に出て来る、

「よされ」

という言葉の意味がわからない、と平成ことば事情2832「よされよされ」で書きました。

その意味が解明されるときが来ました!

出張で岩手・盛岡に行った帰りに、売店の土産物売り場で買った「方言絵葉書」に載っていたのです!それは「盛岡弁 絵手紙シリーズ②わげぇなって」の巻の中にあった、

「こっちゃよされ まっとよさたら いがんべな」

というもの。この「よされ」は、

「寄りなさい」

という意味だそうです。こういう文なら確かにそうだなあ。つまり「よされよされと雪が降る」の「よされよされ」は「寄れ、寄れ」、つまり、

「おいで、おいで」

という意味なのではないでしょうか?意味は通じますよね!

やっぱり東北弁だったんだ!

出張先でこんな発見があるとは、ちっとも思いませんでした。東北の人は、最初から意味が分かって「風雪ながれ旅」を聴いていたのかなあ?

(2014、5、27)

2014年5月28日 11:33 | コメント (0)

新・ことば事情

5463「友人なだけあって」

 

コラムニストの青木るえかさんの本『定年がやってくる』の158ページに、

「私ら夫婦の友人なだけあって」

という一文がありました。この、

「友人なだけ」

の部分の「な」の使い方が気になりました。この場合に「な」を入れなくて、

「友人だけあって」

でいいように感じました。

その後、ケータイショップに行った時に見かけた張り紙には、

「旬な話題を」

とありました。この「旬な」は、

「旬の」

のほうがいいのではないかなと思いました。

この手の「な」の使い方は、既に北原保雄先生が、

『問題な日本語』

で取り上げてらっしゃいますね。グーグル検索してみました(5月27日)。

「友人なだけあって」= 7万5900件

「友人だけあって」 =10万0100件

「旬な話題」= 48万3000件

「旬の話題」= 55万7000件

「旬な」  =283万0000件

「旬の」  =425万0000件

「問題な」 =157万0000件

でした。

これは「流行り」なのでしょうか?それとも、定着していくのでしょうか?見守りたいと思います。

(2014、5、27)

2014年5月27日 18:31 | コメント (0)

新・ことば事情

5462「リンゴ畑か?リンゴ園か?」

 

「ミヤネ屋」のベテラン・ディレクターから、

「道浦さん、リンゴは『畑』でいいんでしょうか?」

と質問を受けました。

「『リンゴ畑』でいいんじゃないの?『ミカン畑』も言うし・・・」

と答えたものの、一応、辞書で「畑」を引くと、

「水をたたえないで、野菜・穀類などを栽培する農耕地」(『広辞苑』)

とありました。「果物」は記されていません。「果物=果樹」は「果樹園」ですね。

それで言うと「リンゴ畑」ではなく、「リンゴ園」としたほうが良いのかなと思い、「ミヤネ屋」ではそうしました。

グーグル検索では(5月20日)、

「リンゴ園」=13万9000件

「リンゴ畑」= 8万0000件 

でした。

(2014、5、20)

2014年5月21日 18:14 | コメント (0)

新・ことば事情

5461「病院の数え方」

 

「ミヤネ屋」のディレクターからの質問です。

「『病院』の数の数え方は『か所』でしょうか?『施設』でしょう?新聞は『か所』、厚生労働省のデータは『数だけ』で助数詞は付いていないんですが・・・。」

 

日本新聞協会の新聞用語懇談会放送分科会で2008年9月に出した『放送で使用する助数詞』を見てみたら、「病院」は載っていませんでした。

飯田朝子先生の『数え方の辞典』を引くと、「病院」、載っていました!

「病院」=~軒、~院

うーん、しかし「個人病院」のように規模が小さいものはこれでいいと思いますが、「県立病院」とか「大学病院」のように「大きな病院」の場合は、

「~か所」「~施設」

という数え方の方がふさわしい気がします。「ミヤネ屋」では「~か所」で行きました。

また「病院の耐震性」ということであれば「建物の数」だから

「~棟」

もありですね。

(2014、5、20)

2014年5月21日 12:22 | コメント (0)

新・読書日記 2014_062

『知ってても偉くないUSA語録』(文藝春秋社、町山智浩:2014、4、20)

 

1月に読んで、「読書日記013」に書いた『ファビラス・パーカー・ボーイズの地獄のアメリカ観光』以来の町山智浩作品。『週刊文春』の連載「言霊USA」は、毎週は読んでいないが、こうやって一冊になった方が読みやすい気もする。『文春』の連載は、以前は1ページだったが、今は見開き2ページ。というのも、やはり「澤井健画伯のイラスト」が、このコラムの面白さを倍加させているから、そのイラストも十分に楽しめるようにということであろう。

「この本を読んでもちっとも英語の勉強にならない」...と怒る人がいる、とまえがきに書いているが、そりゃそうでしょう。まっとうな英語は出て来ない。もっと深い英語が出て来る。だから面白い!わたしは「試験に出る英単語」よりも「試験に出ない英単語」の方が好きです。

澤井画伯のイラストで一番笑ったのは、66ページの「アメリカ南部にいるのは(ホラー映画では)こういう人たちです」というもの。そこに描かれている人は、ヴァンパイア、悪魔つき、一家全員殺人鬼・・・ってどんなんやねん!と「突っ込み」入れ放題です!


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(2014、5、7読了)

2014年5月18日 12:25 | コメント (0)

新・ことば事情

5460「『あかつき』と『ひととき』」

 

ふと思いました。

「あかつき()

「つ」と、

「ひととき(一時)

「と」は、「同じではないのか?」と。

「まつげ」の「つ」は古語で「~の」の意味ですよね。つまり、

「ま(目)の毛」

「まつげ」「沖つ白波」の「つ」が「~の」の意味と同じですね。その意味では、「あかつき」の「つ」も同じではないか。つまり、「あかつき」は、

「明<=あか>(ける)・つ<=の>・(と)き」=「明ける時」

なのではないか?と思ったのです。そこからの類推で、

「き=とき(時)」

ならば、「ひととき」も、

「一<=ひと>・と<=の>・(と)き」

で、「つ」と「と」は同じ意味か?と考えたのですが、よーく見てみると、「ひととき」「ひと・と・き」ではなく、

「ひと・とき」

なのではないか?普通はそう考えますよね。

でもそうすると、そもそも「とき(時)」も、もともとは、

「き」

であったのではないか?とも考えられます。「き」・・・、

「機」か!?

答えは出ませんが、でも古語について思いをはせることが出来ました。

(2014、5、16)

2014年5月17日 12:21 | コメント (0)

新・ことば事情

5459「空振る」

 

5月14日の日経新聞夕刊コラム「プロムナード」で、作家の宮内悠介さんという方が、

「ボールを空振ること」

というタイトルのコラムを書いていました。この、

「空振る」

という動詞、見慣れません。意味はもちろん解ります、

「『空振り』すること」

ですね。しかし「空振り」という「名詞」はあっても「空振る」という動詞はあまり見ない、聞かない。もう認められているのでしょうか?

新しい言葉を素早く取り入れることで定評のある『三省堂国語辞典・第7版』を引いてみましょう!

