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『道浦TIME』

新・ことば事情

4396「ドドメ色」

 

佐野洋子さんの『私はそうは思わない』(ちくま文庫:19962251刷・2010112512刷)を読んでいたら、佐野さんと友人の会話の中に、

「あんたドドメ色になっている」

「ドドメ色って」

「汚いウンコに泥を混ぜたみたいな色」127ページ)

というように、

「ドドメ色」

という色の表現が出てきました。「ドドメ色」って・・・聞いたことはあるけれど、どんな色なんでしょうか?なんとなく想像はできてはいるのだけれど・・・。

この言葉、普通の辞書には載っていないんじゃない?

案の定、『広辞苑』『明鏡国語辞典』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『新潮現代国語辞典』『新明解国語辞典』には、

「土留め」

しか載っていませんでした。

しかし!『三省堂国語辞典』にはちゃんと載っていました!!

「どどめ色」=(どどめ=桑の実)暗い赤紫色。

あ、そうです、そうです、「どどめ色」はそうです!赤紫!寒さで「霜焼け」になりそうな足の先とか、内出血しているような色とか、"なんだか痛そうな色"なんです!

あ、そうすると『広辞苑』には、「どどめ」が載っていたな。

「どどめ」=(栃木・群馬県などで)桑の実

佐野さんの友人は、栃木か群馬出身なのかな?しかしそうすると、その友人が言った、

「汚いウンコに泥を混ぜたみたいな色」

は、ちょっとイメージが違うんだけどなあ。

わ!こんなことを考えながら喫茶店にいて、ふと隣に座っているおじいさんを見たら、

「カレー」食ってた!ヒヤーッ!

 

(2011、7、3)

2011年7月 6日 11:56 | コメント (0)