ストーリー

1時限目
4月4日(土)
高校教師始めました

 オタクのニート、鑑純一郎は妹の純音から暇があるなら働けとたしなめられ、やりたい事しかできない“YD病”だから働けないと言い訳する。純音はそんな鑑に1枚の書類を突き出し、「明日から教師になりなさい」と言い放つ。書類は鑑の母校、東神鳴高校の非常勤講師の採用通知書だった。純音がダメもとで非常勤に応募したら受かっていたのだ。純音はYDを理由に断ろうとする鑑を強引に説得する。

 翌朝、赴任した鑑は高校の校長から大歓迎を受ける。17歳にして科学雑誌「ネイチャー」「サイエンス」に論文を掲載された鑑を若き天才とベタ褒めした後、校長は世界中の研究所の誘いを断り、1年以上も何をしていたかと質問。鑑はアニメのブログを更新していたと答え、校長は困惑してしまう。その時、屋上からアニメ主題歌のアカペラの歌声が聞こえてきて、鑑は校長の話を遮って屋上へと向かう。

 歌っていたのは生徒の叶美奈子だった。美奈子は歌を褒める鑑に声優になると打ち明ける。すると鑑は声優をなめるなと激怒し、声優になる難しさを延々と説き、逆ギレした美奈子は鑑の顔面にパンチする。この後、鑑は新任の物理教師として3年2組の教室へ。YDが発動する鑑だったが、すぐに授業をするための上手い方法を閃き、自己紹介を兼ねて全員でスマホゲームをプレイすると生徒たちに伝える。

 パーティゲームは人生の縮図。鑑はキャラが反映されるプレイスタイルから、クラスのリーダーは鬼頭ミホ、顔面パンチとあだ名をつけた美奈子は孤立した存在と知る。昼休み、鑑はいじめられている理由を美奈子に訊ねる。美奈子をいじめているのはミホたち3人組だった。鑑がミホたちに反撃しない理由を聞くと、美奈子はヒーローになるからだと打ち明ける。美奈子はいじめを試練と捉えていた。

 夜、鑑はチカン男に襲われそうになった美奈子を助ける。ミホたちが東神鳴高校分校という裏サイトに美奈子は元ヤン、男好きと書き込んだ事が襲われた原因だった。美奈子は数年前までグレていた事を鑑に打ち明ける。その頃に仲良くしていたのがミホたちだった。当時、自暴自棄になっていた美奈子が「辛い事があっても助けてくれるヒーローはいない」とチャットサイトに書き込むと「ヒーローがいなければヒーローになればいい」というレスがあったという。この言葉に救われた美奈子。後にそれはアニメのセリフはわかり、美奈子は声優になれば現実の人を救えるヒーローになれると考えたのだ。

 後日、美奈子はミホにたちにチョーク入りジュースを無理やり飲まされて保健室に運ばれる。美奈子は自分の力だけで乗り越えると鑑に強がるが、1人になると泣き出してしまう。鑑は帰ったフリをして美奈子の泣き声を保健室の外で聞いていた。この後、鑑は美奈子をいじめるミホたちを呼び出して授業を開始。それは美奈子が受けたいじめの辛さをミホたちにわからせるための授業だった。

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