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『道浦TIME』

新・読書日記 2012_090

『望遠ニッポン見聞録』(ヤマザキマリ、幻冬舎:2012、3、9)

 

テルマエ・ロマニエの作者の漫画家。フィレンツェに11年暮らしたというが、文章から感じる人間性は、イタリア語通訳でエッセイストの田丸公美子さんを彷彿させる。

 

 

 


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(2012、5、2読了)

2012年5月31日 23:25 | コメント (0)

新・読書日記 2012_089

『風が笑えば』(俵万智・著、奥宮誠次・写真、中央公論新社:2012、2、25)

 

日経新聞夕刊のコラム「プロムナード」をよく読むのだが、現在、俵万智さんが筆者の一人で、私は週に一回、紙上でお目にかかっている。

いつもの歌集は、たとえ写真が入っていてもそれは「短歌が先で、写真が後」なんだそうだが、今回は「写真が先で、それを見て短歌を作った」のだそう。うーん、それは一つの試みかもしれないが、どうなんだろうね。

沖縄に移住されて子育てをしている俵さん、これまでとは違う歌が、今後生まれてくるのかもしれない。

 

 

 


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(2012、4、30読了)

2012年5月31日 22:23 | コメント (0)

新・読書日記 2012_088

『日本人を操る8つの言葉』(デュラン・れい子、角川oneテーマ21:2012、4、10)

 

著者は1942年東京生まれ。博報堂にコピーライターとして入社後スウェーデン人と結婚しヨーロッパに移住。外からの目で見た日本人論。たしかに「傍目八目」でよく分かるんでしょうけど、中にいる日本人は「外に出て行った人に言われたくない」と思う部分もあるんでしょうねえ・・・と思いながら読みました。

東日本大震災後の日本が「何も変わらないじゃないか」とヨーロッパの人たちから指摘される8つの視点について書かれたもの。8つの視点とは、(1)人間関係(2)スケジュール(3)派閥(4)世間体(5)自己実現(6)情報(7)若さ(8)創意工夫。外国が全て良いわけではないが、閉塞感漂う現在の「日本」再建のために、参考になることは参考にさせてもらおうという感じでした。

 

 

 


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(2012、5、6読了)

2012年5月31日 21:22 | コメント (0)

新・読書日記 2012_087

『テルマエ戦記』(ヤマザキマリ、エンターブレイン:2012、5、2)

 

「テルマエ・ロマエ」の著者のエッセイ。「テルマエ・ロマエ」が予想外にヒットして、映画化までされて・・・という状況を、自分と同じように「ちょっとヘン」な人たちがたくさんいて嬉しいなあ・・・という感じで、戸惑いつつも喜んでいる様子がよく分かるエッセイでした。

 

 

 


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(2012、5、9読了)

2012年5月31日 20:21 | コメント (0)

新・ことば事情

4731「昆布ポン酢とキングコング」

 

ある日の会社の食堂のお昼のメニューが、

「白身魚の昆布ポン酢」

でした。それを見て思い浮かんだのは、

「『昆布ポン酢』と『キングコング』は発音が似ている」

ということ。ともに「〇ん● 〇ん●」、前半と後半の三文字の真ん中が「ん」で、前半と後半の最後の音が濁音。

これって、リズムがいいのでは?

ほかにも同じようなパターンの言葉はあるのではないでしょうか?

 

・・・と5月21に書きました。

すると529に、お笑いコンビの「キングコング」の梶原さんのお母さんが生活保護費を受給していたことが分かったというニュースが・・・。お笑いコンビのことを指して「キングコング」と言ったわけではなかったのですが、偶然の一致にビックリしました・・・。

 

(2012、5、31)

2012年5月31日 19:27 | コメント (0)

新・読書日記 2012_086

『外天楼』(石黒正数、講談社:2011、10、21、第1刷・2011、12、5第刷)

 

「週刊文春」の(マンガの)書評欄で見かけて、全然知らない漫画だったので、読んでみることに。確かにちょっと不思議な雰囲気の漫画でした。でも、期待して読んだほどの意外感はなかったです。

 

 

 


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(2012、4、24読了)

2012年5月31日 19:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4730「火蓋が切って落とされた」

 

物事が始まることを、火縄銃の発砲の比喩で、

「火蓋が切られた」

といいます。また、演劇が始まることの比喩で、やはり物事が始まることを、

「幕が切って落とされた」

と言います。この二つの混交表現による誤用が、

「火蓋が切って落とされた」

です。この表現は間違いなのですが、かなり広く使われています。

いつ頃から使われているのかは分かりませんが、少なくとも22年前にはそういった表現があったことに先日、思わぬところから気付きました。

というのは、5月21日の「金環日食」の際に、ドリカム(Dreams Come True)の1990年に出したアルバム『WONDER 3』に収録された『時間旅行』という曲の歌詞が、

 

「指輪をくれる?ひとつだけ 2012年の金環食まで待ってるから とびきりのやつを忘れないでね そうよ 太陽の指輪(リング)」

 

と、既に22年後の「金環(日)食」(当時は「金環食」が普通の言葉。「金環日食」という言葉が使われるようになったのは、ここ10年ほどではないでしょうか)を織り込んでいたこと、そして本当にその年にボーカルの吉田美和さんが結婚(再婚)したことなどが話題になりましたが、家でそのアルバムを見つけたので、聴きながら歌詞カードなどを見ていたら、2曲目、『戦いの火蓋』の歌詞に、

 

「戦いの火蓋は既に切って落とされている」

 

とあったのです。「既に」という表現が間に入ると、余計に違和感はなくなっていますね。22年前、私も使っていたかも知れません。

 

 

(2012、5、30)

2012年5月30日 17:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4729「あなた様しかいません」

 

毎日膨大な数の「迷惑メール」、いわゆる「スパムメール」が届くのですが、パソコンが自動的に「SPAM」と表示しているものは片っ端から「削除」していきます。"敵"もさるもの、「削除」されないような文面を色々と考えてきます。

最近届いて思わず笑ってしまったメールのタイトルはこう言ったものでした。

 

「あなた様しかいません。。難しい事は何も言いません、人助けと思って力を貸して下さいませんか?」

 

「どうせ迷惑メールだ」と思いつつ、本文を見てみると、

 

「私事とはいえ唐突なお願いになってしまって誠に申し訳ありませんが、もはやあなた様以外いません...。私一人の力でどうにかなる問題ならばどうにかしていきます。ですが、今回はあなた様の力がどうしても必要なんです...。

これだけでは何を言ってるのか分からないですよね。

兎にも角にも時間があまりありませんので、取り急ぎご確認頂けますか?

あなた様に迷惑はお掛けしません。何卒お願いします。」

 

とあって、下にURLが。もちろんクリックなど絶対にしませんが、

「これだけでは何を言ってるのか分からないですよね。」

という一文が、妙に説得力を持って、しかも、

「分かってるなら、何のことか分かるように書かんかい!」

と思わず笑ってしまったわけ。

だからといって皆さん、決してクリックなどなさらないようにお願いします。

 

 

(2012、5、30)

2012年5月30日 10:40 | コメント (0)

新・ことば事情

4728「作りますでしょう」

 

『なみだふるはな』(河出書房新社:2012330という石牟礼道子さんと藤原新也さんの対談集を読んでいたら、石牟礼道子さん

「粉を作りますでしょう」

と言っていました。それを見て「ハッ!」と思いました。女性が使うこの、

「~(します)でしょう」

は、

「作るじゃないですか」

「じゃないですか」と同じだ!と。

昔からあったんだなあ、こういった、

「同意を求める(相手も知っているという推測のもとでの)事実の提示」

は。でも、

「相手も知っているという推測」

が、これまではたいていの場合、実際に

「相手も知っている確率が高かった」

のに対して、ここ10年ほど使われた「じゃないですか」は、

「相手が知っている確率が著しく低かった」

ことが違和感を生んでいたのではないでしょうか。つまり、

「相手がどれだけ自分のことを知っているか=相手と自分の距離感の認識力が下がった」

ことによって生まれた言い回しではないか。

また、一方的な距離感の認識を相手に押し付けることで、相手に不快感が生じたのではないかなと感じましたが、いかがでしょうか?これって、押し付けていますかね?

 

(2012、5、17)

2012年5月22日 12:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4727「定番のビールやそうめん」

 

5月16日、関西の百貨店では早くも「お中元商戦」が始まったというニュースを、お昼のニュース番組で伝えていました。その原稿を読んでいた若手のYアナウンサーが、

「定番のビールやそうめん」

と原稿を読んだのですが、これに対してちょっと待った!

