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ストーリー

第1話
10月4日(土)
「蘇る怪盗」

 江古田高校の教室。中森青子は友人と手品を駆使する世界的な大泥棒、怪盗キッドの話をしていた。キッドが美術館に現れたのだ。そこに黒羽快斗がやってきて、いつものように青子と言い争いになる。 授業中、快斗が特技のマジックを披露すると、青子は快斗でも怪盗キッドには勝てないと挑発。快斗はキッドと勝負して捕まえてやると皆の前で宣言する。

 その頃、警視庁では青子の父であるの中森銀三警部がキッドのニュースを見て地団太を踏んでいた。中森にとってキッドの事件は刑事生命を懸けた生き甲斐。 一時は死亡説も流れたキッドは8年ぶりに出現したのだ。この時、キッドから「本日23時54分に小野銀行にある宝石、月の瞳をいただく」という予告状が届き、中森はキッドを絶対に逮捕してやると心に誓う。

 自宅に帰った快斗はマジシャンだった父、黒羽盗一へ思いを巡らせる。快斗は自分が敵わないマジシャンは8年前に他界した盗一だけと考えていた。快斗が部屋に飾った盗一のパネル写真に手を触れると、パネルが回転。 快斗は隠し部屋に吸い込まれる。隠し部屋は地下の部屋に繋がっていた。快斗が電気を点けるとジュークボックスが作動。録音された生前の盗一の声が流れてくる。盗一はマジシャンとしての心得を快斗に伝授する。

 そして、再生が終わると同時に衣装ケースから真っ白なシルクハット、白いマント、白いステッキが飛び出してくる。快斗がステッキをいじると白いハングライダーが出現。それはまるでキッドの衣装のようだった。 快斗は父、盗一が何者だったのかが気になり、キッドに会えば何かわかるかもしれないと考える。死後8年経ったら開く仕掛けになっていたパネル写真。それは、いわば盗一の最後のマジックだった。快斗は盗一の最後のマジックを解いてみせると意気込む。

 犯行時刻が近づく中、中森は大勢の警察官、警備員と小野銀行の展示室の警備にあたっていた。そして、予告時間になると同時に展示室の電気が全て落ちて皆はどよめく。 次の瞬間、キッドは展示された月の瞳を奪い、窓を突き破って外へ。キッドは地上で待ち構える警察の裏をかき、外壁を登って屋上へと逃げる。そこでキッドを待っていたのはキッドと同じ格好をした快斗だった。快斗はキッドに対決を挑み、盗一の死の真相、そして盗一のマジシャンとは別の顔を知る事になる…。