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『道浦TIME』

新・読書日記 2011_102

『日本の珍地名』(竹内正浩、文春新書:2009、8、20第1刷)

 

単に「珍地名」というよりは、「平成の大合併」によって生まれた「新しい地名の裏側」を読み解く、といった感じの一冊。

昭和の時代には4つしかなかったのに、今回の大合併で一気に増えた「ひらがな市町村名」だが、それらは「奇を衒ったもの」ばかりではなく、その裏側にはやむにやまれず「ひらがな」を選択するしかなかったというような事情があったり、せっかく住民投票で名前を決めたのに、その結果が反映されなかった地名など、「名前」の裏側に隠されたそれぞれの「合併事情」が浮かび上がる。異なる町が一つになることの難しさがよ~くわかる一冊。

これを読んで思ったのは、合併が一段落した今こそ、「合併の功罪」を検証すべきではないかということ。それなくして、「道州制」なんて「理想」を語っても仕方がないのではないかと思った。「平成の大合併」は「壮大な実験」であったのだから、実験結果を検証しない手はない。

 

 


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(2011、6、4読了)

2011年6月 7日 18:40 | コメント (0)