新・ことば事情
4180「髪型か?髪形か?」
「ミヤネ屋」のスーパーチェックをお願いしている読売新聞校閲部OBのOさんから、指摘がありました。
「かみがたは『形』ですよ。『型』ではなく」
見てみると、そこには、
「髪型」
というスーパーが。そして『新聞用語集』には、
「髪形」
という表記が。あ、そうだったのか!でも、ニュアンスとしては
「髪型」
の方が伝わる気がするけどなあ。国語辞典を引いて見ました。すると、
『広辞苑』=「髪形・髪型」
『明鏡国語辞典』=「髪形・髪型」
『NHK日本語発音アクセント辞典』=「髪形・髪型」
『デジタル大辞泉』=「髪形・髪型」
とここまでは「形」優先。そしてここからは「型」が先に来ています。
『精選版日本国語大辞典』=「髪型・髪形」
『三省堂国語辞典』=「髪型・髪形」
『新明解国語辞典』=「髪型」(髪形とも書く)
とありました。注目は『新潮現代国語辞典』で
「髪型」(用例は太宰治『斜陽』)
しか載せていないのですが、別項(次の見出し)で、
「かみかたち(髪形)」(用例は二葉亭四迷『浮雲』)
というのがありました。「髪形」の読み方は「かみがた」ではなかったのか!?
さらに注目は『岩波国語辞典』。「かみがた」に①と②があって、
①「髪型」髪の結い方。髪のスタイル。
②「髪形」髪を結った様子。髪つき。例:「きりりとした髪形」
と、漢字によって意味が違うことを示していました。
うーむ、「かみがた」は、なかなか一筋縄では行かないようです。
なお、ネットではGoogle検索で(10月14日・日本語のページ)、
「髪形」= 61万6000件
「髪型」=3380万0000件
で「髪型」の圧勝でした。