これは、そのまま読んでしまうと「や」で結ばれている2つのものが

 

「定番のビール」や「そうめん」

 

になってしまうのですが、ここで言いたいのは、

 

「お中元商品の定番であるところの、ビールやそうめん」

 

なのです。つまり「定番の」は「ビール」だけではなく「そうめん」にも掛かるわけです。そういう意味を伝えるには、「定番の」のあとで短く切って、

 

「定番の、『ビールやそうめん』」

 

と読まなくてはいけません。どの言葉がどこに掛かっているのか、そういうことを意図して記者はその原稿を書いたのか、そこまで読み取って表さなければ、視聴者に意味は伝わらないでしょう。音が耳を右から左に通って行くだけです。

そのレベルで終わらないように、意味を考えながら読むことが必要ですね。

 

(2012、5、16)

2012年5月21日 19:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4726「イギリス王室か?英国王室か?」

 

天皇皇后両陛下が、5月16日エリザベス女王在位60年記念式典ご出席のために英国訪問の途に就かれました。そのニュースを伝えるにあたって、

「イギリス王室」

と書く(読む)か、それとも、

「英国王室」

と書くか?という疑問が。私の個人的な感覚でいうと、

「イギリス王室御用達」=輸入品、ティーバッグ

「英国王室御用達」=舶来品、アールグレイ

というような雰囲気の違いが。

ちなみに「ご訪英」を伝えた5月16日の夕刊各紙は、

<見出し> <本文>

(読売)英国    英国

(朝日)英国    英国

(毎日)英国    英国

(産経)英国    英国

(日経)英     英女王、訪英

また、出発にあたって羽田空港でメッセージを読み上げられた天皇陛下は、

「英国(えいこく)を訪問いたします」

とおっしゃっていました。それを伝えた5月16日の日本テレビの「every.」の字幕スーパーも、

「英国」

でした。ただそのあとのスーパーは、

59年前にもイギリスご訪問」

「イギリス人青年」

「イギリス」も使っていましたが。

平成ことば事情4717「英国代表の読み方」もお読みください。

 

(2012、5、16)

2012年5月21日 11:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4725「巣蜜」

 

<2009年10月30日に書きかけたままになっていました。その時点では「平成ことば事情3899」>

 

「コムハニー」

という言葉を見かけました。日本語にすると、

「巣蜜」

だそうです。説明を読むと、

「巣蜜とは、豊かな自然の中で育った花の蜜をミツバチ達が巣に集め、完全熟成させ、最後に蜜蝋(ミツロウ)で蓋をした完熟蜜を巣から切り出したものです。」

とあります。しかし、そもそも「巣蜜」はなんと読むのか?どうやら、

「すみつ」

らしいのですが、「みつ」って訓読み?「肉」の「にく」、「菊」の「きく」という読み方が「音読み」なのと同じで、訓読みがなくて実は「みつ」は「音読み」では?

『新潮日本語漢字辞典』を引くと、やっぱり「みつ」は「音読み」でした。そうすると「巣蜜」は、

「そうみつ」

と読むのが、「湯桶読み」にならない読み方なのでは?と思っていたのです。「巣」は「す」が訓読み、「そう」が音読みですからね。

『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『広辞苑』『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』『新潮現代国語辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』

には「すみつ」「そうみつ」とも載っていませんでした。

ところが、また「巣蜜(すみつ)」を見つけました。

2012年5月15日読売新聞夕刊の「広告のページ」です。

「山田養蜂場」の広告です。宣伝文句は、

「蜂蜜の"自然そのまま"を商品化した『巣蜜(すみつ)』が人気を呼んでいる。」

として、

「ミツバチの巣をナイフで切り取り、ミツバチが貯めた金色に輝く蜜を巣房と一緒にいただこうというもの」

とあります。ちなみにお値段は、1箱(約340グラム)で通常価格が2205円なんだそうです。それにしても、

「巣房」

も見かけない言葉だな。蜂の巣は「房」のように見えますからね。シャワーヘッドの大きいヤツのようにも見えます。また今度、調べます。

 

 

 

(2012、5、16)

2012年5月20日 19:53 | コメント (0)

新・ことば事情

4724「およよ」

 

毎年5月15日に京都で行われる「葵祭」。

今年は一日雨天順延で、きょう16日に行われました。都大路を時代装束の人たちが練り歩くパレードです。そのヒロイン斎王代が乗った乗り物を、

「およよ」

と言います。私は、「頭高アクセント」で、

「オ\ヨヨ」

毎年この時期のニュースで読んできましたが、辞書を引いても「およよ」は載っていません。まあ、京都だけの伝統的なお祭りの言葉だから辞書に載っていないのだろう、と思っていたら、きょう、そのニュース

「オ/ヨヨ」

「平板アクセント」で読んでいた山本隆弥アナウンサーがやってきて、こう言いました。

 

「道浦さん、葵祭りの『およよ』なんですけど、辞書に載ってないんですよ。でも『ようよ(腰輿)』というのは載っていて、それと関係があるんじゃないかと思うんですけど」

 

辞書(『精選版日本国語大辞典』)を引くと、確かに「腰輿(ようよ)」載っていました。

「ようよ(腰輿)」=人力による乗り物の一種。屋形を据えた轅(ながえ)を前後にそえて持ち上げるところからいう。四方輿(しほうごし)・網代輿(あじろごし)・板輿(いたごし)の類がある。手輿(たごし)。」

 

そうか!つまり「ようよ(腰輿)」に丁寧語の「お」が付いて

「おようよ」

それが、早く言ううちに「ようよ」の「う」が脱落して(というか、「ようよ」を早く発音して長音でなくなれば「う」の脱落と同じ)、

「およよ」

となったのではないか?そうに違いない!と固く信じました。なぜ30年近く気付かなかったのだろう。山ちゃん、教えてくれてありがとう!

そうするとアクセントはきっと、

「ヨ\ウヨ」→「オ/ヨ\ウヨ」→「オ\ヨヨ」

ですね。

ところで、桂三枝さんの昔のギャグで、

「オヨヨ」

というのがあったけどこれは関係ないのかな?とずっと思っていたのですが、これも解決しました。「ミヤネ屋」のN部長が、

「あれは昔、大河内伝次郎の物マネで皆な"オヨヨ、オヨヨヨヨ・・・"とやっていたのを、三枝が一発ギャグにしたんや」

あ、そうだったのか。大河内伝次郎かあ。

「じゃあ、小林信彦の『オヨヨ島の冒険』『オヨヨ大統領の陰謀』とかの一連の『オヨヨ』 シリーズも関係ないんですか?」

「それは時期が違うんじゃない?当時は三枝さんも全国区じゃなかったから、別やろ。」

ということでした。オヨヨ。

 

(2012、5、16)

2012年5月20日 10:52 | コメント (0)

新・ことば事情

4723「焼きド」

 

帰宅途中に見かけたドーナツ屋さんの、宣伝の垂れ幕にこんな文句(セリフ)が。

「焼きドは通常料金で販売しております」

初めて、

「焼きド」

という言葉を目にしました。おそらく(もし、あるとするならば)、

「焼きドーナツ」

なるものの「省略形」なのでしょうね。

「販売しております」

という「丁寧な口調」と、「焼きド」という省略形のミスマッチが目を引くような気がしました。実際、私の目を引いたのですが、購入にまでは至りませんでした。

Google検索(5月16日)では、

「焼きド」   =261000

「焼きドーナツ」=922000

でした。まあ、店の名前の通称が「ミスド」ですから「焼きド」があっても不思議はありません。

ついでながら、「ド」は「ドーナツ」の「ド」というぐらいですから、

「焼きレ」「焼きミ」「焼きファ」「焼きソ」「焼きラ」「焼きシ」

もあるのか?と考えると(考えなくてもいいけど)、あってもおかしくない(?)のは、

「焼きレ」「焼きラ」

の二つ。でも「焼きレモン」はなんとかあったとしても「焼きラッパ」は食べられません。

「ドレミの歌」で出てくるのは、具体的な「物」よりは、

「みんな」「ファイト」「青い空(ソで始まってないけど)」「しあわせ」

と、「抽象的なもの」が多いんですね。今、気付きました。あ、

「焼きレ」=1150

でしたが、「焼きレモン」の意味ではないようなものが多いイメージでしたので、改めて「焼きレモン」で検索してみると、

「焼きレモン」=4万1400

でした!ビックリ。あるんだ、焼きレモン。

 

 

(2012、5、16)

2012年5月19日 19:51 | コメント (0)

新・読書日記 2012_085

『詩ノ黙礼』(和合亮一、新潮社:2011、6、15)

 

昨年7月3日の時点で3分の1ほど読んで以下のように書いている。(当時のナンバーリングは2011読書日記132)

「心の叫び。宗左近の『炎える母』を思い出した。

『黙礼』イコール『鎮魂』。『黙祷』は『祈り』。何に対して?亡くなった人?自然?神?長い叙事詩だ、ある意味「ギルガメシュ叙事詩」。ベートーベンではなくマーラーを聞き給え、和合くん、もしくはチャイコフスキーを。」

その後、本が行方不明に。最近、見つかって読み終えての感想は以下のとおり。

「震災から3か月で出た詩集。言葉が爆発している。辛うじて気持ちを押さえている、強い訴えは、『原爆小景』にも通じる。魂の叫びを辛うじて言葉にしたという感じがする。この悲しみ、怒り、むなしさ、理不尽さ、空虚感、やるせなさ...そして不安。書き綴るしかないのだ、詩人。書き続けるしかないのだ、詩人。どこかで見たことがあると思ったら、中学・高校時代の私の日記の書き方にそっくりだ!不安をぶつけた日記にそっくりだ。」

以下、胸をえぐられるような、言葉を信じられなくなったがその言葉で綴るしかない詩人の言葉を、一部抜粋した。

 

「本当は ・・・・・・溶けていた だって? 隠れている 隠れているものは 何だ 隠すな何も 隠すな 青空 

 

きちんとした 確認がなされるまで 事実を伝えなかった だって? 隠れている 

隠れているものは何だ 隠すな 何も隠すな 青空

 

何の 影響もない だって? 隠れている 隠れているものは 何だ 隠すな 

何も隠すな  青空

 

このままじゃ 裏側が恐ろしい 雲の裏側が 説明の裏側が 汚染地図の裏側が 

手の裏側が 決議文の裏側が 指定区域の裏側が 言葉の裏側が

 

幽霊よ 放射能の真顔よ 教えてくれ

 

幽霊よ 放射能の真顔よ 教えてくれ どうしてこんなにも 俺たちを 隠れたまま  追い詰めるのだ

 

何が望みだ 幽霊よ

 

 


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(2012、5、5読了)

2012年5月18日 20:23 | コメント (0)

新・読書日記 2012_086

『言語小説集』(井上ひさし、新潮社:2012、3、30)

 

言葉の魔術師・井上ひさしならではの発想に基づく「ことば」が主人公の短編小説集。とはいえ、雰囲気としては「筒井康隆」を髣髴させる。つまり似た感じ。「ことば」を主人公にしたハチャメチャな、シニカルな展開、ということになると、「筒井康隆ワールド」になってしまうのだろうか?

