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『道浦TIME』

新・ことば事情

4044「ソフトとコンテンツとアプリケーションとレイヤー」

『ネット帝国主義と日本の敗北~搾取されるカネと文化』(岸博幸、幻冬舎新書:2010)という本を読んでいて、よく出てくるのだが難しくて分かりにくいなと思った言葉が、

「レイヤー」

という言葉。

これは「会社」に置き換えてもいいし、読み飛ばしてもよい感じだ、途中で気付きました。

「レイヤー」は、

「コンテンツ・レイヤー」

「プラットフォーム・レイヤー」

という形で出てくるのですが、つまり、

「コンテンツを作る会社・企業」

「そのコンテンツを分配する役目の会社・企業」

ですね。ここで使われる「コンテンツ」10年前だったら、

「なに気取って言ってるねん、『コンテンツ』なんて、これまで言っていた『ソフト』のことやろ!」

と思っていたのですが、20107月現在、これは「コンテンツ」でないと意味が通じないなと思いました。「ソフト」ではないですね。いま、「ソフト」と言うと、

「OSソフト」

のように、作り出す内容としての創造物ではなくて、コンピューターを動かすためのシステムのようなものを連想します。そういうものを活用して作り出す作品は「コンテンツ」の方がふさわしい。

またパソコンやケーターサイトなどでダウンロードして使うことが出来るコンテンツのことを、

「アプリケーション」

と呼ぶようですが、こちらはまだ、それほど納得していない。ようやく意味がちょっとわかってきたかな、という段階です、私は。

また、日経新聞では毎日のように目にする、

「クラウド(コンピューティング)」

という言葉、今日(7月6日)の読売新聞朝刊で、日経新聞以外の新聞で初めて目にしました。案の定「言葉の解説」が付いていました。「クラウド」は日経及びコンピュータービジネス専門用語だと思います。「ロナウド」なら知っていますが。「クリスティアーノ・ロナウド」。

平成ことば事情2401「ソフトとコンテンツの違い」もお読み下さい。

(2010、7、6)

2010年7月 7日 19:18 | コメント (1)

コメント

この本を読んでいないけど「レイヤー」はそう言う意味で使われているのかな。
「コンテンツ・レイヤー」、「プラットフォーム・レイヤー」と使われているのであれば普通に「階層」という意味で取ればいい様な気がするけど。まぁ、それだと文章の意味が通らないんでしょうね。手書きで図面を書いている時は、「レイヤー」という概念が判らなかった。CADやフォトショップで「レイヤー」を使うようになって、図面作成が簡素化を実感した時の感慨は、今も忘れがたい。

投稿者: yoshi-q 日時:2010年07月07日(水) at 23:49