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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_020

『すべてのJ-POPはパクリである。~現代ポップス論考』(マキタスポーツ、扶桑社:2014、1、30)

マキタスポーツという「人」をご存知ですか?私がこの人の名前を知ったのは、半年ほど前です。「ミヤネ屋」に出演してもらった時に「ふ-ん、こんな人なんだ」と知った。

その「マキタスポーツ」さんが、刺激的なタイトルの「音楽」に関する本を出した!たまたま出張で出かけた東京で、神保町の東京堂書店で見つけて購入。芸名は、山梨の実家が営む「スポーツ店」の名前なのだそうだ。PRも兼ねた芸名か。(これは今週の『週刊文春』の水道橋博士の連載「藝人春秋」で知った。)

さて、本の内容は、4つの章立て。「ヒット曲の法則」「なぜCDが売れなくなったのか?」「モノマネから発するオリジナリティー」「日本のポップスはすべてノベルティー・ソングだ」という、かなり「マジ」な内容。特に第1章の「ヒット曲」の分析で、ヒット曲は「カノン進行」が取り入れられているという指摘は鋭い!「目からウロコ」である。「カノン進行」の例に挙げているヒット曲は、「クリスマス・イヴ」(山下達郎)、「ひこうき雲」(荒井由実)、「大阪で生まれた女」(BORO)、「愛は勝つ」(KAN)、「壊れかけRadio」(徳永英明)、「浪漫飛行」(米米CULB)、「真夏の果実」(サザン・オールスターズ)「何も言えなくて・・・夏」(J-WALK)、「TOMORROW」(岡本真夜)・・・・・。うーん、たしかに、全部「似ている!」。だんだん音階が下がってくる感じが!それが「カノン進行」なのか!

まあ、「カノン進行でヒットした曲」を集めたのであって「カノン進行であれば必ずヒットする」訳ではない。これにプラス「J-POPらしい言葉」も分析している辺りがスゴい。これと同じような分析は、言語学的にも行われたことがあるが、「どうやったら売れるか」という視線からのこれほど詳しい分析というのは、なかったのではないかと思う。すごいです。一読をお勧めします。


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(2014、2、9読了)

2014年2月19日 18:17 | コメント (0)