Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

4827「どがいしょなし」

 

大阪弁の強調語のひとつに、

「ど」

があります。これが頭に付く言葉で思いつくのは、

「どたま(=頭)、どあほ、どべた(=ビリ)、ど根性、どスケベ・・・」

などがあります。これらはすべて「ど」のあとの音は濁らない、清音です。

しかし、一つだけ、濁る言葉があります。それは、

「どがいしょなし」

です。これは、「甲斐性なし」に「ど」が付いた強調語です。

とてつもなく甲斐性がないような気がします。究極の罵倒語でしょう。

「ど」の次が、か行・さ行・た行・は行の場合に、濁るかどうかを考えてみると、普通は「濁らない」ですね。なぜ、この「どがいしょうなし」は濁るのでしょうか?

それを考えると夜も眠れない。

Google検索では(97日)、

「どがいしょなし」=  80件

「ど甲斐性なし」 =4240件

「ドがいしょなし」=   0件

「ド甲斐性なし」 =5830件

でした。濁らないのも検索してみましょう。

「どかいしょなし」 =62件

「ドかいしょなし」 = 5件

「どかいしょうなし」= 8件

「ドかいしょうなし」= 0件

 

うーん、「甲斐性」が漢字だと、濁るのか濁らないのかわからないな。平仮名部分はどちらも件数が少なくて、

「濁る:濁らない=80:62」

これではあまり比較はできませんね・・・。

いずれにせよ、このようには呼ばれないようにしないといけません、ね。

(追記)

平成ことば事情4660「ドハンサム」などもお読みください。

 

(2012、9、7)

2012年9月 8日 20:13 | コメント (0)