もちろん、井上ひさしはもう亡くなっているから、この作品群は過去に書かれたものだが、これまで読んだことのないものであった。

 

 


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(2012、4、18読了)

2012年5月19日 11:53 | コメント (0)

新・ことば事情

4722「桜が色づき始めた」

 

先日「ミヤネ屋」の原稿をチェックしていて、4月初めに取材したVTRの原稿で、

「桜が色づき始めた」

という表現があって、おや?とひっかかりました。「桜」は、

「(つぼみが)ほころび始めた」

でしょう。そう指摘して原稿を直しました。では、「色づき始めた○○」の「○○」に入るのは何でしょうか?そうですね、ネットで検索してみると、

「紅葉(もみじ)」「木々」「山々」「りんご」「アジサイ」「柿の実」「イチョウ」「ナナカマド」「梅の実」「ブドウの実」「公園」「秋」「つぼみ」「渓谷」

といったところで、大きく分けると系統は二つ、

(1)   もみじ系統

(2)   果実系統

です。「桜」は「紅葉」であれば「色づき始めた」が使えますが「桜の花」ではダメ。また「サクランボ」なら「色づき始めた」が使えたことでしょう。

なお「気」が入った、

「色気づき始めた」

は、また別の意味になってしまいますので、注意。

 

(2012、5、11)

2012年5月18日 10:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4721「もくろんでいた」

 

強制起訴後の裁判で無罪となった民主党の小沢元代表に対して、5月9日、検察役の指定弁護士側が控訴しました。

それを伝えた5月9日のフジテレビの夕方のニュースのナレーションで、

「復権をもくろんでいた小沢氏側は」

というナレーションが。この、

「もくろんでいた」

ですが、イメージが良くないですよね。「もくろむ」というと、

「悪いことを計画している」

というイメージがあります。「復権」の計画は「悪いこと」なのでしょうか?そもそも「もくろむ」は悪いことを計画するという意味なのでしょうか?辞書を引いてみました。(『精選版日本国語大辞典』)

「もくろむ(目論)」=「物事を行う方法について、あれこれと計画をめぐらす。たくらむ。企てる。」

「もくろむ」自体は「悪いことを」というフレーズがありませんが、説明文の中に、

「たくらむ」

とあります。これらの言葉はどうでしょうか?

「たくらむ(企)」=「くわだてる。思い立つ。計画する。多く、良くないことを計画する場合にいう。たくろむ。」

ほら~、やっぱり「良くないこと」だあ。

『新明解国語辞典』も引いて見ましょう。

「もくろむ」=「(「目論」の動詞化というのは、非)企てる。たくらむ。」

「たくらむ」=「(「巧む」と同源)①よくない計画を考える。(例)「荒稼ぎ(大もうけ・陰謀・襲撃・世界征服)をたくらむ」②自分の属する陣営に有利な計画を考える。(例)「早急な消費税導入実施をたくらむ」「騒ぎを起こそうと(廃止を阻止しようと・危険からの脱出を)たくらむ」「大増税(改憲)をたくらむ」

やはり「もくろむ」には「悪い意味」はなさそうですが、「たくらむ」は悪そう。でも「たくらむ」にも2種類の意味があるんですね!2番目の意味の、

「自分の属する陣営に有利な計画を考える。」

は、まさに小沢さんに使っても良いのではないでしょうか?

それにしても、ここでの用例の、

「早急な消費税導入実施をたくらむ」

は、明らかな野田政権批判の用例とみましたが・・・。

こんなところにしっかり批判的なコメントを忍ばせておく新解さん、野田政権の転覆を「たくらんで」いるのではないでしょうか?(もちろん冗談です。)

そのあたり、家に帰って自宅にある『新明解』の3~6版も調べてみました。

その結果、「早急な消費税導入実施をたくらむ」は第5版、第6版にもありました。ということは第5版の2000年、森喜郎総理、あるいはその前の小渕総理、いやいや編集段階を考えると消費税率を3%から5%に上げた時期の橋本総理あたりに書かれたよう例ではないかと思われます。

また7版(2012年)にある「大増税(改憲)をたくらむ」は62006年にはありませんでした。しかしその前の5版(2000年)と・4版(1992年)にはありました。ただ4版は「大増税(改憲)をたくらむ」ではなく、

「大増税(軍拡)をたくらむ」

になっていました。「改憲」が出てきたのは第5版からです。また「たくらむ」の意味の説明で、第3版は、

「①相手の歓迎(予想)していない事を計画して、はめようとする。②まともでない事を計画する。「一もうけをたくらむ」

となっていて、「②自分の属する陣営に有利な計画を考える」は「第4版」から出てきています。3版と4版の間に何が起こったのか?それは「編纂(へんさん)者」の名前を見ると分かります。第3版までは見坊豪紀・金田一春彦が入って柴田武、山田忠雄、金田一京助の5の名前がありましたが、見坊豪紀、金田一春彦は第4版で消え、この版から山田忠雄が「主幹」になりました。そして、弟の山田明雄が加わり編纂者は4人。山田忠雄が編纂途中に亡くなってから出た第5版からは、倉持保男・酒井憲二が加わりメンバーは6人。第6版では、それまで入っていた金田一京助の名前が消え5人。そして第7版では、lこれまでのメンバーにアクセントが専門の上野善道、井島正博、笹原宏之の3人が加わって編纂者の名前は8になりました。

当初の「金田一京助」もまあ「オマージュ」と言いますか、もう亡くなっていたのに名前が載っていたのですが、7版でも、もう亡くなっているのに山田忠雄・柴田武の名前は残っています。つまり、実際にこの版の作業をやった人たちの名前ではなく、これまでこの辞書を築いてきた人たちの名前が刻まれています。

その意味では、3版までは山田忠雄の辞書ではなかったものが、4版で見坊・金田一春彦をはずし、山田忠雄体制に移ったことを「宣言」した。(その時期に例の赤瀬川原平さんの『新解さんの謎』が出たわけですが)しかし第5版の途中で忠雄さんが亡くなったことで、運営権は柴田武さんに委ねられた。柴田さんは「これは忠雄さんの辞書だから」と第5版は「微修正」にとどめ、第6版では少し手を入れたがその後亡くなられた。今回、第7版にあたっては若い(40代の)笹原さんが入ったということで、「世代交代」ということではないでしょうか。

そういうようなことが、読み取れますね。

 

(2012、5、10)

2012年5月17日 18:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4720「完奏」

 

5月9日の日本テレビ「ヒルナンデス」で、こんなスーパーを見かけました。

「あおいちゃん 完奏」

幼い女の子が、ピアノで曲を上手に間違わずに弾けたという場面です。

「完走」

は聞いたことがあるけど、同じ「カンソウ」でも、

「完奏」

初めて見ました。

「完~」という形の造語力は強いなと思ったのですが、最近わりと、新しい「完~」を見かけるなあと。もう定着した感のある「完食」も、最初見たときは違和感がありましたし。Google検索(5月11日)では、

「完奏」=60500

でした。これは決して多い数ではないですから、まだ新しい言葉なんでしょうね。トップに出てきたのは、

『簡易コードで完奏できる! 挫折しないギター入門』

という「楽譜」の本のサイトでした。ついでに・・・・

「完走」=  14000000

「完食」=   754000

「完売」=   2450000

「完徹」=    15400

「完結=    5240000

「完工」=   1240000

「完済」=   221000

「完治」=   790000

「完熟」=   481000

「完勝」=   250000

「完敗」=   636000

「完遂」=   115000

「完成」=  32600000

「完整」=  32500000

「完全」=113000000

といったところで。

 

 

(2012、5、11)

2012年5月17日 18:15 | コメント (0)

新・読書日記 2012_084

『テルマエ・ロマエⅣ』(ヤマザキマリ、エンターブレイン:2012、1、第1刷)

 

ワンパターンから抜け出そうと、ついに古代ローマに戻れなくなる主人公。しかし、まあ都合よく、ラテン語ができるヒロイン的女性が。映画も見なくちゃなあ。

 


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(2012、5、7読了)

2012年5月17日 10:22 | コメント (0)

新・読書日記 2012_083

『テルマエ・ロマエⅢ』(ヤマザキマリ、エンターブレイン:2011、5、7第1刷)

 

それにしても主人公は、なんと自制心のきいた人間なのだ。そのまじめさゆえの「おかしみ」が出てきた。毎回同じパターンの解決方法も「同じパターンの繰り返し」によるおかしみが「ほーら、また」というのが出てきたように感じる。飽きながらも、ついつい読んでしまう感じ。絵がシリアスなだけに、そのギャップがおかしい。

 

 


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(2012、5、6読了)

2012年5月16日 11:52 | コメント (0)

新・読書日記 2012_082

『テルマエ・ロマエⅡ』(ヤマザキマリ、エンターブレイン:2010、10、5第1刷・2012、3、15第11刷)

 

かなりいろいろと「日本の風呂事情」を取材している様子が見て取れる。

温泉めぐりも大変でしょうねえ。

私も25年ぐらい前に秋田の後生掛温泉、行きました。秘湯でした。

しかし、「風呂漫画」という分野があるとするならば、『テルマエ・ロマエ』よりも先に私が読んだ「風呂漫画」は、吉田戦車のその名もズバリ『フロマンガ』ですね。こっちの方が古い(先だ)よね?このアイデアは、偶然の一致でしょうか?

