ストーリー

第3話 10月29日(木)よる11:59~

  浅木晴也(玉森裕太)のもとに、能見美羽(新川優愛)が、バイト先の客、馬場洋二(矢柴俊博)を連れてきた。晴也が美羽のストーカー事件を解決したということを聞きつけ、やってきたのだ。その馬場は、三カ月前に出会った夏紀(丸高愛実)という浮気相手から脅迫されていると言う。夏紀が突然、浮気を馬場の妻、千鶴子(田中美奈子)にばらされたくなかったら100万円を払えと言い出したのだ。そして支払い期日が明日に迫っているにも関わらず、50万円しか用意できてないらしい。

  「で、俺にどうしろって?」と言う晴也に馬場は、夏紀の携帯電話を奪って馬場の送ったメールを全て削除してほしいと頼む。そこには、妻に対する罵詈雑言や愚痴がたくさん記載されていると言う。「あれを千鶴子に見られると、何をされるかわからない!」と恐れる馬場。呆れる晴也だが、「報酬ははずむ!」という馬場の言葉に引き受けることにする。

  早速、作戦会議のために馬場の家を訪れる晴也。家には、迫力のある千鶴子がいた。びくびくする馬場は、「馬場カメラ」という小さな会社の社長で、馬場が千鶴子と二人で立ち上げた会社だった。

  その夜、晴也たちは、キャバ嬢の夏紀が勤めるキャバクラへと行く。客として夏紀に近づき、携帯のメールを消そうというのだ。入口で晴也と篠原俊喜(阿見201)が見張り、店には窪寺和臣(高田翔)と、助っ人の磯部克夫(宇梶剛士)が入った。さらに美羽までもが体験入店のアルバイトとして忍び込んでいた。夏紀が現れ、和臣がうまく夏紀の携帯に手をつけようとするが、酔っ払った磯部がキャバ嬢の胸を触って暴れ出す。騒ぎになって、黒服に捕まえられそうになる磯部ら。美羽の機転でその場を乗り切るが……。

  計画が失敗に終わった晴也たち。翌日、馬場は、夏紀に50万円を持っていく。約束の金額に足りないと怒る夏紀だが、また連絡すると言って去っていく。その夏紀の態度に違和感を感じ、夏紀を尾行する晴也。「なにを探ろうとしてるんだ?」と尋ねる和臣に、晴也は「なんかおかしくないか?金がいるなら店にもっといい客がたくさんいただろ?なぜ、よりによって馬場さんなんだ?」と答える。

  すると夏紀は、喫茶店である男と会っていた。何かの相談をしていた夏紀は、おもむろに電話をかけ出した。しばらくすると、晴也のもとに馬場から電話が入る。「夏紀が今度は、300万円用意しろと言ってきた!」と言う馬場。夏紀の電話相手は馬場だったのだ。その成り行きに、「……美人局か」と晴也。夏紀と男がグルで、馬場を騙していると悟る。「でもどうして馬場さんに?」と晴也は、心当たりがないか馬場に尋ねる。覚えがないという馬場。晴也はもう一度、夏紀が男と会うよう仕向けるため、馬場に「期日を延ばせば500万円払う」と夏紀に連絡を入れさせ、様子を見ることに。

  連絡を受けた夏紀は、男と会うべく出かけ、晴也は尾行する。男と会う夏紀。晴也はその男の持つライターに見覚えがあった。馬場の家で見たものだった。

  馬場に尋ねると、ライターの持ち主は、和田信弘(藤重政孝)という男で、馬場の妻、千鶴子の弟だった。事実を知った馬場は怒りに震える。それを見た和臣は「これ以上は家族の問題だ。もう関わらない方がいいんじゃないか?」と言うが、晴也は「……俺、やっぱり、ほっとけないわ」と馬場のもとに。

  「義弟は千鶴子とグルだ。あいつらは、俺に会社の金に手をつけさせ、横領で追い出そうとしてるんだ。その上で、会社を大手企業に売って金儲けしようとしているんだ!」と馬場。思えば、夏紀と出会ったきっかけも和田だったと、振り返る馬場。

  「どうするんです?」と晴也、馬場は「ケジメをつける。君には迷惑をかけない」と。それに対して晴也は「奥さんと離婚して、弟ともども会社から追い出せたら、気が晴れますか?」と馬場に言う。え?と馬場。「そりゃあな。でも証拠がないし、あの千鶴子がおとなしく離婚するわけがない。慰謝料ふんだくられて俺は丸裸にされるよ」

  晴也は、夏紀のもとへ行き、馬場を恐喝していたことを警察に訴えない代わりに、馬場に協力するよう依頼する。だが夏紀は、ただ自分は和田に雇われてやっただけで、別に警察にパクられようとかまわない、と開き直る。結局、夏紀に馬場が謝礼を払うということで、協力を得ることになる。夏紀に和田を呼び出してもらい、二人でいるところを写真に収める晴也たち。

  それを証拠として、晴也たちは馬場と、千鶴子と和田のもとへ向かう。晴也は千鶴子にその写真を見せ、夏紀と和田がグルになって馬場を陥れようとしたことを指摘するが、千鶴子は、すべて和田が勝手にやったことだと開き直るのだった。千鶴子と和田がグルである証拠はない。そこで晴也は、千鶴子と和田を部屋に残して、一旦その場を立ち去り……。

  晴也たちと馬場がいなくなると、突如、千鶴子と和田は、「どうして気付かれた?」と疑心暗鬼に語り始める。それらの様子が、馬場が仕込んだ隠しカメラにバッチリ収められていた。その映像を、千鶴子に突き付ける晴也。なおも悪びれない千鶴子に、「二人で起こした大事な会社だったんじゃないのか」と晴也は語りかけ――

  後日、「喫茶&スナック アラバマ」には、馬場から報酬を受け取った晴也がいた。馬場は、千鶴子とやり直すことになったと言う。そして晴也のもとに入った報酬は、すべて家賃やツケ代として奪われそうになるが、なんとか、溺愛する妹、楓花(篠川桃音)の誕生日プレゼント代を確保するため、逃げる晴也だった。
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