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2016 07.22

海遊館×ハッカテン「番組を、継続した企画のきっかけに出来ると良い」

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最先端テクノロジーとオープンイノベーションをテーマとした読売テレビのスペシャル番組『ハッカテン』のキーパーソン達へのインタビュー。

今回は、前回の放送で「大阪を Hack せよ!」というテーマで行われた番組内ハ ッカソンでの舞台の一つとなった海遊館の担当者へインタビュー。

1か月にわたって行われた番組内ハッカソンで生まれた様々な施策を、実際に館内で実施した過程で感じた、新たなテクノロジーと出会うことや、テレビ番組がきっかけとなった企画の意義とは。

株式会社 海遊館 の運営チームサブマネージャー・学芸員の萱島潤さん、飼育展示部 普及交流チームマネージャー 高山紀代さん、そして広報担当の西村早苗さんにお話をお聞きしました。

「こういう風にプロジェクトを進めていけばいいんだな」と感じた会議

今春放送の「ハッカテン」では、株式会社 HackCamp 代表 関治之さん率いるチームが開発したサービスパッケージ「おおさかな大学」の舞台となった海遊館。

2月某日、実際の館内を丸1日使って、テクノロジーを用いた様々な試みが実施されました。Pepper や BOCCO などロボットによる施設案内やクイズ、暗い館内でも逆光にならずに写真を撮影できるフォトスポット、水槽の中を泳ぐヘビ型ロボット、画像認識でイトマキエイを探すゲームアプリ、カメ目線の水中 VR 映像、イルカのコミュニケーションを体験するために超音波を発する指向性スピーカーなど・・・来館者は、カード型の Bluetooth デバイスを使った学生証を持って、館内に仕掛けられた「おおさかな大学」のアトラクションを次々に体験する、という趣向でした。

※関連記事:関治之(HackCamp)×ハッカテン「関西はコミュニティの熱量が高く、スピード感もある」

ー番組では、関さんチームの会議(アイデアソン)に海遊館の皆様も参加されて、一緒にアイデアや想いを共有するシーンもありました。これまでは、社内で企画を出し合う時はどのような形で会議を行うことが多かったのでしょうか?

西村:以前は、例えば飼育の方、営業の方…など、部署それぞれで企画を出すことが多かったです。今は体制も変わってきて、部署の垣根を超えて、プロジェクトチームを作って企画を出し合うことが多くなってきています。

萱島:部署の垣根を超えて隣同士で意見交換をして、「ここはこうしたい」などと描いていることを言い合って、未来像を想像しながらそこに向かっていく方法を考えていくという機会は今までなかったので。関さん達との会議は「こういう風にやれば、他の部署と連携してできるのかな」「こういう風にプロジェクトを進めていけばいいんだな」と思うきっかけになりました。一つの部署だけでは当たり前の意見になりがちなのが、他の部署から意見が入ることで、内容を膨らませられるようになってきているのかなと思っています。
現在開催中の企画展「デスモスチルスのいた地球」ですとか、その他にもいくつか各部署をまたいだプロジェクトチームを作って、様々な企画が動いています。「ハッカテン」がきっかけになったかどうかはわかりませんが、会社全体としてもそういった進め方が増えましたね。

ー番組では、例えば「ヘビ型ロボット」を実際の水槽に入れるなど様々な企画が持ち上がりましたが、調整は大変だったんじゃないですか?

高山:生き物がいる施設の中に人工物を入れるというのはなかなかハードルが高いです。それを入れることによって生き物に影響は無いか、当たって怪我をしないか、水が汚れたりしないか、など、あらゆるところをクリアしてできるものなので。ただ現場としてはお客さんにも楽しんでもらいたいし、生き物にも影響がなければ、色んなことにチャレンジしたいという思いでした。

ー西村さんは放送の中でも「こんなに苦労した一週間はなかった」とおっしゃっていましたが…。

西村:例えば BOCCO を一定の場所に置くならば、お客さんが沢山いらっしゃる施設の中で一定の場所に置いてもいいか、そしてどこに置くかという調整が必要でした。「イルカ型の超音波デバイス」を館内で使用したいというお話があった際には、どういう超音波でそれは生き物に影響を与えないかどうかを確認したり。イトマキエイの画像認証アプリでは、(機械学習で画像を覚え込ませるために)どれだけたくさんの画像を用意したか…実はこの準備、一週間と言いましたが実質三日間くらいでした(笑)。

ー実際に営業中の館内で企画を実施するということで、意識された点などはありましたか?

萱島:お客様にも今回の施策に参加して下さっている方と、通常の形で見に来て下さっている方の両方がいるので、参加していない方の導線も意識して、両方の方に楽しんでもらえることは意識しなければと思っていました。ただ皆さん協力頂いたので、難しくなることはなかったですね。「ここまでなら出来る」と今までにない企画をやってみて気づいたこともありました。

ーチームのみなさんは番組の企画が終わった後も「あのサービスはもっとこうしたい」「こんなことも出来る」などと盛り上がって、完成度を高めているようですよ。海遊館の皆さんとは、収録が終わった後も交流があるそうですね。

萱島:そうですね、改めて意見交換をして、「新しい技術があれば教えてくださいね」「僕らも何かあれば一緒に出来たらいいと思っています」という話をしています。

収録日の一日限りではなく、継続した企画として導入したい

ー「ハッカテン」という番組の意義については、どのようにお考えですか?

萱島:今回企画を実現出来たのは一日だけでしたが、日々楽しめるものに作り上げられたらいいなと思いました。実際に継続した企画として導入して、毎日のお客さんの満足度が上がるところまで追いかけたいです。これは関さんチームの皆さんにも話しました。ああいう風に未来図を考えると、やはりもっと先まで実現したくなりますね。

西村:やっぱり企画が収録日の一日で終わってしまうにはもったいないなと思いました。今回は実際に館内で行ったのは一日だけでしたが、あれだけすごい技術を持った方々がいて、萱島や高山の思いも会議で聞くことが出来て「これだけ海遊館が好きなんだ」と二人の意見が聞けたことも良かったですし。

萱島:番組の企画で終わりではなく、そのあとも我々が継続して使えて、お客さまの満足度をあげるアイテムになればいいと思いました。

ー今後、海遊館さんではテクノロジーの活用は進んでいくものなのでしょうか?

萱島:やはり主役は生き物ですからね。生き物を見せるためにより効果的だったり、生き物を見て感じてもらうきっかけになったりするものであれば導入していきたいなと思っています。

海遊館では、「生き物たちの”謎だらけ”の進化」をテーマに、貴重な標本をはじめ、デジタルアトラクションや生きた化石と呼ばれる生き物の展示などを楽しめる、7月15日よりスタートしたばかりの企画展「デスモスチルスのいた地球〜謎だらけの古代生物たち〜」(2017年春まで開催)や、世界で初めてとなったミナミイワトビペンギンの人工授精の成功(繁殖率向上を目的にかねてより研究を行ってきた)、色や模様が美しくかわいい生き物をぎゅぎゅっと”と集めた企画展示「ぎゅぎゅっとキュート」(2017年5月7日まで開催)など、この夏も最新の動きが盛りだくさんです。

海遊館WEBサイトはこちら

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