お!「見出し」こそ立てていないが、名詞の「空振り」の語句説明の中に、

【動】空振る(自五)

とありました!【動】は、もちろん「動物」ではなく、

「動詞」

の意味ですね!載ってるんだあ。でも、まだ「見出し」にはなっていない。新しい言葉だと思われます。

『広辞苑・第6版』は、

「空振り」「カラフル」「空風呂」

は載せていますが、「空振る」は載せていません。『精選版日本国語大辞典』も同様です。

従来は、同様の意味のことを言う場合は、名詞「空振り」に動詞の「する」を付けて、

「空振りする」

と言っていたはずですが、短くなってきたのですかね。

グーグル検索では(5月16日)

「空振り」 =102万0000件

「空振る」 =  4万9400件

「空振りする」=15万0000件

でした。やはりまだ「空振る」は、それほどは定着していないみたいですね。でも結構、使われてはいます。

なお、調べてみると、宮内さんは1979年生まれ、ことし35歳。若い方です。私はコラムのタイトルを見たときに、この「空振る」は、

「野球(のスイング)のこと」

だと思ったのですが、宮内さんの「空振る」は、なんと、

「フットサル」(つまり「サッカー」のこと)

だったのです。サッカーで「空振り」するのは・・・うーん、ちょっと、カッコワル・・・。

(2014、5、16)

2014年5月16日 18:20 | コメント (0)

新・ことば事情

5458「プラットフォームとプラットホーム」

 

5月14日、KADOKAWAとDWANGOが、経営統合を発表しました。それを報じた翌15日の朝刊各紙で、

「日の丸プラットフォーム」

という言葉が出て来ました。その「プラットフォーム」の表記が、新聞によって微妙に違いました。

(読売)プラットホーム(情報提供の基盤)

(朝日)プラットホーム(情報の提供手段)

(毎日)プラットフォーム

(産経)プラットフォーム

(日経)プラットフォーム

 

つまり「プラットフオーム」か?「プラットホ-ム」か?という問題です。

私たちが毎日使用している電車の駅の場合は、

「プラットホーム」

ですが、コンピューターなどの場合は、

「プラットフォーム」

ではないかなあと思うのですが、区別はないのかな?

もちろん、もともとの英語は「同じ」でしょうけど。

どうなんでしょうか?

(2014、5、15)

2014年5月16日 11:40 | コメント (0)

新・ことば事情

5457「『髙島屋』の『髙』」

 

先日開かれた関西地区新聞用語懇談会で、毎日放送の委員の方からこんな話題が出ました。

「『髙島屋』の『髙』の字は、『はしご髙』か『普通の「高」』かを気にしていたら、先日見た広告は、なんと『カタカナ』で『タカシマヤ』になっていた!」

 

なるほど、そう言われてみれば、最近はそんな気もします。海外進出などもあって「カタカナ」になったのでしょうか?あ、海外なら「アルファベット」で、

「Takashimaya」

か!あの漢字の「はしご髙」は、「ロゴマーク」としてはそうなんでしょうけど、必ずしもその通りでなくても、「わかる」のでいいのではないかなあとも思うのですが、こだわる方はこだわりますからねえ・・・「字体」の問題は難しいです。

(2014、5、15)

2014年5月15日 23:04 | コメント (0)

新・ことば事情

5456「『緑化』のルビ」

 

先日開かれた関西地区新聞用語懇談会の懇親会で、愛媛新聞の委員の方から、こんな質問を受けました。

 

「『緑化』のルビは、『りょくか』でしょうか?それとも『りょっか』でしょうか?」

 

これは、実は「発音」の問題でもあるので、このようにお答えしました。

 

「『リョクカ』の『ク』は、母音が無声化されて聞こえにくく、促音で小さい『ッ』と言っているのと同じに聞こえるため、言いやすい促音の『リョッカ』と言う傾向があり、その音を文字化したのが『リョッカ』です。たとえば『小学校』を、最初は『ショーガクコー』と言っていたのが、『ク』が無声化し、促音化して『ショーガッコー』となるのと同じです。あとはそれを『文字優先』で『ク』と書くのか、実際の音を表して促音の『ッ』とするのかは、どちらもありますねえ」

 

一応これで納得してもらいました。

(2014、5、15)

2014年5月15日 20:03 | コメント (0)

新・ことば事情

5455「火廼要慎」

 

この前の日曜日、京都の祇園四条界隈を散策しました。

お天気も良く、気持ちよかった。

細い路地を歩いていると、ここかしこでよく見かけた張り紙に、こう書かれていました。

「火廼要慎」

これは当然、

「ひのようじん」

と読む。しかし、普通、我々の知っている表記では、

「火の用心」

ですね。でもこれはなんと「4文字の中の3文字まで表記が違う」!

グーグル検索では(5月14日)

「火廼要慎」=2万4100件

どうやらこの「火廼要慎」は、「京都・愛宕神社」の「お札の文字」のようです。

愛宕神社は、

「火伏せ・防火の神様」

だそうで、京都では、たいていの家庭の台所にこのお札さんが貼ってあり、飲食店でもよく見かけるそうです。これまでは気付かなかったなあ。

ちなみに、

「京都、火廼要慎」= 1万8200件

「火の用心」   =56万2000件

でした。

(2014、5、14)

2014年5月15日 16:02 | コメント (0)

新・ことば事情

5454「よーじや」

 

京都・祇園四条で見かけた看板。

「よーじや」

つまり「楊枝屋」ですが、これって平仮名で書くなら本来は、

「ようじや」

ですよね。でもそれじゃ、個性が出ないから、「う」の代わりに長音符号の「-」を用いて、

「よーじや」

としていると。これとよく似ているのが、本来はカタカナで「ラーメン」と書くところを平仮名で、

「らーめん」

と書く。あるいは、更にひとひねり加えて、

「らあめん」

という表記を見ることがありますね。それと似ているなと感じたのでした。特に、

「京風」

なんて頭に付こうものなら、絶対に片仮名ではなく平仮名で、

「京風らあめん」

だと思うのですね。これはなぜ?平仮名の方が、歴史を感じさせるのでしょうかね。面白いですね。

「平成ことば事情1730らあめん」と「平成ことば事情1947らうめんとらあめん」もお読みください。

(2014、5、13)

2014年5月14日 19:17 | コメント (0)

新・ことば事情

5453「ヨッコイショーイチ」

 

1972年(昭和47年)1月24日、グアム島で見つかった元日本兵の横井庄一さん。2月2日に帰国した際に発した、

「恥ずかしながら帰って参りました」

は、流行語にもなりました。もう40年以上昔になるので、知らない若い人も増えているでしょう。しかし、われら"おじさん世代"にとっては、「椅子から立ち上がる際に発する言葉」である「ヨッコイショ」にひっかけたダジャレ(おやじギャグ)の、

「ヨッコイショーイチ」

と共に、未だに記憶の中に生きている方です。しかし、横井庄一さんのことを知らなければ、「ダジャレ」にすらなりません。

そもそも今、「横井庄一さん」のことを知っているのは何歳以上なのか?また、この「ヨッコイショーイチ」というダジャレ言葉は、今も通用するのか?2つの点が気になりました。読売テレビのアナウンス部で聞いてみたところ、さすが、アナウンサー!若くても言葉に敏感と言うか、おやじアナウンサーの先輩がしょっちゅう言っているので覚えてしまったというか、若いアナウンサーも知っていました。

"アラサー"のYアナウンサーは、

「"横井庄一さん"という方がいらっしゃることは、知っています。それは『ヨッコイショ-イチ』というダジャレから知りました」

という「本末転倒」なの覚え方です。そのYアナウンサーによると、

「去年、フジテレビのドラマ『ラスト・シンデレラ』で、主人公のおやじギャル役の篠原涼子さんがよく『ヨッコイショーイチ』と言っていました」

というではないですか!

