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『道浦TIME』

新・ことば事情

5320「大事態」

 

12月26日の「ミヤネ屋」のスーパーをチェックしていたら、

「大事態」

という言葉が出て来ました。

「事態」という言葉は、プラス・マイナスはありません。ゼロです。ニーュトラル。だから、それに「大」を付けても意味がありません。「ゼロ」をいくら大きくしても「ゼロ」。だから、"味付け"は「形容詞」で、

「大変な事態」「とんでもない事態」「悲惨な事態」「非常事態」

などとは言えます。

これに対して、「騒動」は、「騒ぎ」という「マイナスの方向性」を持っています。つまり最初から「味付きの言葉」です。ですから、「大」という「程度を表すもの」が付くと、「マイナスが大きくなる」ので意味があります。たとえば、意味のある形容詞が付いて、

「とんでもない騒動」「大変な騒動」

でも、意味は深まって成り立ちますね。

スーパーを発注したディレクターは、

「大失態」

と勘違いしたのかもしれませんね。

(2013、12、27)

2013年12月30日 11:40 | コメント (0)