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2016 08.16

Makuake 坊垣佳奈が語る これまでのキャリアとクラウドファンディングにおける”サポート”の重要性

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最先端テクノロジーとオープンイノベーションをテーマとした読売テレビのスペシャル番組『ハッカテン』出演者へのインタビュー。

今回は、急成長を遂げるクラウドファンディングサービス「Makuake」を運営する株式会社 サイバーエージェント・クラウドファンディング 取締役 坊垣佳奈さんに話を聞いた。

兵庫県出身(育ちは茨城県)、同志社大学卒の坊垣さん。学生時代に得た経験やサイバーエージェント入社後クラウドファンディング事業に関わるまでの足跡、Makuakeが手厚く行っているクラウドファンディングにおけるサポート面について語って頂いた。

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新卒後すぐに子会社の立ち上げも経験。これまでの経験で今に活きていること

ー関西で過ごされた大学時代、今に活きていることはありますか?

坊垣:大学時代は心理学を学んでいました。大学では実験・研究が面白かったです。マウスを使って実証実験したり、子どもに来てもらって態度変容を調査したり。

同志社大学に行ったのは、この心理学の実験・研究が面白そうだと思ったことと、(高校時代までと)違う文化圏で生活したかったということが理由です。京都の新旧織り交ぜ、新しいニーズに合わせていく感じはとても刺激的でした。実際、街の変化が大学に通っていた4年間でも結構ありました。

ーそこからサイバーエージェントに入社されて、クラウドファンディングに関わるまでの経緯を聞かせて頂けますか?

坊垣:心理学を学んでいたし人も好きだったので、スクールカウンセラーや産業カウンセラーなど、カウンセリングを生業にしようかとも思っていたのですが、実体験を元にしたカウンセリングが出来ないといけないなと。例えば産業カウンセラーをするにしても、ちゃんと自分に社会経験があった方が良いだろうと。ならばとカウンセラーではなく早々に進路を変えて、就職活動をしました。その中で新しいことに興味がありましたし、これから働き方も多様化して「どこどこ(会社)の誰さん」という世の中ではなくなるだろうとも思っていましたし、早く自分の名前でご飯を食べられるようにならないといけないなと思ったんですね。そんな中で大手企業からも内定は頂いたんですが、親も名前を知らなかったような状況でしたが、一番早く経験値を積めそうなサイバーエージェントに決めました。まだ周りではネット業界に行く人がちらほら出る位の頃でした。

その流れで入社後も、いかに早く大きな意思決定を任せてもらえるかという観点で環境を選んでいます。入社直後はまず子会社の立ち上げでした。最初から参画しているので4年目位で役員になって、次に手がけたソーシャルゲームの領域は、人の採用やマネジメントが出来る人が欲しいということで異動しました。その後は、クラウドファンディングの領域が盛り上がり始めたころで、新しいチャレンジをしようと決意し、今に至ります。色んなことをやってきて良かったのは、様々な領域の様々な仕事をやってくださる方の立場でものごとを考えられるようになったことですね。それは社内外問わずです。

手厚くサポートして沢山金額を集めることを目指す

ーMakuake立ち上げの当時のクラウドファンディング市場は、どのような状況でしたか?

坊垣:参入した2013年8月当時、クラウドファンディングは何故市場が大きくないのかと考えた時に、社会貢献や個人の自己実現をイメージした市場になってきているのではと感じました。それはもちろん必要な使われ方なのですが、その市場のみではお金を出す人と金額が日本の文化の中だと限られているのではないかと思ったんですよね。もっと消費に結び付けていった方が伸びるなと。そこで、クラウドファンディングをビジネスの領域で使ってもらえる方法を戦略的に考えて、その立ち位置を取ったら、成功するプロジェクトが結構出てくるようになりました。

ーMakuakeの特徴であるキュレーター制度、サポート体制の考え方についてもお聞かせ下さい。

坊垣:例えばアメリカのKickstarterは手数料が弊社より低いんですが、その分サポートは少ないです。そんな中どう成功させているかというと、広告代理店やPR会社やコンサルがくっついて、集まった金額がそちらにも流れていくんです。日本では新しいことを始める土壌がアメリカと比べるとまだまだで、例えば地方でいいものを作っている人が広告代理店を使うのも難しい。ならば内製でフォローする方がスムーズだし、そのやり方の方が日本ではいいという考え方です。パートナーとして、プロジェクトの魅力を引き出して、一緒に考え、デザインしていきます。

金融機関と連携してクラウドファンディング終了後の融資につなげていったり、(Makuakeの)伊勢丹の常設展示や東急プラザ銀座7階の東急ハンズが手掛ける新業態施設「HANDS EXPO」にもブースがあるので流通面もサポートしたり、フォロー範囲はすごく広いですね。

手数料は現在20%で、できるだけ下げたいとは思うのですが、低いパーセンテージの手数料より、手厚くサポートして沢山金額を集めていくということを目指しています。実質の手元に入るお金も重要ですが、金融機関に対して「これだけ集めた」と実績として言えたり、流通でも「これだけ売れたなら置いて下さい」というオーダーが来ることもありますし。

ー今後の展開はどのようにお考えですか?

坊垣:一つは、国内と同時進行で、海外から日本のいいものにお金が入るような状態を目指していきたいということです。もう一つは、クラウドファンディングという言葉自体は浸透してきましたが、いざ自分が使おうと思っていない方はまだまだ多いので、いかに使おうと思ってもらえるか日本全国まで広げていくということですね。金融機関や自治体、商工会議所と連携していい商品やいい企業を発掘していきたいです。

関西は意外にも腰が重い?気軽にチャレンジしてほしい

ー関西発のプロジェクトも多いかと思いますが、「関西らしさ」として感じられている面はありますか?

坊垣:興味を持たれたり、クラウドファンディング自体は知っている方が多いんですが、いざ使うとなると腰が意外と重いです。他の地方と比べても重いかもしれません。例えば九州は結構身軽ですね。関西は商売人気質からか、「本当に儲かるのか」などチェックがシビアなのかもしれないです。

関西の中では案外、京都は外から「京都で何かやりたい」と来ている人が一定数いるので、そういう方の動きは早いですね。

ーその腰の重さを解消していく為には…

坊垣:やはり事例が増えることだと思います。

ー番組で紹介された、「パノラマ映像」と「Raspberry Pi(世界で約1000万台販売の小さくてもパワフルなシングルボードPC)の拡張性」を融合することでVRガジェットを生み出すプラットフォームの構築を目的とした360度パノラマカメラ「Picam360」も、関西発のプロダクトですよね。

坊垣:商品もよいですし、この領域(360度パノラマカメラ)は今人気ですから、クラウドファンディングを通して全国的に興味を持ってくれるユーザーに届くチャンスがありますよね。

ーこれからクラウドファンディングを使おうかなと思っている方には、どんなことを伝えたいですか?

坊垣:市場にいきなり出しての失敗はよくないことですが、クラウドファンディングでの失敗はいくらでも取り戻せます。市場調査にもなりますし、ネットを通して全国的にPR出来ますから。いいものが関西にも沢山眠っていると思うので、もっともっと気軽にチャレンジしてほしいですね。

坊垣佳奈
株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング 取締役

兵庫県生まれ茨城県育ち。同志社大卒業後、2006年サイバーエージェント入社とともに、株式会社サイバー・バズの立ち上げに携わる。2010年同社の取締役に就任。その後、ゲーム事業子会社2社を経て、2013年株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングの立ち上げに参画し、取締役就任。

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