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2016 07.15

関治之(HackCamp)×ハッカテン「関西はコミュニティの熱量が高く、スピード感もある」

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最先端テクノロジーとオープンイノベーションをテーマとした読売テレビのスペシャル番組『ハッカテン』が今夏放送される。今春にOAされた前回の「ハッカテン」のキーパーソン達へのインタビューの第2弾。

今回は、「大阪をHackせよ!」というテーマの下、行われた番組内ハッカソンで、大阪の水族館「海遊館」を舞台にしたチームを率いた株式会社HackCamp代表 関治之さんに話を聞いた。

数々のハッカソンを企画・運営している関さんが感じた、通常のハッカソンと「ハッカテン」の違い、また今年4月からは神戸市のチーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)としての活動もスタートした中で感じている、関西の特徴とは。

「作って終わり」ではなく、「現場でどう使うか」も含めて実践

今春の「ハッカテン」にて、関さん率いるチームは「おおさかな大学」をテーマに、海遊館の館内にPepper”学長”、ピカピカードというカード型のデバイスを活用したスマート学生証、水槽の中を泳ぐヘビ型ロボット(ハイボット「ACM-R5H」)、カメの目線で体験できるVRなど様々なデバイスを設置、各ポイントを巡ることで魚のことをより深く学べるという仕掛けを行った。その模様は関さん自らこちらのブログ記事でも綴っている

ー「ハッカテン」という番組に参加して、印象に残った点はありますか?

普通のハッカソンと違い、現場で使ってみる、しかもお客さんを呼んで、というところですね。現場での色んな想定外のことをなんとか乗り越えたときの達成感は、普通のハッカソンとは違うものだなと思いました。

ー海遊館を舞台にして様々なアイデアを形にされていましたね。

海遊館さんはこれまでも新しいことを色々されてきたからこそ、我々が提案したものも結果的に全部やらせて頂いたのだと思います。実際にお客さんを入れて、テストして、というところにも非常に協力して頂けました。

例えばロボットを水槽に入れるという時も、実際に動かしてみると音が大きいとか、安全面はどうなのかとか、そんなやり取りはあったんですが、粘り強く説得をして、最終的にOKをしてくれた懐の深さはすごいなと思いました。

番組終了後も大阪在住のメンバーと海遊館さんで飲み会をして、いろんなアイデアが出てきて「通常の展示の中でも何かやりたいね」という話が出たそうです。僕も今度大阪に行ってお会い出来ることがあれば、企画をご提案してみたいなと思っています。

ー「ハッカテン」という番組の意義については、どのように感じましたか?

私は東京からの参加でしたが、実際に大阪在住のメンバーが活躍した印象は残っています。その地域のことをよく知っている人が、実際に現場で技術を駆使して活躍、そこから繋がってまた(これからの企画として)花開く可能性もあるかもしれない。そういった機会は意義深いなと思いましたね。海遊館さんも「一緒に考えながら作ることはすごく新鮮だった」とおっしゃってくださいました。

また、テレビの収録日・放送日が決まっているという形があったからこそしっかりとしたクオリティを出せたのだろうと思います。「放送される」というプレッシャーは「アリ」なんだな、と思いましたね。

ー今後「こんな企画があったらいいな」というアイデアがあれば是非教えてください。

体を動かすような、例えばIT×運動会のようなことは実現出来たら面白いですよね。やりたいですね。弊社でも今年「本当に走るハッカソン」という、マラソンをハックするハッカソンをやったんですが、参加者の方もすごく喜んでくれたんです。ペッパーが応援するとか、ハイタッチロボットとか、ピカピカードという海遊館でも登場したカードも使いました。

ーフィジカルなものに関心を持つ理由は何でしょうか?

いろんなデバイスのハックは当たり前になってきているので、あまりITが入って来なかったところに関心があります。屋外はもちろん最近は「おうちハック」などもそうですが、本当に環境というものは人間にとって大事だなと。

HackCampとしても「フィールド」に注力し始めたのですが、「ハッカテン」もそのひとつのきっかけになったように思います。「作って終わり」ではなく、作ったものを現場でどう使うかも含めてセットでやっていこうという機会が最近多くなっていますね。

神戸市でのスタートアップ支援の取り組みに参画

ー今年の4月からは神戸市のチーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)としても活動中の関さん。いま神戸でどんなことをされているのでしょうか?

非常勤という形で、自由度が高い役職で思いついたことをやってください、という感じです。とは言えいくつかミッションがあります。それは、スタートアップの育成に神戸市が力を入れていて。市としてはどういう取り組みをやっていくのがいいのかを一緒に考えるということです。またスタートアップのエコシステムをつくるのに適した方を連れてきて、神戸市を大好きになってもらって、支援してもらえるようにするという動きも大きいですね。

ー外部の方は、神戸のどういったところに惹かれるのでしょうか?

神戸市の姿勢ですね。自治体としてはありえないくらいアグレッシブで、「あ、ここは本気でやろうとしているな」ということを感じて頂いています。

ー具体的にはどのような活動をされるのですか。

例えば今年の夏に、「500 Startups(シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタル)」による、スタートアップのためのアクセラレーションプログラム「500 Kobe Pre-Accelerator」を行います。それ以外にも、ピッチによる審査を通過したスタートアップは三宮にある「神戸スタートアップオフィス」に入り、メンタリングなどの支援を受けられます。

さらに今年度内にやりたいのは医療系スタートアップが集まる場所にするということですね。市内の研究所や大学と一緒にハッカソンを企画したいなと思っています。神戸は医療産業都市という政策の元、関連する企業が集まっていますが、オープンイノベーション的なことはまだ起こっていないように感じます。きっかけをつくっていくことで、今までいたであろう色んな会社の新しもの好きの方があぶりだされてくるといいなと思っています。

ー関西で活動をされていて、関西ならではと感じることはありますか?

地域愛が大きいので、神戸や大阪はコミュニティの熱量が高く、頑張っている人達が近いので、話が進むのも早いですし、スピード感があるなと思います。

ー神戸での活動を中心に、これから関西をどう盛り上げていきたいとお考えでしょうか?

スタートアップがどんどん成長していくという形にしたいですし、東京にあるようなすごく急成長するスタートアップもいれば、地域課題を解決したり、例えば地銀さんに支援頂いたりするようなスタートアップがあってもいい。そういった「急成長系」も「地場系」もお互い刺激し合うようなコミュニティを作っていけたらいいなと思っています。

関治之
株式会社HackCamp 代表

「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。東日本震災時に sinsail.info という震災情報収集サイトの代表を務め、被災地での情報ボランティア活動を行なったことをきっかけに、住民コミュニティとテクノロジーの力で地域課題を解決する「シビックテック」の可能性を感じ、2013年10月に一般社団法人コード・フォー・ジャパン社を設立。以後代表理事を務める。
また、位置情報を使ったシステム開発会社、合同会社Georepublic Japan 社や、企業向けのハッカソンなどの、オープンイノベーションを推進する株式会社HackCampの代表も務めている。

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