キャスト

2016年3月3日放送第9話

 仲川百合(芳本美代子)は、母の死後、父が営むお好み焼き屋で働いてきた。その父が、ある日突然、亡くなってしまう。葬式を終えるやいなや、姉の茜(久世星佳)は、遺産相続の手続きをしようと、弁護士の殿村(竹中直人)と郷原(永瀬匡)のもとへ相談に訪れる。

  相談後、「アンヘラ」で百合を説得する茜。「店と家の土地・建物が3千万円、預金が6百万円。合計3千6百万円を、二人で分ければ、一人1千8百万円よ」茜は主婦で、娘の学費などのため、現金を必要としていた。だが、独身の百合は「店を売るの?私は一人でも店をやっていくよ」と反対する。「あんた独り占めするつもり?」と茜。「そんなんじゃない。お父さんの大事にしていた店を残したいの。それに、えりかのことはどうなるの?」と百合。二人には、7年前から行方不明の妹、えりか(平田薫)がいた。「えりかは死んだとみなして、失踪宣告を申し立てる」と茜。「ひどい!えりかは死んでない」と百合。姉妹喧嘩になり、「じゃあ、一週間待つ。それまでにえりかを見つけられなかったら、決着つけるわよ」と茜は帰ってしまう。

  その様子を心配そうに見ている店長の栗原理佐(片瀬那奈)。「金銭トラブルなら相談に乗りますよ」そこへ、竹内茂(小籔千豊)が買い物から帰ってくる。その茂に「お父ちゃん!?」と思わず驚く百合。茂は、百合の父にそっくりだった。

  百合の相談に乗る理佐たち。このままでは姉の茜に押し切られてしまう。「妹のえりかなら、お父ちゃんのお好み焼きが好きだったから、店を守ることを望むはずです」と百合。傍にいた井上アリス(矢倉楓子)が、えりかの昔の写真などを手がかりにSNSの友人たちから情報を集め始める。一方の茂は百合に一目ぼれ。「僕が、お父さんの代わりに店を手伝います!」と、茂は百合のお好み焼き屋を手伝いにいくことになる。

  その後、えりかが見つからないまま、日は過ぎていく。茜との約束の期限が明日に迫り、困った百合は「アンヘラ」を訪れる。茜への対抗策を練る理佐たち。「相続にはいくつかの方法があるの。家を売りたくないなら、オススメは共有分割。土地と建物を売らずに、3人の名義にしてみんなで三分の一ずつ共有するの」と理佐。「だけど、それじゃ茜さんが納得しないと思います」と菅原円(葵わかな)が言う。「家を売らないなら、茜さんは代償分割を希望してくると思います。土地と建物を誰か一人が相続し、他の姉妹に相続分の差額をお金で支払う方法です」と円。その方法だと、相続した百合が、土地・建物の評価額3千万円の三分の一、1千万円ずつを茜とえりかに支払わなければならない。「合計2千万円もの支払いは無理です」と百合。同じ頃、茜も殿村弁護士事務所で、代償分割の相談をしていた。「2千万円ものお金、百合には用意できないでしょうね…」と茜。

  その夜、茜は、恒雄の生命保険の保険証券が見つかっていないことを思い出し、百合の住む実家に上がり込んで探す。だが見つからない。そこに帰ってくる百合。「父さんの保険証券、あんたが隠してるんでしょ」と百合を責める茜。喧嘩になり、それを百合と一緒にいた茂が仲裁する。「お父ちゃんのオバケ!」と、茜は父親そっくりな茂に驚く。「とにかく明日、相続の話をするから」と言い捨てて帰っていく茜。

  翌日。えりかが見つからないまま、百合と茜の話し合いが始まった。立ち会う理佐。茜は相続を得意とする弁護士の郷原を連れていた。えりかについては失踪宣告を申し立てることを前提に話が進められる。「こちらとしては、土地・建物は売らずに百合さんが相続し、その資産の半分の1千5百万円を現金で茜さんに支払っていただく代償分割を希望します」と郷原。「そんな大金払えない!せめて寄与分くらい考慮してよ」と理佐。理佐は、百合が仕事を辞めて5年間、給料なしでお店を手伝い、父の財産の増加に貢献したことを主張。だが郷原は「寄与分とは認められません。百合さんの家賃や食費も、店の売り上げから支払われていたわけですから」とバッサリ。「そんな…」と理佐が困り果てたところに、茂と円がえりかを連れて現れた。「えりか!」と驚く百合と茜。えりかは、小劇場の女優になっていた。劇団に入って7年の間、全国を転々としていたのだった。百合は味方が現れたと喜ぶが、「お姉ちゃんたちが言い争ってること、まるで意味がないから」えりかは、父の遺言書を持っていた。そこには「えりか。家のことは全ておまえに託す」と書かれてあった。「…ということで、家は売って遺産の全ては私の好きにさせてもらうから」とえりか。百合は「お父さんの大事な店だよ?本当に売るの?」と説得をするが、えりかは聞く耳を持たない。すると茜が「勝手に家を出ておいてなによ!えりかに取られるくらいなら、家を守ってくれた百合に譲ればよかった」と茜。「お姉ちゃん、それって本気?」えりかは、茜と百合を仲直りさせるために一芝居売っていたのだった。そして、父の遺言書の続きを取り出す。それには茜、百合、えりか、三人に向けての父の思いがしたためられていた。深い愛情を知り、家を売ることをやめる三人。家は百合に託すことになった。また、えりかは父から保険証券を預かっていた。百合とえりかはお金はいらないと言い、それを茜に譲ることにした。

  問題が無事解決し、茂は百合に「僕と結婚してください!」とプロポーズ。だが「ごめんなさい…」とフラれてしまう。「またか」と呆れる理佐たちで…。