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『道浦TIME』

新・ことば事情

4605「『新明解第7版』の『赤』」

 

7年ぶりに改定された『新明解国語辞典・第7版』、最初から読み始めました。

第6版は1620ページでしたが、「第7版」は1642ページと22ページ増えました。読み応えがあります。気づいたことを記していきますね。

「あ」でまず目に留まったのは「赤」。「第6版」ではその意味は4種類しかありませんでしたが、今回は6つに増えています。増えたものの一つは、

「校正・簿記などに用いる赤色の字。(例)ゲラ刷りに赤を入れる」

で、もう一つは、

「(赤い色を旗印にしたことから)共産主義(者)。(例)かつてはマルクスの『資本論』を持っているだけで赤と言われた」

で、ともに「第6版」では3番目の意味の中に含まれていたものが、独立しました。

用例は簡単に、

「赤狩り」

でも良かったのでは?と思いますが。ちなみに「第6版」では3番目の意味が、

「停止・危険を知らせる信号の色。校正・簿記などに用いる赤色の字。また象徴的には共産主義(者)。(例)彼は赤だ」

となっていました。うーん、確かに「第6版」は押し込みすぎでしたね。こういったところにも、辞書の改訂は目配りをしているのですね。

 

(2012、1、29)

2012年2月 6日 11:22 | コメント (0)