 


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(2012、5、5読了)

2012年5月15日 11:51 | コメント (0)

新・ことば事情

4719「クンチ」

 

「龍神マブヤー」の映画の紹介を見たときに、

「クンチ」

という大切なものがある、というシーンが出てきました。沖縄の方言で意味は、

「やる気、根気」

なんだそうです。それを聞いて「あ!そうか!」と思い当たりました。

「コンキ」→「クンチ」

これは、沖縄方言の特徴の一つである母音の変化、

o」→「u

ki」→「ti

という母音の変化を考えれば、ごくごく分かりやすい言葉ですよね。そして「クンチ」と言って思い出すのは、そう、長崎の

「おくんち」「長崎くんち」

というお祭りですね。この「くんち」は、沖縄方言の「クンチ」、つまり「根気」なのではないか?と思いました。長崎も沖縄も中国の影響を受けている意味では同じ流れですし。

それで思い出した。

物を二つずつ数えるときの数え方で、

「二、四、六、八、十」

と数えるときに、皆さんはこの「数」をどういう風に言いますか?

「ニー、シー、ロー、ハー、トー」

ですか?それとも、

「ニー、シー、ロー、ヤー、トー」

ですか?以前調べたところによると、ポイントは「八」の読み方。これを、

「ハー」=西日本

「ヤー」=東日本

という大まかな傾向が見られたのです。ただ、「ヤー」文化圏の東日本で「ハー」も使われている地域というのが、青森の津軽、秋田といったあたり。また「ハー」文化圏で「ヤー」も使われているというのが鳥取あたりという「例外」もありましたが、これはおそらく、

「北前船の寄港地」

だったから、東西それぞれの数え方が混ざって残っているのではないか?と推測しています。また、「ハー」文化圏の「長崎」と「福井」では「ハー」ではなく、その前の「六」が「促音」だったり「撥音」だったりして、

「ロン、パー」「ロッ、パー」

というように「八」が、

「パー」

と発音されていたのです。これについては、

「港町なので、『六』に勢いが付いて、その影響で『八』が『パー』になったのではないか?」

と私は思っていたのですが、もしかしたら、これらの「パー」は、

「中国語の影響で、そもそも最初から『八』は『パー』と言うのではないか?」

と思い至ったのです。中国語では「パー」ですよね、きっと。マージャンでは「八」は「パー」と言いますね。また、韓国では「八」は「パル」ですね。1988年のソウルオリンピックのときに「88(年)」を「パルパル」と言っていましたから。

日本語で言う「半濁音」の「パ」と清音の「ハ」の差が、中国語や韓国語にあるのかは知りませんが、「ハ」と「パ」が似ているのは確かです。

 

 

(2012、5、6)

2012年5月14日 18:17 | コメント (0)

新・読書日記 2012_081

『テルマエ・ロマエⅠ』(ヤマザキマリ、エンターブレイン:2009、12、8第1刷・2012、3、15第22刷)

 

現在公開中の「映画」の原作漫画。古代ローマ風呂漫画。作者も書いているが「よくもこんなニッチな漫画に人気が集まったものだ」と。「テルマエ」は「風呂(浴場)」、「ロマエ」は「ローマの」、そのままですな。古代ローマの浴場設計技師が、水に潜るアクシデントで現代日本へタイプスリップしてしまうお話。視点は面白くてまさに「ニッチ」で、最初はそれで良い。しかし「読み切り」ではなく「連載」ということになると、毎回毎回同じ解決パターンというのは、かなり苦しい。第1巻は「22刷」にもなって人気だが、第2巻は(今のところ)それほどでもないのは、そのあたりにも原因があるのではなかろうか。といっても「第1巻」は23か月(27か月)で「22刷」、「第2巻」は15か月(17か月)で「11刷」という大ヒットだから、そんなことはないのか。第3巻は去年5月に出てちょうど1年だが、(私が手にしたのは)まだ増刷されていないが、今回の映画化で増刷になるかも。

 

 

 


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(2012、5、3読了)

2012年5月14日 17:50 | コメント (0)

新・ことば事情

4718「再結集か?再集結か?」

 

去年、日本テレビ系で放送され、驚異の最高視聴率40%をたたき出したドラマ『家政婦のミタ』のDVDが発売されたという話題・・・というか宣伝・・・ですね。「ミヤネ屋」でも取り上げました。その際にスタッフから質問が。

「『家政婦のミタ』のキャストが、『再結集』でしょうか?それとも『再集結』でしょうか?辞書ではどちらも同じような意味で書いてあるんですが・・・」

うーん、難しい質問をしてくるなあ。

私の語感では、「結集」は「他動詞」的。「誰かが、結んで集める」という意図を感じる雰囲気。それに対して「終結」は「自動詞」的。自発的に「集まってくる」という違いでしょうか。

ただ、これに「再」が付くと、

「再結集」

のほうが「再集結」よりも語呂がよく感じます。

というのも、「再結集」のほうが「再・結集」と「再」が際立つように聞こえ、「再集結」だと、

「再集・結」→「最終・結」

のように聞こえて「再」が際立たないように感じるからかもしれません。

結果的には「再結集」にしましたが、どちらでも間違いではないんでしょうけどね。

 

 

(追記)

2001911日の翌日、アメリカのブッシュ大統領の言葉を日本語に訳した文章を見ました。

「私たちは世界を結集するでしょう。」

と、「終結」ではなく「結集」でした。

(2012、5、11)

 

 

 

(2012、5、3)

2012年5月13日 18:17 | コメント (0)

新・読書日記 2012_080

『ラケットはふるな力点を動かせ』(脇屋頌雄、幻冬舎弟ルネッサンス:2011、8、30第1刷・2011、9、25第2刷)

 

著者は70代とかなり高齢で、しかもプロのテニスプレーヤーでもない、一般の人が書いている。その意味では結構、貴重な本かも。タイトルが刺激的だが、一言で言うと、力でラケットを振り回すのではなく「支点・力点・作用点」ということを意識して「てこの原理」で最大の効果を生み出せと。それと「フラット」でストレートなボールと「回転」を掛けたボールの2種類があって、「回転」を掛けたほうがいいですよと。具体的にどうするかは、読んでも(こちらの理解力不足で)よく分からなかった気がするのだが、まあ、次のテニスの練習では、ちょっと意識してみたいと思います。

 

 


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(2012、4、29読了)

2012年5月13日 11:50 | コメント (0)

新・ことば事情

4717「英国代表の読み方」

 

「ミヤネ屋」のFディレクターから質問を受けました。サッカー「なでしこジャパン」のロンドン五輪での組み合わせが決まりましたが、その関連で、

「英国代表」

となっているチームは、これまでは、

「イングランド代表」「スコットランド代表」「ウェールズ代表」「北アイルランド代表」

4チームが、

「別の国の代表チーム」

だったのに、52年ぶりに、

「統一チームでの出場」

となりました。この場合「英国」の読み方は「えいこく」か?それとも「イギリス」か?

また表記は「イギリス代表」と書いてもいいのか?という質問です。

私はこう答えました。

「どちらでも間違いとは言えないが、もしかしたら今後、NNNなどで『統一の読み方』や『表記』が出てくるかもしれない。ちなみに、普段であれば『英国』と書いたら、

『イギリス』と読んだほうが良い(「米国」「米軍」と書いたら「アメリカ」「アメリカ軍」と読むように)が、中には『えいこく』と読むケースもある。たとえば、去年アカデミー賞を取った『英国王のスピーチ』は『えいこく』であって『イギリス』ではなかった。」

と。

こんど、用語懇談会加盟の各社に聞いてみますね。

 

 

(2012、5、3)

2012年5月12日 17:59 | コメント (0)

新・読書日記 2012_079

『遺伝子はダメなあなたを愛してる』(福岡伸一、朝日新聞出版:2012、3、30)

 

 シンボウさんの新刊と同じ出版社だ!タイトルは、見事に五・七・五のリズム。

理系の科学者でありながら、この文才!天は二物を与えた!(容貌はさておき。)

週刊誌「AERA」の連載コラムをまとめたもの。「AERA」では1ページだっけ?それが単行本になると4ページですが、1つの話題が大変読みやすい長さ(短さ)になっているコラムです。読者からの質問に答えるという形を取っているので、ふた昔前の中島らもさんの『明るい悩みの相談室』を髣髴させます。(あれも朝日新聞だっけか)その「生物学バージョン」のような。

「セミ」の地上での寿命(7日間)に対する見解(地中で8年もいるんだから「地中の生活が本体」なのでは?)は私と同じ、ノーベル賞を2度受賞した「放射能」の命名者・キュリー夫人の"不倫の話"は、チラッとしか書いていませんが大変興味深い話題ですし、天然色素の「赤」はほとんどが「カイガラムシ」の「コチニール」由来だというのも、初めて知りました(知らなくてもよかったかも)。福岡ハカセ、いつもいろいろと、「目からウロコ」の話題を提供してくれて、ありがとうございます。

 

 


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(2012、5、2読了)

2012年5月12日 11:48 | コメント (0)

新・ことば事情

4716「ベストな回答」

 

ある信託銀行のコマーシャルを見ていたら、

「あなたにベストな回答をご提供します」

というコメントが。この、

「ベストな回答」

「な」というのが引っかかりました。これは本来、

「ベストの回答」

「の」を使って言うべきではないでしょうか?

たとえばこれが、

「ベターな回答」

であるならばOKです。「ベター」は「比較級」で比べるものがある。「より良い」ですから「形容詞」として「ベターな」で良いわけです。

しかし「ベスト」は違います。

「ベスト」=「最上」

ですから、これは「名詞」ですよね。しかも「最上級」ですから、比較するものはなく「一番」でなくてはならない。唯一無二であるべきです。そうすると「ベスト"な"回答」ではなく、

「ベスト"の"回答」

であるべきだと思ったのですが、この回答は「ベター」でしょうか?「ベスト」でしょうか?それとも「ベタ」な回答でしょうか?

