ストーリー

LOVE.11 9月10日(木)よる11:59~

STORY

 青山ルミが殺害され、本庁は躑躅を緊急手配する。現場に残されていたのは躑躅の拳銃だった。米子と宮谷は捜査のために躑躅の自宅マンションにやってくる。「ここが藤岡さんの部屋かぁ」宮谷は捜査なのにテンションを上げている米子に呆れる。米子はキッチンや洗面所、バスルームを調べ、女性と住んでいる形跡がない事に安堵するが…。奥にドアノブにオシャレなカバーをした怪しい部屋を発見。米子はこの部屋のドアを開けて絶句する。そこは交通事故死した躑躅の恋人だった篠原沙織の部屋だった。
 この部屋のカレンダーは2013年のまま。宮谷は沙織が亡くなってから部屋がそのままの状態になっていると察する。米子は棚の結婚日記と書かれた大きなノート目を留める。米子は日記の内容を見る事は躊躇するが、宮谷は捜査のために中身を確認。このノートには沙織が追っていた事件の手がかりのメモがびっしりと書かれ、事件の相関図にはルミの写真も貼られていた。その時、本庁の捜査員たちが躑躅の手がかりを探しにやってくる。捜査員から後は自分たちがやると言われ、宮谷は日記を隠し持って米子と部屋を出ていく。
 その頃、躑躅は人目を忍び、廃屋に警視庁・捜査一課の警部、別府幸一を呼び出していた。「昔からの仲間として忠告してやる。さっさと自首しろ」「昔からの仲間?」躑躅は別府の言葉に呆れながらもタブレットを突きつける。画面には沙織が死んだ交通事故現場の画像が写っていた。躑躅は興味深いものが写っていたと言って画像を拡大。それは事故現場にいる銀竜会の幹部、梅津哲司と別府の姿だった。躑躅は銀竜会との関係を疑われた別府が梅津と共謀し、交通事故を装って沙織を殺害したと考えていた。躑躅は「あなたを許す訳にはいけません」と別府を睨みつける。
 米子と宮谷は停車した車の中で日記を確認する。日記には最悪と振り返る2人の出会いも綴られていた。宮谷は日記を読み、米子と沙織には色々カブる所があると感じる。刑事になって間もない頃に出会った躑躅と沙織。2人が運命の再会を果たした事も日記には書かれていた。警務部に入った沙織は捜査情報を銀竜会に流している内通者をあぶり出す調査にしていた時に躑躅と再会。沙織は銀竜会に詳しい躑躅を怪しいと疑って徹底マークしたのだ。躑躅のマンション前に車を停めて張り込みをしていた沙織に気付いてコーヒーを差し入れした躑躅。「そこまで僕に関心があるなら、僕の部屋に来ればいい。車の中よりは快適ですよ」沙織は躑躅に誘われるがまま部屋に行って2人は交際まで発展したのだ。躑躅の部屋を調べた時に盗聴器を仕掛けた宮谷。米子たちは躑躅が帰宅するのを待つ事にする。
 躑躅は取り調べ中の梅津を自殺に見せかけて殺害したのも別府と睨んでいた。別府の犯行はこれだけじゃないと考える躑躅。「今度は梅津の交際相手だった青山ルミを殺害し、僕の犯行に仕立て上げた…。ですよね?」「悪いが、警察が疑っているのはお前だ。諦めろ」別府は動じる事なく、躑躅に拳銃を突きつけ、ルミから預かった倉庫の鍵の在り処を躑躅に問い詰める。「答えないと言ったら?」躑躅が口を割らずにいると、別府の背後から銀竜会のチンピラたちが現れる。翌朝、ボコボコに殴られ、床に倒れた躑躅は朝日の眩しさで目を覚ます。躑躅は別府たちがいない事を確認し、隠していた鍵を取り出す。
 塚本の所に5歳になる娘のさくらが駆け寄ってくる。「ママ!あのおじちゃんに帽子拾ってもらったの」塚本が見ると、そこには警視庁・警務部参事官・警視正の佐伯信二郎が立っていた。佐伯は成長したさくらに目を細める。塚本が要件を聞くと、佐伯は「藤岡の件はうちが預かる。君たちは何も心配するな」と言って去っていく。出勤した塚本は躑躅の件は本庁が動き、所轄はサポートに徹する事を米子たちに伝える。だが、このままでは捕まってしまう躑躅。米子は仲間を見捨てるようで、何もできない自分に憤りを感じる。
 米子はいてもたってもいられずに躑躅に電話をかける。「出てよ。お願い」何度かけても電話は繋がらなかったが、今回は米子の願いが通じて躑躅が電話に出る。米子は躑躅から今いる場所を聞き出し、すぐに助けに向かう。そして米子は廃屋で倒れている傷だらけの躑躅を発見。「誰がこんな…」「後で詳しく説明しますから。ここを出ましょう」米子は躑躅を支えながら廃屋を出ていく。別府はそんな2人を後方から見つめてニヤリと笑う。
 米子は躑躅を躑躅の自宅マンションに連れて行く。米子は手当するため、救急箱を取りに行く。躑躅は救急箱の場所を知っている理由を訊ね、米子は宮谷と捜査のために来た事を明かし、沙織の部屋を見た事も打ち明ける。その頃、宮谷たちは盗聴器の音を聞いて2人が部屋にいる事を確認する。躑躅は沙織を殺害した真犯人が別府だった事を米子に伝える。「私、あなたの味方だから」「花田さん」米子は躑躅の手に自分の手を重ねる。「いつも助けられてばかりだけど、今度は私が藤岡さんの力になりたいの」「ダメです。花田さんは関わらない方が良い」躑躅は米子にまで危険が及ぶと考え、巻き込みたくなかったのだ。
 「どうして!? 私じゃダメなの?私じゃ藤岡さんの力になれないの?」米子は感情的に訴える。その時、躑躅は米子の唇をキスして塞ぎ、米子は驚いて呆然となる。躑躅は宮谷が盗聴器を仕掛けていると気付いたのだ。「この事件が全て解決したら、きちんと返事すると約束します」躑躅は米子から告白された事を忘れていなかった。米子は躑躅の言葉を信じて無言で頷く。躑躅は事件の全貌を暴くために動こうとするが、とても動ける状態ではなかった。「私が行く。あなたの代わりに」「ダメです。あなたを危険な目に合わせるわけには…」「大丈夫。自分のためでもあるの。お願い」米子はルミから預かった鍵を躑躅から受け取って倉庫へ向かう。米子は事件の核心に迫ろうとしていたが…。