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『道浦TIME』

新・ことば事情

5065「真白な」

 

福山雅治さんの新曲、

『誕生日には真白な百合を』

という曲を聴きました。曲の内容はさておき、タイトルが気になりました。

「真白な」

は、「まっしろな(真っ白な)」ではなく、

「ましろな」

と読むようです。

ちょっと変わっているところが「個性」なんだと思いますが、「ましろ」と読ませるのなら、「真白き百合」

あるいは、

「真白なる百合」

というように「文語」の方がいいのではないかなあ?と思いました。つまり「ましろ」という読み方は「文語的」な感じがするのです。

その昔、作家の故・北杜夫さんの作品に、

「白きたおやかな峰」

というのがあって、これも

「『白き』ならば『たおやかなる』ではないのか?」

と言われたというのを思い出しました。

でもこれ、「まっしろな」ではなく「ましろな」と読ませるのは、そのほうがインパクトがあるからでしょう。でも、「まっしろ」は「ましろ」の「強調語」。その「強調語」は「口語」で、「強調しない」と「文語」なのでしょうか?ちょっとこれ、おもしろいですよね?

(2013、5、19)

2013年5月21日 10:14 | コメント (0)