 

(追記)

アメリカ在住のI先輩からメールが届きました。

「参考までに、英語の『best』ですが、英語ではいろいろな品詞があって、辞書を見ると、形容詞、副詞、名詞、動詞の順に載っています。おそらく使用頻度の多さの順だと思います。日本語としては『名詞』としても考えられますが、もし『形容動詞』だと考えたら、『ベストな』も間違いではないと思います。」

貴重なご意見、ありがとうございました。文法的には正しい可能性も十分にあると。そうすると違和感は「語感」ですから、個人差が大きいということですね。

(2012、5、16)

 

 

 

(2012、5、6)

2012年5月11日 18:56 | コメント (0)

新・読書日記 2012_078

『ぜんぶの後に残るもの』(川上未映子、新潮社:2011、8、30)

 

川上未映子さんの文体は話し言葉がそのまま文字になったというか、頭の中で考えていることがそのまま文字になったようなだらだら文体が一つの特徴かなと思うのだけれども、割とそれが私には心地よい感じがするのですね。(このぐらい長い文章です。)同じように長くても、町田康さんの文章は読みにくいというか私の頭には流れ込んで来ない感じがする。ま、相性ですね、こればっかしは。

これは『週刊新潮』での連載と「日経新聞」の夕刊「プロムナード」での連載をまとめたエッセイ集。『週刊新潮』は普段読んでないので、初めて読むエッセイばかりでした。「はじめに」で書いてあるように、「東日本大震災」をはさんでのエッセイ。川上さんは、南三陸町には映画の仕事で滞在したことがあったそうだ。タイトルの「ぜんぶの後に残るもの」とは・・・「地震のあとで」と題された章の8つのコラム、そして「あとがき」を読むだけでも価値があると思う。

 

 


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(2012、4、25読了)

2012年5月11日 11:47 | コメント (0)

新・読書日記 2012_077

『自分のなかに歴史を読む』(阿部謹也、ちくま文庫:2007、9,10第1刷・2011、12、25第2刷)

 

「ポリフォニーの成立」について知りたくて、アメリカ在住のI先輩の勧めで「阿部謹也」の本を捜して読んでみた。「ポリフォニー」の成立が「カトリックからプロテスタント誕生に伴って、教会建築の変化に伴って生まれた」とした伊東乾の著作(『人生が深まるクラシック音楽入門』幻冬舎新書)に「目からウロコ」の気持ちだったが、阿部の記述によると、もっともっと奥深いものがありそう。(そういえば、たしか伊東乾の本の参考図書の中にも「阿部謹也」の名前があったなあ)

キリスト教が目指したのは「世界の一元化」、その方法として当初、採られたのが「単一」のメロディーによる「モノフォニー=グレゴリオ聖歌」。しかし、それによっては「一元化」はなされなかった。自然な発生的に生まれていた「ポリフォニー」を取り入れることによって、キリスト教世界の拡大はなされたのではないか。もちろん日本のように「一元化」には向かない国もあると。日本での音楽は「娯楽」(あるいは「国歌」のように「娯楽」ではないものもあるが)と考えられがちだが、ヨーロッパでは「音楽」は「算数」「幾何」「天文」と並ぶ「四大学科の一つ」であったと。「音楽」によって「真理」を究めようとしていたのですね。

この本は、もっと読まれてしかるべき本だと思う。単行本が出たのは1988年、もう四半世紀前です。これまで私は「阿部謹也」という人の名前は知っていても、本を読んでいなかったが「ハーメルンの笛吹き男」などヨーロッパの「メルヘン」の中に、庶民の生活に関する「真実」があるということに気づいて、そういった本も書いているそうです。「ハーメルンの笛吹き男」を取り上げたもの、と聞いて思い出したのは『YAWARA!』『20世紀少年』などでおなじみの「浦沢直樹」の『マスターキートン』。たしかあの中にも出てきたなあ。阿部謹也の本がベースだったのかも。読みたいなと思いました。ヨーロッパの「中世」の研究をされていたのですね。「中世」という意味では「網野善彦」に通じるところがある。「アジール」(避難場所)に関する記述などは、やはり「洋の東西」を問わず、宗教の迫害と、そこから逃れる場所としての「アジール」があったのだと納得。

大変平易な文章で読み易かったが、最後の解説を読むと「中高生向け」に書かれたということで納得。でも内容は奥の深い話です。

 

 


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(2012、4、24読了)

2012年5月10日 17:46 | コメント (0)

新・ことば事情

4715「CMのあと」

 

小2の娘を誘って買い物に行こうとして、

「おーい、お買い物行くよ。早く準備して!」

と言うと、

「ちょっと待って。いま、いいもの作ってんねん。」

と答えるので、ちょっといたずら心を出して、

 

「いいものとは一体!?」

 

盛り上げて言うと、娘、答えていわく

 

 

「答えは、CMのあと」

 

 

いやあ、いかんな、いかんな。

 

「このパターンがもう小学2年生にさえ『読まれている』」

 

ということですよね。定着してしまっている。引っ張りすぎ。そろそろ、こういうことはやめないと・・・と思ってもう何年もたつのですが、なかなかなくなりません。

中学生ならいざ知らず、小学2年生がなあ・・・。ショックな出来事でした。

 

 

(2012、5、6)

2012年5月10日 11:56 | コメント (0)

新・読書日記 2012_076

『宇宙兄弟17』(小山宙哉、講談社:2012、3、23第1刷)

 

現在販売されている単行本では、これが最新刊。早く次が読みたい。事故の精神的ショックから立ち直ろうと努力する宇宙飛行士の弟・ヒビト。最後のテストでトラブルがああ!・・で、次に続く。

それにしても「岳」といい「宇宙兄弟」といい、映画化された僕が好きな漫画の主役は、ともに「小栗旬」。なんで?それだけ今、彼が売れっ子ということなのでしょうか?数年前小栗さんが「ミヤネ屋」に出演してくれて、帰り際にエレベーターを待っているときに、読売テレビの壁に張ってあった日本テレビ製作のアニメ映画『サマーウォーズ』のポスターを見て「見てえ・・・」とつぶやいていたことを思い出しました。

 

 


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(2012、4、30読了)

2012年5月 9日 18:45 | コメント (0)

新・ことば事情

4714「キラキラね」

 

NHKの教育テレビ「Eテレ」とかに名前が変わったんでしたっけ。「E電」を髣髴するのは私だけでしょうか・・・)でやっている『にほんごあそぼ』の中で、

「ごもじもじ」

というコーナーがあります。

「ごもじもじ ななもじなもじ ごもじもじ」

( 五文字文字  七文字七文字   五文字文字 )

つまり「五七五」のリズムで文章をいう遊び・・・というか訓練というか。

これにうちの小2の娘がはまっているようで、何かにつけて「ごもじもじ」を作っているようです。

この間も、私がソファで寝っころがっているところにやってきて、いきなり、

「キラキラね 夜空に浮かぶ お星さま」

「ブラシはね とくときれいに なるんだよ」

という「2つの作品」を口頭で披露して、意気揚々と自分の部屋に引き上げていきました。

ま、いいか。

日本人には「五七五のリズム」は大事ですからね。

 

(2012、5、6)

2012年5月 9日 12:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4713「食言」

 

『ブラック・スワン降臨』(手嶋龍一、新潮社:2011125を読んでいて、初めてお目にかかった言葉に、

「食言」

があります。まったく意味が分かりませんでした。以下のような文脈。

「同盟国アメリカ大統領に食言し、首相の座を追われたのは初めてのことだった」183ページ。)

鳩山元総理のことを指しています。辞書(『広辞苑』)を引いてみたら、

「<書経(湯誓)>(一度口から出したことばを、また口に入れる意)前に言った事と違う事を言うこと。約束をたがえること。うそをつくこと。」

簡単に言うと、

「うそ言うこと」「前言撤回」

ということですね。うーむ、教養のある言葉だなあ。「書経」ですからね、出典が。こちらの勉強不足が表れます。

状況によって言うことが変わることはあるかもしれませんが政治家の場合は、「食言」したら、その「責任」をちゃんと取っていただかないといけない。説明責任もある。それを果たさなくては「プロの政治家」とは言えないのではないでしょうか。

 

(2012、5、6)

2012年5月 8日 22:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4712「音校」

 

『音楽少年誕生物語~繰り返せない旅だから』(畑中良輔、音楽之友社:20022121刷・20023312刷)を読んでいたら、

「音校」

という言葉が出てきました。おそらく、

「音楽学校」

のことでしょう。それも「東京音楽学校」、今の「東京藝術大学」のことでしょう。

著者の畑中良輔先生、通称・ブル先生(1922年・大正11年生まれ)には、直接教わったことはありませんが、合唱の指揮をしてもらったことはあります。

この本を買ったのは、もう10年も前かあ。読んでなかった...ブル先生、「傘寿」を記念して、ということだったのかな。それから10年、今年は「卒寿」か。まだ現役とはすごいがそろそろ、学生コーラスの指揮はやめられるとも聞きましたが。

きょう(2012126日)、小澤征爾さんが予定されていた演奏会をキャンセルするという記事を見ました。76歳。大病をされて無理のきかない体なのでしょう。そういえば、息子さんの出た映画を見ました。なかなか存在感のある演技をされていました。時代の流れは止められない。「方丈記」、です。

 

 

(追記)

2012年5月24日、畑中良輔先生がお亡くなりになりました。

ご冥福をお祈りします。

以下、読売新聞の訃報記事より引用。

「日本声楽界の重鎮で、戦後のオペラ普及に尽力したバリトン歌手で文化功労者の畑中良輔(はたなかりょうすけ)さんが24日午後0時2分、死去した。90歳だった。

間質性肺炎で闘病していたが、同日朝に容体が急変して病院に搬送された。

福岡県生まれ。東京音楽学校(現東京芸大)を1943年に卒業し、歌手活動へ。戦後、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」のフィガロや同「魔笛」のパパゲーノを日本初演で歌うなど、名バリトンとして活躍。二期会や東京室内歌劇場の結成に参加し、新国立劇場オペラ部門の初代芸術監督(93~99年)を務めるなど、国内のオペラ振興に力を注いだ。東京芸大で長く後進を指導し、同大名誉教授。音楽評論も手掛けた。

