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『道浦TIME』

新・ことば事情

3992「だだ漏れのだだ」

事業仕分けの生中継で、

「だだ漏れ」

という呼び名で注目を集めた、そらの(佐藤綾香)さんという人が、513日の朝日新聞朝刊に載っていました。この言葉の「だだ」に注目!「だだ」って何?「ダダ」なら、ウルトラマンで出てきた怪獣(怪人?)でいたけど。「ダダイズム」と関係あるの?「だだ茶豆」は関係ある?「だだ」って擬態語?オノマトペ?

いろいろな疑問を抱えつつ、とりあえず辞書を引く。『精選版日本国語大辞典』。はい、電子辞書です。

「だだ」(接頭)=名詞・動詞・形容詞などの語の上に付けて用いる。めちゃくちゃであること、めったやたらに一途であること、程度の並外れてはなはだしいことの意を添える。「だだがらい」「だだくろい」などと用いる。

ホホウ、用例が「だだ辛い」と「だだ黒い」か。「だだ漏れ」はありませんね。そうそう、「だだ下がり」も聞いたことがあるな・・・あ、聞いたことがあるどころか「ダダ下がり」のタイトルで、「平成ことば事情208」で書いてるぞ、おれ。もうほとんど忘れてます。

その時は、「ニューヨークの株価が下がったことを受けて、20世紀も押し迫ったこの時期に来て、東京の株価も下がってきた状況を、20001222日(金)の『あさイチ!』で解説員の辛坊さんが、

「東京市場の株価も、ダダ下がりです」

と表現したことについて、この「ダダ下がり」の「ダダ」を調べています。えらいなあ、おれ。でも10年経っても同じところをグルグル、グルグルしている感も。そのときは「大阪弁」だと思って、『大阪ことば事典』(牧村史陽)を引いています。

[ダダ](接頭)名詞や形容詞に付いて、その意を強める。

(例)ダダがらい(やたらに辛い)。ダダくだり(ひどい下痢)。ダダもれ(はげしい水漏れ)。ダダひろい(むやみに広い)

おお、ちゃんと「だだ漏れ」が載っているではないですか!

たしかに響きは「大阪弁」の香りを感じますねえ。

強調語として「だだ」、流行らないかなあ。

 

(2010、5、14)

2010年5月19日 12:35 | コメント (1)

コメント

ちなみに、ダダの名前は「ダダイズム」から来ています。
ダダの回の怖さは特別でした。子供が一人で見ていたら絶対ひきつけをおこしただろう。
あの気持ち悪い顔が、今では人気キャラになっている。40年前に誰が想像できただろう。

投稿者: yoshi-q55 日時:2010年05月20日(木) at 13:36