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『道浦TIME』

新・ことば事情

4536「四大種」

 

『無常という力~「方丈記」に学ぶ心の在り方』(玄侑宗久、新潮社:20111125)を読んでいたら、

「四大種」

という言葉が出てきました。

「この世を成り立たしめている、地・水・火・風という四つの要素」

とありました。

「よんだいしゅ」

だと思って、『デジタル大辞泉』を引いてみると、違いました。「よん」ではなく「し」です。「しだいしゅ」を引くと「しだい」を見よとなっていて、

「しだいしゅ」→し‐だい【四大】1 仏語。万物の構成要素とされる、地・水・火・風の四つの元素。四大種。

これを見て、「あれ?」と思ったのは、先日、親戚の法事で訪れたお寺にかかっていた「幕」の色です。これが「五色」だったのです。これは、

「五行(ごぎょう)」

をあらわしているのですね。つまり、

「万物を生み出すのは『木火土金水』の5つの元素であるという古代中国の思想」

ですね。それと「四大種」との関わりは?

『精選版日本国語大辞典』を引いてみたら、「四大(しだい)」のところに、

「(1)仏語。地・水・火・風の四元素。すべての物体はこの四つから成り立つとする。四大種。」

とありました。「フランス語」ではありません、「仏教用語」の「仏語」。ややこしいな。さらに4番目の意味のところに、

「(4)四つの根源としての水・木・土・火。(1)と五行の木火土金水とを結びつけたものか。」

とありました。比べてみると、

「四大種」=「地・水・火・風」or「水・木・土・火」

「五行」 =「木・火・土・金・水」

違いは・・・「金」があるかないか、ですかね?

ちなみに、法事で訪れたお寺の「五行」のは他の色は、

「赤、黄、緑、紫、白」

でした。黄色と紫がお寺っぽい。また、それとは別に、「イタリアン・トリコロール」の「三色旗」もありました。それの意味・違いを若いお坊さんに聞いたら、

「三色のは、略式です」

と言われました。それ以上は聞きませんでしたが。どう見ても「イタリア」だったけどなあ。

(2011、12、4)

2011年12月 6日 10:17 | コメント (0)