大阪を拠点とし、東京にも事務所を持つ弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所のパートナー弁護士。
大学時代は剣道に打ち込み、卒業後、一般企業に就職。
法務部員として勤務し、アメリカ駐在中に司法試験に合格、弁護士となる。
企業の国内外の案件や企業再生案件を取り扱うほか、離婚事件などの市民事件にも積極的に取り組んでいる。座右の銘は「あきらめなければ必ず道は開ける」。
京都大学出身。京都市在住。
大阪を拠点とし、東京にも事務所を持つ弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所のパートナー弁護士。
大学時代は剣道に打ち込み、卒業後、一般企業に就職。
法務部員として勤務し、アメリカ駐在中に司法試験に合格、弁護士となる。
企業の国内外の案件や企業再生案件を取り扱うほか、離婚事件などの市民事件にも積極的に
取り組んでいる。
座右の銘は「あきらめなければ必ず道は開ける」。
京都大学出身。京都市在住。
みなさん、第10話はいかがでしたか?
今回は嫁姑問題と夫の不貞行為の時効がテーマでした。
姑による嫁いじめも、嫁から姑に対して慰謝料請求を行うことが可能な場合もあります。
でも、単に家事ができていないなどと、ちくちく嫌みをいわれる程度ではダメです。
いじめが嫁の人格を否定するものであるなど、いじめが違法性を帯びる程度のものであることが必要です。
ドラマでは、姑である智枝が、嫁である美紀をいびっていました。
なかなかひどいですが、これだけで、慰謝料が発生するかといわれると、なかなか難しいところです。
でも、その嫁いびりは、実は、俊介とゆり子の不貞行為を助け、俊介と美紀の結婚生活を壊すためものでした。
このことを考えあわせると、智枝の行為は違法性を帯び、美紀は智枝に対して慰謝料を請求できると考えられます。
次に、不貞行為の時効ですが、不貞行為は不法行為ですので、損害と加害者を知ってから3年間で時効にかかります。
俊介は3年前に不貞を働きましたが、美紀はそれを許し、3年が経過しました。
俊介に対する慰謝料請求については、俊介が加害者ですので、美紀は3年前に損害と加害者を知っていたこととなり、時効が成立したようにも思われます。
法律知識のある俊介はこれを知っていて、開き直って、3年前の不貞行為の相手がゆり子であることを認めました。
しかし、俊介は大きな見落としをしていました。
不貞行為は配偶者とその不貞の相手方の共同不法行為ですので、被害者は、双方に対して慰謝料を請求できます。
そして不貞行為の相手方に対する慰謝料請求権の時効期間は、加害者、すなわちその相手方を知ってから進行します。
美紀は、今回初めてゆり子が不貞の相手方であることを知ったため、ゆり子に対する慰謝料請求権は時効にかかっていなかったのです。
共同不法行為者の一方が弁済をすれば他方の支払義務も消滅しますが、弁済以外の一方の事情は他方に影響しません。
ですので、俊介に対する慰謝料請求権が時効にかかっても、それはゆり子に対する慰謝料請求権には影響しないのです。
(なお、夫婦間では離婚後6ヶ月間は時効は成立しません。ただ、美紀は3年前の俊介の不貞行為を許しており、慰謝料の支払義務を免除していたといえるので、慰謝料請求はできませんでした。この免除の効力もゆり子に対する慰謝料請求権には影響しません。)
自分が慰謝料を支払わなければならないことを知ったゆり子は、思わず、俊介と智枝の作戦をばらしてしまいました。
これにより、俊介とゆり子の不貞行為が継続していたことも明らかになりました。
そうであれば、不貞行為が継続している間は慰謝料請求権は時効にかかりませんし、3年前より後の不貞行為については美紀は許していないため、美紀は俊介に対しても慰謝料請求ができることになりました。
実は不貞行為が継続しているかどうかについては証拠がありませんでしたが、袴田は、言葉巧みに、俊介、ゆり子を誘導して不貞行為の継続を認めさせました。
これにより、美紀は智恵、俊介、ゆり子に対してトリプルで慰謝料を請求することができたのです。
次回もお楽しみに。