ストーリー

22時限目
9月12日(土)
鑑クンのお城

  早朝、鑑は電話の着信で目が覚める。かけてきたのは人類最高の頭脳が集まるスイス・ジュネーブにある素粒子物理学研究所、CERMの所長、ティム・バーナーズ・リン博士だった。ティムはYDなのに教師をやっている理由を鑑に訊ね、お前が本当にやりたいのは教師じゃないはずだと言い放つ。そして、ティムは日本時間の今夜、それを思い知る事になると鑑に伝えて電話を切る。この後、鑑は部屋を見渡し、自分のやりたい事がおろそかになっている事に気付く。

  鑑が元気なく銀杏学園にやってくると、校門前ではマキナが竹刀を持ちながら生徒たちの服装チェック。グラウンドではサッカー部の朝練に参加する七海が強烈なシュートを決めていた。放送室では花音が楽しく放送をしていて、中庭では切子がチア部の部員たちにダンスを熱心に指導。教室では騎咲がアシスタントの光太郎とマンガの原稿を描いていた。鑑は生き生きとしている生徒たちも元気なく見ていく。鑑はお前が本当にやりたいのは教師じゃないはずだというティムの言葉を思い出していた。

  この後、鑑は屋上で暦に声をかけられる。暦は鑑と関わった生徒たちは自分の本質に気付いてどんどん面白くなったと喜ぶ。面白さは影響を受けた他の生徒たちにも広がり、暦はこれが日本全体に広がる事に期待していた。暦の計画は全て順調だったが、鑑は1つだけ致命的な欠陥があると本音を吐露。そして、鑑は俺がやりたい事は教師じゃないと言い捨てて去っていく。夜、ティムの緊急記者会見が生中継される。ティムは質量を持つ物体の瞬間移動の実証実験に入ると発表。CERMの最終目的は簡易型空間歪曲転移ゲート発生装置、通称“どこでもドア”を製造する事だった。

  ただ作りたいモノを作るのがCERMの行動理念だと胸を張るティム。鑑は駅前の巨大モニターで放送を偶然見かけ、自分のやりたい事が教師じゃない事を思い知る。この後、鑑がメイド喫茶でジュースをやけ飲みしていると、高校の同級生だった刀祢大和がやってくる。2人は卒業以来、6年ぶりの再会だった。鑑は科学同好会で大和と一緒に“どこでもドア”を作ろうとした事を思い出す。

  新日本総合研究大学院大学、KEC所属の大和はスカウトに来た事を鑑に告げる。“どこでもドア”の開発が国家プロジェクトとして認可されたらしく、大和はそのプロジェクトのリーダーとして、このドアの開発を指揮して欲しいと鑑に頼む。そして、大和は鑑クンのお城と言って、広大な敷地にある研究施設へ鑑を案内。鑑はこのドアの理論はすでに完成させているが、大和は理論だけで満足して高校教師になった事を残念に思っていた。この後、鑑は施設を見て回り、楽しそうな所員たちに大いに刺激を受ける。鑑は大和から教師を辞めてウチに来ればと改めて誘われるが、生徒たちとの事を思い出して…。

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