(2012、6、5)

 

 

(2012、5、6)

2012年5月 8日 17:09 | コメント (0)

新・ことば事情

4711「アウン・サン・スー・チー『氏』か?『さん』か?」

 

4月20日に行われた新聞用語懇談会放送分科会で、

「ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの呼称について」

という質問が出ました。

「共同通信では、アウン・サン・スー・チーさんが4月1日の連邦議会の補欠選挙で勝利し、連邦下院議員になることが確実になった。これを受けて"新聞記事"は3日の夕刊段階で『おことわり』を送信した上で、3日付夕刊用から見出しや記事で『アウン・サン・スー・チー氏』と表記している。共同通信の"放送ニュース"では、長い間使われた『さん』が浸透していることや、女性に『氏』を使うと違和感があるという理由から、正式に議員になるまで当面は『さん』を継続することにしたが、各局の対応は?」

というものでした。これに対して各局の委員の回答は、

(NHK)「氏」を使い始めている。

(日本テレビ)読みは「さん」。スーパーは「氏」。厳密な取り決めはない。

(TBS)スーパーも読みも「さん」。今後検討する。

(フジテレビ)「さん」。議員となって公的になれば「氏」もありうる。

(テレビ朝日)読みは当面「さん」。政党の「党首」など「役職」が就けばそれにするかも。

(テレビ東京)41日からスーパーも読みも「氏」に変更した。

でした。

その後、日本テレビ系列では、放送を見る限り、5月2日の「スー・チーさん、国会初登庁」を受けて、「さん」→「氏」に変更された模様です。

2012419日の新聞各社朝刊の表現は、以下のとおりで全部「氏」なのですが、名前の表記で「・」を使う社(読売・産経・日経)と使わない社(朝日・毎日)があります。

読売新聞

(見出し)「スー・チー氏24年ぶり外遊」

(本文) 「アウン・サン・スー・チー氏」

産経新聞

(見出し)「スー・チー氏24年ぶり出国」

(本文) 「アウン・サン・スー・チー氏」

日経新聞=共同通信の配信記事

(見出し)「スー・チー氏、6月に訪欧」

(本文) 「アウン・サン・スー・チー氏」

朝日新聞

(見出し)「スーチー氏が2カ国訪問へ」

(本文) 「アウンサンスーチー氏」

毎日新聞

(見出し)「スーチー氏20年遅れ『授賞式』か」

(本文) 「アウンサンスーチー氏」

でした。新聞協会のご意見番・伊藤さんによると、

「毎日新聞は、昔『・』を入れないと、社告で宣言した。その昔は『さん』ではなく『女史』を使っていたが、さすがに最近は見かけない」

とのことでした。そういえば「女史」はもう「死語」ですかねえ・・・。これも「民主化運動の成果」なのでしょうか?

 

(2012、5、3)

2012年5月 8日 12:26 | コメント (0)

新・ことば事情

4710「爆弾低気圧」

 

用語懇談会で毎日放送の委員から

「爆弾低気圧」

についてこんな質問が出ました。

 

今月3日に日本列島を襲った"低気圧"ですが、「爆弾低気圧」の表現を使っている局(社)がありました。気象庁の気象に関する用語では使わないことにしていますが、各局さんの事情、また使った局の理由等をお教えください。(※MBSでは、「視聴者によっては不快に感じることもあるので使用しない。 『急速に発達する低気圧(気象庁)』などと言い換える」としています。) 使っていた局=TBSニュース、CX「特ダネ!」:新聞=読売新聞東京本社(爆弾低気圧の見出しもあり4月4日朝刊)

※気象庁HPから「爆弾低気圧」=中心気圧が24時間で24hPa×sin(φ)/sin(60°)以上低下する温帯低気圧(φは緯度)。例えば北緯40°なら17.8hPa/24hが基準となる。(気象科学事典等による)→「急速に発達する低気圧」などと言い換える。

 

読売テレビ「ミヤネ屋」では「爆弾低気圧」という呼称を、「使用」しました。

「ウェザーニューズ」の担当者に聞いた話では、

「こういった低気圧のことは普通『非常に発達した低気圧』というが今回はそういう表現を超えた規模のものであったために、『猛烈に発達した低気圧』『台風並みに発達した低気圧』と言う表現も用いた。しかしこれではインパクトが弱いので『爆弾低気圧』という呼称を使った。」

とのこと。また、

「気象庁は、この言葉の使用を禁止しているわけではないが、あまり使わないようにはしている。『爆弾低気圧』という表現が避けられるようになったのは『9・11』がきっかけだったと思う。」

とのことでした。

また、4月18日の朝刊(大阪本社発行)に、広島の「安芸の宮島(厳島神社)」が43日の暴風の影響で破損していたことが分かったという記事が載っていた産経新聞と毎日新聞が「爆弾低気圧」という表現を使っていました。

・「厳島鳥居 爆弾低気圧で破損」(産経・見出し)

・「『爆弾低気圧』による3日の暴風で破損」(毎日・本文)

また、同じく18日の読売新聞では「爆弾低気圧」についての解説記事を載せていました。

「日経新聞」は使わなかったそうです(この時点で)。

放送各社は、

(NHK)使わない。気象庁が「俗な表現」として使わないから。

(日本テレビ)使っていない。万が一使う場合も「急速に発達した低気圧、いわゆる『爆弾低気圧』」とする。

(TBS)今回は、すり抜けて「使ってしまった」が、2007319日の社内の用語委員会で「『爆弾』は戦争用語なので使わない」ことになっている。もし使う場合は、①ウエザーセンター判断で基準を満たしている。②「急速に発達した低気圧、いわゆる『爆弾低気圧』」とする。③スーパーで使う場合は、カギカッコつきの「爆弾低気圧」とする。④多用は避ける、という基準をクリアーすること。

(フジテレビ)基準【中心気圧が24時間で24hPa×sin(φ)/sin(60°)以上低下する温帯低気圧(φは緯度)】を満たせば使っても良い。「急速に発達した低気圧、いわゆる『爆弾低気圧』」と説明を加える。

(テレビ朝日)使わないが、5~6年前まで部分的に許容していた。2003年のイラク戦争の頃、デスク内で「爆弾」という用語を使うのはいかがなものか?という議論になったことがある。「台風並みに発達した低気圧」「猛烈な低気圧」などと言う。

(テレビ東京)使っていない。「爆弾」という表現は好ましくない。「急速に発達した低気圧」と言う。

(WOWOW)BPOに視聴者から「爆弾」とか「ゲリラ(豪雨)」という戦争用語をなぜ使うのか?という疑問が寄せられたことがある。

(共同通信)使った。短くインパクトのある表現なので、注意を呼びかけるためには適切だということで。しかし中には「適切ではない」という意見もあった。

(朝日放送)使っていた。ウェザーニューズの清水氏によると「『爆弾低気圧』という言葉は、普通の雨とは違うということを明確に伝えられるために使った」とのこと。

(関西テレビ)気象予報士に聞いたところ「『爆弾低気圧』は積極的に使うことはないが、外国では使っている。また、定義も決まっている。一方『ゲリラ豪雨』は定義が決まっていない」とのことだった。

また、その後(4月20日までの時点では使わなかった)日経新聞5月2日の朝刊で、

「爆弾低気圧 爪痕越えて~震災被害の農家・漁師」

という見出しの記事を載せており、本文でも、

「日本海で急速に発生した爆弾低気圧の影響で」

「爆弾低気圧」という表現をストレートに使っています。

分かりやすさを優先したのかもしれません。

 

 

(追記)

2013年2月の新聞用語懇談会放送分科会で、毎日放送の委員から、「爆弾低気圧」の呼称に関して質問が出ました。それによると、

「読売新聞は、これまで使っていた『爆弾低気圧』という表現をやめて、

『猛烈低気圧』

に変えると聞いた。他社で同じような動きはあるか?」

というものでした。へえー、そうだったんだ、全然知らなかった。

これに対する各社の意見は、

*(TBS)関東幹事会でも話題になったが、その時点で追随する社はなかった。ちなみに読売新聞は、「ゲリラ豪雨」もやめて「局地豪雨」とするそうだ。

*(共同通信)「爆弾低気圧」は、気象庁HPによると『中心気圧が24時間で24hPa×sin(φ)/sin60°)以上低下する温帯低気圧(φは緯度)だが、「急速に発達する低気圧」などと言い換える』というきっちりとした定義がある。これに対して「ゲリラ豪雨」は定義がない。共同通信はカッコつきで"いわゆる"の意味を付けて「爆弾低気圧」を使っている。「ゲリラ豪雨」は使っていない。」

というもので。特に「猛烈低気圧」を使う社は、他にはなさそうでした。

きょう(4月3日)、関東・東北地方を襲った低気圧を「ミヤネ屋」では、

「爆弾低気圧」

と表現しました。また、日本テレビの夕方の「every.でも、

「爆弾低気圧」

を使っていました。

(2013、4、3)

 

 

(2012、5、4)

2012年5月 7日 18:25 | コメント (0)

新・ことば事情

4709「監視の目をかいくぐり」

 

中国の人権活動家・陳光誠氏軟禁されていた自宅から監視の目をかいくぐり脱出、アメリカ大使館で保護されたというニュースを、5月2日の夜7時のNHKニュースで伝えていました。私はこの、

「監視の目をかいくぐり」

「おや?」と思いました。皆さん、思いませんか?だって、陳氏は、

「盲目」

何ですよ。その「盲目の人」が「監視の目」をかいくぐり脱出・・・ということは、

「一体『監視の目』とはどんな『目』だったのか?」

つまり、ちゃんと「監視」していたのか?と思わざるを得ない、と感じたのです。

 

しかし、ここまで書いてハッとしました。

そうか、この「監視の目」の「目」というのは、

「物を見る『目』=『眼』ではないんだ!『網の目』の『目』なんだ!『監視網の網の目をかいくぐり』ということだったんだ!」

それなら、納得ですね。

大きな勘違いでした。

 

 

(追記)

『帝国の時代をどう生きるか~知識を教養へ、教養を叡智へ』(佐藤優、角川oneテーマ2120124109ページに、

「監視の目も多かった」

と出てきました。この場合の「監視の目」は、「数」を指していますから、「監視網の網の目」ではなく、明らかに、

「監視員の人数」

を指していますね。「監視の目」の「目」は、両方の使い方をされるようです。

(2012、5、6)

 

(追記2)

「人の間」が「人間」

「網の目」はもともと「交点」。それが「(網の交点の)隙間」も指すようになったのは、「交点」があるから「隙間」がある。つまり、「人」がいて「世間」があるから「人間」ということと同じなのでしょうか。

(2012、5、10)

 

(2012、5、3)

2012年5月 7日 11:17 | コメント (0)

新・読書日記 2012_075

『宇宙兄弟16』(2011、12、22第1刷・2012、3、6第2刷)

 

ムッタが、いよいよ「月」を目指して「海底」での訓練に!彼は決して諦めない。大きな目を持って、目の前の困難を一つ一つ解決してゆく、地味ーなスーパーマンだ!

