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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_027

『三省堂国語辞典のひみつ』(飯間浩明、三省堂:2014、2、20)

 

『三省堂国語辞典』の編纂者である飯間浩明さんが、昨年末に出た「第7版」を編纂するうえで、「どのような苦労をして、どのような想いで、辞書を編纂しているか」、その舞台裏を綴った興味深い一冊!ちょうど東京出張の時に、三省堂本店で飯間さんのトークショーが開催されていたので、それにも出席して「サイン本」を購入しました!100人限定!それにしても飯間さん、めちゃくちゃ精力的に、お仕事されていますなあ。

同じ三省堂から出ている「新明解国語辞典」と「三省堂国語辞典」=「三国(さんこく)」は、ひとことで言うと、どう違うのか?飯間さんは、

『「にやり」の新明解、「すとん」と三国』

と表現しています。なるほど。

そして、この本のキモはと言うか、「三国」のキモは、

「誤りと決めつけてはいけない」

ということでしょう。従来「『的を得る』は間違いで、『「的を射る」が正しい」「『汚名挽回』は間違いで、『汚名返上』『名誉挽回』が正しい」とされてきましたが、飯間さんは(「三国」)は、そういった表現にも愛情を持って接しています。というか、「言葉は変化するものである」という大原則、そして「辞書とは"鑑"(かがみ=手本)であると同時に、時代を映す"鏡"である」という「三国」の精神・見坊豪紀さんの言葉を忠実に守っているような気がするのである。でも私は、これらの言葉(「的を得る」「汚名挽回」)に関しては、「鑑」を優先してほしい気がしますが・・・。

とにかく、まずは読んでください!!!


star5

(2014、2、19読了)

2014年3月19日 18:04 | コメント (0)