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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_253

『100万回生きたねこ』(佐野洋子、:1977年第1刷・2010、11、第100刷!)

2010年に亡くなった佐野洋子さん。名前しか知らなかったけど、代表作のこの「ねこ」の絵は、見たことがあった。読んでみようと絵本を購入。これは大人向けの絵本だなあ。

2010読書日記252『神も仏もありませぬ』(佐野洋子、ちくま文庫)の感想に、

「この時点で既に『死』というものを色濃く、意識している感じがエッセイの端々から感じ取られる」

と書いたが、この絵本も言ってみれば「輪廻転生」、つまり「生と死」がテーマですよね。「100万回生きる」は「1000万回死ぬ」と同じ意味だから。「0072度死ぬ」の英語の原題が「2度生きる」だったように。逆か。

初版の出た33年前から(!)常に佐野さんの頭の中には"それ"があったのではないか。そう感じた。限りある「生」だからこそ、思い切り生きること、大切なものは何かということをしっかりと知ることが大事と、語っているように思った。

 


star4

(2010、12、30読了)

2011年1月13日 12:21 | コメント (1)

コメント

つい最近までこの本の事を知らなかった。
毎日放送「こんちわコンちゃん お昼ですよ」の朗読のコーナーで読まれたので知ったのだ。30年以上も昔からあり、100版にもなっているのに恥ずかしい話だ。判り難いが、深くて味わいがある話だった。娘達は小学校で習ったと言っていた。子供には少し難解だと思うけど、是非読ませておきたい話だとも思う。

投稿者: yoshi-q 日時:2011年01月19日(水) at 23:37