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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_062

『マイクは死んでも離さない』(倉持隆夫、新潮社:2010、1、15)

元日本テレビアナウンサーで、プロレスアナウンサーとして有名な倉持隆夫さんが本を出したと、読売新聞の書評欄で知った。倉持さんにお目にかかったことはあるが、もちろんあちらが大先輩なので、おそらく私のことは覚えてらっしゃらないだろうなあ。しかし、私の大先輩で読売テレビのプロレス担当アナウンサーだった竹山祐一・元アナウンサーとは「仕事仲間」だったはず。竹山さんには、私は随分お世話になりました。お世話もしたけど。もう日本テレビをリタイアされてから10年近くになるはず。懐かしさとともに本を取り寄せて読んだ。竹山さんの名前も出てきた。

実は私はプロレスは、からっきしわからなくて、あまり見たこともないのだ。テレビではチラチラと見る程度で、生でプロレスを見たことは一度もない。あ、メキシコに行った時に「ルチャ・リブレ」は生で見た。でも「プロレス」を見たというよりも、単なる「観光」でした。そんな私でも、1970年代のプロレスはちょっとは知っている。そのぐらい「プロレス」が普遍的であった時代だった。この本は、プロレスを知らない私が読んでも「懐かしさ」とともに、「へえ、そうだったのか」と思うことが出来る一冊である。プロレスファンなら、もう、食い入るようにして読むでしょうな、きっと。

倉持さんは18年間のプロレス実況生活から足を洗ったあとは、キッパリとプロレスとの関係を絶っていたそうだ。また60歳・定年で、これまたキッパリと会社を辞めてからは、奥様とスペインはセビージャ(セビリア)に移住。フラメンコをされる奥様孝行に努めていると。1年のうち8か月はスペインなんですって。それも、うらやましいなあ。

そんな倉持さんが、日本テレビの地上波から「プロレス中継」がなくなったことをきっかけに、新潮社の編集者から「プロレスの本を書いて見ませんか」と言われて書き出したら、昨年、「タイガーマスク」時代をよく知っている三沢選手の死が・・・。最終章は三沢選手の思い出が記されている。またジャンボ鶴田さんの「愛のキューピッド」役を務めたというエピソードや、鶴田さんの"まさか"のしらせなど、今だから明かせる舞台裏の話も・・・この本はある意味、「プロレス」という「テレビ最大のコンテンツ」だったものの「(地上波)テレビにおける墓碑銘」「弔辞」のようにも思えてしまったのは、あまりにも哀しいか・・・。

 

 


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(2010、3、21読了)

2010年3月25日 11:56 | コメント (1)

コメント

なかなか充実したスローライフですね・・・(^◇^)

投稿者: 村上富美代 日時:2010年12月15日(水) at 18:32