調べてみるとそのドラマは、去年の4月から放送されたもので、脚本を書いたのは、

「1968年(昭和43年)生まれの女性」

でした。その世代までは、通用するんだな。

(2014、5、14)

2014年5月14日 15:16 | コメント (0)

新・ことば事情

5452「エア実験」

 

STAP細胞論文問題小保方晴子さんが、

「エア実験のように思われているのは心外」

とコメントしていましたが、この、

「エア実験」

「エア」というのは、

「エアギター」

から流行った使われ方ですよね。若者言葉ではないかなと思います。もう50を過ぎたおっさんは、あまり使いません。グーグル検索では(5月13日)、

「エアギター」= 56万1000件

「エア実験」 =  4万3100件

「エア○○」=2490万0000件

ついでに、

「エアコン」=2440万0000件

「エアディナー」=   1670件

「エアドラム」 = 5万8900件

「エアピアノ」 = 1万7900件

「エアベース」 = 7万1900件

「エアボーカル」= 2万1100件

この「エアボーカル」というのは、

「口パク」

のことみたいですね。「スポーツ」もありそうですね。

「エアゴルフ」 =    2000件

「エアサッカー」=    6530件

「エアテニス」 =    3770件

「エア卓球」  =    2990件

「エア野球」  =            3210

「エア水泳」  =    2660件

「エアホッケー」 =25万3000件

あ、「エアホッケー」はゲームセンターに実際にある、空気の出る台の上でやるゲームでした。

あ、それと「絵や文字」という言葉は、

「エア文字」

に聞こえませんか?

(2014、5、13)

2014年5月14日 11:05 | コメント (0)

新・ことば事情

5451「『非合法活動』の読み方」

 

5月12日のお昼のニュースで、オウム真理教の菊地直子被告の裁判で、井上嘉浩死刑囚が証言したというニュースを伝えていました。その中で若い女性記者が、

「非・合法活動」

「非」のところで区切って、

「ヒ\・ゴ/ーホーカ\ツドー」

読んでいたのに違和感を覚えました。これは私なら、意味の上での区切りは、

「非合法・活動」

としますね。「非合法」を一つの言葉として認識していればそうなります。読み方は、コンパウンドして(「1語」としての読み方)、

「ヒ/ゴーホーカ\ツドー」

になります。おそらくこの若い記者は「合法活動」「合法」という言葉は知っていても「非合法」という言葉にはなじんでいなかったのではないか?もしくは、「合法活動ではない」ということを強調したいがために「非」で区切って読んだのでしょうが、ちょっと違和感があったなあ。

(2014、5、12)

2014年5月13日 12:15 | コメント (0)

新・ことば事情

5450「追加タイム」

 

5月7日の日経新聞夕刊スポーツ欄(この日の朝刊はお休みだったので、前日のスポーツが詳しく載っている)のサッカーの記事でこんな言葉を見つけました。

「後半追加タイムに追いつかれた新潟がその直後にオウンゴールで決勝点を奪った。」

この中に出て来る

「追加タイム」

これは、

「アディショナルタイム」

のことですね。「アディショナル」は「7文字」もあるので、新聞で書く際に、同じ意味の日本語の「追加」の「2文字」に抑えたということでしょう。

グーグル検索(5月8日)では、

「追加タイム」     = 1万3000件

「アディショナルタイム」=23万5000件

「インジュアリータイム」 =   1970件

「ロスタイム」     =65万6000件

でした。「ウィキペディア」によると、

「日本サッカー協会によるサッカー競技規則(7条)においては『ロスタイム』『アディショナルタイム』などの用語を使用せず、『空費された時間』としているが、2010716日の審判委員会にて名称を『アディショナルタイム』とすると共に、『目安』という表記も行わないように方針を決めた」

のだそうです。

日本テレビ系列では、2011年1月20日「サッカー競技で試合に追加される時間」を、

「アディショナルタイム(Additional Time)」

で統一することになっています

「平成ことば事情4287 アディショナルタイム」もお読みください。

(2014、5、8)

2014年5月11日 12:53 | コメント (0)

新・ことば事情

5449「殺人未遂幇助」

 

5月8日、オウム事件の菊地直子被告の裁判が始まりました。

それを伝えるニュースで裁判所前から中継していた記者が、

「殺人未遂の幇助の罪で」

と言っていたのですが、ちょっと引っかかりました。

そもそも「殺人」を意図していてそれを「幇助」したのだが、結果的に「未遂」に終わったのであれば、

「殺人幇助未遂」

ではないのでしょうか?

法律の名前は「殺人未遂幇助」で正しいのかもしれませんが、放送では、

「『自殺未遂を図る』は『間違い』」

と言っています。なぜならば、

「『自殺を図って死にきれなかった』のが『自殺未遂』」

であって、

「『自殺未遂を図った』のなら、いわゆる『狂言自殺』」

になります。

それと同じことが、この場合も言えるような気がしますが、いかがでしょうか?

(2014、5、8)

2014年5月10日 18:52 | コメント (0)

5448「取りづらい?取りにくい?」

 

ゴールデンウイーク明けの5月7日のお昼のニュースを見ていたら、こんなフレーズが。

「今年は飛び石連休で、まとまった休みが取りづらかったため」

この、

「取りづらかった」

ですが、この場合は本来、

「取りにくかった」

なのではないでしょうか?

この問題に関しては以前にも書いていると思います。調べたら、

平成ことば事情696「見えにくいと見えづらい」で書いていました。「2002年の5月」。ずいぶん前だな。それに、その後「追記」も加わり、「2006年10月」には、こう書いています。

『「物理的にできないのが『にくい』」

「心理的にできないのが『づらい』」

「にくい」は、既に「そうしよう」と行動は起こしているもののできない状態。

一方の「づらい」は、そういった行動を取ろうとは思っているのだけれどまだ行動を起こしてはいない状態。「づらい」には「辛い」「いやだ」という話し手の気持ちが入っているような気がします。だから、物理的にできない「にくい」の代わりに、気持ちの吐露の表現として「づらい」が以前よりも広く使われるようになってきたのではないか?』

と書いています。

それから、さらに8年を経て、現在では「~しにくい」がほとんど使われなくなって、「~しづらい」が圧倒的に使われている気がします

グーグル検索してみましょう。(2014年5月7日)

「取りづらい」= 58万1000件

「取りにくい」=138万0000件

「しづらい」 =148万0000件

「しにくい」 =431万0000件

でした。意外と「にくい」が頑張っていますね。過去に書かれたものも残っているからかな。しかし実際の「話し言葉の現場」では、「づらい」が圧倒的だと思うんですが。

皆さん、いかがでしょうか?