「月」の訓練で思い出したが、いまから28年前の新入社員研修で、3つのグループに分けられて、「月で宇宙船が故障した」という想定の下で、生き残るための方策を考える訓練、というのをやった。手元にある道具の一覧表を渡されて、その中で「生き残るために必要なものの順位」を付けるという訓練だった。あれってつまり「NASAの訓練」の中の一つだったのかな?やってることは同じような気がする。

で、私の班のリーダー(たしか、じゃんけんで決めた)が、「優先順位・第1位」に挙げたのが「ライター」だった・・・。「月では空気がないから、ライターなんて火がつかないじゃないか!」という私たちの意見に対して、リーダーのI君の答えは「助かるためにどうするかを考えるためには、あわてずに、まあ一服して落ち着いて考えることが必要やろ」。結局、われわれの班は「そういった"ギャグ精神=ゆとり"も必要かも」と、リーダーの意見を班の意見にして発表したのだが、まじめな講師の先生からは冷たい目で見られたのは言うまでもなかった。ということで、もし我々が「月」に行ったら、真っ先に死んでるなあ・・・。行かないだろうけど。

 

 


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(2012、4、24読了)

2012年5月 6日 22:08 | コメント (0)

新・読書日記 2012_074

『宇宙兄弟15』(小山宙哉、講談社:2011、9、23第1刷・2012、3、6第3刷)

 

パニック障害に陥ったヒビトの、ロシアでのリハビリ、イワン家族との交流を描いた巻。やや地味。淡いラブ・ロマンスも。健康的です。

 

 

 

 


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(2012、4、24読了)

2012年5月 6日 20:49 | コメント (0)

新・ことば事情

4708「希代はキダイか?キタイか?」

 

「希代」の読みは「キダイ」でしょうか?それとも「キタイ」でしょうか?

 

そういう質問を「ミヤネ屋」のスタッフから受けました。私は、

「どちらも可」

と答えました。

「代」の読み方で「ダイ」と濁るのは、仏教用語などに多い古い読み方で「呉音」と言います。「タイ」と濁らないほうが、あとから(中国から)日本に入ってきた読み方の「漢音」です。「代」は「呉音」の「ダイ」の方がよく使われている印象がありますね。

『広辞苑』では「キタイ」と濁らないほうが見出しになっていて、

「(キダイとも)」

と書かれています。

一方、「希代」の「希」「キ」と読むのが「漢音」で、「希有(けう)のように「ケ」と読むのが古い「呉音」です。

また、もともとの漢字は「稀代」「稀」を使うのですが、常用漢字ではないので、新聞や放送では同じ読み方で形が似ている「希」を使うことになっています。

『新聞用語集2007年版』「放送で標準とする読み方例」では、「希代」の読みは、

○「キタイ」

○「キダイ」

の順で両方載っています。2つの読み方がある場合でも、「より望ましい読み方」がある場合には「①」「②」と順番を付けて載せているのですが、この場合は「どちらが優先」という順位付けできなかったようです。

 

(2012、5、4)

2012年5月 6日 12:15 | コメント (0)

新・読書日記 2012_072

『宇宙兄弟8』(小山宙也、講談社:2009、12、22第1刷・2012、3、6第13刷)

 

ところで、著者の「小山宙太」というペンネーム(だよね?)、やはり「宇宙」をイメージしたのかな?昔、学生時代の大学の先生に(習ったことはなかったけど)

「小山宙丸」

という名前の哲学の先生があたなあと思い出したりしました。総長にもなったんだっけかな?私らが卒業した後に。

 

 


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(2012、4、17読了)

2012年5月 6日 10:46 | コメント (0)

新・ことば事情 2012_073

『宇宙兄弟9~14』(小山宙也、講談社:14巻は2011、6、23第1刷・2012、3、6第4刷)

 

ムッタ、いよいよ「宇宙飛行士」の訓練が始まる。しかし、さまざま問題が!

結局「宇宙飛行士」も、「人生」も同じなんだよなあと思わせる。それと「チームワーク」。また「友情」「絆」。そういったところが描かれているようなア。

「友情」に関して言うと、やはりここで描かれているのは「男の友情」。宇宙飛行士は「男の世界」というイメージが色濃い。

そして、たとえ意にそまない場所でも、無駄な場所はない。自分のできることを精一杯やる! 

 

 

 

(2012、4、22読了)

2012年5月 5日 16:44 | コメント (0)

新・ことば事情

4707「東京都知事」

 

「ミヤネ屋」の原稿・スーパーでは、

「都知事」「都内」

という表現は、できるだけ使わないようにしています。原則「東京」を入れます。(スペースの関係で省略することもありますが。)つまり、

×「都知事」→○「東京都知事」

としています。

なぜ、「都」ではなく「東京都」とするのか。その理由について書きます。

うち(「ミヤネ屋」)が「関東ローカル」の番組であれば「都内」「都知事」でよいと思います。しかし「全国ネット」です。しかも、発信している場所(=読売テレビ=大阪)は、東京都ではありません。それならはっきりと、

「東京都」「東京都知事」

とすべきだという考え方です。関東にある放送局でもないのに「都内」「都知事」を当たり前だとするのは、「東京一極支配」を何の抵抗もなく認めている表現であると考えています。

「東京都も47都道府県の一つに過ぎない」(「首都」ではあるが)

ということを、「大阪府」にある放送局から放送することで示すべきだと考えるからです。

また今回、石原慎太郎・東京都知事が尖閣諸島を「買う」と言ったのは、

「東京都」(=「都」)

が購入するのだと。これを「東京が買う」と言っている場合の「東京」は、

「日本の首都である東京=首都」

というイメージです。しかし実際には「東京都」の予算で買うということなので、そのあたり、「知事の発言の意図」と、「客観的に伝える」場合には、そこもきっちりと分けたほうが良いでしょう。パッと見たら「どっちでも、ええやん」というところでしょうが、「神は細部に宿る」、そういったところまできっちりと考えてやってる番組と、いい加減にやっている番組の違いは、毎日の積み重ねの中で「視聴者との信頼関係が築かれるかどうか」につながってくることと思います。

ま、いろんな考え方の人がいるでしょうから、私が絶対に正しいというつもりはありませんが。

 

(2012、4、30)

2012年5月 5日 12:13 | コメント (0)

新・読書日記 2012_071

『バカに見える日本語』(樋口裕一、青春新書:2012、4、15)

 

この著者の『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)が、250万部を超えるベストセラーとなり、以降「頭がいい人、悪い人~」と銘打たれた類似書物が多数出版されたのは記憶に新しいところだ。「またその流れか」と思って買うのをためらったが、「えいっ!」と思い切って買った。読み出すと、読みやすい「やっぱりな・・・」の感が強く、「やはり買うほどではなかった」と思ったのだが、途中で「待てよ・・・」と考えが変わった。ここに書かれているのは、たしかに「バカに見える日本語」で間違いない。しかしそれを逐一チクチクあげつらっているのを読んでも「知ってるわい」と思うだけで得るところが少ない。そこで、「これを"バカ日本語"判定機」として使おう!」と思い立った。そう考えるとなんだか読むのが楽しくなってきて、あっという間に読めた。これにあてはまることを言う人がいたら、「ほれほれ、ここに書いてるよ」「それって"バカに見える日本語"だよ」と「イエローカード」を掲げることにしようっと!

