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『道浦TIME』

新・読書日記 2013_099

『正義という名の凶器』(片田珠美、ベスト新書:2013、5、20)

 

片田珠美という人からこの本が送られてきた。知り合いだっけ?と思いながら添えられていた手紙を読むと、過去にこの「読書日記」で片田さんの本を読んで取り上げていたらしい。検索してみたら、2009年と2012年に読んでいた。割と考え方が近い、と思ってもらえたようだ。

今回のタイトルも、「私好み」。すぐに読み始めた。「あなたのまわりにもいる正義を振りかざす人」ドキッ。もともと「正義好き」だからなあ、私は。でもその「欠点」もわかってはいると、自分では思っているのだけれども。「誰かを悪者にしないと回らない社会」うんうん、それが嫌なんだよなあ・・・コンプライアンスとか言い出してから、特にその傾向が強いように思う。本書では、塩谷瞬の二股問題や、河本準一の母親が生活保護を受給していた問題に対する"バッシング"を取り上げ、「なぜそこまでバッシングをするか」を、精神科医である著者の視線で読み解いていく。この本を書いた動機の一つが、著者自らのエッセイに対する、匿名での「罵詈雑言」バッシングを受けて落ち込んだ経験があることだという。そこから立ち直るために、「黙っていてはいけない」と立ち上がった、ある意味"勇気の書"である。

あれ?ここまで書いてタイトルを見て気付いた。辛坊さんの新著のタイトルも『見せかけの正義の正体』と「正義」が語られていた。ことしの流行語に「正義」が入るかも?「正義」について語るのは、いつ?「今でしょ!」。

 


star4

(2013、5、30読了)

2013年5月31日 17:26 | コメント (0)