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『道浦TIME』

新・ことば事情

4306「赤兎馬」

「赤兎馬」と書いて「せきとば」と読みます。「サケトバ」は関係なさそうです。

父から、

「囲碁関係の言葉だと思うんだけど・・・『広辞苑』にも載ってなくて。意味、調べて教えて」

と頼まれました。ケータイでネット検索したら・・・出てくるんですねえ。

 

「赤兎馬」=「一日千里走るといわれた伝説の汗血馬。呂布の愛馬として知られるが、後に曹操→関羽と受け継がれた。関羽の死後、水も飲まずに後を追ったという。的盧斑点の模様があり、不吉な馬とされた。劉備の愛馬で、荊周期危機際に三丈の檀渓を飛び越えてその命を助けた。蜀攻めの際、流れ矢にあたり死亡。」

 

ふーん、「汗血馬」、聞いたことがある。

 

「汗血馬」=(1)前漢の将・李広利が大宛を討って得た名馬。一日に千里を走り地のような汗を流したと伝える。(2)駿馬。

 

「ウィキペディア」だと、

 

「赤兎馬(せきとば)」=『三国志』および『三国志演義』に登場する馬。演義では西方との交易で得た汗血馬といわれている。「赤い毛色を持ち、兎のように素早い馬」の意とも。

 

『精選版日本国語大辞典』にも「赤兎馬」は載っていませんでしたが、「汗血の馬」は載っていました。

 

「かんけつの馬」=漢の武帝のとき、大宛国から獲得した駿馬。血の湯女汗を出し、一日に千里を走るという。かんけつば。

 

さて、父に聞かれた「赤兎馬」と「囲碁」との関係ですが・・・「赤兎馬」という名前の「碁会所」大阪市北区天神橋2丁目にありますね。そこのホームページには、こんな記述が。

「囲碁のはじまりは、四千年ぐらい前、中国と言われています。現存する最古の棋書は、「忘憂清楽集」で、その中に、呉の孫策と呂範が打ったとされる、囲碁の記録がありますし、『三国志演義』には、戦いで怪我をした関羽は麻酔がわりに、馬良と囲碁をしながら医者に毒矢の傷の手術をうけたという話もあります。

あ、4000年前に関羽が、囲碁をしたんだ。その関羽の馬が「赤兎馬」。そのあたりの関係かな。

あ、しかもその碁会所「赤兎馬」の席主を「藤田清」さんがされていたと!藤田さんといえば読売テレビの『ミニ碁一番勝負』という番組を立ち上げたプロデユーサーではないですか!大先輩です。もう亡くなられましたが・・・。

また「詰め将棋」にも「赤兎馬」(山崎 隆氏作)というのがあるようです。

そして、濱田酒造というところの芋焼酎にも「赤兎馬」という名前のものがあるようです。「『赤兎馬』とは、三国志に登場し"一日に千里走る"と言われた名馬の名前が由来となっております。」

と書かれていました。

「三国志」に端を発して、囲碁や将棋、芋焼酎にまで「赤兎馬」は広がっているようです。

(2011、2、14)

2011年2月21日 12:22 | コメント (3)

コメント

大変勉強になります。偶然見つけてのですが、即、お気に入りに登録しました。
という訳で初心者なので教えていただければ幸いです。プログその他のページでカッコ(「」)でくくられた文章が多く出てきます。文章の最後が大体、ピリオドが入っています。そうでないものもあります。
意識して使い分けしているのでしょうか、一般的には(新聞等)ではピリオドはかっこ内では使っていないように思います。
公文書(公官庁のもの)はピリオドを使うのは承知しています。

投稿者: フジモトヒロシ 日時:2011年02月21日(月) at 17:45

最初の引用の
「的盧~」以降は別の馬についての説明ですよ。

投稿者: かくた 日時:2011年02月24日(木) at 13:48

名探偵コナンの話の中に「連続放火事件」というのがあり(単行本39巻)、事件に「赤兎馬」が関係している。警察の隠語で放火犯を「アカウマ」と呼ぶ(らしい)のと引っ掛けて事件が構成されています。

投稿者: yoshi-q 日時:2011年03月02日(水) at 13:15