(2014、5、7)

2014年5月10日 12:51 | コメント (0)

新・ことば事情

5447「ボーカロイド」

3月のニコ生「道浦俊彦のことばのことばかり」は、ヤマンゴこと山本アナウンサーが高熱を出して欠席、脇浜アナウンサーがピンチヒッターを務めるという回でしたが、その中で、

「ボーカロイド」

という言葉が出て来ました。それを私は知りませんでした。初めて聞きました。

「ボーカロイド?・・・防火ロイド?」

等と言っていたら、脇浜アナウンサーをはじめ、ニコ生を視聴している人たちも大笑い!

「道浦さんも、知らない言葉があるんだ!」

て、当たり前じゃないのよ、知らないことだらけだわさ、世の中は!!だから学んでいるんですよ!

ひとしきり笑った(笑われた)後に、正解を教えてくれました。

「ほら、『初音ミク』っているでしょ。ああいうふうなバーチャルなアイドルのようなものです。」

あとで『現代用語の基礎知識2014』を引いてみたら、載っていました。

「ボーカロイド」=(商標VOCALOID)ヤマハ株式会社が開発した、歌声合成ソフト。メロディーと歌詞を入力すると、人間の声を元にした歌声を合成することができる。また、その応用製品をいう」

 

うーん、わかったような、わからないような。まあ、わかったことにしておこう。

そこで、いつものヤマンゴの立場に私が陥りました。脇浜アナウンサーの目が"キラン!"と光った後に、舌なめずりしそうな顔で、

「じゃあ、道浦さん、『初音ミク』の絵を描いてくださいよ!」

し、しまったー!ワナにはまったあー!

仕方がなあい。描くしかないね。でも「初音ミク」って、名前は聞いたことがあるけど、どんなカッコウしてたっけ?と悩みながらも描いたのがこちら。


image0509.jpg

<初音ミク・絵>

いかがでしょうか?

え?なんだかビミョー?

雰囲気はあるけど、全然違う・・・「昭和」の香りが・・・と言われてしまいました。

あとで「本物」の「初音ミク」を見たら、ああ全然違う!これかあ。

勉強になりました!

(2014、4、27)

2014年5月 9日 15:00 | コメント (0)

新・ことば事情

5446「午前11時半ごろです」

 

北海道・札幌で、25歳の女性の行方が分からなくなっている事件で、5月7日、地元のテレビ局の記者が、行方が分からなくなったあたりの現場からリポートしていました。

その際の「顔出しリポート」で、

「午前11時半ごろです。あちらが、女性の行方が分からなくなった現場付近です」

と言っていたのを聞いて「おや?」っと思いました。それは、

「午前11時半ごろです」

というコメントの「ごろ」に関してです。

「『現在の時刻』に関してリポートする際に、『ごろ』を付けて言うのは、おかしくないか?」

という点が気になったのです。

「現在、午前11時半です」

「現在、午前11時28分です」

「現在、時刻は正午前です」

「現在、時刻は正午すぎです」

と言うのであれば、違和感なく聞けるのですが、

「現在、午前11時半ごろです」

は違和感があるなあ。なぜだろう?

たぶん、「現在」と言った時には「正確な時刻」が求められるのでしょう。ただ、それは、「○分」と言うように「分単位での正確さ」までは求めていない。「○時前」の様に、

「ややアバウトな時刻表示」

も許されます。「前」(「すぎ」)というのは「前」(「すぎ」)の前に付いている時刻の「少し前の時刻」(「少し後の時刻」)を指しているから。

しかし「ごろ」というのは、

「『前』(『すぎ』)よりも『アバウトさ』が大きい」

のではないでしょうか?しかも、

「その時刻の、『前』か『後』かが、確定されていない」

というところが、「正確さに欠ける」と判断されて、違和感があるのではないでしょうか?

現地でのリポートであれば、より正確な情報を求められている・・・というところなんでしょうね、きっと。

(2014、5、7)

2014年5月 9日 10:52 | コメント (0)

新・ことば事情

5445「スカッパレ」

 

気象予報士の資格も持っている河合薫さんが、5月7日の「ミヤネ屋」で、前日の冷え込み・放射冷却現象について語った時に、

「こういう『スカッパレ』のときは」

と言ったのを宮根さんは聞き逃しませんでした。

「『スカッパレ』?そんな言葉、生まれて初めて聞きました。いわゆる『ピーカン』のこと?スカッと晴れたという意味?いやあ、初めて聞きました」

と突っ込んだのです。

たしかに私も初めて聞いた言葉です。河合さんは、

「いやあ、まあ、スッキリと晴れたということで・・・」

というように少し恥ずかしそうにしていましたが、もしかしたら専門家の間では、そういう言い方をするのかもしれません。グーグル検索をしたら(5月7日)、

「スカッパレ」=3940件

も出て来ました。その中には、2010年のブログで、

「お天気のお兄さんが『スカッパレ』を使っていた」

という記述もありました。専門家の中では、どうやら使われている言葉みたいですね。

国語辞典をいくつか引きましたが、「スカッパレ」は載っていませんでした。

 

(追記)

さっき、お天気の蓬莱大介さんが、話しかけて来ました。

「道浦さん、今日の『かんさい情報ネットten.』で、あしたの天気の話で『スカッパレ』って言葉を使おうと思ってネット検索していたら、道浦さんのサイトが出て来ました!」

「へえー、なんて書いてあったの?」(もう忘れてる)

「『ミヤネ屋』で河合薫さんが使ってたけど、専門用語ではないか?って。あれって、テレビ朝日関係の人はよく使うんですよ」

「へえー、そうなの?ウェザーニューズ関係の言葉じゃないの?」

「そうかもしれませんが、なんか『テレ朝』では、よく聞きます」

という会話があって、その後テレビを見ていたら確かに、

「スカッパレ」

という言葉を、蓬莱さん、使っていました。

あした、「建国記念の日」の関西は、「スカッパレ」だそうですよ!「アッパレ!」

(2016、2、10)

 

(2014、5、7)

2014年5月 8日 21:51 | コメント (0)

新・ことば事情

5444「ど生鮮」

 

スーパーの西友のコマーシャルを見ていたら、大きな文字とナレーションで、

「ど生鮮」

という言葉が出て来ました。なんと!ついに来るところまで来たか。

普通は「ど」が付く大阪弁と言うと、

「どアホ」「ど真ん中」「どギツイ」「ど根性」「どたま(頭のこと)」「ど素人」「どケチ」「どっちらけ」(=「ど」十「しらけ」)「どエライ」「どマヌケ」「ど嬶(かか)」「どはずれた」「どがいしょなし(ど甲斐性なし)」「どすけべ」「どんケツ」

と言ったところで、どちらかと言うと、

「マイナスのイメージ」

があるんですが、最近よく目にするのは、

「プラスの意味で使う強調の『ど』」。

で、これまで、

「どストライク」「どキレイ」「ど・アラフォー」「ど真剣」「ド金持ち」「どピンク」

といった表現を見て来ましたが、その"収集コレクション"のひとつに、また一つ、アイテムが増えました・・・。

(2014、5、6)

2014年5月 8日 17:49 | コメント (0)

新・ことば事情

5443「『山ウド』のアクセント」

 

