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『道浦TIME』

新・読書日記 2012_133

『日本の自殺』(グループ一九八四年、文春新書:2012、5、20)

タイトルから、日本における「自殺」の現状について書かれているものだとばっかり思っていたら、そうではない。「日本」という国が、今、「自殺行為」に及んでいるという話。しかもこの「今」というのは、「21世紀の"今"」ではなく、なんと1970年年代。そう言えばこの本、昔、買ったけど「積んどく」になっていた本ではないか?捜せば出てくるかも・・・いや、読まないまま処分したか・・・などと思って購入した。

帯にある言葉「日本没落を予言した幻の衝撃論文~あの土光敏夫が驚嘆!」は正しい。確かに、1970年代に書かれたものとは思えない。現在の状況を見事に言い当てているように思える。

著者の「グループ一九八四年」の「1984年」は、当然、ジョージ・オーウェルの「1984年」を指している。そしてこの論文は、おそらく香山健一氏(元学習院大学教授)の手によるものだという。香山の教え子で、現在、産経新聞編集委員の大野敏明氏や、福田和也氏、中野剛志氏らが巻末に書いている"解説"というか寄せる言葉も参考になった。


star4

(2012、7、26読了)

2012年8月 2日 10:21 | コメント (0)