キャスト

2016年1月7日放送第1話

とある面接会場で、スーツ姿の竹内茂(小籔千豊)が熱く志望動機を語っていた。「私は、幼少の頃から祖母に育てられ、人を信じること、人を疑わないことを学びました。今回採用された暁には、上司の方々、同僚たちと密接な信頼関係を作り…」と茂。だがそこは、スーパーのアルバイトの面接会場。場違いに熱い茂は、不採用となった。

 真面目すぎて空回りの続く茂は、なかなか次の仕事につけず、お金に困り果てていた。 その茂の傍を、成金風の中年男、宝田富一(緋田康人)が通りかかる。「宝田社長!?」と思わず声をかける茂。宝田は以前、茂が働いていた工場の社長で、茂は、当時経営不振で支払われなかった給与があったことを思い出す。「いつか払うって言ってくれましたよね!あのときの給料頂けませんか!」と茂。だが宝田は「はっ?知るか! たかってくんな、貧乏人!」と突っぱねる。

 困った茂は、たまたま看板が目に入った『殿村法律事務所』へ行く。だが、ヤリ手弁護士の殿村賢一郎(竹中直人)は、いかにも金のなさそうな茂に目もくれない。部下の郷原健太(永瀬匡)も「未払い給与20万?そんな少額、取り返してもほとんど手元に残りませんよ」と冷たい。  意気消沈する茂が事務所から出てくると、待ち構えたように武蔵川華子(藤田みりあ)が立っている。「おなか、空いてませんか…!?」と華子。「え?」と戸惑う茂を、華子は強引に近くのメキシコ料理店「アンヘラ」へ連れていく。

 すると、その茂を店長の栗原理佐(片瀬那奈)が迎える。「困っているなら、相談に乗るわよ。この店では、金銭トラブルの相談を受け付けているから」と理佐。しかも無料だと言う。「助けてくれるんですか!?」と喜ぶ茂だが、理佐が弁護士資格もないタダの素人だと知り、不安になる。「安心して、今勉強中だから!」と理佐が手にするのは、初歩的な法律入門書。さらに理佐が優秀なアシスタントだと紹介したのは、大人しそうな菅原円(葵わかな)、スマホに夢中の井上アリス(矢倉楓子)、そして先程の華子という三人のアルバイトの女子高生…。茂は不安に思いながらも事情を話す。「なるほど、未払い給与の請求ね」と理佐。「でも、それはちょっとマズイですね」と円。円が言うには、給与未払いの時効は2年、茂の話によると時効まであと1週間しかないことになる。「え?時効?」と驚く理佐と茂。「1週間以内に決着つけないと請求できなくなります」と法律に詳しい円。そして、アリスがSNSの仲間から、宝田は人気チェーン店『お宝ラーメン』のオーナー兼社長だと言う情報を掴んでくる。理佐は早速、宝田宛に“催告の内容証明”を茂に送らせる。「内容証明?」と茂。「宝田がその内容証明を受け取ればその時点から6カ月、時効を伸ばすことができるの」と理佐。

 しかし、茂の送った内容証明は宝田に届いていなかった。宝田は姑息な手段で受け取りを引き延ばしていた。「これじゃ、待ってる間に時効が来てしまう。直接交渉しかない!」と理佐は、茂を連れて『お宝ラーメン』に乗り込んでいく。だが、宝田は茂を避けて会おうとしない。従業員たちにも箝口令を敷き、宝田の居場所を伏せている。「宝田は時効を知ってるわね。時効まで逃げ切るつもりよ!」と理佐。その後、華子の調査により、『お宝ラーメン』がヒドいブラック企業で、従業員を格安でこき使っていることがわかる。だが、宝田は姿を現さない。

 「腹立つ。こうなったら強行突破ね!」と熱くなった理佐が『お宝ラーメン』へ再び乗り込む。お色気仕掛け(?)で店員を口説き、宝田の居場所を聞き出そうとするが、「オバハン、帰って」と言われ、「誰がオバハンや!」とキレる理佐。「アンタらだって休みなしでこき使われて、十分なお給料払ってもらってないんでしょ!」と理佐は啖呵を切るが、営業妨害とばかりに店を追い出される。

 埒が明かないまま時効は迫っていた。すると「やっぱり諦めます。宝田社長は、私を雇ってくれた恩人でもあります。どんなにだまされようと、人を疑いたくありません」と言う茂。「何言ってるの?竹内さんみたいにバカ正直でバカ真面目に生きてる人こそ、絶対に救われなきゃいけないの!こんな世の中でも、正直者はちゃんと報われるようにできてる…。かつて私にそう教えてくれた人がいた。だからもうちょっと頑張りましょ!」と茂を励ます理佐。

 そこへ『お宝ラーメン』の店員が現れる。先日の理佐の言葉が響き、「私も、こき使われることにウンザリしてるんです…社長の居場所を教えます」とその店員。

 理佐たちに言われ、一人で宝田の別宅に向かう茂。宝田は茂の来訪に舌打ちするも、仕方なく迎え入れる。「未払いの給料やろ。悪かった、ちゃんと払う」と宝田。「ホンマですか!ありがとうございます!」と茂。「ただ、手持ちがない。明日絶対払うから、明日、来てくれるか?」と宝田。「はい!」と茂、喜んで帰る。

 翌日、改めて宝田の別宅に向かう茂。今度は理佐と円も一緒について行く。そこで茂が、改めて宝田に未払金の請求をすると、「いやいや、支払う金は一銭もない。時効だ、時効!」と宝田は開き直る。だが、「いえ、払ってもらいます。時効は伸びましたから」と円はボイスレコーダーを取り出し、宝田の「明日絶対払う」という発言を再生する。円は密かに茂にボイスレコーダーを持たせ、会話を録音していたのだ。「時効を迎える前に、こうして債務があることを認めると、時効はその時点から2年間となるんです」と円。ア然とする宝田。「それに支払うのは20万円ではありません。ほかの月の未払い分など、すべて合わせて102万7045円です」と円。「今すぐ払って!それにこれだけじゃないわ。『お宝ラーメン』の従業員からも相談受けてるの。彼らの分も請求するわよ!」と理佐。慌てる宝田。「払わないとこの家のものを全て差し押さえるわよ!」と理佐。追い詰められた宝田はとうとう観念する。

 無事、未払金を回収して喜ぶ理佐たち。その理佐に、「あの理佐さん、お願いがあります。私をこのお店で雇っていただけないでしょうか?私も困った人のお役に立ちたいんです」と言う茂で……