3月12日、お昼のニュース担当の山本隆弥アナウンサーから、

「『山ウド』のアクセント」

について質問を受けました。

調べてみると、『NHKアクセント辞典』には載っていませんが、『デジタル大辞林』では載っていて、

「ヤマウド」(3)(0)

となっていました。つまり「3音目」に「山」がある、

「ヤ/マウ\ド」(中高アクセント)

と、アクセントの山がない、

「ヤ/マウド」(平板アクセント)

が載っていたのです。

以前、この「山ウド」のアクセントに関しては書いた覚えがあったので検索してみたら、

「平成ことば事情4675ヤマウドのアクセント」

で書いていました。2年前の4月9日。でも、この時は、結論にまでは至っていませんでした。

そこで読売テレビのアナウンス部で聞いたところ、

(牧野アナ)

「平板」で行きたいと思う今日この頃です

いずれも、「山」の後につく「2文字」で「頭高」は、「平板」が大半です

『山猿 山肌 山鳩 山ひだ 山猫 山繭』

植物では見つかりませんでしたが、「平板」傾向のほうが強いです。

「平板」しかないものもあります。

「ウド」に関しても、(1)「平板」で問題はないと思います。

一方、

山塩・・・「しお」は平板

山ぶどう(3文字)「ぶどう」平板

山桃・・・「もも」は「平板」・・・平板と/ ̄|__

山百合・・・「ゆり」・・・/ ̄|__

 

(萩原アナ)

第一に選択するのは、

(2)「ヤ/マ\ウド」(中高アクセント)

です。これはこどもの頃に聞いていた記憶に従った経験的選択。次に、

(1)「ヤ/マウド」(平板アクセント)

 もあり、だとは思いますが、「山独活」を知らない街の人が使うアクセントに聞こえます。とはいえ、牧野さんの指摘にあるように、ほかの言葉の実例を鑑みると、「平板」が妥当なのかな、と感じられ、現在「経験的選択」の根幹が揺らいでいます。

 

というような意見があったほか、どちらのアクセントを使うのか聞いてみると、

(1)「ヤ/マウド」(平板アクセント)4人(=中谷、小澤、牧野、山本各アナ)

(2)「ヤ/マ\ウド」(中高アクセント)1人(=川田アナ)

(3)「ヤ/マウ\ド」(中高アクセント)1人(=道浦)

(4)その他(具体的に)=0人

ということでした。

 

 

(追記)

1年ぶりの追記です。この食べ物の季節になりましたね。

2015年4月2日の朝日放送のお昼のニュースで、ベテランの男性アナウンサーが、「ヤマウド」を、1回目は「狩人」のように、

「ヤ/マ\ウド」

という「中高アクセント」で読んでいました。(「カリュド(狩人)」は(1)カ\リュード(2)カ/リュ\ードと載っています。)

2回目は「平板アクセント」で、

「ヤ/マウド」

と読んでいました。

で、検索したら、実は3年前にも書いていたんだよね、これ。「平成ことば事情4675ヤマウドのアクセント」。でもその際は「山ウド」ではなく「ヤマウド」と全部カタカナだったので、検索に引っかからなかったと。

(2015、4、2)

 

 

 

(2014、5、6)

2014年5月 8日 10:48 | コメント (0)

新・ことば事情

5442「バンドウイルカか?ハンドウイルカか?」

 

「ミヤネ屋」のスーパーをチェックしていたら、

ンドウイルカ」

という言葉が出て来ました。うん?「ハンドウ」?これって濁って、

ンドウイルカ」

なのではないか?と思って調べてみると、なんと濁らない、

ンドウイルカ」

とも呼ばれているようなのですね。グーグル検索(3月25日)では、

ンドウイルカ」= 7万7500件

ンドウイルカ」=18万0000件

圧倒的に濁った「ンドウイルカ」の方が多いのですが、それでも濁らない「ンドウイルカ」も7万件以上ありました。割合は、

ンドウ:ンドウ=2:5」

ぐらいの割合です。一応、「ミヤネ屋」の放送では、濁るほうの、

ンドウイルカ」

にしました。

(2014、5、6)

2014年5月 7日 21:43 | コメント (0)

新・読書日記 2014_061

『星間商事株式会社 社史編纂室』(三浦しをん、ちくま文庫:2014、3、10)

 

またまた三浦しをんさん、「ニッチ」な所に目を付けましたよ!「社史編纂室」。重要ではあるものの、「経営」や「商売」とは直接の関係なく、よく「左遷」された人が追いやられる部署・・・という悪いイメージがありますが・・・私は重要な部署だと思いますけど。そして、BL(ボーイズラブ)の女性のおたくの「同人誌」!「同人誌」が21世紀にも生き残るとは思わんかった!

そんな所にスポットライトを当てながら、スリルとサスペンスを降り込んで、魅力的な登場人物が織りなすドラマ・・・こういうのが得意ですよね、三浦さんは!まあ、おもしろく読めてしまいます!彼女が「この本で言いたかった一言」は333ページの、これじゃないのかな。

「紙に記されたひとの思いは、時間を超えていつかだれかに届く。燃やしつくすことも、粉砕しつくすこともできない、輝く記憶の結晶となって。」

電子書籍じゃ、ダメなのよ!!!

それ以外に言葉で引っかかったのは、

「彼氏さん」(152189ページ)

「マカロン」を「マカロニ」と間違うオヤジ(137280281ページ)

「板長」(154ページ)

「板さん」(161ページ)

「かねて(覚悟はしていた)」(200ページ)

「かねてよりの打ち合わせどおり」(284ページ)

「闘いの火蓋を切って落とす」(209ページ)

「含み笑う」(223ページ)

「俺がロハで引き受けてやるって」(278ページ)

「朝からいやな汗をかいた」(312ページ)

「偏頭痛」(318ページ)

「おー、おかえり」「ただいま・・・ていうか、洋平のほうこそ『おかえり』でしょ」(320321ページ)

ということでしたあ!


star4

(2014、5、3読了)

2014年5月 7日 18:22 | コメント (0)

新・ことば事情

5439「OPAQUE」

 

近所のショッピングモールが新しくなって、お店の数もものすごく増えました。しかしその大半のお店の名前が、

「アルファベットで書かれている」

のです。カタカナでさえなく、パッと見ると、

「外国のショッピング街に来たような感じ」

なのです。店名も覚えられない・・・と言う前に、読めない。例えば、

OPAQUE

これって、どう読むのでしょうか?私は、

「オパケ」

だと思いました。オパケのQ太郎

まあ、最近はネットで(スマホで)検索すればすぐわかりますから、検索検索・・・。

載っていました。おお、これは

「オペーク」

と読むのですか!ムズカシイな。こんなんじゃ読めないし、そもそも店名が読めない店へ行こうとも思わないよな・・・・と思ったところで初めて気づきました!

