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『道浦TIME』

新・ことば事情

3918「バッチグー」

323日の日本テレビ『ニュースゼロ』で、この1年間に7回取り上げた、北九州市立湯川中学の三学期の様子を放送していました。中学3年生たちにとっては「高校受験」という大きな大きな「試練」の時期。いわゆる「十五の春」を迎える時ですから、この取材の内容も、ついつい引き込まれるようなものになっています。

食い入るように見ていたら、高校受験、試験当日の体調を聞かれた中3の女の子が、

「バッチグー」

と言うではないですか!

「バッチグー」!まだ「死語」ではなかった!少なくとも北九州市では!と感激しました。意味はご存知ですよね、「バッチリ」+「グッド」。

Googleで検索してみたら(47日)、

「バッチグー」=86500

でした。これは多いのか少ないのか?「そこそこ」というところでしょうか。正直、ビミョー。米川明彦先生の『日本俗語大辞典』によると、

「バッチグー」(連語)=(「バッチ」は「ばっちり」の略、「グー」は英語「グッド」の変化したもの)とても良い。見事に決まっている。タレントの森口博子が盛んに使って広まった。若者語。◆『現代用語の基礎知識1992年版』若者用語「バッチグー/バッチ とても良い。万時好都合。バラドルの森口博子がはやらせたという」

とありました。

そうだったのか、森口博子!「バラドル」という言葉も懐かしい!(最初「薔薇ドル」と変換されました・・・なんだか意味が違ってきそう)

しかも1992年版」の『現代用語の基礎知識』ですから、書かれたのは1991年=平成3年」それから19年が経過して、現在15歳の中学3年生が使っている、ということは、お父さんとお母さんが青春時代=若者だった時に使っていた「バッチグー」を家庭でも使っていて、それが子どもたちに広まったとも考えられますが・・・。ちなみに『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』『デジタル大辞泉』『三省堂国語辞典』には、「バッチグー」は載っていませんでした。『現代用語の基礎知識』も「2010年版」にも載っていませんでした。

                        (2010、4、7)

  

(追記)

森口博子さん、今年8月のミュージカル「アニー」に出演されるようです。スポットCMに出演されていました。

 

                    

(2010、4、14)

2010年4月 8日 10:59 | コメント (0)