Story ストーリー

第3話

第3話 2016年4月28日(木)よる11:59 OA

  ドクターカーが猛スピードで走る。病院に直接出動要請あり、患者は意識不明の昏睡状態、それ以上の情報は無し。車内でスタンバイする天童一花(剛力彩芽)、弥生(久保田麿希)、岡村(伊東孝明)、ハンドルを握る権藤(遠藤雄弥)。そして、いつになく張り切っている朝城勇介(中村俊介)。

  到着したのは大きな屋敷、田宮邸。飛び出して行く一花たち。しかしそこで待っていたのは、二日酔いで目眩がしただけの海運会社会長の田宮幸秀(久保晶)。唖然とする一花。そんな一花をよそに、手厚く田宮を搬送する勇介。そこへ救急よりドクターカーへ出動要請が入る。建設現場に於いて事故発生!重傷者多数。勇介からの出動指示を待つ一花だが、勇介の返事は「患者搬送中」で出動を断るものだった。驚く一花は「緊急事態です!」と抗議するのだが、「お前は患者を選り好みするのか?それでも医者か!?」と逆に勇介に罵倒されてしまう……。返す言葉がない一花。

  結局、ドクターカーの出動は無いままだったが、事故現場からの患者の救助と処置は無事に完了する。その結果に自分の判断に間違えは無かったとご満悦の勇介。そしてドクターカーが現場に間に合わなかった原因は権藤の運転ミスだと言い、権藤に始末書を書くように指示する。納得できない一花。また、一花は、弥生から権藤は三ヶ月前まで救急隊員だったが、医師の許可なく患者に気管挿管したことがきっかけで辞めさせられ、それにつけ込んだ勇介が自分に絶対服従する家来として雇ったことを聞かされる、やりきれない思いの一花……。

  翌日、車庫でドクターカーの掃除をしている一花と権藤。そこへ勇介と院長の田所幸雄(木下ほうか)が、地元の名士達を連れてやって来る。実はドクターカーの搬送により田宮から多額の寄付の申し出を受けた勇介は、それを新たなプロジェクトにし病院の懐を潤わそうと企んでいた。「これが、朝城総合病院が日本、いや世界に誇るドクターカーです!」と高々に言う勇介。

  更に支援してくれた名士には、優先的にドクターカーを使用できるようにするなどと、まるでドクターカーがタクシーかのような発言をする勇介に唖然とする一花。そんな中、一花は、名士の一人、市議会議員の神蔵義則(小宮孝泰)の運転手、一之瀬正夫(朝倉伸二)の動きがおかしいことに気づく。

  夕方、一之瀬が気にかかる一花は、神蔵の屋敷を訪ねる。そして洗車をしている一之瀬に身体の具合を聞くのだが、大学進学を控えている息子を抱える一之瀬に、今仕事を失うわけにはいかないと言われ、一花は無理矢理追い返されてしまう。しかし、一之瀬は腰と背中に相当な痛みを感じている様子で……。

  翌日、勇介の指示で交通事故現場に向かうドクターカー。そこには、愛人宅に向かう途中に自損事故をした神蔵とその運転手・一之瀬の姿が。状況が状況なだけに、警察沙汰にしたくない神蔵が救急車代わりにドクターカーを呼んだのだった。現場の処理をするという一之瀬を残して、軽傷の神蔵を搬送する一花達。すると車内で、神蔵から、一之瀬が急に痙攣した後、居眠りをして事故を起こしたと聞いた一花は、今まで見てきた一之瀬の一連の様子が脳裏に浮かび、一之瀬が大動脈解離ではないかと疑うのだった。「止めて下さい!今すぐ現場に戻って!」と叫ぶ一花。しかし、勇介はこのまま病院に行くよう権藤に指示をする。それならばと、救命バッグを持ち一人車から降りる一花。そんな一花に「クビにしてやるぞ!」と言い放つ勇介。しかし、一花は「私は、一刻も早く現場に駆けつけ、患者さんを救う為に医者になりました。バカ野郎!」と言うと一之瀬のもとへ走る。

  一花が駆けつけると一之瀬は意識を失い、倒れていた。危険な状態。しかし、一花が持っていた医療器具では治療が間に合わない。一花は小型無線に向かい、ドクターカーに現場に戻ってくるよう訴えるのだが……。果たして、ドクターカーは現場に戻って来るのか!?一花は瀕死の状態の一之瀬の命を救うことができるのか!?

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