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ストーリー

第2話
7月14日(木)よる11:59 ※一部地域を除く

 柿崎真一(三上博史)は、吉田明日香(西原亜希)という女性から、亡くなった義理の父、吉田源蔵(田野良樹)の遺産相続についての依頼を受け、事情を聞きに丸井華(森川葵)と源蔵の家へと向かう。すると家の前で、明日香と遺山政次郎(篠井英介)という男がもめていた。遺山は、とある研究所の所長で、亡くなった源蔵が、遺山の私有地から貴重な“化石”を発掘していたはずだと言うのだった。源蔵は古生物研究の学者だった。

 「俺の私有地から発掘したのだから俺のものだ!」と遺山。「……化石ってそんなに価値があるの?」と柿崎。華が、化石はものによって1億もの値段がつくこともあり、源蔵の発見した化石の価値も計り知れないのだと言う。「へえ。それで、その化石はどこに?」と柿崎。「この家のどこかだ、探してやる!」と遺山。「勝手に入って奪おうったって、そうはいかないから!」と明日香、柿崎の手を借りて、遺山を追い払う。

 柿崎らが源蔵の家に入ると、そこはまるでゴミ屋敷だった。大量の資料や価値の分からない石などがゴロゴロしていた。「ここにその“宝物”があるはずなんです。お願いです。義父の遺産をあの遺山から守ってください」と明日香。「本当にあるんですか、そんな化石……」と柿崎。柿崎の受け取る手数料は遺産相続額の20%。化石が見つからないと取り分はゼロになる。「大丈夫。化石がなかったとしても、この家と土地があります。見たところ、2、3千万の価値があるかと」と華。源蔵は15年前に離婚し、元妻は既に亡くなっており、相続人は、一人息子で明日香の夫、吉田清彦(岡山天音)だけだった。「もっとも夫は、両親の離婚以来、義父とは疎遠でしたが」と明日香。

 柿崎たちが化石を探していると、源蔵の発掘調査に融資をしていたという銀行員が返済を求めてやってくる。「義父に借金?」と驚く明日香。源蔵の借金は家と土地を売ってもまだ1千万円ほど残ってしまうのだった。そこへ清彦も現れる。「親父の遺産なんて何一つほしくない。相続は放棄する!」と清彦。「何言ってるの!?子供だってできるし、私たちにはお金が必要でしょ!」と明日香。清彦は化石ばかりに夢中で、家族を顧みなかった父を憎んでいた。「あいつは父親らしいことを何もしなかった」と清彦。

 それでも柿崎が源蔵の家を探っていると、保管箱に入った化石が見つかる。「それよ!専門家に見てもらいましょう!」と、華は化石を持って、古生物学者を回るが、“吉田源蔵”の名前を出すと、皆、冷ややかに鑑定を断り、華を追い返すのだった。

 一方の柿崎は、「化石を探そう」という子供向けイベントの案内人をしていた堀田愛子(山田真歩)に化石を見てほしいと頼んでみる。愛子は、源蔵のことを知っている様子で、その申し出を快諾するのだった。

 華は、源蔵が15年前に化石発掘の捏造事件を起こしていたことを知る。当時の新聞記事を柿崎に見せる華。「源蔵さんはこの事件がきっかけで、学界から干され、離婚し、家庭も崩壊したんです。きっと今回の化石の件も嘘です」柿崎は記事にある源蔵の研究チームの写真を見てハッとする。そこに遺山と愛子の姿があった。

 ある日の愛子は、化石を奪おうと源蔵の家に忍び込む。が、そこに柿崎がいた。「あなたが源蔵さんと同じ研究員だったとは。遺山さんとグルですか?」と柿崎。「違うわ!一緒にしないで!私は化石を遺山に奪われる前に吉田さんの成果として発表したいだけよ。15年前の捏造事件だって遺山が……」と愛子。捏造事件は、当時、学者としてうだつの上がらなかった遺山が仕組んだことだった。だが、捏造がばれ、金と権力にあかせて責任を無実の源蔵に押し付けた。その無念を晴らしたいと愛子。

 一方、遺山は華を訪れ、化石を自分に渡してくれれば破格の報酬を払うと話す。華はその話に乗り、源蔵の家にあった石を全て遺山に渡す。それらを遺山は鑑定するが、どれも無価値なものだった。「そんな!」と華。そこへ柿崎から「例の化石が見つかった。専門家の鑑定済みだ。間違いない」と連絡が入る。

 化石を持つ柿崎の元へ駆けつける華と遺山。「2千万払う!譲ってくれ!」と遺山。そこへ銃を持った黒ずくめの女がやって来て化石を奪っていった。「強盗だ!」と柿崎は女を追うが見失う。「……今のもしかして堀田愛子さん?」と柿崎。「堀田愛子?どうして彼女が!?」と遺山。「化石を売りさばくつもりかも!」と華。

 柿崎は化石を売り払う直前の愛子のもとへ駆けつける。「あなた、源蔵さんの名でそれを公表するんじゃなかったんですか?」と柿崎。「悪いけど、これがいくらするか分かる?4千万よ!」と愛子。「4千5百万で買う!」と遺山。「冗談じゃないわ!まだ名誉が欲しいの!?あんたには絶対に売らない!」と愛子。「堀田さん、でもそれ、あなたのものじゃないから」と柿崎。「5千万だ!5千万出す!俺に売ってくれ!」と遺山。

 柿崎は清彦の代理人として遺山に化石を5千万円で売った。手数料の1千万円を引いた4千万円を清彦のもとに運ぶ。「ふざけるな!俺たちの家族を滅茶苦茶にしたヤツに売るなんて!」と清彦は怒る。「いいんですよ。あれは偽物ですから」と柿崎。テレビのニュースでは、すでに捏造が発覚し、遺山が責められていた。柿崎は源蔵が化石を発掘できなかったことを見抜き、ニセの化石を遺山に買わせたのだった。「捏造には捏造を…ってね」と柿崎。唖然とする清彦。

 その清彦に柿崎は、源蔵の部屋にあったショックマンチョコのシールを渡す。幼い頃、清彦はそのシールが大好きだった。源蔵は、清彦の喜ぶ顔が見たくてそれを大量に購入していた。「だがあの事件で源蔵さんはそれを渡しそこねてしまった」と柿崎は、源蔵が大事にしていた清彦との写真を渡す。「お父さんはずっとあなたを思い、あなたに会いたかったんだ」と柿崎。清彦は受け取り、父の愛を実感するのだった。

 柿崎は無事、報酬の1千万円を受け取る。そのうち100万は、柿崎から化石を奪う強盗役を頼まれた水谷美樹(酒井若菜)へ。そして、残りはいつも通り、河原井正(豊原功補)が回収してしまうのだった……。

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