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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_182

『黒澤明という時代』(小林信彦、文藝春秋:2009、9、15)

出てすぐに買ったが、読むまで(読み始めるまで)に1年かかった。

黒澤が「天皇」になるまでの歩み、リアルタイムに同時代に見てきた著者が記す。私が始めて観た黒澤映画は『七人の侍』。これを梅田の北野劇場(だったと思う)で・・・でもまだ「ナビオ」が出来る前だったけど(とするとコマ劇場か?)観た。中学2年の時だから1975年のたぶん113日。友人と観に行った。リバイバル上映で、途中で休憩があった。とにかく、その迫力に圧倒されたことしか覚えていない感じ。三船敏郎はハチャメチャで、冷静な志村喬が印象に残った。その後『影武者』『乱』からは私も同時代だが、実は観ていなかった。『夢』は1990年だったか、これは観に行った。映像がきれいな映画だった。『まあだだよ』は「へえ、所ジョージが出てるんだぁ」と思ったが、これも観に行ってない。黒澤の死後、近くの公民館で上映された『天国と地獄』を見た。これは面白かった。『七人の侍』で観た三船敏郎のイメージが変わった。ビデオを借りてきて観た『野良犬』も良かった。時代が感じられた。『椿三十郎』もおもしろかった。『生きる』はいろいろ考えさせられた。『羅生門』、そんなに面白かったイメージはない。なんだ、結構、観てるな。

黒澤とその時代を読み解いていく本書。読み進むうちに、もう一度、黒澤映画を観てみたくなること、必至。


star4

(2010、9、22読了)

2010年10月 5日 12:29 | コメント (0)