「これが読めないようなおっさんには、来ていらない」

のです。

「客を選んでいる」

のです。こういった店名が(たとえ読めなくても)、

「カッコイイ!!」

と思うお客様に来てもらうという、そういう、

「客選びのための"店名決定"」

なのではないか?と思い当ったのです。

その意味では、見事にその目的を達しているなあと感じたのでした。

そのお店の前の看板に、

VlliVlli(ヴリヴリ)」

という言葉も出ていました。ネイルの新しいブランドなんだそうですが、なんだかすごい響きですなあ。「ローマ数字」

「7(Ⅶ)」

みたいな感じですね。これも読まれへんわ。

(2014、5、6)

2014年5月 7日 17:42 | コメント (0)

新・読書日記 2014_060

『精神病とモザイク~タブーの世界にカメラを向ける』(想田和弘、中央法規:2009、6、30初版・2009、7、24初版第2刷)

 

映画「選挙」の監督で「観察映画」を標榜している想田和弘の著作。この本は、もう5年前に出ていたのだが、知りませんでした。「選挙」の後の映画「精神」をどうやって撮ったかを書いてあります。岡山の精神病院で患者さんを撮った映画。「モザイク」は一切なし。精神病の患者さんたちは顔を堂々と出してインタビューに応じているのだそうだ。しかし、映画公開前になって「やっぱり・・・」というような事態が起きたり、様々な問題に直面しての葛藤は、とても参考になった。闘っている。斬り込んでいるなあと感じた。

「飛ぶための準備は念入りにしてきたはずなのに、いざ羽を広げて眼下を見下ろすと、足がすくむ。しかし、それこそが『タブー』の本質であり、核心である。」

なるほど。


star4

(2014、4、29読了)

2014年5月 7日 12:18 | コメント (0)

新・ことば事情

5440「コイに塩素を入れた?2」

 

今年(2014年)2月24日に「平成ことば事情5372」で書いた「コイに塩素を入れた?」の続報です。

埼玉県羽生市の「さいたま水族館」で、4月27日にまた、塩素が混入されて魚300匹が死んでいるのが見つかる事件が起きました。そして、今度の被害は、

「コイ300匹」

フジテレビは報じていました。コイ(故意)に コイ(鯉)に?という問題が起きてしまいました。(その後、他局の報道を見ているとコイ以外の魚も犠牲になったようですが)

前回は500匹(第一報では800匹)の被害、今回は300匹。2か月の期間を置いて、前回のほとぼりがさめた頃に、また同じ水族館を同じような手法で攻撃するというのは、同一犯の可能性が高いのではないでしょうか?狙いは?怨み?

被害額は1500万円を超え、埼玉県警羽入署は「器物損壊事件」として捜査しているそうです。さいたま水族館の看板には、

「魚の死亡」

という文字が出ていました。

第3の事件は防がなくてはなりませんね。

(2014、5、6)

2014年5月 7日 08:41 | コメント (0)

新・ことば事情

5439「『現在』か?『時点』か?2」

 

「平成ことば事情5398」で書いた「『現在』か?『時点』か?」の続きです。

ゴールデンウイーク最終日、ヘリコプターから中国自動車道の渋滞情報を五十嵐アナウンサーが伝えていました。そのコメントでは、

「午後4時半現在」

と言っていたのですが、スーパーは、

「午後4時半時点」

と出していました。やはり「時点」を使う人たちが増えているのかな。

先日(4月25日)に大阪で開かれた新聞用語懇談会放送分科会でも、この話を議題に「日々の事例」として出しました。

 

★「○時現在」「△日現在」というような「現在」の代わりに、「○時時点」「△日時点」と

いうように「時点」を使うことはあるでしょうか?もし「使う」という場合は、「現在」と

「時点」の"使い分け"はどのようにされていますか?

 

それに対する各社の反応以下の通りです。

(MBS)「現在」は「未来」には使えない。(例)×「来月現在」→○「来月の時点で」。世代によって感覚が違うのでは?

(NHK)「○時現在」のような意味での「○時時点」は使わない。「時点」は「~の時点で」などと使う。「○時現在」という表現に抵抗があるという視聴者の意見も、時々ある。

 (テレビ東京)「時点」は「正にその時」なのに対して、「現在」は「幅がある」のでは?

(ABC)経済ニュースで市場(相場)が開いている時には「正午現在」などと使うが、午後5時以降で市場が閉まってからは「現在」は使わずに、「午後5時時点で」などとしている気がする。「去年の今現在」などとは使わない。

(日本テレビ)「時点」=未来に使える、「現在」=過去のみ

(ytv)「現在」=書き言葉的、「時点」=話し言葉的

(フジテレビ)「午前11時の時点で更新」してすぐに伝える場合は「午前11時現在」と言えるが、その時点で「午前9時のデータ」には「現在」は使えず、「午前9時の時点」となるのではないか?

(KTV)今よりかなり古いと「現在」は使えない。なじまない。その場合は「時点」「段階」を使う。

(TBS)台風のニュースで「きのう午後5時時点の水位は」という表現は使えると思う。

(NHK)「今現在の最新のデータ」が「ない」場合に、「○時現在」と使うのではないか?

(2014、5、6)

2014年5月 6日 23:40 | コメント (0)

新・読書日記 2014_059

『日本語スケッチ帳』(田中章夫、岩波新書:2014、4、18)

 

2012年の「読書日記036」で、前著『日本語雑記帳』(岩波新書:2012221)を紹介しましたが、その際に、

「著者は御年90歳の日本語学者。元・国立国語研究所の研究員でもある。」

と書いた。が、訂正させてください!「1932年生まれ」だそうですから、当時は、

「御年80歳」

でした。これはねえ、岩波新書の「奥付が間違っていた」んですよ!プンプン。

いま、修正します。

その本から2年、「雑記帳」に続いて「スケッチ帳」。いろいろと「言葉」の雑感をちりばめた雑学が満載!「お・も・て・な・し」に始まって「ウッソー!」「ホント?」、意味が変わりつつある「鳥肌が立つ」「君子豹変」、昔は「男」にも使った「なでしこ」。人名と地名、スポーツの言葉、文体・表現・敬語、翻訳の世界、外国語から外来語・・・と盛りだくさん!まさに「言葉のスケッチ帳」である。「スケッチブック」ではなく「スケッチ帳」にしたのは、前著が「雑記帳」だったから、それにあわせたんでしょうね。

硫黄島に散った栗林中将の「散るぞ悲しき」を、大本営が「悲しき」は女々しいとして「散るぞ口惜し」に直してしまった話。でもこれって「~ぞ○○き」という「係り結び」なのに「散るぞ口惜し」ではこの「係り結び」が無くなってしまっていると。その並びで、1949年シベリア抑留から復員して来たプロ野球・水原茂選手の手記のタイトルが、

「よくぞ還れり」

だったのを見て、田中さんは、

「係り結びが違ってらぁ」

と言ったという。(正しくは「よくぞ還れる」=連帯形結び)

それを見て私は、慶応大学の応援歌「我ぞ覇者」(藤浦洸作詞・古関裕而作曲=1946年)の中に、

「よくぞ来たれり 好敵・早稲田」

という一節があることを思い出した。この、「よくぞ来たれり」も、本来は、

「よくぞ来たれる」

なのかな?わかりませんが。勉強になる一冊です。


star4_half

(2014、27読了)

2014年5月 6日 21:17 | コメント (0)

新・読書日記 2014_058

『頭の悪い日本語』(小谷野敦、新潮新書:2014、4、20)

"あの"小谷野敦が、「気になる日本語」を次々と「斬る」!

