特別展快慶 日本人を魅了した仏のかたち特別展快慶 日本人を魅了した仏のかたち

展示について

第1章

後白河院(ごしらかわいん)との
出会い

 快慶の初期の作品について紹介します。現存する最初期の作品として、文治5年(1189)に造られた弥勒菩薩立像(アメリカ・ボストン美術館蔵)が知られています。そのわずか3年後には、快慶は当時まだ無名の仏師であったにもかかわらず、長らく権勢をふるった後白河院の追善(ついぜん)のための造像に抜擢されました。そこで手がけた京都・醍醐寺の弥勒菩薩坐像は、快慶の最高傑作の一つとして高く評価されています。

弥勒菩薩立像 弥勒菩薩立像
弥勒菩薩坐像 弥勒菩薩坐像

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第2章

飛躍の舞台へ 
―東大寺再興(さいこう)―

 治承4年(1180)、平氏の焼き討ちによって東大寺の主要伽藍はほぼ焼失。この再興の指揮をとった僧・重源(ちょうげん)とのかかわりの中で快慶は活躍の場を広げ、東大寺の多くの造像を手がけました。また、重源が信仰や勧進(かんじん)活動の拠点として各地に別所(べっしょ)の建立を進めた際、そこでの造像を一手に引き受けたのも快慶でした。兵庫・浄土寺や和歌山・金剛峯寺には、快慶の精力的な活動を物語る作品が残されています。

僧形八幡神坐像 僧形八幡神坐像
阿弥陀如来立像 阿弥陀如来立像
四天王立像のうち広目天 四天王立像のうち広目天

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第3章

東国への進出

 鎌倉幕府の要人から次々と造像の依頼を受け、東国でも広く活躍した運慶とは対照的に、東国に伝わる快慶の現存作品は2件にとどまります。静岡の伊豆山神社に伝わった阿弥陀如来坐像(現在は広島・耕三寺蔵)は、建仁元年(1201)に京都で造られ、その5年後に伊豆山に迎えられました。伊豆山で活躍した天台僧らが快慶作品を東国にもたらしたようです。この章では関連資料なども紹介し、東国における快慶の足跡をたどります。

阿弥陀如来坐像 阿弥陀如来坐像
阿弥陀如来立像 阿弥陀如来立像

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第4章

勧進(かんじん)のかたち 
―結縁合力(けちえんごうりき)に
よる造像―

 快慶が生きた時代、浄土宗の広まりとともに、みほとけと縁を結びたいという多くの人々の願いに端を発した造仏が盛んに行われるようになりました。自身も熱心な阿弥陀信仰者であった快慶のもとには阿弥陀如来像制作の依頼が次々と舞い込みました。快慶が造った京都・遣迎院(けんごういん)の阿弥陀如来像の中には、約1万2000人もの人々が署名をした「結縁交名(けちけんきょうみょう)」が納められていました。

阿弥陀如来立像 阿弥陀如来立像
印仏・結縁公名 印仏・結縁公名

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第5章

御願(ごがん)を担う 
―朝廷・門跡寺院(もんぜきじいん)
の造像―

 東大寺の再興を果たした重源が建永元年(1206)に亡くなった後、快慶は朝廷や門跡寺院の造像により深くかかわっていくことになります。後鳥羽院(ごとばいん)の護持僧(ごじそう)として活躍した慈円(じえん)による京都・青蓮院(しょうれんいん)関係の造像や、後白河院の皇女である宣陽門院(せんようもんいん)の発願による醍醐寺琰魔堂(えんまどう)諸像を、慶派仏師らとともに担いました。こうした造像を通して、快慶の仏師としての地位はより確かなものになったのです。

不動明王坐像 不動明王坐像
兜跋毘沙門天立像 兜跋毘沙門天立像

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第6章

霊像の再生 
―長谷寺本尊再興―

 快慶は、建保7年(1219)に焼失した奈良の長谷寺本尊・十一面観音像の再興に、大仏師としてかかわりました。快慶が再興した像はその後の火災で失われてしまいましたが、快慶の弟子・長快(ちょうかい)が、快慶再興像の余材を用いて忠実に再現した十一面観音像(三重・パラミタミュージアム蔵)が、その面影を今に伝えます。東大寺再興の後も、快慶は南都の主要な造仏を担い続けました。

十一面観音立像 十一面観音立像
釈迦如来立像 釈迦如来立像

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第7章

安阿弥様(あんなみよう)の追求

 熱心な阿弥陀信仰者であった快慶は、生涯を通じて阿弥陀如来の立像を造り続けました。仏の理想像を追求した快慶が生み出した格調高い阿弥陀如来像は、仏像の規範として長く受け継がれ、現在では快慶の阿弥陀仏号にちなんで「安阿弥様(あんなみよう)」と呼ばれています。この章では快慶初期の奈良・西方寺像にはじまり、快慶が生前最後にかかわり、弟子の行快(ぎょうかい)が完成させた京都・極楽寺像まで、阿弥陀如来像の名品を一堂に展示します。

阿弥陀如来立像 阿弥陀如来立像
阿弥陀如来立像 阿弥陀如来立像

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