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『道浦TIME』

新・ことば事情

4433「F氏の『p』の意味」

 

私の所属する合唱団の先輩にFさんという人がいます。同じベース・パート(男声の最低音部)なのですが、私なんかより桁違いに声が大きく、低い音まで出ます。もともとラグビーをしていたので、(身長はさほど高くないですが)堂々たる体躯です。

そのFさんが、飲み屋で、楽譜の記号について話してくれたこと。

「あのさ、俺にとって『p』ってのは『ピアノ』と読むんじゃないんだよね」

「じゃあ、何て読むんですか、『p』は?」

ここでFさん、鼻の穴を広げて力強い声で、

 

「パワー!」

 

と答えたのです。

「・・・・じゃあ、『pp』は?」

 

「パワーパワー!!」

 

「『mf』は?」

 

「もっと・パワー!!!」

 

パワーしかないのか、この人の音楽は?そう思って、

 

「じゃあ、『f』はどうなんですか?」

 

と聞くと、今度は、

 

「ファイト!」

 

という答えが返ってきました・・・・。もちろん、「mf」は、

「もっとファイト」

で、「ff」は、

「ファイト、ファイト!!!」

 

道理で、常に大きな声が出るはずだ・・・。

 

(2011、8、22)

2011年8月22日 20:36 | コメント (0)