大体は、知っている言葉だったが、中には「そうだったのか!知らなかった」というものも。ここまでたくさん斬っていくのは大変だなあと思いました。

呉智英の影響を強く感じ、その意味では、私と共通感覚もありました。コンパクトで勉強になる一冊です。


star4_half

(2014、4、22読了)

2014年5月 6日 18:16 | コメント (0)

新・ことば事情

5438「輝くと光る」

 

お天気担当の気象予報士・蓬莱さんが4月28日の「ten.」の放送で、

「さっきまで雨が降っていたので、道路が輝いています」

と言ったのに、違和感がありました。この場合の「道路」は、

「光っています」

ではないのでしょうか?「輝く」の語感としての意味は、

「輝く」=自ら、強い光を発すること。

なので、

「反射して光っているだけ」

の「道路」を指す今回のケースは、「輝いています」ではなくて、

「光っています」

だと思います。

「輝く」ものの代表は、

「太陽」

ですね。わが早稲田大学グリークラブの「クラブソング」のタイトルは、

『輝く太陽』

です!そのほか「月」は・・・本当は自分から光を発しているのではないので「光る」ですが、太陽との並びで「輝く」も使われることがあるかな。

『月の輝く夜に』

という映画も20年ほど前にありましたね、シェールの主演で。(調べたら1987年でした・・・)

「星」は「恒星」ですから、自ら光を出しているので、本来は、

「輝く」

ですが、あまりにも距離が遠くて、地球に届く光が「太陽」や「月」に比べると弱いので、

「光る」

を使うのでしょうね。

「蛍光灯」や「白熱灯」「LED」も自ら光を出していますが、「輝く」とまでは言わないな。「輝く」には、

「まぶしいほどの光量(強い光を発する)」

という条件も付きそうですね。

(2014、5、4)

2014年5月 6日 16:24 | コメント (0)

新・読書日記 2014_057

『定年がやってくる~妻の本音と夫の心得』(青木るえか、ちくま新書:2014、4、10)

 

テレビ批評のエッセイで鋭い筆を振るう「青木るえか」さんの本。青木さんは主婦で、旦那さんの転勤によって日本中を転々としている。子どもはいない。その彼女がどのような気持ちで日々過ごしているかが、よくわかった。でもタイトルは、

「"生"乾きの老人」「"老人"の予備役」「"老人"のソフトランディング」「"老人"への備え」「"老人"がやってくる」

といったように、「定年」よりも「老人」にした方がいい感じの内容でした。あ、「老人」というのは「人生の定年」ということか?


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(2014、5、2読了)

2014年5月 6日 13:15 | コメント (0)

新・読書日記 2014_056

『書庫を建てる~1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト』(松原隆一郎・堀部安嗣、新潮社:2014、2、25)

 

太い帯の写真が素晴らしい。口絵の写真も素晴らしい。

本好き(で、本を読んだり書いたりするのが仕事の人)が書庫を建てた、というだけの話だと思っていたらそれだけではなく、実は松原さんが、実家を処分するにあたって「仏壇」をどこに置くか?という大問題があって、その過程で、自らのルーツ、祖父の歴史を探ることにもなるという物語。そのルーツの落ち着き先、これからのあり方の"結ばれた点"として建てられたのが、この狭小住宅書庫。

「古い本の著者」は、大半が既に死んでいる「死者」。つまりその「本」を収めた「図書館」「書庫」は、「墓所」でもあると。それならば、仏壇があっても不思議はないかも。

そして、若い建築家との付き合いの中で、如何にその"夢"が現実のものになるか?という苦闘の歴史でもある一冊です。


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(2014、4、18読了)

2014年5月 5日 15:14 | コメント (0)

新・読書日記 2014_055

『夢と魅惑の全体主義』(井上章一、文春新書:2006、9、20)

 

中川右介さんの『悪の出世学』の書評を書いていた井上章一さん。その井上さんも、たしか「全体主義」の本を書いていたなあ・・・と書棚を捜したら、買ったまま読んでなくて眠っていたこの本が出て来ました。400ページ以上あって、分厚い本ですが、驚いたのは、この本の「帯」に並んだ3人の写真が「ヒットラー・スターリン・毛沢東」。中川さんの本の主人公と全く同じだったってこと!"これは今、読まなくちゃ!"と読みました。その帯の「文字」は、

「独裁者は『建築』でうったえる」

とあり、全体主義が築いた建築物の特徴を記している。建築物でその力を誇示するということを行っていると言うのだ。中でも印象に残ったのは、1936年9月11日にニュルンベルクで開かれたナチス第8回党大会の様子。ここで画期的な照明の演出が試みられたという。ナチスお抱えの建築家シューペアの発案で、会場のツェッペリン広場は、130台ものサーチライトが用いられ、上空を照らしたのだ。光の柱・列柱廊が、無限に高い柱となった。その写真も載っているが、会場は「まるで氷の神殿にいるかのように、荘厳かつ華麗であった」と、イギリスのヘンダーソン大使は書き記しているという。「光のドーム」である。うーむ、スゴイ。大衆の心をつかむには、演出も重要。

さらに、こんな記述もあった。

「ヨーロッパのファッショ的な政権は、あかるいユートピア的な未来像を国民に提示した。ムッソリーニもヒットラーも、ともに権力の簒奪者(さんだつしゃ)である。支配の正統性は、もちあわせていない。その不足をおぎなうためにも、彼らははったりめいた劇場型政治へ傾斜した」

なるほどねー。

後半は日本型のファシズムの建築について、満州での建築なども比較しながらの話。いやあ、勉強になりました。


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(2014、4、20読了)

2014年5月 4日 17:13 | コメント (0)

新・読書日記 2014_054

『悪の出世学~ヒトラー、スターリン、毛沢東』(中川右介、幻冬舎新書:2014、3、28)

 

クラシックジャーナル編集長・中川右介さんの著作。20世紀を代表する「悪の独裁者」3人がいかに「出世」したのかを描いている。タイトルだけ見ると、なんだか「ビジネス書」みたいだが、違います。

歴史学者でも政治学者でもない著者が、なぜこんな本を書いたのか?というと、二十世紀の芸術家の評伝を書いていると、必ずヒットラー・スターリンが登場するのだという。それほど、この2人の独裁者は二十世紀に生きた人に影響を与えたということで。毛沢東はクラッシック音楽にはほとんど関係していないが、スターリン・ヒットラーに並ぶものとして書いたのだそうです。

第1部「立身」、第2部「栄達」、第3部「野望の果て」の3部構成。それぞれの「部」の中で、スターリン・ヒットラー・毛沢東の順で書かれているのだが、読んでいてちょっと頭の切り替えが難しかったのが「第2部」の「ヒットラー」。続けて「第3部」を読みたくなった。そこで、「第2部」の「毛沢東」は飛ばして「第3部」の「ヒットラー」を先に読んだ。

一番「そうだったのか!」と驚いたのは、1932年1月30日、ヒンデンブルク大統領が「不本意ながら」ヒットラーを首相に任命してれからの「スピード感」である。

2月27日に国会議事堂放火事件が起き、その犯人がオランダの元共産党員。この事件を口実にして、ヒトラーはヒンデンブルク大統領に、憲法にある基本的人権を停止させ、共産党員を従来の法的手続きなしに逮捕できるようにした。ただし、共産党の活動は禁止しないのがミソ。戦術。共産党の活動を禁止すると、選挙でその票は社会民主党などに流れてしまうからだ。

共産党員が次々逮捕される中で、選挙当日の3月5日、ナチスの圧勝かと思ったらそうではなく、総議席数647のうち、ナチスは288、社会民主党が120、共産党が81、中央党が74、国家人民党が52、その他が32議席で、ナチスの得票率は43,9%と過半数に届かなかったのだ!国家人民党と合わせて340議席で過半数に達したが、単独過半数は取れなかった。意外!そこでヒットラーは何をやったか?

