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『道浦TIME』

新・ことば事情

5227「触車」

 

東京へ行く新幹線に乗っていたら、ニュースや広告を流す電光掲示板にこんな文章が。

「人が列車と触車したため、運転を見合わせています。」

この中の、

「触車」

という言葉、初めて見ました。「触手」は聞いたことがありますが。辞書(「精選版日本国語大辞典」)を引くと「触○」という言葉は、

「触手」「触鬚」「触礁」「触診」「触甚」「触接」

が載っていましたが、「触車」はありません。JRの用語なのか、電車業界の言葉かは分かりませんが、少なくとも一般の言葉でないのはたしかのようです。

グーグル検索すると(9月3日)、

「触車」=2万7400件

でした。そのトップに出て来た「ヤフー知恵袋」に今年の2月、

「触車事故って何ですか。人身事故とは違うんでしょうか。」

という質問が載っており、それに対するベストアンサーは、

「ほぼ同じ意味です。ただし、『触車』というのは国鉄当局が作り出した言葉であり、世間一般的にはほとんど通用しない言い方です。そうした事由から、『触車事故』という表現は、専ら内部文書に使われており、同じ事象でもプレス発表を行う場合やお客様に事故発生をお伝えする場合には主に『人身事故』という言葉を使います。」

というものでした。回答したのは関係者の方ですかね?詳しいです。さらに、列車に接触した人が軽傷」の場合は『人身事故』という重い響きの言葉を使わず、『列車との接触』というソフトな表現を用いるのだそうです。(事故報告書類上では、死亡も軽傷も『触車』と表現。)

電車の業界用語関連で、「平成ことば事情4535電車が詰まっている」「平成ことば事情2964電車が早着気味です」「平成ことば事情3057コウシュウの立ち入り」などもお読みください。

(2013、9、4)

2013年9月 4日 22:15 | コメント (0)