キャスト

2016年2月11日放送第6話

シングルマザーの伊沢志織(馬渕英里何)は、突然パートを解雇され、息子の勇樹(村松怜)を抱えながら、途方に暮れていた。その上、一年前に別れた夫、里中健哉(ハイキングウォーキング松田)から養育費の振り込みも滞ったままだった。

 たまたま立ち寄った「アンヘラ」で、栗原理佐(片瀬那奈)に相談する志織。「養育費未払い?」と理佐。「はい、子供が二十歳になるまで月4万の養育費を支払ってくれるという約束でした。離婚時に公正証書にしたのですが、実際に振り込まれたのは最初の2カ月だけで」と志織。「公正証書に強制執行を認めるとあれば、お給料を差し押さえて支払ってもらうことはできます」と円。「あったと思います」と志織。ただ、健哉の携帯電話の番号も変わっていて、この半年は連絡もとれず、どこで何をしているのかわからない。以前は、ホテルのフィットネスセンターのインストラクターだったというが…。しかし井上アリス(矢倉楓子)が調べ、「この人じゃない?」とスマホを差し出す。健哉は『フィットネススタジオK』の社長兼チーフインストラクターになっていた。「この人です!」と志織。「スタジオを開いているならお金はあるはずね」と理佐。「別れたときは貯金もほとんどなかったのに一体どうやって?」と志織。「何かありそうね」と理佐、潜入調査として武蔵川華子(藤田みりあ)を体験レッスンに派遣する。

 その後、志織が就職活動で忙しくなると、その間、勇樹の面倒を「アンヘラ」で茂がみていた。面接を終えた志織が、離婚時の公正証書を持ってアンヘラに来る。理佐がそれを見て、「養育費を滞納した場合、強制執行を認めるってあるわね」と言う。相手が会社員なら給料の差し押さえが可能。原則として給料の2分の1までが上限として認められるが…。「相手が社長なら、もっと差し押さえられます。役員報酬があれば、給料とは別に全額差し押さえが可能です」と円。

 フィットネススタジオで潜入捜査中の華子の前に、里中響子(遼河はるひ)が現れる。華子は、その響子が健哉の妻で、しかも妊娠していることを聞き、こっそり写メに収める。

 「アンヘラ」で志織らに報告する華子。「去年の秋に再婚して、8月には赤ちゃんも生まれるって」その響子は、有名なカリスマ女性実業家だった。健哉は、響子のおかげでスタジオをオープンできたようで、志織は「私たちを犠牲にして夢を選んだくせに…再婚して子供まで…身勝手すぎる!」と複雑。「勇樹くんのためにも今すぐ強制執行して養育費払ってもらいましょう」と茂。「ただ、強制執行には揃える書類もいろいろあって時間と手間がかかります」と円。「私、勇樹を連れて、彼に会いに行ってみます。この子の顔を見れば彼だって…」と志織。

 翌日、『フィットネススタジオK』に勇樹を連れて向かう志織。二人に驚く健哉は、抱きついてくる勇樹とも他人のフリで、二人を喫茶店に連れ出す。「急に訪ねて来るな」と迷惑そうな健哉。「…養育費払ってください」と志織。「でも俺、金ないから」と健哉。社長というのは名ばかりで、会社は奥さん名義、給料ももらってないと言う。「収入がないから払いようがないだろ」と開き直る健哉。

 話を聞き、「ひどい男ね!」と怒る理佐。「あの人…勇樹を抱きとめてさえくれなかった」と志織。茂は、そんな志織を不憫に思い見守っている。「嘆願書を出しましょう。元夫でなく、妊婦の奥さんに。父親と母親は違う。響子さんならきっとわかってくれるわ」と、理佐は嘆願書に志織の窮状をしたため、20歳までの養育費と、これまでの滞納分、合わせて700万円払ってほしいと記し、志織が署名捺印した。そして郵送だと健哉に隠される恐れがあるため、理佐がそれを持参することに。

 『フィットネススタジオK』に行った理佐は、響子に嘆願書を渡して去るが、響子は嘆願書を開く前に腹痛で倒れ、そのまま病院に運ばれてしまう。その折、嘆願書を見つける健哉。

 健哉は、響子の顧問弁護士、殿村賢一郎(竹中直人)に依頼し、理佐と志織を呼び出す。「これは嘆願書という名の脅迫状だ」と殿村。響子がそれを見て流産をしかけたと聞き、ショックを受ける理佐。「響子さんに精神的苦痛を与えた慰謝料を請求する」と殿村。だが、払えないなら誓約書を交わすのでもいいと言う。その誓約書には、今後一切、健哉と響子には近づかない、養育費を請求しない、とある。志織は「健哉さん、あなたは勇樹が自分の息子だという自覚はあるの?」と尋ねる。それに対して「本当に俺の子なのか?」と健哉。「勇樹は健哉さんの子です!信じられないならDNA鑑定でもなんでもすればいい!もし、あなたの子じゃないなんてことになれば誓約書でもなんでもサインするわ」と志織。それに対して、健哉はDNA鑑定をすると言い出し……。

 DNA鑑定の日。検査の時間まで「アンヘラ」にいる志織と勇樹。勇樹をかわいがる茂や円たち。紙飛行機を上手に飛ばしていた勇樹を、いつの間にか円が連れていなくなる。

 「いなくなった?」と怒る健哉。検査の時間になっても行方不明の勇樹と円。仕方なく『フィットネススタジオK』に理佐たちが謝りに現れる。そこに茂が、勇樹と円を連れて来る。「何やってんだ!」と健哉。さらに響子も現れる。「あなたこそ何?こんな幼い子にDNA鑑定なんて」

 円は、ここに来る前、響子の病室に勇樹の紙飛行機を飛ばし、メッセージを送っていた。その紙飛行機に書かれていた「たすけて」という文字に響子が気付き、すべての事情を円から聞いたのだった。「志織さん、私たちのために辛い思いをさせてごめんなさい。私がちゃんと嘆願書を見ていれば……」と響子。倒れたのは嘆願書のせいではなく、過労のためだった。響子は、養育費については自分が責任を持って払い、「よければネイリストの資格をとってうちで働きませんか?」と志織に言う。そして、「健哉さん、あなたは今日限りクビよ。社長も私の夫も」と言い放った。

 その後、志織は響子のもとで働き、頑張っている。「アンヘラ」では密かに志織に恋をし、失恋した茂が、「私は志織さんが好きです」と書いた紙飛行機を作り、「懲りないわね~」と理佐たちに冷やかされていて……。