「分子が変わらないのなら、分母を小さくすればいいじゃない」(マリーアントワネット風)

3月9日、ヒットラーは「共産党の国会での議席を剥奪」した。既に共産党の議員はほとんど逮捕されており、国会には登院できなかったという。その議員資格まで剥奪した。当選させておいてから剥奪する、これで共産党の議席81がなくなり、総議席数は566に。過半数は284となり、288議席のナチスは「単独過半数」となったのだ。

ここからの「スピード」がまたスゴイ。3月13日に国民啓蒙・宣伝省を設立、ゲッペルスを大臣に。20日、ダッハウに強制収容所設立。23日、国会で「全権委任法」成立。首相であるヒットラーに憲法以外のすべての法令を、国会の承認も大統領の署名もなしに制定する権限が与えられた・・・(あれ?なんだか似たような話を最近耳にした気が・・・集団的自衛権の解釈?)これでは国会は「ないも同然」。

4月7日ユダヤ人を公職から追放するための「職業管理再建法」制定。26日、秘密国家警察(=ゲシュタポ)創設。「ゲシュタポ」の意味は「無慈悲」。6月、社会民主党も活動禁止に。国家人民党も解散に追い込まれる。7月にはナチス以外のすべての政党が解散させられ「ナチス」のみに。11月、また選挙が行われ、ナチスが3965万票・661議席を獲得したが、なんと無効票も335万票・7,8%あったという。12月、「党と国家の統一のための法律」が公布され、ナチスが国家に編入された。翌1934年1月1日、ヒトラーは年頭所感で「国家社会革命は勝利した」と宣言。この間、なんとたったの1年なのである・・・これには驚いた。2月には参議院も廃止。この間に取った「強引な手段」は「共産党の議員資格をはく奪した」だけ。たった一つの"強引な手段"をテコとして、議会で単独過半数になったことだけで、国家の統治機構改革をやってしまったのだ。

あれ?この「統治機構改革のスピードを求める人」、どこかにもいたような気がする・・・。

その後、恒例のヒンデンブルク大統領が危篤になると「大統領職と首相を統合する」ことが決められた。それが8月1日。翌2日、ヒンデンブルク大統領死去。86歳。前日に決めた法律が発効した・・・。

スターリンと毛沢東の記述も勉強になったが、一番印象に残ったのは、ヒットラ―のこのくだりであった。


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(2014、4、5読了)

2014年5月 4日 01:12 | コメント (0)

新・読書日記 2014_053

『いちえふ~福島第一原子力発電所労働記』(竜田一人、講談社:2014、4、23)

 

ペンネームは「竜田一人」は「たったひとり」か!

「福島原発1号機」での「労働ルポ」漫画。ツイッターで知って書店に行くと、ちょうど売り出されたばかりで購入できました。梅田の書店では、店の前に大きなポスターが!

講談社「コミックモーニング」は読まないので、この漫画は知らなかったのですが、なぜか「モーニング」で連載されているコミックの単行本は、何種類か持っています。絵よりも文字が多い感じで、じっくりと読む。どこかで見たような気がしていたのだが、なんと今年の「3.11」に「ミヤネ屋」で紹介していた漫画ではないか!思い出した、あれか!

なかなか知ることのできない原発で働いている人たちの「本音」を知ることが出来る。


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(2014、4、29読了)

2014年5月 3日 21:57 | コメント (0)

新・ことば事情

5437「心臓ハクハク」

 

エッセイストの青木るえかさんの本『定年がやってくる~妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)を読んでいたら、こんな表現が出て来ました。

「『金曜スペシャル』や『独占!女の60分』で、ちらっと乳首が出るぐらいのことで心臓ハクハクさせたものだというのに」(158ページ)

この中の、

「心臓ハクハク」

という表現が目新しい。初めて見ました。これに濁点が付いて、

「心臓バクバク」

は見たことがあります。「平成ことば事情」でも書いたと思います。(3年前に書いていました。平成ことば事情4361「心臓がバクバクする」)しかし「ハクハク」は初めてです。

グーグル検索では(5月3日)

「心臓」「ハクハク」=1万5600件

「心臓ハクハク」  =    601件

「心臓がハクハク」     2870件

「心臓」「はくはく」=6万0700件

「心臓はくはく」  =1万2500件

「心臓がはくはく」 =   513件

思ったより出て来ました。「ハクハク」「はくはく」単独では、

「ハクハク」= 4万1200件

「はくはく」=79万9000件

でしたが、これらはほかの意味の「ハクハク」「はくはく」が相当数含まれていると思われます。

ニュアンス的には、「バクバク」は、心臓の鼓動が「100メートルを全力を走った後」のように"強い"のに対して、「ハクハク」は、濁点がない分、もう少し「心室細動」的に(?)微妙なドキドキ感を表すのかなあという気もします。『精選版日本国語大辞典』で「はくはく」を引くと、

「白白」「薄薄」

の2語が出て来ましたが、「心臓ハクハク」の「ハクハク」の意味ではないようです。

もしや載っているのでは...と思い、『三省堂国語辞典・第7版』を引くと・・・「ハクハク」は載っていませんでした。「心臓がバクバクする」は「俗語」として載っていましたが、それよりも新しい表現なのでしょうかね?

 

(追記)

視聴者の方からメールを頂きました。

「道浦アナのブログを毎回楽しく見させていただいております。その中の『新・ことば事情5437心臓ハクハク』の項にて、気になる表現がありましたので、指摘させていただきます。心臓の拍動を議論している際に、弱い微妙なドキドキ感を表す例として『心室細動』を挙げられておりますが、心室細動の場合は、ドキドキはしません。心臓が小刻みに震えて痙攣している状態です(心停止に近い)。そのため、ここでの使用はニュアンス的に間違いであるかと思います。多くの人が目にする場であり、言葉のプロとして注目される存在でありますので、訂正が望ましいと思います。」

 

なるほど、「心室細動」は「心臓が小刻みに震えて痙攣している状態」なのですね。私も「ドキドキ」のように心臓の脈動感が「少ない」という意味で、

「微妙なドキドキ感を表す」

と書いたのです。「ドキドキ感」と「実際の脈動の『ドキドキ』」は違うと思いますね。その比喩として、

「心室細動的に(?)」

と(?)を付けて書いたので訂正するほどのことはないと思うのですが、比喩が誤解を招いたのであれば、この比喩は外すことにいたしましょう。ご指摘ありがとうございました。

(「心室細動」の擬態語としては、「プルプル」等のほうがふさわしいのでしょうかね?)

(2014、5、15)

 

(2014、5、3)

2014年5月 3日 20:50 | コメント (0)