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『道浦TIME』

新・ことば事情

5042「漢数字と洋数字」

 

放送で「数字」を「漢数字」で書くか、「洋数字」で書くか、その基準は大変難しいです。

簡単に言うと、原則としては、

 

「その数字が変わる可能性がある場合は"洋数字"、状況によって変わらないものであれば"漢数字"」

 

ということです。例えば、「一郎」さんを「1郎」とは書けません。状況によって変わらないからです。「第3セクター」は、メディアによっては「第三セクター」と書くところもあります。「第1」でも「第2」でもないので(順番で言うと)「第3」のセクターなんですが、いわゆる「第三者」(当事者ではない)の意味では、漢数字で「第三セクター」と書くのも納得できます。「憲法第9条」も、「条文の一つ」と考えるなら「9条」ですし、「戦争の永久放棄」という「特別の意味」を持たせる場合は「九条」になることもあります。

「歌舞伎」や「落語」の場合は「伝統芸能」なので、「漢数字」を使って「六代目」「七代目」とした方がいいでしょう。

参加者の数は「2人」と「洋数字」ですが、「愛を育んでいるひたり」のように「特定のふたり」の場合は「漢数字」で「二人」とします。

薬を飲むのは「1日2回」ではなく、「規準(基礎)となる日数」は「一日」なので、「漢数字」で書き、飲む回数は変わる場合もあるので「2回」と「洋数字」にして、「一日2回」と書きます。この見分けは結構難しいです。「どちらでもよい」場合もあります。

「1回1回」(「一回一回」)、考える必要がありますね。ああ、ややこしい!

(2013、3、21)

2013年3月24日 19:30 | コメント (0)