たとえば、「みんな言ってます」「昔からこうなんだから、これでいい」「そんなの自分で考えろ」「そのうちわかる」「気がします」「思います」「テレビでこんなこと言ってた」「本当の自分」「いちおう、やってみます」「私って○○な人だから」etc.エトセトラ。掃いて捨てるぐらいあるなあ。

 

 

 


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(2012、4、17読了)

2012年5月 4日 16:39 | コメント (0)

4706「直会」

 

大学のゼミの恩師が亡くなりました。

その「お別れの会」があるので、出なくてはと思っていますが、そのあとでゼミの同期などが集まって一杯飲むのかなあ?と思い、東京に住む幹事に、

「直会(なおらい)はあるのでしょうか?」

とメールしたところ、こんな返事が。

「『直会』とは、遥か昔に耳にした遠い記憶のかなたにある言葉。さすが、道浦さん。

 当日は、折角大勢が集まるので、即・解散は勿体ないと思っています。お別れの会はゼミ関係以外にも開かれたオープンな会ですが、恐らくはゼミ関係だけで場所を移して『直会』を催すことになるかと思います。ところで『直会』って、伊勢神宮の禰宜(ねぎ)の『渡会』(わたらい)と音が似ているけど、言葉の成り立ちに共通するものがあるのでしょうか?どちらも神道に関係しているし・・・・」

 

え?「直会」って言葉、使ったことない?私はよく「法事」などで耳にしますが。

そこで、こんな返事を送りました。

 

「『なおる』と『あう』がくっついて、『リエゾン』というかつながったのでしょうね。

『あう』が連用形で名詞化して『あい』になり、『なおる』の語尾『る』の母音『u』が脱落したのではないでしょうか?

naoru ai』→『naoruai

という具合に。『渡会』も、構造は同じだと思います。」

 

それに対しての返事。

「直会、言わないです・・・・。 いや、私が使わないだけかな・・・。

私が『直会』という言葉を知ったのは、『新嘗祭』についての本を読んだ時かな。

これまで少なくとも「お通夜」や「告別式」とかなんだかんだの法事はざっと見積もって、軽く100件程度は出ているかと思いますが、そういった場で『直会』という言葉は聞いたことがないです。そもそも、パソコンで『なおらい』と打っても変換できません。

私は、もっぱら『お清め』と言ってきました。私が無知なのか、地域性があるのか。

伊勢神道の影響が強い『中部以西』で使われているとか・・・・・何かあるんですかね?」

 

そうか「地域差」があるのかもしれませんね。

一応『広辞苑』を引いてみたら、

「(ナオリアイの約。斎(いみ)が直って平常にかえる意)神事が終わって後、神酒・神饌をおろしていただく酒宴。また、そのおろした神酒・神饌」

とありました。やはり「神道」か。そうすると「仏事」に使うのは、本当は間違いなのかな。「お清め」も聞いたことはありますね。ネットの辞書「実用日本語表現辞典」というのを引いてみたら、

「お清め 【おきよめ】

本来は死の穢れけがれを払うという行為。死穢は伝染すると考えられ、これを払うために飲食を行った名残で葬儀後や通夜後の飲食を指して関東方面で使用されることが多い。

とありました。あ、関東で多いのですね、この言い方。

いずれにせよ東京に伺うつもりですので、幹事さんのYさん、よろしくお願いします。

 

 

 

 

(2012、4、30)

2012年5月 4日 14:13 | コメント (0)

新・ことば事情

4705「でっちあげ」

 

強制起訴に伴う小沢裁判での「無罪判決」に絡んで、ふと思い浮かんだ言葉は、

「でっちあげ」

です。この「でっち」って、いったい何だろうか?と。

「丁稚」

が関係しているのか?丁稚がやるような、幼稚な証拠でつくりあげること?そんなバカななどと思いながら『広辞苑』を引くと、なんと漢字表記は、

「捏ち上げ」

と書かれていました。なんと「でっち」は漢字で書くと

「『捏造』の『捏』」

だったのか!漢和辞典を引くと、この「捏」という漢字の「漢音」は「ネツ・ネチ」ですが、

「『呉音』が『デツ』」

だったのです。「でっち」も「音読み」なんだ、訓読みではなくて!つまり、

「でつあげ」

強調されて、

「でっちあげ」

となったのですね!丁稚は関係なかった!でも、

「でっちあげ、一丁!」

とか言うと、なんとなく「丁稚さん」のイメージが浮かんでくる気が・・・・。

もう少し漢和辞典をよく読んでみると、

「『でっちあげる』は『捏(デツ)』を活用させた言葉」

と、ちゃんと書いてありました。辞書は引いてみるもんだなあ。

(追記)

興膳宏『仏教漢語50話』(岩波新書:2011819という本を読んでいたら、

「涅槃」

について書かれた項目で、「涅(でつ)」の意味は、

「黒い土、または黒く染めること」

と書かれていました。

「涅」は、「捏造」の「捏」と字がよく似てますよね(旁=つくりは、同じ)。ということは、意味も似たところがあるのかな?と感じました。

(2013、1、15)

 

 

 

 

(2012、4、30)

2012年5月 3日 12:11 | コメント (0)

新・ことば事情

4704「『女医』が消えた」

 

平成ことば事情73「女子行員」の「追記2」で、地下鉄のホームで、

「大阪肛門病院(女医・佐々木みのり、院長・佐々木巌)~女性のための診察時間あり」

というように、

 

「女医・佐々木みのり」

 

が赤い字で書かれた広告を見かけたと記したのは、2004年2月6日でした。

あれから7年の歳月が流れ、先日、大阪の地下鉄・堺筋線の北浜駅でふと目に入った、同じ病院の広告は、

 

「女性医師による女性のための診察時間をもうけております」

 

大阪肛門診療所。あれ?「病院」じゃなくて、もともと「診療所」だったのか?それとも、規模が小さくなったか?

いずれにせよ、「女医」という表現が消え、

「女性医師」

になっていました。この7年の時の流れは「女医」という言葉を流し去ったようです・・・。

 

(2012、4、30)

2012年5月 2日 11:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4703「肉まんと豚まん」

 

「豚肉」を使った「まんじゅう」を、関東などでは、

「肉まん」

と呼ぶのに対して、関西では、

「豚まん」

と呼びます。これは結構、皆さんご存じだと思います。理由は、関東では、「肉」と言えば「豚肉」が主流であるのに対して、関西では「肉」と言えば「牛肉」が主流だから、「豚肉」を使った「まんじゅう」は関西では「豚まん」と呼ぶのですね。関西で「肉まん」と言えば「牛肉」を使わなくてはなりませんが、これは見た事がありません。

「丼物」でも関西では「牛肉」を使ったものは「肉丼」と言います。おうどん屋さんの丼物にあります。逆に「吉野家」など関東系で広まったものは「牛肉」を使っていたら「牛丼」です。「牛丼店」はあっても「肉丼店」は聞いた事がありません。

ただし、豚肉を使った丼を関東で「肉丼」と言うのか?というと、それは確認できていません。しかし、なぜか「北海道・帯広」が発祥の豚肉を使った丼を「豚丼」と呼んで、それをいわゆる「牛丼店」で売っています。北海道の場合は「肉」というと「羊(ラムやマトン)」なので、やはり肉の種類を「豚」という必要があるのでしょう。このあたりについては、NHK放送文化研究所の塩田雄大・専任研究員が詳しく調べて書かれているはずです。

さて。

そんな関西、大阪は堺筋本町のコンビニで、先日、私は見つけてしまったのです!

「セ○ン-イレ○ン」に入ったところ、カウンターの横においてある「蒸し器兼保温器」の中に入っている商品の、

「肉まん」110円・228カロリー)

の上に、

「関西風!豚まん!」150円・360カロリー)

という商品があることを!(なぜか「!」が2つも付いていた!!)

全国的には、関東風に豚肉が入ったまんじゅうは「肉まん」と呼ぶのでしょうが、「関西風」ではやはり「豚まん」と呼ぶことが、これで明らかになりました。

しかし!!これでは、

「関東の肉まんと、関西の豚まんは、違うものである」

ということになりませんか?なんだか「関西風・豚まん」のほうが値段もカロリーも高い!と。同じものの呼び名ではなかったのか?

急いでいたので食べ比べはしませんでしたが、今度時間のあるときに買って「食べ比べ」をしたいと思っています、味がどう違うのかを。

 

(2012、4、30)

2012年5月 1日 21:07 | コメント (0)

新・ことば事情

4702「もこみちごっこ」

 

甲南大学の講義が終わった帰り道、久々に阪急・岡本駅のほうに行ってお昼ごはんを食べる店を探していたところ、ちょっと良い雰囲気のイタリア料理屋さん(リストランテ)を見つけて入りました。これが「当たり!」。日替わりランチが1260円で、前菜のお皿が2皿も(それも本格的でおしゃれなスープと、これまたおしゃれな前菜)付いて、その後にパスタが出て来るコストパフォーマンスの高いメニューでした。払った値段の倍ぐらいのものを食べたような雰囲気です。リッチな気分でカウンターでの食事が終わった後、食後のコーヒー(これは別料金300円)を飲んでいたら、背後のテーブルの若い女性(大学生かな)の会話が聞こえてきました。

それによると、

「最近な、『もこみちごっこ』って、はやってんねん」

「?なにそれ?」

「速水もこみちが朝の番組で料理を作ってんねんけど、もこみちはオリーブオイルがめっちゃ好きなので、ドボドボとオリーブオイルを入れるねん。だから、オリーブオイルをめっちゃたくさん入れることを『もこみちごっこ』って言うねん」

とのこと。ふーん、いろんな「ごっこ」があるんですね。

確かに『ZIP!』の「MOCO'sキッチン」のコーナーでのもこみち君の料理は、オリーブオイルを「ドボドボ」と惜しげもなく使い

「カロリー、高すぎやろ!」

とみんなが突っ込みを入れているのは(おそらく)事実だと思いますが、それを「ごっこ」にするとは・・・。カロリーと健康にはご注意ください。

なおgoogle検索では(51日)、

「もこみちごっこ、オリーブオイル」96

でした。やっぱり言う人もいるんですね、「もこみちごっこ」。少ないけど。

いま、ちょうど「ZIP!」「す・またん」を担当している虎谷アナウンサーが来たので、「『もこみちごっこ』って知ってる?」

と聞いたら、

「え?オリーブオイルをドボドボ使うってことですか?」

と言うではないですか!やはり番組を知っている人たちの間では「共通認識」ができているんだ!さらに虎谷アナウンサーによると、

「なんか、『追いオリーブオイル』って言葉もヤフートピックスでトップに来たことがあるそうですよ」

「?それって、『追いガツオ』のようにあとからオリーブオイルを追加でかけるってこと?」

「そうです、そうです」

検索してみました。

「追いオリーブオイル」=431000件!!

なんと!・・・驚きの結果でした。

 

(2012、5、1)

2012年5月 1日 11:41 | コメント (0)