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『道浦TIME』

新・読書日記 2013_215

『統合失調症がやってきた』(ハウス加賀谷・松本キック、イースト・プレス、2013、8、10第1刷・2013、9、10第3刷)

 

お笑いコンビ「松本ハウス」として、「ボキャブラ天国」等の番組で人気だった二人のうち、ハウス加賀谷が「統合失調症」になり、1999年にコンビを解散してから10年の闘病生活を記したもの。10年ほど前までは「精神分裂病」という呼称であったが、最近はよいクスリもできてきて病状をコントロールできるようになってきたなどから、「統合失調症」という名称に変わった。「統合失調症」は若いうちに発症すると聞く。加賀谷の記述によると、やはり小学校の時から自覚症状はあったらしい。それを、だましだましやってきて、ついに倒れた。しかし加賀谷は、症状が軽くなるとクスリを飲まなかったり、飲み過ぎたりしたことで、結局コントロール出来なくなり、精神科病院に7か月入院することになる。そこで、復活への体調コントロールができるようになり、解散から10年たった2009年、ついに復活へと踏み出した。まさに「闘い」と言える記録。

入院中に「聖書」を読んで、マタイの福音書・第8章第28節で、キリストが「ガダラ」の地で悪霊に憑依された人に「汚れた霊、この人から出て行け」と言うと、悪霊は豚の群に乗り移り、豚たちは崖から自ら落ちて死んでしまう、という所を読んで、加賀谷は、

「以前に読んだ中島らもの『ガダラの豚』はここから来ていたのか!」

と気付くシーンが印象に残った。私も『ガダラの豚』は、もちろん以前に読んでいたが、聖書の一節から来ていたとは知らなかった。もしくは、知っていても忘れていた。つまり知らなかった。勉強になりました。

だが、加賀谷の復活からもう「4年」の歳月が流れている。加賀谷の「現状」について触れられていないのが、気になる。「復活」、マーラーの2番か。


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(2013、12、13読了)

2013年12月16日 17:58 | コメント (0)